第19章 光の戦車(後編)
セラ
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崩壊している道と道の間にはジャンプ台が設置され、十階のエリアへ無事に辿り着く。十階のエリアは、先に進むのも苦労する突風があちこち吹き抜けていた。これでは前に進んだとしても、突風の勢いに負け下に落下してしまうだろう。結果は、目前と見えている。先に進めても下に落下しない耐性を作らなければならない。道のスペースが余裕を持たせてくれる。突風が吹いている逆の位置からスタートし、突風が吹く逆方向へ弧を描き歩く天使二人。最悪下に落下しても、ナチュレちゃんの加護ですぐに復活出来るだろう。だがそこでダメージを受けていたら、力は底を尽き最終的にヤラレてしまう。そうならない為にも、細心の注意が必要だ。
『(突風に負けてたまるもんですか!って思うけどやっぱりなんかコワイかも……。)』
万が一、落下してしまっても飛行して回避する奥の手もある。とは思うものの、ピット君の手前なかなか実行に移せなさそうだ。取り敢えず、下は決して見ずに流れに歯向かってゆっくり歩いて行った。
何とか突風に耐えて抜けた先。十階から十一階への坂は、またしてもグラインドレールがぐねぐね描いていた。目まぐるしい程の仕掛けの数々。コメントに困る余り、苦笑いを浮かべながら先に進むべく再度歩き始める。九階から十階の坂へ片足を踏み入れた途端、突如ホエーラが顔を出した。何をするでもない、只浮遊しているのみ。
「ハイハイ次、次。」
だなんて思っていたのだが、それは大きな間違いであったと気付く。只浮遊しているのではなくて、ホエーラが口から魔物を排出しないようにピット君が先手を打ち、封じただけであった。だからなのか、勝手に只浮遊しているだけであると勘違いしただけだったのだ。敵を排出する隙を与えない彼も彼だと思わざるを得ない。ホエーラを浄化し終え、坂を登って行く天使二人。以前の道にもあったが、処々崩壊している道にはジャンプ台で補う。
「お次は突風とな?」
「逆風が吹き荒れようとも 僕たちはくじけない!パルテナ様!待っていてくださいッ!!」
『うん!必ずや、あなたの元へ!!』『こう見るとキレイ……。』
「光の戦車も、光のコースを走るそうじゃ。」
「戦車の鍛錬場は 斯様な玩具など比にもならぬ。混同せぬことだ。」
決して、望んでいた訳ではない。絶対そうだと思っていた。ビートルに乗って運転出来るのは十一階のサーキット場のみだ、と。だが、ビートルで勢い良く道から道へジャンプ台で越えれば……十一階から十二階への坂道はうねうねしている光のコースが此見よがしに広がっていた。これには、思わず驚愕の声を上げる。この場では大きく言えないが、見れば見る程マリ●カートなのだ。光のコースを、ビートルが走って行く。なんてシチュエーシュンバッチリなのだろう。光の戦車に乗り込めば、こんな気持ちを常に味わえるのか。けれど、戦車の主が言うように厳しい鍛錬を越えて初めて乗りこなせる代物。ビートルよりも何十倍も上な戦車を短期間で乗りこなせるのだろうか。その問題より先に、光の戦車を強奪しなければ話は進まないが。
「だいぶ高くまで来たような……。」
『近づいている気はするんだけど……。』
「まだまだ序の口じゃ。これではいつまで経っても到達できん。一気に登れる手があればよいのじゃがのう。」『道は険しいね。』
光のコースをビートルで突っ切り、真っ直ぐ登り切る。さすれば、十二階のエリアに漸く辿り着いた。光の戦車ならば、きっと移動時間は一瞬であっただろう。違いはこの差か。不純な動機だけれど、冥府軍が光の戦車を欲しがるのも段々頷ける気がした。絶対、絶対私達が手に入れてやるけどね。
「クリスタルの柱に ダイアモンドのようなものが……。」
「撃っとけば?」
『軽ッ!』
十二階のエリアは、不思議な空間が漂っていた。六角形の柱にダイアモンドの様な装飾が施されているのが窺える。それ以外に目立つ特徴の建築物はない。どうやら、あのクリスタルの柱に秘密があるらしい。柱の中心にあるダイアモンドの様な装飾。ハデスの言葉に従う訳ではないけれど、試しに中心の装飾を神器で破壊すれば、柱がドスンドスン音を立てて下に降りて来た。だが、これで終わりではない。装飾を見つけては回り込んで、破壊。壊しては下に降りて来る仕掛けである。
「よしッ!!」
『次は浄化ね!』
二人で協力し合って、柱を完全に下へ降ろす。これで次の階へ進める手立て……が生まれたかと思われたけれど、そんなにうまい話はなかった。完全に下へ降りた柱を見届けた刹那、次々に冥府軍が襲い掛かって来る。もしかして、このフロアに存在する魔物全浄化で次の扉が開かれるのではないか。
『(突風に負けてたまるもんですか!って思うけどやっぱりなんかコワイかも……。)』
万が一、落下してしまっても飛行して回避する奥の手もある。とは思うものの、ピット君の手前なかなか実行に移せなさそうだ。取り敢えず、下は決して見ずに流れに歯向かってゆっくり歩いて行った。
何とか突風に耐えて抜けた先。十階から十一階への坂は、またしてもグラインドレールがぐねぐね描いていた。目まぐるしい程の仕掛けの数々。コメントに困る余り、苦笑いを浮かべながら先に進むべく再度歩き始める。九階から十階の坂へ片足を踏み入れた途端、突如ホエーラが顔を出した。何をするでもない、只浮遊しているのみ。
「ハイハイ次、次。」
だなんて思っていたのだが、それは大きな間違いであったと気付く。只浮遊しているのではなくて、ホエーラが口から魔物を排出しないようにピット君が先手を打ち、封じただけであった。だからなのか、勝手に只浮遊しているだけであると勘違いしただけだったのだ。敵を排出する隙を与えない彼も彼だと思わざるを得ない。ホエーラを浄化し終え、坂を登って行く天使二人。以前の道にもあったが、処々崩壊している道にはジャンプ台で補う。
「お次は突風とな?」
「逆風が吹き荒れようとも 僕たちはくじけない!パルテナ様!待っていてくださいッ!!」
『うん!必ずや、あなたの元へ!!』『こう見るとキレイ……。』
「光の戦車も、光のコースを走るそうじゃ。」
「戦車の鍛錬場は 斯様な玩具など比にもならぬ。混同せぬことだ。」
決して、望んでいた訳ではない。絶対そうだと思っていた。ビートルに乗って運転出来るのは十一階のサーキット場のみだ、と。だが、ビートルで勢い良く道から道へジャンプ台で越えれば……十一階から十二階への坂道はうねうねしている光のコースが此見よがしに広がっていた。これには、思わず驚愕の声を上げる。この場では大きく言えないが、見れば見る程マリ●カートなのだ。光のコースを、ビートルが走って行く。なんてシチュエーシュンバッチリなのだろう。光の戦車に乗り込めば、こんな気持ちを常に味わえるのか。けれど、戦車の主が言うように厳しい鍛錬を越えて初めて乗りこなせる代物。ビートルよりも何十倍も上な戦車を短期間で乗りこなせるのだろうか。その問題より先に、光の戦車を強奪しなければ話は進まないが。
「だいぶ高くまで来たような……。」
『近づいている気はするんだけど……。』
「まだまだ序の口じゃ。これではいつまで経っても到達できん。一気に登れる手があればよいのじゃがのう。」『道は険しいね。』
光のコースをビートルで突っ切り、真っ直ぐ登り切る。さすれば、十二階のエリアに漸く辿り着いた。光の戦車ならば、きっと移動時間は一瞬であっただろう。違いはこの差か。不純な動機だけれど、冥府軍が光の戦車を欲しがるのも段々頷ける気がした。絶対、絶対私達が手に入れてやるけどね。
「クリスタルの柱に ダイアモンドのようなものが……。」
「撃っとけば?」
『軽ッ!』
十二階のエリアは、不思議な空間が漂っていた。六角形の柱にダイアモンドの様な装飾が施されているのが窺える。それ以外に目立つ特徴の建築物はない。どうやら、あのクリスタルの柱に秘密があるらしい。柱の中心にあるダイアモンドの様な装飾。ハデスの言葉に従う訳ではないけれど、試しに中心の装飾を神器で破壊すれば、柱がドスンドスン音を立てて下に降りて来た。だが、これで終わりではない。装飾を見つけては回り込んで、破壊。壊しては下に降りて来る仕掛けである。
「よしッ!!」
『次は浄化ね!』
二人で協力し合って、柱を完全に下へ降ろす。これで次の階へ進める手立て……が生まれたかと思われたけれど、そんなにうまい話はなかった。完全に下へ降りた柱を見届けた刹那、次々に冥府軍が襲い掛かって来る。もしかして、このフロアに存在する魔物全浄化で次の扉が開かれるのではないか。