第19章 光の戦車(後編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「多数の爆発物が置いてあるのう。」
「踏まなければいいんだろう?!」
八階のエリアは、中心部に爆弾が仕掛けられているのが窺える。触れたら最後、爆発に巻き込まれダメージを受けてしまう。中心部に誘い、爆弾に触れるよう仕向けられるが何とか堪えて飛行する魔物セイレンに向かって行く。言っておくが、地面に設置されている爆弾に浮遊する敵達は掠りもしない。意味がないのだ。
「またしても浮遊敵が横行しとるのう。無意味なことじゃ。」
「無念……。」
『戦車の主って、実はウッカリ?』
「警備としては、ザルだね。ま、一人しか住んでいないところなら その一人が強ければいいのかもね。」
折角設置したというのに、意味を成さずいかにも戦車の主が落胆している模様。凄みを効かせているとは言え、一度ならず二度までもトラップ活用を無に帰すウッカリさ。痛くも痒くもない冥府軍に対し、私達は爆弾に触れない様に今も注意を払い、浄化に勤しんでいる。完全裏目に出ている訳でもない。トラップがうまく行き届いていないだけだ。挙げ句ハデスから“警備はザル”だとか言われてしまうし、戦車の主からしてみたら踏んだり蹴ったりである。羽ばたきを利用して、風攻撃を繰り出すセイレン。爆発物を踏まず、攻撃を加え何とか浄化。戦車の主の思惑も空しく、私達も爆発物に触れず難を逃れた。
塔の八階から九階め。坂にトラップが仕掛けられていると言うよりかは、主に冥府軍が待機している場合が殆どだが今回は、きちんと工夫が施されていた。
『これは、グラインドレール!』
「あー、ラクだ。」
移動の手間が省けて、まさに一石二鳥。グラインドレールが敷かれており、勢い良く飛び移る。余りの先長さからへこたれそうになっていたけれど、グラインドレールのお陰で大分余裕が出来た。この先どうなってしまうか見当も付かないが、戦車の主が待ち構えている塔のてっぺんはまだまだだろう。あっ、またへこたれそう。
グラインドレールは大きくカーブし、移動している。その際、何処からともなく現れた魔物達から不意打ちされてしまう。だが、そんなので簡単にダメージを喰らう私達ではない。……と言いたい所なのだけれど、反射神経を働かせたのだが数秒遅く普通にダメージを受けてしまう。本来ならばレールの速度に身を委ね、キメキメで反撃するのが手だと思うのだけれど、うまくいかず……。攻撃の反動で、私達はそれなりのダメージを受けてしまった。
「転がしてくださいといわんばかりの鉄球があるのう。」
「倒してくださいといわんばかりに冥府軍を並べてみたよ。」
『お、王道ね……。』
ダメージを受けたとしても、進まない訳にはいかない。九階エリアは一体どんな仕掛けがあるのだろう。段々、どんな仕掛けが施されているのか視界に映すのが楽しみになってきた頃、大きな鉄球がぽつんと空しく存在していた。鉄球の前方には半円形の台。転がせる鉄球の反復運動を促す為のもの。見て明らか、すべき行動は一つ。鉄球を前に押し出し、半円形の台へ転がせる行為。子死神達も待ってくれているし、私達の二人どちらかが神器を使ってすべきだろうけれど、どちらが転がせればいいのだろう。なぁんて思いつつ、鉄球周囲を見つめていれば隣のピット君が早々と行動に出た。彼が死神嫌いなのは周知の事実。死神から生まれて来る子死神も出来れば見たくないだろう。それでなのか、なんの相談もなしにピット君は鉄球を転がしボウリングピンと成り果ててしまった子死神達に対して容赦なく浄化していた。いずれかは浄化しなければ前に進めないから、当然なのだろうけれど一点の曇りもないのは本当に潔いと思う。コメントに困る余り、苦笑いを浮かべながら先に進むべく再度歩き始める。九階から十階の坂へ片足を踏み入れた途端、突如ホエーラが顔を出した。何をするでもない、只浮遊しているのみ。
「ハイハイ次、次。」
だなんて思っていたのだが、それは大きな間違いであったと気付く。只浮遊しているのではなくて、ホエーラが口から魔物を排出しないようにピット君が先手を打ち、封じただけであった。だからなのか、勝手に只浮遊しているだけであると勘違いしただけだったのだ。敵を排出する隙を与えない彼も彼だと思わざるを得ない。ホエーラを浄化し終え、坂を登って行く天使二人。以前の道にもあったが、処々崩壊している道にはジャンプ台で補う。
「お次は突風とな?」
「逆風が吹き荒れようとも 僕たちはくじけない!パルテナ様!待っていてくださいッ!!」
『うん!必ずや、あなたの元へ!!』
「踏まなければいいんだろう?!」
八階のエリアは、中心部に爆弾が仕掛けられているのが窺える。触れたら最後、爆発に巻き込まれダメージを受けてしまう。中心部に誘い、爆弾に触れるよう仕向けられるが何とか堪えて飛行する魔物セイレンに向かって行く。言っておくが、地面に設置されている爆弾に浮遊する敵達は掠りもしない。意味がないのだ。
「またしても浮遊敵が横行しとるのう。無意味なことじゃ。」
「無念……。」
『戦車の主って、実はウッカリ?』
「警備としては、ザルだね。ま、一人しか住んでいないところなら その一人が強ければいいのかもね。」
折角設置したというのに、意味を成さずいかにも戦車の主が落胆している模様。凄みを効かせているとは言え、一度ならず二度までもトラップ活用を無に帰すウッカリさ。痛くも痒くもない冥府軍に対し、私達は爆弾に触れない様に今も注意を払い、浄化に勤しんでいる。完全裏目に出ている訳でもない。トラップがうまく行き届いていないだけだ。挙げ句ハデスから“警備はザル”だとか言われてしまうし、戦車の主からしてみたら踏んだり蹴ったりである。羽ばたきを利用して、風攻撃を繰り出すセイレン。爆発物を踏まず、攻撃を加え何とか浄化。戦車の主の思惑も空しく、私達も爆発物に触れず難を逃れた。
塔の八階から九階め。坂にトラップが仕掛けられていると言うよりかは、主に冥府軍が待機している場合が殆どだが今回は、きちんと工夫が施されていた。
『これは、グラインドレール!』
「あー、ラクだ。」
移動の手間が省けて、まさに一石二鳥。グラインドレールが敷かれており、勢い良く飛び移る。余りの先長さからへこたれそうになっていたけれど、グラインドレールのお陰で大分余裕が出来た。この先どうなってしまうか見当も付かないが、戦車の主が待ち構えている塔のてっぺんはまだまだだろう。あっ、またへこたれそう。
グラインドレールは大きくカーブし、移動している。その際、何処からともなく現れた魔物達から不意打ちされてしまう。だが、そんなので簡単にダメージを喰らう私達ではない。……と言いたい所なのだけれど、反射神経を働かせたのだが数秒遅く普通にダメージを受けてしまう。本来ならばレールの速度に身を委ね、キメキメで反撃するのが手だと思うのだけれど、うまくいかず……。攻撃の反動で、私達はそれなりのダメージを受けてしまった。
「転がしてくださいといわんばかりの鉄球があるのう。」
「倒してくださいといわんばかりに冥府軍を並べてみたよ。」
『お、王道ね……。』
ダメージを受けたとしても、進まない訳にはいかない。九階エリアは一体どんな仕掛けがあるのだろう。段々、どんな仕掛けが施されているのか視界に映すのが楽しみになってきた頃、大きな鉄球がぽつんと空しく存在していた。鉄球の前方には半円形の台。転がせる鉄球の反復運動を促す為のもの。見て明らか、すべき行動は一つ。鉄球を前に押し出し、半円形の台へ転がせる行為。子死神達も待ってくれているし、私達の二人どちらかが神器を使ってすべきだろうけれど、どちらが転がせればいいのだろう。なぁんて思いつつ、鉄球周囲を見つめていれば隣のピット君が早々と行動に出た。彼が死神嫌いなのは周知の事実。死神から生まれて来る子死神も出来れば見たくないだろう。それでなのか、なんの相談もなしにピット君は鉄球を転がしボウリングピンと成り果ててしまった子死神達に対して容赦なく浄化していた。いずれかは浄化しなければ前に進めないから、当然なのだろうけれど一点の曇りもないのは本当に潔いと思う。コメントに困る余り、苦笑いを浮かべながら先に進むべく再度歩き始める。九階から十階の坂へ片足を踏み入れた途端、突如ホエーラが顔を出した。何をするでもない、只浮遊しているのみ。
「ハイハイ次、次。」
だなんて思っていたのだが、それは大きな間違いであったと気付く。只浮遊しているのではなくて、ホエーラが口から魔物を排出しないようにピット君が先手を打ち、封じただけであった。だからなのか、勝手に只浮遊しているだけであると勘違いしただけだったのだ。敵を排出する隙を与えない彼も彼だと思わざるを得ない。ホエーラを浄化し終え、坂を登って行く天使二人。以前の道にもあったが、処々崩壊している道にはジャンプ台で補う。
「お次は突風とな?」
「逆風が吹き荒れようとも 僕たちはくじけない!パルテナ様!待っていてくださいッ!!」
『うん!必ずや、あなたの元へ!!』