第19章 光の戦車(後編)
セラ
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これ以上戦車の主を刺激させたくはないし、可能ならば穏便に済ませたかったが怒りのボルテージを上昇させる結果となってしまった。思わず深い溜息をついて、呆れてしまう。台に揺られていたが、床に辿り着くと直ぐ様設置されているスイッチを神器でぶっ叩くピット君。さすれば、そのスイッチが起爆装置であったのか忽ちガニュメデは浄化されて行った。敢えて、この場を以て言わせてもらうけれど三年前と比較してましになったが相も変わらずガニュメデはどうも苦手である。正直、視界に入れたくはない。なのに結構派遣されていて、非常に嫌気が指す。ピット君は、私が苦手としているのを知っているから率先して浄化してくれている。こちらとしては、大助かりだ。ガニュメデよりモノアイの方が幾分可愛く見えてくるものだから不思議である。ガニュメデの浄化は、全面的にピット君へ任せるとして私は他の魔物を浄化しよう。うん、そうしよう。
三階エリアを無事通過し、三階から四階へ続く坂を登っている。今度は一体どんなエリアなのだろう。
「ダメージ床が交互に働いておる。……浮遊しておる冥府軍には関係ないようじゃがな。」
「盲点であった。不覚。」
『意外におちゃめなのね、戦車の主。』
「戦車の主って、仕掛け好きなのかなぁ……。」
四階に入ったエリアは、床が電流を走らせているトラップ。色で識別する他見極める方法はない。それでいて、冥府軍に対しては私達が神器を駆使してダメージを与えるしかないようだ。侵入者を撃退させるのが目的なのは充分分かっているが、何処か楽しんでいるのも窺える。若干落ち度があったけれど、天使二人は足を踏み入れるのを間違えばダメージを受けるし尚且つビリビリ痺れてしまうおまけ付きだ。これではいつ、どのタイミングで攻撃を仕掛けるか私達の腕に掛かっている。
『いたッ!』
「セラちゃん!大丈夫?!」
「うん、なんとか……。」
気をつけていたつもりであったが、ウッカリ電流を走らせている床に足を踏み入れてしまう。お陰でダメージを受けてしまうし、少々痺れてしまうのは免れなかった。即座に回避して難を逃れたけれど、目にも止まらぬ速さでセイレン率いる魔物等を全浄化してしまうピット君。かと思えば即効こちらに駆けて来て安否を問われてしまう。静電気が引き起こった際に伴う痛みが生じただけなのだけれど今更“たいしたケガはない”とも言えず、笑ってごまかす私。
「セラ!今すぐわらわの奇跡で回復させてやろうぞ!」
「セラちゃんのためなら、おじさんなんだってしちゃうよ〜!」
『えっどうしたの、ふたりとも。』
笑ってその場をやり過ごそうとしている傍ら、皆大袈裟に回復させてくれたり道を切り開いてくれたりしてくれた。何が引き起こったのか、分からずきょとんとするのみ。いつの間にか痺れは取れ、正常状態に戻ったがナチュレちゃんとは今共闘しているから頷けるけれど、ハデスに至っては敵対しているのに優遇してくれている。こういう時ばかり息ピッタリの二人に何も言えなかった。
「電流が強すぎたか。」
『そういうの、もういいから!!』
四階から五階へ続く坂を登り、五階のエリアに辿り着く。エリア内に一歩足を踏み入れれば、異様な光景が視界に飛び込んできた。四本の柱が天井迄伸びており、柱の上にはいつもの如く魔物が悠々に揺れている。柱の上に居たのでは正体が掴めないかと思いきや、遠巻きから見るとザンザがゆらゆら揺れながら時に攻撃を仕掛けて来た。
「冥府軍が柱の上まで陣取っておるのう。」
「ならば落とす!柱を切り崩して、落とす!!」
『やってやるわよー!!』
目から弾を発射して来るのをうまく躱し、柱下の脆くなっている部分を只管ボコボコに叩く。柱は意外にも頑丈に造られていていなかったらしく、簡単に床へ下がる。ザンザへ反撃出来る距離に狭まった。接近出来るのだと分かれば、やることは一つ。目の前に立ちはだかるザンザへ打撃を目一杯喰らわし、浄化へ繋げた。まだまだ先は長そうだが、ペースは順調である。
順調なペースを持続させるべく、五階から六階の坂を登って行く。六階のエリアはどんな仕掛けが施されているのだろう。出来るならば、トラップなんて設置されていない具合が丁度良いのだが、敵陣に侵入している手前楽は出来そうにない。とその前に坂の端にジャンプ台が施されており、道が途中で途切れていた。このままでは前に進めない。誰もが見て分かるが、ジャンプ台を使って坂を超えろと言いたいのだろう。
「あ、ジャンプ台がついておるのう。」
「こ、この塔登りがいがありすぎる……。」
『ほんとう。まだ半分も登れてないよ。』
「まだまだ先は長いよ?ホラ、がんばりなよ。」
『もうッ!他人事なんだから!』
欠けた道程をジャンプ台で補う。調節されていたみたいで、きちんと向こう側の道端に到着する。これで仕舞かとも思われたが、数メートル先もぽつんとジャンプ台が設置されており、またしても見事に道は途切れていた。向かって来る魔物を浄化しつつ、跳躍力を大いに活用しては六階エリアに漸く足を踏み入れた。
三階エリアを無事通過し、三階から四階へ続く坂を登っている。今度は一体どんなエリアなのだろう。
「ダメージ床が交互に働いておる。……浮遊しておる冥府軍には関係ないようじゃがな。」
「盲点であった。不覚。」
『意外におちゃめなのね、戦車の主。』
「戦車の主って、仕掛け好きなのかなぁ……。」
四階に入ったエリアは、床が電流を走らせているトラップ。色で識別する他見極める方法はない。それでいて、冥府軍に対しては私達が神器を駆使してダメージを与えるしかないようだ。侵入者を撃退させるのが目的なのは充分分かっているが、何処か楽しんでいるのも窺える。若干落ち度があったけれど、天使二人は足を踏み入れるのを間違えばダメージを受けるし尚且つビリビリ痺れてしまうおまけ付きだ。これではいつ、どのタイミングで攻撃を仕掛けるか私達の腕に掛かっている。
『いたッ!』
「セラちゃん!大丈夫?!」
「うん、なんとか……。」
気をつけていたつもりであったが、ウッカリ電流を走らせている床に足を踏み入れてしまう。お陰でダメージを受けてしまうし、少々痺れてしまうのは免れなかった。即座に回避して難を逃れたけれど、目にも止まらぬ速さでセイレン率いる魔物等を全浄化してしまうピット君。かと思えば即効こちらに駆けて来て安否を問われてしまう。静電気が引き起こった際に伴う痛みが生じただけなのだけれど今更“たいしたケガはない”とも言えず、笑ってごまかす私。
「セラ!今すぐわらわの奇跡で回復させてやろうぞ!」
「セラちゃんのためなら、おじさんなんだってしちゃうよ〜!」
『えっどうしたの、ふたりとも。』
笑ってその場をやり過ごそうとしている傍ら、皆大袈裟に回復させてくれたり道を切り開いてくれたりしてくれた。何が引き起こったのか、分からずきょとんとするのみ。いつの間にか痺れは取れ、正常状態に戻ったがナチュレちゃんとは今共闘しているから頷けるけれど、ハデスに至っては敵対しているのに優遇してくれている。こういう時ばかり息ピッタリの二人に何も言えなかった。
「電流が強すぎたか。」
『そういうの、もういいから!!』
四階から五階へ続く坂を登り、五階のエリアに辿り着く。エリア内に一歩足を踏み入れれば、異様な光景が視界に飛び込んできた。四本の柱が天井迄伸びており、柱の上にはいつもの如く魔物が悠々に揺れている。柱の上に居たのでは正体が掴めないかと思いきや、遠巻きから見るとザンザがゆらゆら揺れながら時に攻撃を仕掛けて来た。
「冥府軍が柱の上まで陣取っておるのう。」
「ならば落とす!柱を切り崩して、落とす!!」
『やってやるわよー!!』
目から弾を発射して来るのをうまく躱し、柱下の脆くなっている部分を只管ボコボコに叩く。柱は意外にも頑丈に造られていていなかったらしく、簡単に床へ下がる。ザンザへ反撃出来る距離に狭まった。接近出来るのだと分かれば、やることは一つ。目の前に立ちはだかるザンザへ打撃を目一杯喰らわし、浄化へ繋げた。まだまだ先は長そうだが、ペースは順調である。
順調なペースを持続させるべく、五階から六階の坂を登って行く。六階のエリアはどんな仕掛けが施されているのだろう。出来るならば、トラップなんて設置されていない具合が丁度良いのだが、敵陣に侵入している手前楽は出来そうにない。とその前に坂の端にジャンプ台が施されており、道が途中で途切れていた。このままでは前に進めない。誰もが見て分かるが、ジャンプ台を使って坂を超えろと言いたいのだろう。
「あ、ジャンプ台がついておるのう。」
「こ、この塔登りがいがありすぎる……。」
『ほんとう。まだ半分も登れてないよ。』
「まだまだ先は長いよ?ホラ、がんばりなよ。」
『もうッ!他人事なんだから!』
欠けた道程をジャンプ台で補う。調節されていたみたいで、きちんと向こう側の道端に到着する。これで仕舞かとも思われたが、数メートル先もぽつんとジャンプ台が設置されており、またしても見事に道は途切れていた。向かって来る魔物を浄化しつつ、跳躍力を大いに活用しては六階エリアに漸く足を踏み入れた。