第19章 光の戦車(前編)
セラ
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「し、死ぬかと思った……。」
「おうおう。無事でなによりじゃのう。」
『スリル感満載すぎ……。』
命の危険は感じたものの、天使二人は変わらず飛行出来ている。銀河の中、曲線を描いている道……川……を見つめ、その光景に思わずウットリしてしまう。
「このくねり道のようなものはなんだ?」
「銀河の粒子が模様をなしておるのじゃ。美しいのう。」
『ほんとう、きれい……。なんかロマンチック。』
ピット君が冷静に曲線を描いている道について、質疑しているのが耳に届く。天の川に見えなくもない曲線は模様。その模様は、どこ迄も続いている。冷静に質疑している彼は、完全にムードとは無縁と言わんばかりに感嘆の声すら上げない。目の前に美しい光景が広がっているのに気にも留めずにいる。ここで溜息をついてしまったが、どうか許してほしい。曲線を描いている模様を辿って飛行する天使二人。この曲線の先に、光の戦車が存在するのだろうか。その可能性は大いに有り得る。兎にも角にもこの曲線を辿って進めば自ずと答えは導き出されるだろう。銀河の中を飛行するのも、なかなか悪くない。
「妙じゃな……。冥府軍が多すぎる。」
「まさか、冥府軍も光の戦車を狙っているとか?」
『それはあるよね。』
「……む!戦車が来るぞ!後方じゃ!!」
「うおっ!!」
『速い!!』
「見失うでない!!本拠地に帰るところであろう。追跡するのじゃ!!」
曲線を描く銀河の道を縫って、飛行する。何故か、私達の行く手を阻もうとメーザリオとモノリスが交互に迫って来た。しかも、メーザリオはレーザーを放ちこちらのダメージ蓄積を狙っている。確実に妨害工作だ。これもまた、ハデスの指示だろう。だが、何故私達を妨害するのだろうか。冥府軍の思惑が分からないままでいれば、ナチュレちゃんが突如として叫んだ。と思えば、物凄いスピードで何かが通過。速度が速すぎて天使の両眼ですらその姿を捉えられなかった。話では、今から本拠地に帰るらしい。これを逃せば、パルテナ様を救えず八方塞がりになってしまう。何が何でも追跡し、根城を突き止めなければならない。“飛翔の奇跡”に寄り、光の戦車に付いて行く為奮闘。飛行スピードは徐々に速度を上げて行く。見失わずにいるギリギリのスピードを保ち、光の戦車に付いて行く。さすれば、辺り一面光に包まれ景色が変化した。どうやら何処かの空間に入り込んでしまったらしい。
「戦車が生み出す光のトンネルだね?」
『うっ……この声は……』
「ハデス!」
「現れおったの。」
「パルテナちゃんとこの天使たちをナチュレちゃんが囲っているのか?こりゃケッサクだ!」
「うるさいッ!」
『あなたは黙ってて!』
聞き覚えのある声が説明してくれたかと思えば、声の主は何とハデス。相も変わらず、冥府の魔物等は妨害工作を張り巡らせる。そう迄して、光の戦車を手中に治めてほしくはないのか。はたまた別の思惑があるのか。正直余りハデスには関わりたくはない。こちらの心境を無視するかの様に皮肉を言ってくるし、不愉快以外の何ものでもないのだ。飄飄としていて、妙に腹が立つ。久し振りであっても、再会を喜べる相手ではない。
「そなたの目的はなんじゃ?」
「光の戦車に決まってるっしょ。」
「聞くまでもなかったかの。」
猛スピードで飛行しているからか、あっという間に出口が窺え瞬く間に通過。景色は、元の闇夜に戻る。徐々に光の戦車へと距離を狭めているが、なかなか辿り着けない。一応ナチュレちゃんとハデスの会話を聞いていたが、彼の目的はやはりこちらと同じ光の戦車であったのだ。予想はしていたが、そう易々と譲渡出来る話でもない。言わば私達と光の戦車を奪い合うつもりでいるのだ。最悪な展開に発展しそうなのは、もう目に見えている。
「いやー、あのクルマ相当イカスよ?あの輝く車輪でドライブに行ったらもうモテモテよ。セラちゃんもメロメロ、おじさんの虜よ。」
『はぁ?』
「そんなつまらぬことが目的ではなかろう。」
「ホントよ?ホントホント。」
「つまり、ジャマするつもりかッ!」
「へッ、悪く思わないでちょうだいよん。」
「そうはいくかッ!」
「おうおう。無事でなによりじゃのう。」
『スリル感満載すぎ……。』
命の危険は感じたものの、天使二人は変わらず飛行出来ている。銀河の中、曲線を描いている道……川……を見つめ、その光景に思わずウットリしてしまう。
「このくねり道のようなものはなんだ?」
「銀河の粒子が模様をなしておるのじゃ。美しいのう。」
『ほんとう、きれい……。なんかロマンチック。』
ピット君が冷静に曲線を描いている道について、質疑しているのが耳に届く。天の川に見えなくもない曲線は模様。その模様は、どこ迄も続いている。冷静に質疑している彼は、完全にムードとは無縁と言わんばかりに感嘆の声すら上げない。目の前に美しい光景が広がっているのに気にも留めずにいる。ここで溜息をついてしまったが、どうか許してほしい。曲線を描いている模様を辿って飛行する天使二人。この曲線の先に、光の戦車が存在するのだろうか。その可能性は大いに有り得る。兎にも角にもこの曲線を辿って進めば自ずと答えは導き出されるだろう。銀河の中を飛行するのも、なかなか悪くない。
「妙じゃな……。冥府軍が多すぎる。」
「まさか、冥府軍も光の戦車を狙っているとか?」
『それはあるよね。』
「……む!戦車が来るぞ!後方じゃ!!」
「うおっ!!」
『速い!!』
「見失うでない!!本拠地に帰るところであろう。追跡するのじゃ!!」
曲線を描く銀河の道を縫って、飛行する。何故か、私達の行く手を阻もうとメーザリオとモノリスが交互に迫って来た。しかも、メーザリオはレーザーを放ちこちらのダメージ蓄積を狙っている。確実に妨害工作だ。これもまた、ハデスの指示だろう。だが、何故私達を妨害するのだろうか。冥府軍の思惑が分からないままでいれば、ナチュレちゃんが突如として叫んだ。と思えば、物凄いスピードで何かが通過。速度が速すぎて天使の両眼ですらその姿を捉えられなかった。話では、今から本拠地に帰るらしい。これを逃せば、パルテナ様を救えず八方塞がりになってしまう。何が何でも追跡し、根城を突き止めなければならない。“飛翔の奇跡”に寄り、光の戦車に付いて行く為奮闘。飛行スピードは徐々に速度を上げて行く。見失わずにいるギリギリのスピードを保ち、光の戦車に付いて行く。さすれば、辺り一面光に包まれ景色が変化した。どうやら何処かの空間に入り込んでしまったらしい。
「戦車が生み出す光のトンネルだね?」
『うっ……この声は……』
「ハデス!」
「現れおったの。」
「パルテナちゃんとこの天使たちをナチュレちゃんが囲っているのか?こりゃケッサクだ!」
「うるさいッ!」
『あなたは黙ってて!』
聞き覚えのある声が説明してくれたかと思えば、声の主は何とハデス。相も変わらず、冥府の魔物等は妨害工作を張り巡らせる。そう迄して、光の戦車を手中に治めてほしくはないのか。はたまた別の思惑があるのか。正直余りハデスには関わりたくはない。こちらの心境を無視するかの様に皮肉を言ってくるし、不愉快以外の何ものでもないのだ。飄飄としていて、妙に腹が立つ。久し振りであっても、再会を喜べる相手ではない。
「そなたの目的はなんじゃ?」
「光の戦車に決まってるっしょ。」
「聞くまでもなかったかの。」
猛スピードで飛行しているからか、あっという間に出口が窺え瞬く間に通過。景色は、元の闇夜に戻る。徐々に光の戦車へと距離を狭めているが、なかなか辿り着けない。一応ナチュレちゃんとハデスの会話を聞いていたが、彼の目的はやはりこちらと同じ光の戦車であったのだ。予想はしていたが、そう易々と譲渡出来る話でもない。言わば私達と光の戦車を奪い合うつもりでいるのだ。最悪な展開に発展しそうなのは、もう目に見えている。
「いやー、あのクルマ相当イカスよ?あの輝く車輪でドライブに行ったらもうモテモテよ。セラちゃんもメロメロ、おじさんの虜よ。」
『はぁ?』
「そんなつまらぬことが目的ではなかろう。」
「ホントよ?ホントホント。」
「つまり、ジャマするつもりかッ!」
「へッ、悪く思わないでちょうだいよん。」
「そうはいくかッ!」