第18章 三年の歳月(後編)
セラ
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食堂へ向かっていたのは、ピット君だった。何を心配したのかは知らないが、勢いに任せナチュレちゃんへ捲し立てている。だが、状況を視界に映し彼は恍けた声を上げた。それはそうだろう。なんて言ったって、当の本人は一切衣服を脱いで等いないのだから。ナチュレちゃんは寂しさに見舞われる私を見兼ねて、強制的に食堂へ来るよう仕向けたのだ。見事、作戦は成功した。それを証拠に、彼女は満悦な表情を浮かべている。ナチュレちゃんのお陰で、ピット君は食堂へ来てくれたがどうも納得いかない。もう少しマシな作戦はなかったのか、それと……こんな虚偽に対して簡単に騙される彼も彼だ。こちらにとって結果オーライでも羞恥の気持ちは晴れなくて、わなわな肩を震わせる。
「あ、あの……セラちゃん?これにはワケが……」
『ピット君の……バァァァァカァァァァ!!!!』
バチーーン!!
神殿内に何かを叩く音が響き渡った。言わずもがな、怒りの矛先をピット君の左頬に集中させビンタを喰らわせたのだ。しどろもどろに弁明する彼であったが、一切聞く耳を持たず皿にお肉たっぷりのシチューを次々に盛り付け早々に着席する。ピット君も、紅葉跡がくっきりついてしまった左頬を摩りながら、泣く泣く着席していた。皆でご飯を食べるのは嬉しいけれど、複雑な感情が入り混じってしまったのだ。
『みんな、準備できた?せーの。』
ーいただきまーす!!
今日もご飯を食べれる事実に感謝の意を込めて、手を組んだ。皆で食卓を取り囲める喜びを噛みしめ、目の前にあるお肉たっぷりのシチューにありついたのだった。
『ピット君、食べ終わったら食器の片づけとお風呂掃除!』
「えぇぇぇっ?!ゼンブ僕がやるの?!」
『お・ね・が・い・ね。』
「……ハイ。」
『(ソイヤッサ、ポックリたちにもピット君のおてつだいをしてもらいたいの。いいかな?)』
「……。」
『ありがとう。みんなに伝言してくれる?』
先程の怒りはまだまだ治まってはくれず、しぶとく私に付き纏う。これはもう、ピット君に色々手伝ってもらうしかない。勝手な迄に、彼に後片付けとお風呂掃除をしてもらおうと思う。自分の意向を美味しそうにシチューを食べているピット君に伝えるのだが、あからさまに嫌そうな顔。いつもだったら妥協する私だが、今回はそうもいかない。言わば、罰ゲーム。お仕置きだ。自身の圧に耐えられなかったピット君は、二つ返事で承諾。けれど、食器の後片付けに風呂掃除。一人でするには、骨が折れるだろう。ナチュレちゃんには悪いが、皆に手伝ってもらうとしよう。あとあと、私もお手伝いをしよう。そうすれば、早く終わるだろうから。
「(セラを怒らせてはダメじゃな。教訓っと。)」
ピット君の悄げる姿を間近で見つめ、肝に命じたナチュレちゃんなのであった。そうとは知らず、みんなで丹精込めて作ったシチューを美味しそうに頬張る私がちゃっかり存在した。みんなで食べるご飯はやっぱりおいしいね。
ーおかわり!
(End)
「あ、あの……セラちゃん?これにはワケが……」
『ピット君の……バァァァァカァァァァ!!!!』
バチーーン!!
神殿内に何かを叩く音が響き渡った。言わずもがな、怒りの矛先をピット君の左頬に集中させビンタを喰らわせたのだ。しどろもどろに弁明する彼であったが、一切聞く耳を持たず皿にお肉たっぷりのシチューを次々に盛り付け早々に着席する。ピット君も、紅葉跡がくっきりついてしまった左頬を摩りながら、泣く泣く着席していた。皆でご飯を食べるのは嬉しいけれど、複雑な感情が入り混じってしまったのだ。
『みんな、準備できた?せーの。』
ーいただきまーす!!
今日もご飯を食べれる事実に感謝の意を込めて、手を組んだ。皆で食卓を取り囲める喜びを噛みしめ、目の前にあるお肉たっぷりのシチューにありついたのだった。
『ピット君、食べ終わったら食器の片づけとお風呂掃除!』
「えぇぇぇっ?!ゼンブ僕がやるの?!」
『お・ね・が・い・ね。』
「……ハイ。」
『(ソイヤッサ、ポックリたちにもピット君のおてつだいをしてもらいたいの。いいかな?)』
「……。」
『ありがとう。みんなに伝言してくれる?』
先程の怒りはまだまだ治まってはくれず、しぶとく私に付き纏う。これはもう、ピット君に色々手伝ってもらうしかない。勝手な迄に、彼に後片付けとお風呂掃除をしてもらおうと思う。自分の意向を美味しそうにシチューを食べているピット君に伝えるのだが、あからさまに嫌そうな顔。いつもだったら妥協する私だが、今回はそうもいかない。言わば、罰ゲーム。お仕置きだ。自身の圧に耐えられなかったピット君は、二つ返事で承諾。けれど、食器の後片付けに風呂掃除。一人でするには、骨が折れるだろう。ナチュレちゃんには悪いが、皆に手伝ってもらうとしよう。あとあと、私もお手伝いをしよう。そうすれば、早く終わるだろうから。
「(セラを怒らせてはダメじゃな。教訓っと。)」
ピット君の悄げる姿を間近で見つめ、肝に命じたナチュレちゃんなのであった。そうとは知らず、みんなで丹精込めて作ったシチューを美味しそうに頬張る私がちゃっかり存在した。みんなで食べるご飯はやっぱりおいしいね。
ーおかわり!
(End)
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