第18章 三年の歳月(前編)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「待って!待って!なにが起こったのか教えてくれ!!」
どうしても引き止めたくて、犬のままマグナの頭に乗っかり指輪を彼に見せつける。彼から情報を引き出したくて必死だ。
「取って!頼むから取って!ね!!」
指輪を彼の視界にちらつかせてみるが、マグナは不服そうにしている。だが、そんなのお構いなしだ。頼みの綱はマグナしかいない。どうしても指輪を手に取り、はめて身に着けてもらうしかなかった。
「そうだ!指輪を指にはめるんだ!」
漸く指輪を手に取ってもらったが、怪訝そうな顔をし凝視している。
「はめて!!」
指輪をはめてくれるかと思いきや、そういうタイプではないと分かっていたが指輪を凝視した後あっさり背後に放り投げられてしまう。
「ああーーッ!!」
そのまま先へ進もうと歩き始めるマグナ。投げられてしまうが、何度も何度も声を大にして呼び掛け続けた。
「待て!待て!マグナ!!取ったらめちゃくちゃいいことがあるから!!すんごく高く売れるし!ちょっとよだれだらけだけど!」
もう後には引けない状態だったのだ。ここでマグナに先へ行かれてしまえば、僕は一生指輪のままだろう。それは何としてでも避けたい、全力で。何をしてもマグナには、指輪を指にはめてもらうしかなかったのだ。
「お願い待って!待ってぇぇぇぇ!!」
悲痛な叫びだ。今世紀最大の叫びである。諦めてしまえば、この状況は永遠に変わらない。それでは、セラちゃんにも絶対会えない。だが、ここで転機が訪れる。先に進むべく歩行を進めていたマグナが引き返してきたのだ。と思えば、放り投げた指輪を左手の中指にはめてくれた。
「た、助かった!!」
「ん……指輪が呼んでると思ったら。おまえ、天使か。」
マグナが指輪をはめてくれ、僕は晴れて自由に動ける身となった。条件反射で得意のガッツポーズ。マグナの問いに対して首をうんうん頷き、返事を返す僕。
「あれ?会話が出来る?!」
「俺のカラダを乗っ取っておいて なに言ってやがる!!」
「大丈夫!悪くしないから。なるべく無傷で返すから。」
「ホントだろうな?」
「だけど、ホントに助かった……。どうもありがとう。」
噴水広場を抜け、一本道を通る。少女や犬がコントロールの技法を高めてくれたのか、マグナの身体はすんなり動かせる。イカロスがこちらに奇襲を掛けてきても何のその。マグナが所持する打撃の高い剣で迎え撃つ。マグナで戦闘するのも、不思議な感覚だ。イカロスの背後を取り、どでかい剣で薙ぎ払う。間合いを詰める際は、蹴り技を繰り出しながら一気に叩く。身体が筋肉モリモリな分、力技で敢行出来る。それでいて、マグナと会話が出来るらしい。恐らく、マグナの身体に僕とマグナの意志が備わっているせいだろう。僕にとっては都合が良い。これで色々、話が聞けるだろう。取り敢えず一安心。
「おまえ、ホンモノのピットだよな?」
「聞きたいことがいっぱいあるんだ!どこから話していいのか……。」
「じゃぁこっちから話してやろう。おまえ、人類の敵になってるぜ。」
「そんな!」
「やっぱり知らねぇのか。」
歩みを止めず、話に耳を傾けながら円形の建造物の中へ入り込む。行き止まりかと思われたが、次の場へ進める扉が前方にて待ち構えている。まるで、手招きされているかのよう。一刻も早く、攻撃を仕掛けていた僕を探さなければ。先に進もうと足を一歩踏み出したは良いものの、お約束の展開が用意されていた。言わずもがな、行かせまいと行く手を阻むイカロス達。マグナの身体では、イカロス達の思いも聞き取れない。倒すしかないか。前を見据えて、イカロス達へ剣を構え向かって行く。立ち止まっている暇なんてないんだ。
「冥府軍と自然軍が戦う中パルテナ軍が姿を消した。それが三年前のことだ。」
「三年?!三年って、約1000日?!」
「そりゃぁそれでもいいんだけどな。なるようにしかなんねぇから。が、ある時から、パルテナ軍が地上を攻めてきた。突然だ。人間にとっては慈悲深い神さんだったハズだぜ。」
マグナから衝撃的内容を聞く。それでも戦闘は尚繰り広げられている。イカロスマッチョからのパワーボムが厄介だ。あの技を受けてしまえば、幾らタフなマグナとて結構なダメージを受けてしまうだろう。突進して来た所をすかさず捕まえ、地面に叩きつける技だ。突進して来るイカロスマッチョに打撃を加え、難を逃れる。瞬時に打撃を連続で繰り出せば、イカロスマッチョは力無く倒れた。耐久力が然程ないのは、今迄と変わらないらしい。
「なぁ、女神パルテナは乱心したのか?なにが起こったんだ?それに……一緒にいたセラはどうした?」
「僕にもわからない……。僕が指輪になったわけも。セラちゃんがどこにいるのかも。だけど、なんとかしなきゃ。パルテナ様のことだ。きっとなにか考えがあるハズだ!」
どうしても引き止めたくて、犬のままマグナの頭に乗っかり指輪を彼に見せつける。彼から情報を引き出したくて必死だ。
「取って!頼むから取って!ね!!」
指輪を彼の視界にちらつかせてみるが、マグナは不服そうにしている。だが、そんなのお構いなしだ。頼みの綱はマグナしかいない。どうしても指輪を手に取り、はめて身に着けてもらうしかなかった。
「そうだ!指輪を指にはめるんだ!」
漸く指輪を手に取ってもらったが、怪訝そうな顔をし凝視している。
「はめて!!」
指輪をはめてくれるかと思いきや、そういうタイプではないと分かっていたが指輪を凝視した後あっさり背後に放り投げられてしまう。
「ああーーッ!!」
そのまま先へ進もうと歩き始めるマグナ。投げられてしまうが、何度も何度も声を大にして呼び掛け続けた。
「待て!待て!マグナ!!取ったらめちゃくちゃいいことがあるから!!すんごく高く売れるし!ちょっとよだれだらけだけど!」
もう後には引けない状態だったのだ。ここでマグナに先へ行かれてしまえば、僕は一生指輪のままだろう。それは何としてでも避けたい、全力で。何をしてもマグナには、指輪を指にはめてもらうしかなかったのだ。
「お願い待って!待ってぇぇぇぇ!!」
悲痛な叫びだ。今世紀最大の叫びである。諦めてしまえば、この状況は永遠に変わらない。それでは、セラちゃんにも絶対会えない。だが、ここで転機が訪れる。先に進むべく歩行を進めていたマグナが引き返してきたのだ。と思えば、放り投げた指輪を左手の中指にはめてくれた。
「た、助かった!!」
「ん……指輪が呼んでると思ったら。おまえ、天使か。」
マグナが指輪をはめてくれ、僕は晴れて自由に動ける身となった。条件反射で得意のガッツポーズ。マグナの問いに対して首をうんうん頷き、返事を返す僕。
「あれ?会話が出来る?!」
「俺のカラダを乗っ取っておいて なに言ってやがる!!」
「大丈夫!悪くしないから。なるべく無傷で返すから。」
「ホントだろうな?」
「だけど、ホントに助かった……。どうもありがとう。」
噴水広場を抜け、一本道を通る。少女や犬がコントロールの技法を高めてくれたのか、マグナの身体はすんなり動かせる。イカロスがこちらに奇襲を掛けてきても何のその。マグナが所持する打撃の高い剣で迎え撃つ。マグナで戦闘するのも、不思議な感覚だ。イカロスの背後を取り、どでかい剣で薙ぎ払う。間合いを詰める際は、蹴り技を繰り出しながら一気に叩く。身体が筋肉モリモリな分、力技で敢行出来る。それでいて、マグナと会話が出来るらしい。恐らく、マグナの身体に僕とマグナの意志が備わっているせいだろう。僕にとっては都合が良い。これで色々、話が聞けるだろう。取り敢えず一安心。
「おまえ、ホンモノのピットだよな?」
「聞きたいことがいっぱいあるんだ!どこから話していいのか……。」
「じゃぁこっちから話してやろう。おまえ、人類の敵になってるぜ。」
「そんな!」
「やっぱり知らねぇのか。」
歩みを止めず、話に耳を傾けながら円形の建造物の中へ入り込む。行き止まりかと思われたが、次の場へ進める扉が前方にて待ち構えている。まるで、手招きされているかのよう。一刻も早く、攻撃を仕掛けていた僕を探さなければ。先に進もうと足を一歩踏み出したは良いものの、お約束の展開が用意されていた。言わずもがな、行かせまいと行く手を阻むイカロス達。マグナの身体では、イカロス達の思いも聞き取れない。倒すしかないか。前を見据えて、イカロス達へ剣を構え向かって行く。立ち止まっている暇なんてないんだ。
「冥府軍と自然軍が戦う中パルテナ軍が姿を消した。それが三年前のことだ。」
「三年?!三年って、約1000日?!」
「そりゃぁそれでもいいんだけどな。なるようにしかなんねぇから。が、ある時から、パルテナ軍が地上を攻めてきた。突然だ。人間にとっては慈悲深い神さんだったハズだぜ。」
マグナから衝撃的内容を聞く。それでも戦闘は尚繰り広げられている。イカロスマッチョからのパワーボムが厄介だ。あの技を受けてしまえば、幾らタフなマグナとて結構なダメージを受けてしまうだろう。突進して来た所をすかさず捕まえ、地面に叩きつける技だ。突進して来るイカロスマッチョに打撃を加え、難を逃れる。瞬時に打撃を連続で繰り出せば、イカロスマッチョは力無く倒れた。耐久力が然程ないのは、今迄と変わらないらしい。
「なぁ、女神パルテナは乱心したのか?なにが起こったんだ?それに……一緒にいたセラはどうした?」
「僕にもわからない……。僕が指輪になったわけも。セラちゃんがどこにいるのかも。だけど、なんとかしなきゃ。パルテナ様のことだ。きっとなにか考えがあるハズだ!」