第18章 三年の歳月(前編)
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私は彼女の慈悲深さを心から尊敬していたのに。それは、ピット君も同じだ。未だに、作られてしまった原因には何か理由があるって考えているらしい。その意見には同感だ。
『さんにんでピット君のカラダを取り戻そう!エイ・エイ・オー!!』
「オー!!」
「マッタク……つきあってらんねぇぜ。」
『マグナさん、ノリが悪いよ!』
折角気合いを入れ直していたのに、マグナさんはノリが悪い。呆れた様子でいるみたいだ。ピット君が動かしているマグナさんは、俄然やる気に満ち溢れているのが見て取れる。端から見たら、何だかややこしい。一つの肉体に二つの精神って混乱したりしないのか。なぁんて疑問が通過するが、考えてみたらピット君の精神が宿っている指輪をマグナさんが身に着けているから拒絶反応が引き起こったりはしないのか。『便利なのね。』とまじまじ見つめていたらマグナさんが、指先でポリポリ頬を掻いていた。そうでした、中身はピット君が動かしているんでした。マグナさんの肉体で、中身はピット君。ピット君がしそうな仕草をマグナさんがしていると途端に違和感が生まれるのは何故だろう。引き攣った笑みを浮かべていたら「なに見てんだ。」じと……っとした目つきで不審がられてしまった。ピット君マグナさんと無事再会出来た私は、二人の事情を聞き出し合流。実際は二人だが、三人で歩みを進めている。円形フィールドを抜け、真っ直ぐ道を進んで只歩く。少々大きい広間に出ると、一斉に取り囲まれ多方面からイカロス達に襲撃されてしまうのだがマグナさんへの集中攻撃が目立つ。おまけに、電流がフィールドの外側に流れている仕組みだ。私は神器を駆使して戦わずに済んでしまうが、電流フィールドに触れてしまわないか気を遣っている。色んな意味で、なかなかない展開だ。
「ホント、セラって恵まれてるよなぁ。」
「セラちゃんだからね!イカロスからの人望がアツいんだよ。」
「実は敵でした、なんてないよなぁ。」
「セラちゃんに限って、そんな!」
『ふたりとも、聞こえてるんだけど。』
だが、イカロス等を無闇に傷つけたくはないから攻撃を仕掛けられず正直ホッとしている。攻撃を加えられた日にはきっと、反撃・浄化をしなければならなかった。その代わり、マグナさんがメッタメッタに倒しているけれど。自身の手で危害を加えていないのだから、まだましであろう。と言うか、二人が私に隠れてコソコソ何やら話しているのが残念ながら聞こえてしまった。何故聞こえているのか二人に問われてしまったが答えられず、うまく話をはぐらかした。思い当たる節はあるけれど、答えたくなかったのだ。まさか、言える筈ないじゃないか。二人の会話が聞こえるのはメデューサのお陰だ、なんて。けれど、私は敵側に寝返っている訳じゃない。洗脳されてないし、スパイでもない。そう言いたくなる気持ちも分からないでもないし。言えないのは、事実だし。何より、確証がない。自分が勝手に思い込んでいる場合だって、充分有り得る。だが、不正解にはとても思えなかった。厭、思いたくないだけかもしれない。そんな思いに駆られていたら、電流フィールドなんて物ともせずピット君マグナさんはあっという間に全浄化していた。
『んっ?あれってもしかして……。』
「パルテノー卜だ!もう実戦投入されてるんだなぁ。」
「こりゃまたでけぇな。」
「ヒュードラーの侵攻を受けたとき護衛として開発をスタートしたんだ。まさか、人類の街を襲うことになろうとはね。」
「岩はしっかり避けろよ。あんなん当たったら、たまんねぇ。」
電気が流れているフィールドを通過。少し行くと、強面で頭部に積まれている岩を敵目掛けて投げつけて来る我が軍パルテノート。ピット君が言うように、エンジェランドを守備する目的で創られた。あれやこれや知恵を絞って、開発に助力したものだ。まぁ、余りにも提案が酷すぎて可決されなかったが。それもまた良い思い出だ。まさか、こんな形でお披露目しようとは思わなかった。しかも、先に進める道を此見よがしに塞いでしまっている。これは、浄化するしか手立てがなさそうだ。本来なら人々を襲うんじゃなくて、対冥府軍用に投入されていただろう。
大きな岩を次々投げつけて来るパルテノート。それだけじゃない、射撃でもこちらの自由を効かせない算段らしい。お陰で射撃をヒョイヒョイ躱している所だ。
『ピット君!私が浄化するわ!』
「セラちゃん?!」
三年間眠り続けていた反動で身体が鈍っていないか心配で、ピット君に浄化を買って出る。さすれば、最初驚愕していたみたいだが納得してくれたのか力強く首を縦に頷いてくれた。そうと決まれば、行動あるのみ。パルテノートからの連続攻撃をうまく回避。跳躍でパルテノートの背後に回り、立ち処に浄化した。思ったより耐久力はなかったみたいだ。冥府軍にこのデザインはナシだろう。きっと、背後を取られてしまう。改良の余地ありと頭のメモに記しては、先に進む。人一人分通過出来る抜け穴が前方に存在しており、迷いなく通るマグナさん。私も習って後に続く。
『さんにんでピット君のカラダを取り戻そう!エイ・エイ・オー!!』
「オー!!」
「マッタク……つきあってらんねぇぜ。」
『マグナさん、ノリが悪いよ!』
折角気合いを入れ直していたのに、マグナさんはノリが悪い。呆れた様子でいるみたいだ。ピット君が動かしているマグナさんは、俄然やる気に満ち溢れているのが見て取れる。端から見たら、何だかややこしい。一つの肉体に二つの精神って混乱したりしないのか。なぁんて疑問が通過するが、考えてみたらピット君の精神が宿っている指輪をマグナさんが身に着けているから拒絶反応が引き起こったりはしないのか。『便利なのね。』とまじまじ見つめていたらマグナさんが、指先でポリポリ頬を掻いていた。そうでした、中身はピット君が動かしているんでした。マグナさんの肉体で、中身はピット君。ピット君がしそうな仕草をマグナさんがしていると途端に違和感が生まれるのは何故だろう。引き攣った笑みを浮かべていたら「なに見てんだ。」じと……っとした目つきで不審がられてしまった。ピット君マグナさんと無事再会出来た私は、二人の事情を聞き出し合流。実際は二人だが、三人で歩みを進めている。円形フィールドを抜け、真っ直ぐ道を進んで只歩く。少々大きい広間に出ると、一斉に取り囲まれ多方面からイカロス達に襲撃されてしまうのだがマグナさんへの集中攻撃が目立つ。おまけに、電流がフィールドの外側に流れている仕組みだ。私は神器を駆使して戦わずに済んでしまうが、電流フィールドに触れてしまわないか気を遣っている。色んな意味で、なかなかない展開だ。
「ホント、セラって恵まれてるよなぁ。」
「セラちゃんだからね!イカロスからの人望がアツいんだよ。」
「実は敵でした、なんてないよなぁ。」
「セラちゃんに限って、そんな!」
『ふたりとも、聞こえてるんだけど。』
だが、イカロス等を無闇に傷つけたくはないから攻撃を仕掛けられず正直ホッとしている。攻撃を加えられた日にはきっと、反撃・浄化をしなければならなかった。その代わり、マグナさんがメッタメッタに倒しているけれど。自身の手で危害を加えていないのだから、まだましであろう。と言うか、二人が私に隠れてコソコソ何やら話しているのが残念ながら聞こえてしまった。何故聞こえているのか二人に問われてしまったが答えられず、うまく話をはぐらかした。思い当たる節はあるけれど、答えたくなかったのだ。まさか、言える筈ないじゃないか。二人の会話が聞こえるのはメデューサのお陰だ、なんて。けれど、私は敵側に寝返っている訳じゃない。洗脳されてないし、スパイでもない。そう言いたくなる気持ちも分からないでもないし。言えないのは、事実だし。何より、確証がない。自分が勝手に思い込んでいる場合だって、充分有り得る。だが、不正解にはとても思えなかった。厭、思いたくないだけかもしれない。そんな思いに駆られていたら、電流フィールドなんて物ともせずピット君マグナさんはあっという間に全浄化していた。
『んっ?あれってもしかして……。』
「パルテノー卜だ!もう実戦投入されてるんだなぁ。」
「こりゃまたでけぇな。」
「ヒュードラーの侵攻を受けたとき護衛として開発をスタートしたんだ。まさか、人類の街を襲うことになろうとはね。」
「岩はしっかり避けろよ。あんなん当たったら、たまんねぇ。」
電気が流れているフィールドを通過。少し行くと、強面で頭部に積まれている岩を敵目掛けて投げつけて来る我が軍パルテノート。ピット君が言うように、エンジェランドを守備する目的で創られた。あれやこれや知恵を絞って、開発に助力したものだ。まぁ、余りにも提案が酷すぎて可決されなかったが。それもまた良い思い出だ。まさか、こんな形でお披露目しようとは思わなかった。しかも、先に進める道を此見よがしに塞いでしまっている。これは、浄化するしか手立てがなさそうだ。本来なら人々を襲うんじゃなくて、対冥府軍用に投入されていただろう。
大きな岩を次々投げつけて来るパルテノート。それだけじゃない、射撃でもこちらの自由を効かせない算段らしい。お陰で射撃をヒョイヒョイ躱している所だ。
『ピット君!私が浄化するわ!』
「セラちゃん?!」
三年間眠り続けていた反動で身体が鈍っていないか心配で、ピット君に浄化を買って出る。さすれば、最初驚愕していたみたいだが納得してくれたのか力強く首を縦に頷いてくれた。そうと決まれば、行動あるのみ。パルテノートからの連続攻撃をうまく回避。跳躍でパルテノートの背後に回り、立ち処に浄化した。思ったより耐久力はなかったみたいだ。冥府軍にこのデザインはナシだろう。きっと、背後を取られてしまう。改良の余地ありと頭のメモに記しては、先に進む。人一人分通過出来る抜け穴が前方に存在しており、迷いなく通るマグナさん。私も習って後に続く。