第17章 新生オーラム(後編)
セラ
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敵もいなくなって来たかと思った最中、前方に行く手を阻むシャッターが出現。見て分かる通り、私達を先に行かせまいと目論む手立てだ。あのシャッターに触れてしまえば、イカロスマッチョは一溜りもない。二人でイカロスを守り通さなければ、先に進めなくなる。責任重大だ。けれど、ピット君は相当自信があるらしく直進する道を選択する。他に手段があるとも思えないし、この作戦が正解であると納得出来るが何とも……大胆である。
ピット君は、前方に構えるシャッターを次々に破壊。私は、シャッターをピット君に任せ後方にて奇襲が掛けられたとしても対処出来る様に目を凝らす。今の所、異常はない。
「レーザーをジャンプで回避して!!」
「このレーザー、外部の戦艦から撃ち込まれておるようじゃ。」
『私たちを撃退するために、そこまで?』
「まさに捨て身よのう。」
シャッターを全て破壊し終われば、今度はレーザー攻撃が天使二人を襲う。ジャンプで躱せと言うのだから、何処かにジャンプ台でもあるのだろうか。……普通にあった。足場にジャンプ台がいつの間にか設置されており、私達はジャンプ台の跳躍力を大いに活用し、いとも問わず憚るレーザーを回避。自分の身を犠牲に侵入者を止めよう精神に、さすがの私も感服してしまう。淡々とジャンプ台を活用しているピット君の横顔を見つめ、敵ながら憐れむ目を向けてしまうのは仕方がなかった。ここ迄空振りに終わってしまうだなんて不憫としか言いようがない。
敵に同情している暇はないのだけれど、ついついそんな感情を抱いてしまった。
「ラーズは近いようじゃが!」
「せっちん詰めにでもあったのかねぇ。」
『それ、やばくない?』
「ヒョロマッチョのイカロスがピンチです!敵を早めに殲滅しなさい!!」
「いや、ヒョロマッチョって!!」
『そんな言いますか!』
「パルテナと部下の関係 つくづくどうかと思うんじゃがなぁ。」
ルートは間違いない筈だが、またしても敵側に行く手を阻まれてしまう。最後の鬼門と言わんばかりに猛攻が続く。私達お得意のフォーメーション、ピット君の背中に位置付いて再度攻撃を加えダメージを与える。イカロスマッチョの体力にそろそろ限界が来ている模様。パルテナ様からのアドバイスが耳を掠め、苦笑いを浮かべてしまった。彼女からの言葉で充分分かるが、イカロス達にはてんで厳しい態度である。ナチュレちゃんも呆れてしまう程だ。イカロス達を考えれば、悠長に戦っていられないらしい。それにいつ何処で攻撃を受けるか分からないから、そこも気をつけないと。
「ぐわッ!!」
「ぐおッ!!」
「あぁ、イカロスが……。」
『イカロース!!』
一応気をつけていたつもりであったが、攻撃のとばっちりを受け相殺出来なかった天使二人は、痛みに悶えたイカロスマッチョの声を聞く。振り返った時には既に遅く、イカロス達は簡単にヤラレてしまった。さぁ、大変。ここから誰が、私達の足場を引っ張ってくれるのだろう。まさか、またもや自然軍のポックリに頼む訳にもいかない。二人は、文字通り八方塞がりに陥ってしまう。ここで挫けるなんて思いも寄らないから、突然の出来事に対処出来ていない自分が居る。焦りを垣間見せてしまう。
「じつは、もうふたりだけいるんですけどね。」
「び、びっくりさせないでくださいよ!」
『よ、よかった……。』
「でも、これが本当に最後ですので。気をつけて。」
ポックリやイカロスマッチョがここ迄身を挺し、運んでくれた敬意に感謝を抱きつつ祈りを捧げるべく手を組み両眼を静かに閉じる。戦闘中なのは変わりないが、余りにも犠牲者が多かった。稀に見るケースだ。本来ならば犠牲者を最小限にすべきだったが、こういう時嫌でも力不足を感じてしまう。幾ら量産出来るからとてあのポックリ、イカロスマッチョは帰って来ないのだ。幸いにもイカロスマッチョはまだスタンバイしてくれていたらしい。取り敢えず一安心だが、良心は呵責される。
「セラちゃん……。」
『!ピット君!』
「僕も祈りを捧げるよ。隊長として守れなかったこと、悔やまれるから。」
『……うん。』
「(私は、ふたりがいてくれて心から誇りに思います。)」
戦闘中なのも忘れ、暫し祈りを捧げていた。さすれば、この場に居る敵全員を無事浄化し終えたのか……ピット君も私に習い、手を組み両眼を閉じていた。理由を尋ねたかった訳ではないが、彼は自ら行動の意をそっと打ち明け祈りを捧げてくれたのだ。喜びの余り、彼へ微笑むと再度祈りを捧げ始める。もうこれ以上、犠牲者は出すまいと胸に誓いを立てて。
「ラーズはもう目の前です!」
「ヤメロォォォォ ヒキカエセェェェェ 」
「なんか、ラーズがおかしくなっちゃってる?」
「あふれる高揚感ゆえでしょうか。」
『ヘンなの。』
ピット君は、前方に構えるシャッターを次々に破壊。私は、シャッターをピット君に任せ後方にて奇襲が掛けられたとしても対処出来る様に目を凝らす。今の所、異常はない。
「レーザーをジャンプで回避して!!」
「このレーザー、外部の戦艦から撃ち込まれておるようじゃ。」
『私たちを撃退するために、そこまで?』
「まさに捨て身よのう。」
シャッターを全て破壊し終われば、今度はレーザー攻撃が天使二人を襲う。ジャンプで躱せと言うのだから、何処かにジャンプ台でもあるのだろうか。……普通にあった。足場にジャンプ台がいつの間にか設置されており、私達はジャンプ台の跳躍力を大いに活用し、いとも問わず憚るレーザーを回避。自分の身を犠牲に侵入者を止めよう精神に、さすがの私も感服してしまう。淡々とジャンプ台を活用しているピット君の横顔を見つめ、敵ながら憐れむ目を向けてしまうのは仕方がなかった。ここ迄空振りに終わってしまうだなんて不憫としか言いようがない。
敵に同情している暇はないのだけれど、ついついそんな感情を抱いてしまった。
「ラーズは近いようじゃが!」
「せっちん詰めにでもあったのかねぇ。」
『それ、やばくない?』
「ヒョロマッチョのイカロスがピンチです!敵を早めに殲滅しなさい!!」
「いや、ヒョロマッチョって!!」
『そんな言いますか!』
「パルテナと部下の関係 つくづくどうかと思うんじゃがなぁ。」
ルートは間違いない筈だが、またしても敵側に行く手を阻まれてしまう。最後の鬼門と言わんばかりに猛攻が続く。私達お得意のフォーメーション、ピット君の背中に位置付いて再度攻撃を加えダメージを与える。イカロスマッチョの体力にそろそろ限界が来ている模様。パルテナ様からのアドバイスが耳を掠め、苦笑いを浮かべてしまった。彼女からの言葉で充分分かるが、イカロス達にはてんで厳しい態度である。ナチュレちゃんも呆れてしまう程だ。イカロス達を考えれば、悠長に戦っていられないらしい。それにいつ何処で攻撃を受けるか分からないから、そこも気をつけないと。
「ぐわッ!!」
「ぐおッ!!」
「あぁ、イカロスが……。」
『イカロース!!』
一応気をつけていたつもりであったが、攻撃のとばっちりを受け相殺出来なかった天使二人は、痛みに悶えたイカロスマッチョの声を聞く。振り返った時には既に遅く、イカロス達は簡単にヤラレてしまった。さぁ、大変。ここから誰が、私達の足場を引っ張ってくれるのだろう。まさか、またもや自然軍のポックリに頼む訳にもいかない。二人は、文字通り八方塞がりに陥ってしまう。ここで挫けるなんて思いも寄らないから、突然の出来事に対処出来ていない自分が居る。焦りを垣間見せてしまう。
「じつは、もうふたりだけいるんですけどね。」
「び、びっくりさせないでくださいよ!」
『よ、よかった……。』
「でも、これが本当に最後ですので。気をつけて。」
ポックリやイカロスマッチョがここ迄身を挺し、運んでくれた敬意に感謝を抱きつつ祈りを捧げるべく手を組み両眼を静かに閉じる。戦闘中なのは変わりないが、余りにも犠牲者が多かった。稀に見るケースだ。本来ならば犠牲者を最小限にすべきだったが、こういう時嫌でも力不足を感じてしまう。幾ら量産出来るからとてあのポックリ、イカロスマッチョは帰って来ないのだ。幸いにもイカロスマッチョはまだスタンバイしてくれていたらしい。取り敢えず一安心だが、良心は呵責される。
「セラちゃん……。」
『!ピット君!』
「僕も祈りを捧げるよ。隊長として守れなかったこと、悔やまれるから。」
『……うん。』
「(私は、ふたりがいてくれて心から誇りに思います。)」
戦闘中なのも忘れ、暫し祈りを捧げていた。さすれば、この場に居る敵全員を無事浄化し終えたのか……ピット君も私に習い、手を組み両眼を閉じていた。理由を尋ねたかった訳ではないが、彼は自ら行動の意をそっと打ち明け祈りを捧げてくれたのだ。喜びの余り、彼へ微笑むと再度祈りを捧げ始める。もうこれ以上、犠牲者は出すまいと胸に誓いを立てて。
「ラーズはもう目の前です!」
「ヤメロォォォォ ヒキカエセェェェェ 」
「なんか、ラーズがおかしくなっちゃってる?」
「あふれる高揚感ゆえでしょうか。」
『ヘンなの。』