第17章 新生オーラム(後編)
セラ
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それなのに二人の言葉ときたら……フォローしているのか、単に貶しているのか分からない物言いだ。驚くばかりだが、ホッと安堵の溜息をついたのは……私だけだった。イカロスだって、日々頑張っているのに。妙に切ない気持ちが押し寄せて来るのは仕方がなかった。
「引っ込めてください!ムダ死にさせたくありません!」
「セラはともかくとして。では、あなたはどうやってラーズのところに行くつもりですか?」
「うッ……。」
『(ピット君、痛いところ突かれてる。)』
現在、足場をイカロスマッチョが支えてくれている。尊い犠牲者は出したくない一心でピット君は、パルテナ様に意見しているがどうしてもイカロス達がヤラレてしまう未来が前提になってしまうらしい。ピット君の気持ちも分かるけれど、私の思いをこの場で吐露するのであればイカロス達がヤラレてしまう未来が訪れない様に私達が守れば良いだけの話。簡単に言っているだけかもしれないが、存外単純だと思う。心外だったのは、二人のイカロス達に対するイメージだ。劣悪に言い過ぎだと、誰が聞いても同じ気持ちに支配されてしまうだろう。今も尚、二人の論争は続く。どうやら、いつもの如くパルテナ様に論破されそうだが。
「隊長!われわれは、パルテナ様のお役に立ちたいから来ているのです。隊長達の目的は、ラーズを討ってオーラム軍を無効化すること!そのためには、微力ながらもお手伝いさせていただきます!」
『ピット君……。イカロスたちの思い、汲み取ってあげよう?』
「……わかった。わかったよ。パルテナ軍、進撃するぞ!」
『オー!』
結局、ピット君が折れる形に治まる。最終的にイカロス達からの健気な思いがピット君に届いたからなのか、共に戦う気になったみたいだ。一番の要因は、イカロスマッチョがいなければ移動手段がなくなってしまう。これに尽きると思うが、ピット君の気持ちが固まってくれて良かった。足場を引っ張ってくれているイカロスマッチョ等に向けて『おねがいね。』と伝えれば「任せてください!副隊長!必ずやあなたがたをラーズのもとへ届けてみせます!」と力強い言葉が返って来て思わず笑みを零した。何だか不思議な感覚だ。まさか、パルテナ軍総出で戦闘開始する日が来ようとは夢にも思わなかった。戦闘中なのは充分分かっているけれど、まるでピクニック気分だ。こういう気分に陥るなら、常にこの態勢でも悪くないかな。なぁんて不覚にも思ってしまう。
「最初に使ったオーラムブレインへの入り口が燃えてますね。」さっきの パイロなんとかってヤツじゃないの?」
「仕方ない。迂回をしましょう。」
飛行中に入り込んだオーラムブレインへの入り口。火達磨になるのを避けるべく無事に脱出出来た迄は良いものの、距離が遠退いてしまった。それだけでは疎か、侵入不可能になる入り口。ラーズのお陰で私達は、遠回りをしなくてはならなくなる。炎が上がる様子を視界に入れた私達は突入するのを断念し、別のルートから侵入する手立てに切り換えた。足場を支えてくれているイカロスマッチョは方向転換し、進めそうな道を探しては飛行して行く。恐らくパルテナ様が瞬時に道順を調べ上げ、イカロスマッチョに教えているのだろうけれど隙を作らない的確な判断だ。パルテナ様がバックについていて下さるから強大な敵であるオーラム軍を翻弄し、対等に渡り合えているのだと信じて疑わない。
戦艦付近を飛行し、侵入出来そうな入り口を探す。難攻不落と思われたが、敵側にもきちんと攻め入る隙があったみたいだ。決して正当な入り口ではなくても侵入出来るのならば話は別で、私達は侵入出来そうな入り口つまりは戦艦内へイカロスマッチョ等と共に入り込んだのだった。
「突入します!!」
無事に侵入出来た迄は良いが、中に入り込みオーラムラーズを打ち砕くべく進行しているとなれば妨害も凄まじい。
「オーラム軍が追いかけています!!」
足場の後ろをオーラム敵がひっつき、私達目掛けて攻撃を次々と繰り出してくる。後方から攻撃されては、イカロスマッチョは明らかに不利な状態である。イカロスを信じていない訳ではないのだけれど、ああ見えてイカロスマッチョは耐久力が殆どないに等しい。攻撃を喰らえば最後、簡単にヤラレてしまう。それだけは何としてでも避けたい。恐らくもう少しでラーズが存在するブレインへ辿り着けるだろう。戦闘開始前から、こちらがヤラレてしまっては元も子もない。ここが、踏ん張りどころである。イカロスマッチョに攻撃が当たらぬ様、注意を払いながら足場を思う存分使って向かって来る敵へ反撃を開始する。天使二人を取り囲み一網打尽にする魂胆なのか、一斉に攻撃を仕掛けられてしまう。ピット君の跳躍力を利用し、私がジャンプを促して彼を回避させては反撃させる。その隙に私は少々飛行し、間一髪で避けるべきか。
「反射盤!」
色々な作戦を頭の中で練っていたのだが、パルテナ様が奇跡を発動して下さる。そのお陰で私達は、敵側に優勢を与えず反撃出来た。咄嗟の機転に内心感謝しながらも、神器でテンポ良く浄化して行く。
「前方にシャッターです!」
「このまま突っ込め!破壊する!!」
『ピット君、大胆。』
「引っ込めてください!ムダ死にさせたくありません!」
「セラはともかくとして。では、あなたはどうやってラーズのところに行くつもりですか?」
「うッ……。」
『(ピット君、痛いところ突かれてる。)』
現在、足場をイカロスマッチョが支えてくれている。尊い犠牲者は出したくない一心でピット君は、パルテナ様に意見しているがどうしてもイカロス達がヤラレてしまう未来が前提になってしまうらしい。ピット君の気持ちも分かるけれど、私の思いをこの場で吐露するのであればイカロス達がヤラレてしまう未来が訪れない様に私達が守れば良いだけの話。簡単に言っているだけかもしれないが、存外単純だと思う。心外だったのは、二人のイカロス達に対するイメージだ。劣悪に言い過ぎだと、誰が聞いても同じ気持ちに支配されてしまうだろう。今も尚、二人の論争は続く。どうやら、いつもの如くパルテナ様に論破されそうだが。
「隊長!われわれは、パルテナ様のお役に立ちたいから来ているのです。隊長達の目的は、ラーズを討ってオーラム軍を無効化すること!そのためには、微力ながらもお手伝いさせていただきます!」
『ピット君……。イカロスたちの思い、汲み取ってあげよう?』
「……わかった。わかったよ。パルテナ軍、進撃するぞ!」
『オー!』
結局、ピット君が折れる形に治まる。最終的にイカロス達からの健気な思いがピット君に届いたからなのか、共に戦う気になったみたいだ。一番の要因は、イカロスマッチョがいなければ移動手段がなくなってしまう。これに尽きると思うが、ピット君の気持ちが固まってくれて良かった。足場を引っ張ってくれているイカロスマッチョ等に向けて『おねがいね。』と伝えれば「任せてください!副隊長!必ずやあなたがたをラーズのもとへ届けてみせます!」と力強い言葉が返って来て思わず笑みを零した。何だか不思議な感覚だ。まさか、パルテナ軍総出で戦闘開始する日が来ようとは夢にも思わなかった。戦闘中なのは充分分かっているけれど、まるでピクニック気分だ。こういう気分に陥るなら、常にこの態勢でも悪くないかな。なぁんて不覚にも思ってしまう。
「最初に使ったオーラムブレインへの入り口が燃えてますね。」さっきの パイロなんとかってヤツじゃないの?」
「仕方ない。迂回をしましょう。」
飛行中に入り込んだオーラムブレインへの入り口。火達磨になるのを避けるべく無事に脱出出来た迄は良いものの、距離が遠退いてしまった。それだけでは疎か、侵入不可能になる入り口。ラーズのお陰で私達は、遠回りをしなくてはならなくなる。炎が上がる様子を視界に入れた私達は突入するのを断念し、別のルートから侵入する手立てに切り換えた。足場を支えてくれているイカロスマッチョは方向転換し、進めそうな道を探しては飛行して行く。恐らくパルテナ様が瞬時に道順を調べ上げ、イカロスマッチョに教えているのだろうけれど隙を作らない的確な判断だ。パルテナ様がバックについていて下さるから強大な敵であるオーラム軍を翻弄し、対等に渡り合えているのだと信じて疑わない。
戦艦付近を飛行し、侵入出来そうな入り口を探す。難攻不落と思われたが、敵側にもきちんと攻め入る隙があったみたいだ。決して正当な入り口ではなくても侵入出来るのならば話は別で、私達は侵入出来そうな入り口つまりは戦艦内へイカロスマッチョ等と共に入り込んだのだった。
「突入します!!」
無事に侵入出来た迄は良いが、中に入り込みオーラムラーズを打ち砕くべく進行しているとなれば妨害も凄まじい。
「オーラム軍が追いかけています!!」
足場の後ろをオーラム敵がひっつき、私達目掛けて攻撃を次々と繰り出してくる。後方から攻撃されては、イカロスマッチョは明らかに不利な状態である。イカロスを信じていない訳ではないのだけれど、ああ見えてイカロスマッチョは耐久力が殆どないに等しい。攻撃を喰らえば最後、簡単にヤラレてしまう。それだけは何としてでも避けたい。恐らくもう少しでラーズが存在するブレインへ辿り着けるだろう。戦闘開始前から、こちらがヤラレてしまっては元も子もない。ここが、踏ん張りどころである。イカロスマッチョに攻撃が当たらぬ様、注意を払いながら足場を思う存分使って向かって来る敵へ反撃を開始する。天使二人を取り囲み一網打尽にする魂胆なのか、一斉に攻撃を仕掛けられてしまう。ピット君の跳躍力を利用し、私がジャンプを促して彼を回避させては反撃させる。その隙に私は少々飛行し、間一髪で避けるべきか。
「反射盤!」
色々な作戦を頭の中で練っていたのだが、パルテナ様が奇跡を発動して下さる。そのお陰で私達は、敵側に優勢を与えず反撃出来た。咄嗟の機転に内心感謝しながらも、神器でテンポ良く浄化して行く。
「前方にシャッターです!」
「このまま突っ込め!破壊する!!」
『ピット君、大胆。』