第17章 新生オーラム(後編)
セラ
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「うぉぉぉっ!」
「後ろから戦艦が?!」
「となっ!!」
『きゃっ!!』
様々な思いが交差していれば、突如足場が傾いてしまう。バランス感覚には自信がある。そのぐらいで足場から落下したりしないだろうが、傾いた足場に対し斜め方向にうまく乗り合わせていたら何と……背後から戦艦が足場に向かって激突して来た。その衝撃に負け、一瞬宙に浮いた私達であったが足場にも天使二人にもダメージはないみたいだ。
「これは、戦艦のはさみ撃ち?!」
『強引すぎるわよー!』
「信じがたい戦法じゃ!」
「新生オーラム、本気度がちがうねー。」
「自然軍の底力も見せてやろうぞ!ものども!全力で押し切るのじゃ!!」
けれど、戦艦同士が足場を挟み徐々に迫り上げて行く。足場はポックリ達に任せて、私達は目の前に差し迫る敵達を浄化するのみ。足場のバランスが異様に悪く、戦いづらい欠点が生まれてしまったが必死にこの場を切り抜けようとしてくれている手前、口が裂けても不満は言えない。生まれてしまった不満をうまく消化しようと、敵に思いきり攻撃を加えてみる。……少しは解消されたみたい。
「脱出成功じゃ!」
『よかったぁ!』
自然軍の頑張りで、無事戦艦のはさみ撃ちから逃れられた。喜びの余り、身体全体で現してしまう程。冥府軍も自然軍も協力して、同じ軍勢に戦いを挑んでいる。この事実が、今の私の心を軽くさせた。一時休戦で協力しているのは悲しいけれど、察しがつく。オーラム戦が長引くのは勘弁だけれど、こういう時間がずっと続けば良いのになんて願わずには居られなかった。
「HAHAHAHAHA。がんばっているようだね。」
「ラーズ!」
『お出ましのようね。』
「そんながんばるキミ達にプレゼントだ。くらえ!パイロブラスター!!」
「えっ?!や、ヤバイ!!」
『避けられない!!』
少しずつ、それでいて確実にオーラムラーズの元へ近付いている気がする。あの手この手を考えて私達に対する妨害工作を全て撥ね返されると分かった上での判断なのか、灸を据える目的でなのかはたまた牽制のつもりなのかは知らないが、ラーズが天使二人に直接強力なビーム炎光線を放って来た。この状態からだと、回避するのは不可能。条件反射で両腕を使い庇おうとする私、その前に隣に居たピット君の両腕が伸びて自身の身体を力強く抱きしめてくれた。ここでも自分の身を犠牲にして迄守ろうとしてくれている意思が伝わって来て泣きそうになる。攻撃を避けられない私達は、このままで居るしか方法がなかった。
「させるか!」
「うぐぅぅっ!!」
『ピット君!!』
「耐えろ!ガマンしろ!!」
これで終いなのかと嫌な考えだけが胸中を過る。反射できゅっと両目を瞑った。折角ここ迄来たのに、最早ここまでなのか……誰もがその思いに支配された刹那足場の岩が下側から斜めに向き始めた。傾斜してしまった足場に何とか留まろうと踏ん張る私達。
「無事なようじゃな、ピット セラ。じゃが、足場を押していたものどもは全滅じゃ。」
「そ、そんな。」
『ごめんね、ポックリ……。』
攻撃を受けず足場に留まり続けた天使二人は、このまま戦場に存在する結果となった。だがしかし、足場を支え私達を守ろうと奮闘してくれたポックリ達はパイロブラスターの餌食になってしまう。失わずに済んだ者達があっさり消失してしまった。こんな事があって良いのか。犠牲者を出してしまった事実に、下を俯かせてしまう。その反動で宙に浮いていた足場は一気に力を失い、ゆっくり落下し始める。
「自然軍の彼らには申し訳ないことです。しかし、先ほど援軍を呼びました。」
『援軍?いったい誰が?』
「うわっ!!」
成す術もなく、そのまま足場が落下するのを許してしまう。だが、解決策が見つからない。このまま私達は、宇宙の塵となり消えてしまうのだろうか。マイナスな考えを余儀なくされている頃、見覚えのあるシルエットが自身の目の前を通過した。
『あれは……イカロス?!』
……と思ったら、突如足場毎跳躍し天使二人は新しく用意された足場に無事着地。通過した張本人等は、パルテナ様とエンジェランドを守備していた筈のイカロスであった。驚愕の余り、両目を見開く。パルテナ様が呼んだ援軍とは、イカロス達だったのだ。
「た、助かった。」
「隊長!副隊長!よくぞご無事で!!」
『イカロス〜!ありがとう〜!』
エンジェランドに警護していたイカロス達は私達のピンチを聞きつけ、わざわざ駆けつけてくれたのだ。嬉しさの余り、泣きそうになる。こうしている今でさえ、イカロス達はオーラムへ矢を放ってくれているのだ。何と心強い助っ人か!
「パルテナ様!イカロスじゃぁ、歯が立ちませんよ!」
「そうですね……。のれんに腕押し、ぬかにクギです。」
『えぇッ?そんなに言いますか?!』
「そなたは部下につめたいのう。」
「後ろから戦艦が?!」
「となっ!!」
『きゃっ!!』
様々な思いが交差していれば、突如足場が傾いてしまう。バランス感覚には自信がある。そのぐらいで足場から落下したりしないだろうが、傾いた足場に対し斜め方向にうまく乗り合わせていたら何と……背後から戦艦が足場に向かって激突して来た。その衝撃に負け、一瞬宙に浮いた私達であったが足場にも天使二人にもダメージはないみたいだ。
「これは、戦艦のはさみ撃ち?!」
『強引すぎるわよー!』
「信じがたい戦法じゃ!」
「新生オーラム、本気度がちがうねー。」
「自然軍の底力も見せてやろうぞ!ものども!全力で押し切るのじゃ!!」
けれど、戦艦同士が足場を挟み徐々に迫り上げて行く。足場はポックリ達に任せて、私達は目の前に差し迫る敵達を浄化するのみ。足場のバランスが異様に悪く、戦いづらい欠点が生まれてしまったが必死にこの場を切り抜けようとしてくれている手前、口が裂けても不満は言えない。生まれてしまった不満をうまく消化しようと、敵に思いきり攻撃を加えてみる。……少しは解消されたみたい。
「脱出成功じゃ!」
『よかったぁ!』
自然軍の頑張りで、無事戦艦のはさみ撃ちから逃れられた。喜びの余り、身体全体で現してしまう程。冥府軍も自然軍も協力して、同じ軍勢に戦いを挑んでいる。この事実が、今の私の心を軽くさせた。一時休戦で協力しているのは悲しいけれど、察しがつく。オーラム戦が長引くのは勘弁だけれど、こういう時間がずっと続けば良いのになんて願わずには居られなかった。
「HAHAHAHAHA。がんばっているようだね。」
「ラーズ!」
『お出ましのようね。』
「そんながんばるキミ達にプレゼントだ。くらえ!パイロブラスター!!」
「えっ?!や、ヤバイ!!」
『避けられない!!』
少しずつ、それでいて確実にオーラムラーズの元へ近付いている気がする。あの手この手を考えて私達に対する妨害工作を全て撥ね返されると分かった上での判断なのか、灸を据える目的でなのかはたまた牽制のつもりなのかは知らないが、ラーズが天使二人に直接強力なビーム炎光線を放って来た。この状態からだと、回避するのは不可能。条件反射で両腕を使い庇おうとする私、その前に隣に居たピット君の両腕が伸びて自身の身体を力強く抱きしめてくれた。ここでも自分の身を犠牲にして迄守ろうとしてくれている意思が伝わって来て泣きそうになる。攻撃を避けられない私達は、このままで居るしか方法がなかった。
「させるか!」
「うぐぅぅっ!!」
『ピット君!!』
「耐えろ!ガマンしろ!!」
これで終いなのかと嫌な考えだけが胸中を過る。反射できゅっと両目を瞑った。折角ここ迄来たのに、最早ここまでなのか……誰もがその思いに支配された刹那足場の岩が下側から斜めに向き始めた。傾斜してしまった足場に何とか留まろうと踏ん張る私達。
「無事なようじゃな、ピット セラ。じゃが、足場を押していたものどもは全滅じゃ。」
「そ、そんな。」
『ごめんね、ポックリ……。』
攻撃を受けず足場に留まり続けた天使二人は、このまま戦場に存在する結果となった。だがしかし、足場を支え私達を守ろうと奮闘してくれたポックリ達はパイロブラスターの餌食になってしまう。失わずに済んだ者達があっさり消失してしまった。こんな事があって良いのか。犠牲者を出してしまった事実に、下を俯かせてしまう。その反動で宙に浮いていた足場は一気に力を失い、ゆっくり落下し始める。
「自然軍の彼らには申し訳ないことです。しかし、先ほど援軍を呼びました。」
『援軍?いったい誰が?』
「うわっ!!」
成す術もなく、そのまま足場が落下するのを許してしまう。だが、解決策が見つからない。このまま私達は、宇宙の塵となり消えてしまうのだろうか。マイナスな考えを余儀なくされている頃、見覚えのあるシルエットが自身の目の前を通過した。
『あれは……イカロス?!』
……と思ったら、突如足場毎跳躍し天使二人は新しく用意された足場に無事着地。通過した張本人等は、パルテナ様とエンジェランドを守備していた筈のイカロスであった。驚愕の余り、両目を見開く。パルテナ様が呼んだ援軍とは、イカロス達だったのだ。
「た、助かった。」
「隊長!副隊長!よくぞご無事で!!」
『イカロス〜!ありがとう〜!』
エンジェランドに警護していたイカロス達は私達のピンチを聞きつけ、わざわざ駆けつけてくれたのだ。嬉しさの余り、泣きそうになる。こうしている今でさえ、イカロス達はオーラムへ矢を放ってくれているのだ。何と心強い助っ人か!
「パルテナ様!イカロスじゃぁ、歯が立ちませんよ!」
「そうですね……。のれんに腕押し、ぬかにクギです。」
『えぇッ?そんなに言いますか?!』
「そなたは部下につめたいのう。」