第17章 新生オーラム(前編)
セラ
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隣を見遣れば、ピット君の羽翼が熱を帯びているのに気付く。冷や汗が頬を伝う。緊迫した雰囲気の中、ピット君の羽翼に宿していた飛翔の奇跡をカットする決断を下したパルテナ様。瞬間、彼は真っ逆さまに急落下。“このままではいけない!”条件反射だろうか。彼を助けようと、身体が勝手に動いていた。急落下した彼を救うべく、そのままピット君に手を伸ばす。だが、なかなか彼の手を掴めずに空を切ってしまう。
『ピット君!手を!!』
「メーデー!メーデー!我操作不能!もはやここまで!死ぬ前に、セラちゃんの手料理をおなかいっぱい食べたかった!」
『あと少しなのに……!食べさせてあげるよ!!目一杯!!飽きるまでね!!』
「セラちゃん!!」
「そんなベタなことを言っとる場合かの。これに乗るがいい!」
「ナ、ナチュレ!」
あと少しだと言うのに、距離を掴めない。懸命に手を伸ばす私を眼に入れた彼は空中に煽られ、くるくるくる回転しながらも手を伸ばして来た。それでも……二人はなかなか手と手を取り合えない。こんなにもどかしい気持ちは初めてだ。もしもこのまま、急落下して……死んでしまったら……どうしよう。考えたくないのに、考えたら駄目なのに……マイナスな思考が過る。……涙が出そう……。
絶体絶命の大ピンチ。懸命に手を伸ばすがままならず、空を切ってしまう。打つ手なしだと思われたその時、ナチュレちゃんが私達を助けるべく尽力してくれたのだ。
「うまく浮島に合わせるのじゃ。下手を踏んだら、どうなるかわかるじゃろう?!」
地に足をつけて戦える様に、浮島を用意してくれたらしい。漢字 これならば飛翔の奇跡なしでも充分戦える。“地獄に仏”とはまさにこの事。まぁ、私達の世界は冥府界だけど、喩えよ!喩え!
それは扨置き、くるくるくる回転していたピット君は、ナチュレちゃんの用意した浮島に合わせうまく着地する準備を始めた。彼はああ見えて、器用な部分があるからきっと大丈夫だろう。ラーズに助けてもらった恩を忘れた訳ではないけれど、あちらもこちらが助けた恩を仇で返して来たのは紛れもない事実。私達にして来た仕打ちに対して、後悔させてやるとかなんとか心中で意気込んでいる。
(To be continued……)
『ピット君!手を!!』
「メーデー!メーデー!我操作不能!もはやここまで!死ぬ前に、セラちゃんの手料理をおなかいっぱい食べたかった!」
『あと少しなのに……!食べさせてあげるよ!!目一杯!!飽きるまでね!!』
「セラちゃん!!」
「そんなベタなことを言っとる場合かの。これに乗るがいい!」
「ナ、ナチュレ!」
あと少しだと言うのに、距離を掴めない。懸命に手を伸ばす私を眼に入れた彼は空中に煽られ、くるくるくる回転しながらも手を伸ばして来た。それでも……二人はなかなか手と手を取り合えない。こんなにもどかしい気持ちは初めてだ。もしもこのまま、急落下して……死んでしまったら……どうしよう。考えたくないのに、考えたら駄目なのに……マイナスな思考が過る。……涙が出そう……。
絶体絶命の大ピンチ。懸命に手を伸ばすがままならず、空を切ってしまう。打つ手なしだと思われたその時、ナチュレちゃんが私達を助けるべく尽力してくれたのだ。
「うまく浮島に合わせるのじゃ。下手を踏んだら、どうなるかわかるじゃろう?!」
地に足をつけて戦える様に、浮島を用意してくれたらしい。
それは扨置き、くるくるくる回転していたピット君は、ナチュレちゃんの用意した浮島に合わせうまく着地する準備を始めた。彼はああ見えて、器用な部分があるからきっと大丈夫だろう。ラーズに助けてもらった恩を忘れた訳ではないけれど、あちらもこちらが助けた恩を仇で返して来たのは紛れもない事実。私達にして来た仕打ちに対して、後悔させてやるとかなんとか心中で意気込んでいる。
(To be continued……)
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