第17章 新生オーラム(前編)
セラ
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「ラーズめ、天使をだますとは!いけないんだぞ!」
「このひるいなきパワーで私は神々に挑戦する!!」
『(ラーズがオーラムの力を手に入れたかったのは、誰かに認めてもらうため……?)』
存分に敵からの猛攻撃を避け続け、私達は事の様子を見守っている。ピット君が漸く利用されていたのだと気付き、反発していたがそうまでしてオーラムの底知れぬ力を手に入れたかったのにはどうやら……理由があったらしい。決して頷ける行動とはお世辞にも言えないが、誰かに認めてもらいたいから今回の計画を企て実行に移したのではないか。“自称”神ではなく“本物”の神として存在していたいのではないか。否が応でも、そんな考えに至ってしまう。あんなに高らかに笑っていても、彼なりに思う所があったのでは。悔しく思っていたのかもしれない。眉尻を下げ、何とも形容し難い気持ちに支配されていれば、ラーズの言葉を皮切りにオーラム軍からの攻撃が更に勢いを増して行く。
「うぉぉッ!激しい!!」
「どうすんの、コレ。こんなにパワーアップしちゃって。」
『打つ手なし、なのかな……。』
「くそう。やむをえん。最後のひとつだったが虎の子をくらわせてやろうぞ!」「あれは……。初期化爆弾!!」
『まだ、隠し持っていたんだね。』
回避しては反撃。迎え撃ってはいるけれど、それこそキリがなく襲って来る。ラーズが一体化した反動に寄り、意志を持ったかの様だ。正直私達でさえ苦戦を強いられている。何か妙案があるのならば、それに縋りたいけれどパルテナ様からの助言はない。恐らく模索している最中だろう。ギリギリの所で回避、こちらも最善策を懸命に練っているけれどなかなか浮かばない……そんな中、ナチュレちゃんがオーラムにアクションを起こした。やり方は手荒であるが、最後の一つとっておきの初期化爆弾をオーラム目掛けて投下したのだ。空中に一条の光がオーラムへ滑り込む。
「くらえ!」
「なんて強引な!」
爆発の衝撃がこちら側に来なかったが、何度目撃しても悍しさは変わらなかった。身の毛が弥立つのを感じ取りながら、一部始終を見守っている。あの爆弾が地上に落とされなくて良かったなんて思いを抱いている自分もちゃっかり存在した。
「ざまぁないわ!まいったと言え!」
初期化爆弾の威力は嫌でも充分理解している。あの爆撃を経て、平気でいられる人間達はたまた建造物はない。正直な心境、あんなものもう二度と製造しないでもらいたいが今回は初期化爆弾に助けられてしまった。この時はまだ、爆弾の威力に持ち堪えられる筈がないと誰もが思っていたのだ。
「HAHAHAHAHAHA!甘い甘い!」
「ま、まさか、効いてない?!」
『そ、そんな……。』
「そうこうしている間に飛翔の奇跡が切れそうです。」
「ま、間に合うんですか?!パルテナ様!!」
「ムリかも……。」
けれど、結果は最悪なものだった。持ち堪えられる筈がないと高を括っていたのだが、有ろう事か衝撃にさえ耐えてしまう。私達が、オーラムに震撼した瞬間だった。それだけじゃない。様々な出来事が積み重なって忘れてしまいそうになってしまったが、飛翔の奇跡のタイムリミットが近付いていたのだ。私は自力で飛んでる故に、空中を自由に飛んでいられるが問題はピット君だ。飛翔の奇跡に頼っている彼は、これ以上戦場に居続けられない。歩行したり出来るのならば話は別だが、浮遊している大陸をジャンプして渡り歩けたりは出来ないだろう。二進も三進もいかない状況、ここは帰還する方法を取るしかないかもしれない。
「しょうがありませんね。ここは回収して、出直しましょう。……あら?」
「どうしたんじゃ?」
「回収できません。なぜでしょう。」
「HAHAHAHAHA。ジャミングって知ってるかい?」
「つまり、ピットとセラの回収をあなたが妨害していると?!」
と思っていたら、天から私達に光が降り注いだ。オーラムの動きが気になるけれど、作戦を練り直し再び出向く手も選択肢の中に入る。今ここで強行突破したとしても、最悪な展開へと流れてしまうのは目に見えている。ならば、出直すのも一つの策だ。このまま、ピット君を戦わせる訳にはいかない。しかし、良からぬ邪魔が入った。ラーズが天使二人の回収を妨害したのだ。そのお陰で私達は天界に帰還出来ず、戦場に留まる形になる。こうしている間にもピット君の羽翼に危険が迫り、場面は一気に緊迫した雰囲気に。
「つ、翼が熱い……!」
『ピット君!』
「ダメです!もう飛行限界!飛翔の奇跡をカットします!」
「うわあああッ!」
「ピット!ピット!!」
『ピット君……!』
「このひるいなきパワーで私は神々に挑戦する!!」
『(ラーズがオーラムの力を手に入れたかったのは、誰かに認めてもらうため……?)』
存分に敵からの猛攻撃を避け続け、私達は事の様子を見守っている。ピット君が漸く利用されていたのだと気付き、反発していたがそうまでしてオーラムの底知れぬ力を手に入れたかったのにはどうやら……理由があったらしい。決して頷ける行動とはお世辞にも言えないが、誰かに認めてもらいたいから今回の計画を企て実行に移したのではないか。“自称”神ではなく“本物”の神として存在していたいのではないか。否が応でも、そんな考えに至ってしまう。あんなに高らかに笑っていても、彼なりに思う所があったのでは。悔しく思っていたのかもしれない。眉尻を下げ、何とも形容し難い気持ちに支配されていれば、ラーズの言葉を皮切りにオーラム軍からの攻撃が更に勢いを増して行く。
「うぉぉッ!激しい!!」
「どうすんの、コレ。こんなにパワーアップしちゃって。」
『打つ手なし、なのかな……。』
「くそう。やむをえん。最後のひとつだったが虎の子をくらわせてやろうぞ!」「あれは……。初期化爆弾!!」
『まだ、隠し持っていたんだね。』
回避しては反撃。迎え撃ってはいるけれど、それこそキリがなく襲って来る。ラーズが一体化した反動に寄り、意志を持ったかの様だ。正直私達でさえ苦戦を強いられている。何か妙案があるのならば、それに縋りたいけれどパルテナ様からの助言はない。恐らく模索している最中だろう。ギリギリの所で回避、こちらも最善策を懸命に練っているけれどなかなか浮かばない……そんな中、ナチュレちゃんがオーラムにアクションを起こした。やり方は手荒であるが、最後の一つとっておきの初期化爆弾をオーラム目掛けて投下したのだ。空中に一条の光がオーラムへ滑り込む。
「くらえ!」
「なんて強引な!」
爆発の衝撃がこちら側に来なかったが、何度目撃しても悍しさは変わらなかった。身の毛が弥立つのを感じ取りながら、一部始終を見守っている。あの爆弾が地上に落とされなくて良かったなんて思いを抱いている自分もちゃっかり存在した。
「ざまぁないわ!まいったと言え!」
初期化爆弾の威力は嫌でも充分理解している。あの爆撃を経て、平気でいられる人間達はたまた建造物はない。正直な心境、あんなものもう二度と製造しないでもらいたいが今回は初期化爆弾に助けられてしまった。この時はまだ、爆弾の威力に持ち堪えられる筈がないと誰もが思っていたのだ。
「HAHAHAHAHAHA!甘い甘い!」
「ま、まさか、効いてない?!」
『そ、そんな……。』
「そうこうしている間に飛翔の奇跡が切れそうです。」
「ま、間に合うんですか?!パルテナ様!!」
「ムリかも……。」
けれど、結果は最悪なものだった。持ち堪えられる筈がないと高を括っていたのだが、有ろう事か衝撃にさえ耐えてしまう。私達が、オーラムに震撼した瞬間だった。それだけじゃない。様々な出来事が積み重なって忘れてしまいそうになってしまったが、飛翔の奇跡のタイムリミットが近付いていたのだ。私は自力で飛んでる故に、空中を自由に飛んでいられるが問題はピット君だ。飛翔の奇跡に頼っている彼は、これ以上戦場に居続けられない。歩行したり出来るのならば話は別だが、浮遊している大陸をジャンプして渡り歩けたりは出来ないだろう。二進も三進もいかない状況、ここは帰還する方法を取るしかないかもしれない。
「しょうがありませんね。ここは回収して、出直しましょう。……あら?」
「どうしたんじゃ?」
「回収できません。なぜでしょう。」
「HAHAHAHAHA。ジャミングって知ってるかい?」
「つまり、ピットとセラの回収をあなたが妨害していると?!」
と思っていたら、天から私達に光が降り注いだ。オーラムの動きが気になるけれど、作戦を練り直し再び出向く手も選択肢の中に入る。今ここで強行突破したとしても、最悪な展開へと流れてしまうのは目に見えている。ならば、出直すのも一つの策だ。このまま、ピット君を戦わせる訳にはいかない。しかし、良からぬ邪魔が入った。ラーズが天使二人の回収を妨害したのだ。そのお陰で私達は天界に帰還出来ず、戦場に留まる形になる。こうしている間にもピット君の羽翼に危険が迫り、場面は一気に緊迫した雰囲気に。
「つ、翼が熱い……!」
『ピット君!』
「ダメです!もう飛行限界!飛翔の奇跡をカットします!」
「うわあああッ!」
「ピット!ピット!!」
『ピット君……!』