第17章 新生オーラム(前編)
セラ
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「パルテナ親衛隊長 ピット」
『パルテナ親衛副隊長 セラ』
「『行きます!』」
いつもと同じく私達は、出陣命令の下開いたゲートから勢い良く飛び立つ為力の限り助走をつけて空へ踏み出した。最初空に向けてゲートが開いたのかと思ったがそれは大きな間違いで、本当は広大な宇宙であったのだ。前回の戦いに於いて、オーラムの動力炉を見事打ち砕いたがあれだけで終わるオーラム軍ではなかった。ゲートから飛び立ち眼に入れた光景は、相変わらず夥しい戦艦の数々。オーラムの陸地は悠々と浮遊し、この星を占拠した張りの態度でドカッと居座っている。正直迷惑な話だ。勿論天使二人が占拠もさせないし、乗っ取らせない。今この瞬間オーラム軍に赴こうと飛行しているのは、この戦いを終わらせる為。
「この空域の冥府軍全軍に告ぐ!オーラム中心部に突撃せよ!」
「みなのもの!自然軍はこれより敵の本拠地に侵攻する!」
「太陽神ラーズ参上!私のメテオキャノンを受けてみろ!」
「……いよいよなんの戦いかわからなくなってきましたね。」
「宇宙戦争ものだっけ?コレ。」
『(なんか何処かの映画でありそう。)みんな、気合い入ってるね。』
オーラム軍に接近する中で状況を見守り、飛行中。口々に神様が自身の軍に対し、指揮を取っている。或いは、自身の力を駆使して戦いを挑んでいる光景が視界に映る。ここ迄気合いが入っているのも類を見ない。珍しい状況下であると思う。利害が一致しているからなのか共同戦線しているし、こうなれば良いとか胸中で感じていたのは誰にも言えない事実。不謹慎だと分かっていながら、次第に顔が緩む。以前からそうであれば私もここ迄悩まないのに、事はうまく運んでくれないものだ。けれど、オーラム軍が関わると皆の態度も相違して来る。ラーズの目的は不明だけれど、冥府軍・自然軍は自分達の住処が脅かされるかもしれないのだ。居ても立っても居られないだろう。全力でこの星を、人類を守るべく戦わんとしている私達を前に邪魔者は排除すべし、この法則に従って天使二人を発見したオーラム軍がここぞとばかりに攻撃を仕掛けて来た。戦闘序盤であるのに、容赦がない。
「侵略者どもを宇宙に追放せよ!」
「この星の威厳をかけて、負けられん!」
「私のファイヤースネークをくらえ!」
「……でも、なんとなく楽しそうだなぁ。自分に酔ってるのかなぁ。」
『こういうのも、なんかいいよね。』
「なんでしょうね。このノリ。」
攻撃を買って出る冥府軍・自然軍・太陽神ラーズ。浮遊している大陸を掻い潜り、先へ先へ進む。今頃は、多大なる攻撃を仕掛けてはオーラム軍を牽制している所だが今回は他の軍が頑張ってくれているからか、傍観者の如く見守っている形になる。先程の発言は撤回する。お世辞にも共同戦線とは言えない。けれど、いつもの様に啀み合っている様子もない。まさかこういう日が訪れるなんて夢にも思わなかった。奇跡としか言いようがない。
「あれがオーラムの中心となる“オーラムブレイン要塞”です。」
「これまたでかい……!」
『中も広そう。』
「あの中に、各オーラム軍への指示を出しているものがあるようです。」
「ん?ダレ情報ですか?」
「えーと、太陽神ラーズです。」
「ラーズって、オーラムに詳しいなぁ。」
『そもそもなんで、そこまで……?』
「神さまネットでいろいろ調べたからね!」
「『神さまネット……?』」
「さぁ、オーラムブレインにいざ!アタック!」
そんな思いに駆られる中、目の前に今迄見受けた試しのない建造物が飛び込んで来る。あれこそが、今回の目的と言える“オーラムブレイン要塞”。夥しい戦艦を従え、指示を飛ばし、攻撃を仕掛ける様に仕向けた言わば司令塔。オーラム軍の中心部であり、なくてはならない存在。中心部を叩くべく向かって来る外敵が居るのだから、当然撃退すべく行動に移さんとして来るだろう。まさにその状況だ。妨害が凄まじい。傍観者らしい立ち振る舞いの天使二人は一気に注目の的となる。標的を排除せよ、そんな命令が下ったのだろうか。お陰で戦艦からのビーム光線だの、個人敵からの先制攻撃だの様々。回避しながら迎え撃っているが、衰える気配はない。……一つ疑問をぶつけても良いだろうか?太陽神ラーズは何故異常な興味をオーラムに向けているのだろう。パルテナ様さえ知らない情報を逸早くキャッチし、こちらに垂れ流す。出逢った当初から異彩を放っていたが、耳にしないツールで調べ上げて迄オーラム軍を悉く追い詰めようと行動に移している。端から見たら協力者だが、どうしても何か……別の目的でもあるのではないかって考えずには居られなかった。疑心に捕われていても、戦闘に集中しなくてはならない。首を左右に振り、真っ直ぐ前を見据える。戦艦を通過し、要塞の壁面を縫って飛行。
「突入ッ!」
攻撃をするりと躱し、オーラムブレイン要塞に唯一侵入出来る入り口。飛行ルートを少々変更させ、転回してはその入り口へ突き進む。ピット君の言葉と共に無事入り口から侵入出来た私達は、真っ直ぐ中へ中へと入り込んで行く。兎に角、オーラムブレインを何とかすれば勢いはなくなる筈。この星を守る……その一心で私達は、飛行スピードを上昇させた。
「この通路は、オーラムブレインに直接つながっているぞ!ゆけ、ピット!セラ!宇宙からの侵略者を葬り去れ!!」
『(どうしてラーズは、要塞の内部構造まで熟知しているの?)』
『パルテナ親衛副隊長 セラ』
「『行きます!』」
いつもと同じく私達は、出陣命令の下開いたゲートから勢い良く飛び立つ為力の限り助走をつけて空へ踏み出した。最初空に向けてゲートが開いたのかと思ったがそれは大きな間違いで、本当は広大な宇宙であったのだ。前回の戦いに於いて、オーラムの動力炉を見事打ち砕いたがあれだけで終わるオーラム軍ではなかった。ゲートから飛び立ち眼に入れた光景は、相変わらず夥しい戦艦の数々。オーラムの陸地は悠々と浮遊し、この星を占拠した張りの態度でドカッと居座っている。正直迷惑な話だ。勿論天使二人が占拠もさせないし、乗っ取らせない。今この瞬間オーラム軍に赴こうと飛行しているのは、この戦いを終わらせる為。
「この空域の冥府軍全軍に告ぐ!オーラム中心部に突撃せよ!」
「みなのもの!自然軍はこれより敵の本拠地に侵攻する!」
「太陽神ラーズ参上!私のメテオキャノンを受けてみろ!」
「……いよいよなんの戦いかわからなくなってきましたね。」
「宇宙戦争ものだっけ?コレ。」
『(なんか何処かの映画でありそう。)みんな、気合い入ってるね。』
オーラム軍に接近する中で状況を見守り、飛行中。口々に神様が自身の軍に対し、指揮を取っている。或いは、自身の力を駆使して戦いを挑んでいる光景が視界に映る。ここ迄気合いが入っているのも類を見ない。珍しい状況下であると思う。利害が一致しているからなのか共同戦線しているし、こうなれば良いとか胸中で感じていたのは誰にも言えない事実。不謹慎だと分かっていながら、次第に顔が緩む。以前からそうであれば私もここ迄悩まないのに、事はうまく運んでくれないものだ。けれど、オーラム軍が関わると皆の態度も相違して来る。ラーズの目的は不明だけれど、冥府軍・自然軍は自分達の住処が脅かされるかもしれないのだ。居ても立っても居られないだろう。全力でこの星を、人類を守るべく戦わんとしている私達を前に邪魔者は排除すべし、この法則に従って天使二人を発見したオーラム軍がここぞとばかりに攻撃を仕掛けて来た。戦闘序盤であるのに、容赦がない。
「侵略者どもを宇宙に追放せよ!」
「この星の威厳をかけて、負けられん!」
「私のファイヤースネークをくらえ!」
「……でも、なんとなく楽しそうだなぁ。自分に酔ってるのかなぁ。」
『こういうのも、なんかいいよね。』
「なんでしょうね。このノリ。」
攻撃を買って出る冥府軍・自然軍・太陽神ラーズ。浮遊している大陸を掻い潜り、先へ先へ進む。今頃は、多大なる攻撃を仕掛けてはオーラム軍を牽制している所だが今回は他の軍が頑張ってくれているからか、傍観者の如く見守っている形になる。先程の発言は撤回する。お世辞にも共同戦線とは言えない。けれど、いつもの様に啀み合っている様子もない。まさかこういう日が訪れるなんて夢にも思わなかった。奇跡としか言いようがない。
「あれがオーラムの中心となる“オーラムブレイン要塞”です。」
「これまたでかい……!」
『中も広そう。』
「あの中に、各オーラム軍への指示を出しているものがあるようです。」
「ん?ダレ情報ですか?」
「えーと、太陽神ラーズです。」
「ラーズって、オーラムに詳しいなぁ。」
『そもそもなんで、そこまで……?』
「神さまネットでいろいろ調べたからね!」
「『神さまネット……?』」
「さぁ、オーラムブレインにいざ!アタック!」
そんな思いに駆られる中、目の前に今迄見受けた試しのない建造物が飛び込んで来る。あれこそが、今回の目的と言える“オーラムブレイン要塞”。夥しい戦艦を従え、指示を飛ばし、攻撃を仕掛ける様に仕向けた言わば司令塔。オーラム軍の中心部であり、なくてはならない存在。中心部を叩くべく向かって来る外敵が居るのだから、当然撃退すべく行動に移さんとして来るだろう。まさにその状況だ。妨害が凄まじい。傍観者らしい立ち振る舞いの天使二人は一気に注目の的となる。標的を排除せよ、そんな命令が下ったのだろうか。お陰で戦艦からのビーム光線だの、個人敵からの先制攻撃だの様々。回避しながら迎え撃っているが、衰える気配はない。……一つ疑問をぶつけても良いだろうか?太陽神ラーズは何故異常な興味をオーラムに向けているのだろう。パルテナ様さえ知らない情報を逸早くキャッチし、こちらに垂れ流す。出逢った当初から異彩を放っていたが、耳にしないツールで調べ上げて迄オーラム軍を悉く追い詰めようと行動に移している。端から見たら協力者だが、どうしても何か……別の目的でもあるのではないかって考えずには居られなかった。疑心に捕われていても、戦闘に集中しなくてはならない。首を左右に振り、真っ直ぐ前を見据える。戦艦を通過し、要塞の壁面を縫って飛行。
「突入ッ!」
攻撃をするりと躱し、オーラムブレイン要塞に唯一侵入出来る入り口。飛行ルートを少々変更させ、転回してはその入り口へ突き進む。ピット君の言葉と共に無事入り口から侵入出来た私達は、真っ直ぐ中へ中へと入り込んで行く。兎に角、オーラムブレインを何とかすれば勢いはなくなる筈。この星を守る……その一心で私達は、飛行スピードを上昇させた。
「この通路は、オーラムブレインに直接つながっているぞ!ゆけ、ピット!セラ!宇宙からの侵略者を葬り去れ!!」
『(どうしてラーズは、要塞の内部構造まで熟知しているの?)』
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