第16章 オーラムの脅威(後編)
セラ
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『パルテナ様!教えてくださり、ありがとうございました!』
「いえいえ。セラを守るのもお勤めですから。」
最後の護りを突破した私達は、他愛のない会話を繰り広げながら一歩一歩ゆっくり歩いている。この先に動力炉があり、今まさにそこに向かっているのだけれど、緊張感を漂わせながらも何処か安心感があるのは隣にピット君、背後にはパルテナ様が居てくれているからだろう。
「これが動力炉です。」
「まるで太陽だ!!」
『あれっグラインドレール……。』
「うぉっとっと!」
改めて二人の存在に心強さを感じつつ、今回の目的である動力炉に辿り着いた。オーラム要塞を動かしている源だけあって、熱を帯びているのが分かる。今からここを破壊する訳だが、のちに大爆発とか起こったりしないか非常に心配している。
困った笑みを浮かべ、動力炉の周囲をぐるぐる縫っているグラインドレールに思いきり飛び乗り、瞬く間に戦闘態勢に入った。グラインドレールに乗っているせいか無闇矢鱈に奇跡を発動出来ないみたいだし、今はまだレールに身を委ねている状態だ。あちらがどういう攻撃を仕掛けるか探り探りでいる。見た所、動力炉に直接攻撃を加えればダメージを与えられそうだが、なかなか距離が掴めない。
「あの中心部を攻撃すればいいんですよね?!」「グラインドレールをうまく乗り換えていきなさい。神器は射程があります。レールと動力炉の距離をつかんで。」
『なかなかムズカシイなぁ。』
赤色、黄色、緑色三本のグラインドレールが動力炉周囲にまとわりついていているのが窺える。動力炉なのだから、守りに徹し攻撃を加えず、オーラム軍におまかせなのかとも思ったが、決してそうではなく自ら攻撃を仕掛けて来たのだ。パルテナ様の助言通り、三本のグラインドレールに乗り換えながら動力炉に接近したのを見計らい、射撃を加えてみるけれど手応えはない。どの敵にも共通するが、ダメージを蓄積させなければならないらしい。これは長期戦になるかもと思ったのも束の間、パルテナ様がこっそり私達に教えてくれた。“守りに入るよりも攻撃重視すべき”だと。双方から攻撃を加えよう作戦を実行中、ピット君との距離が離れていたが目を合わせ首に頷き合えばそのまま攻撃を加え始めた。耐久力がどれだけ備わっているか知らないが、ここで攻撃をやめてしまったら流れを持っていかれるのは目に見えていた。グラインドレールと言う名の避けようのないフィールドでどれだけ粘れるか、自身の腕っぷしに掛かっている。漢字 休みなく攻撃を加えられているのだから当然、動力炉が反撃しない訳がない。避けようのないフィールドであるがそんなのお構いなしにフレイボールを打ち込んでくる、立て続けに。普段ならば回避を試みて反撃していただろう。だが、グラインドレール上だとレールに乗り換えて避けるしか方法がない。だが、いま自身が乗り込んでいるレールから軽々しく飛び移れるレールは距離が離れており困難であった。どうしたものか。このままダメージを受けるしか本当に方法がないのだろうか……?
「セラちゃん!ボールに向けて射撃してみて!」
『!うん!』
まさに今の状況八方塞がりだと苦笑いを浮かべた直後、ピット君から攻撃を促す声が両耳に届いた。このまま何もせず、ダメージを受けるならばいっそ最後迄足掻いてみよう。彼の助言を耳に留め、ボールに照準を合わせ射った。さすれば、フレイボールは力を失い、空間に分散して行ったのが分かる。成功だ。
『ありがとう!ピット君!』
「どういたしまして。」
彼の言う通りだった。察するに動力炉からの攻撃で、相殺出来るタイプもあるらしい。耳寄り情報だ。この情報を活用しない手はない。なかなか突破口が見えず、やきもきしていたがこの状況を打開出来るかもしれない……その考えに至った時には、反撃のチャンスを狙うべく行動に移していた。
「HAHAHAHAHA!!」「ラーズ!」
「手こずっているようだね!ピットくん!!セラちゃん!!」
『どうしたの?急に。』
「この私が手伝ってあげよう!!」
『(イヤな予感……。)』
「いや、いいや。」
『いっそ、やめて。』
「私のフラッシュビームを受けてみろ!!」
私達の攻撃が軌道に乗り始めたかとも思えたこの瞬間、突如ラーズが乱入し手伝ってくれる意思を見せた。こう言っては難なのだけれど、ラーズが手助けをして良い記憶が余りない。一度脱出を手助けしてもらったが、それだけ信用度が増すとも思えなかった。至極当然の流れで、ラーズの手助けを断った天使二人だが結局動力炉に向けて攻撃を繰り出してしまう。人の話を聞かずに、我が道を行くタイプなのだから困ったものだ。明らかに私達の邪魔をしているとしか思えない。それを証拠に、動力炉は活気づきマイナスな方向に導かれた気がしてならないのだ。
「ん?ふーむ。おかしいな……。」
「熱に熱を浴びせてかえって活気づいたような気がしますが。」
「HAHAHAHAHA。こいつは失敗だったな!」
「「失敗だったな!」って。」
『(予感的中。)』
「ふむ……。さらばだ!ピットくん!!セラちゃん!!健闘を祈る!シュワッ!!」
「いえいえ。セラを守るのもお勤めですから。」
最後の護りを突破した私達は、他愛のない会話を繰り広げながら一歩一歩ゆっくり歩いている。この先に動力炉があり、今まさにそこに向かっているのだけれど、緊張感を漂わせながらも何処か安心感があるのは隣にピット君、背後にはパルテナ様が居てくれているからだろう。
「これが動力炉です。」
「まるで太陽だ!!」
『あれっグラインドレール……。』
「うぉっとっと!」
改めて二人の存在に心強さを感じつつ、今回の目的である動力炉に辿り着いた。オーラム要塞を動かしている源だけあって、熱を帯びているのが分かる。今からここを破壊する訳だが、のちに大爆発とか起こったりしないか非常に心配している。
困った笑みを浮かべ、動力炉の周囲をぐるぐる縫っているグラインドレールに思いきり飛び乗り、瞬く間に戦闘態勢に入った。グラインドレールに乗っているせいか無闇矢鱈に奇跡を発動出来ないみたいだし、今はまだレールに身を委ねている状態だ。あちらがどういう攻撃を仕掛けるか探り探りでいる。見た所、動力炉に直接攻撃を加えればダメージを与えられそうだが、なかなか距離が掴めない。
「あの中心部を攻撃すればいいんですよね?!」「グラインドレールをうまく乗り換えていきなさい。神器は射程があります。レールと動力炉の距離をつかんで。」
『なかなかムズカシイなぁ。』
赤色、黄色、緑色三本のグラインドレールが動力炉周囲にまとわりついていているのが窺える。動力炉なのだから、守りに徹し攻撃を加えず、オーラム軍におまかせなのかとも思ったが、決してそうではなく自ら攻撃を仕掛けて来たのだ。パルテナ様の助言通り、三本のグラインドレールに乗り換えながら動力炉に接近したのを見計らい、射撃を加えてみるけれど手応えはない。どの敵にも共通するが、ダメージを蓄積させなければならないらしい。これは長期戦になるかもと思ったのも束の間、パルテナ様がこっそり私達に教えてくれた。“守りに入るよりも攻撃重視すべき”だと。双方から攻撃を加えよう作戦を実行中、ピット君との距離が離れていたが目を合わせ首に頷き合えばそのまま攻撃を加え始めた。耐久力がどれだけ備わっているか知らないが、ここで攻撃をやめてしまったら流れを持っていかれるのは目に見えていた。グラインドレールと言う名の避けようのないフィールドでどれだけ粘れるか、自身の腕っぷしに掛かっている。
「セラちゃん!ボールに向けて射撃してみて!」
『!うん!』
まさに今の状況八方塞がりだと苦笑いを浮かべた直後、ピット君から攻撃を促す声が両耳に届いた。このまま何もせず、ダメージを受けるならばいっそ最後迄足掻いてみよう。彼の助言を耳に留め、ボールに照準を合わせ射った。さすれば、フレイボールは力を失い、空間に分散して行ったのが分かる。成功だ。
『ありがとう!ピット君!』
「どういたしまして。」
彼の言う通りだった。察するに動力炉からの攻撃で、相殺出来るタイプもあるらしい。耳寄り情報だ。この情報を活用しない手はない。なかなか突破口が見えず、やきもきしていたがこの状況を打開出来るかもしれない……その考えに至った時には、反撃のチャンスを狙うべく行動に移していた。
「HAHAHAHAHA!!」「ラーズ!」
「手こずっているようだね!ピットくん!!セラちゃん!!」
『どうしたの?急に。』
「この私が手伝ってあげよう!!」
『(イヤな予感……。)』
「いや、いいや。」
『いっそ、やめて。』
「私のフラッシュビームを受けてみろ!!」
私達の攻撃が軌道に乗り始めたかとも思えたこの瞬間、突如ラーズが乱入し手伝ってくれる意思を見せた。こう言っては難なのだけれど、ラーズが手助けをして良い記憶が余りない。一度脱出を手助けしてもらったが、それだけ信用度が増すとも思えなかった。至極当然の流れで、ラーズの手助けを断った天使二人だが結局動力炉に向けて攻撃を繰り出してしまう。人の話を聞かずに、我が道を行くタイプなのだから困ったものだ。明らかに私達の邪魔をしているとしか思えない。それを証拠に、動力炉は活気づきマイナスな方向に導かれた気がしてならないのだ。
「ん?ふーむ。おかしいな……。」
「熱に熱を浴びせてかえって活気づいたような気がしますが。」
「HAHAHAHAHA。こいつは失敗だったな!」
「「失敗だったな!」って。」
『(予感的中。)』
「ふむ……。さらばだ!ピットくん!!セラちゃん!!健闘を祈る!シュワッ!!」