第16章 オーラムの脅威(後編)
セラ
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様々な考えを脳裏に過らせていたら、何を思ったのかナチュレちゃんが私達に加勢してくれた。つまりは助けてくれた事実に繋がる。いつもは対立し、パルテナ軍を目の敵にしている筈が何故と思いきや、張本人がその理由を包み隠さず話してくれた。話を聞くにこれが俗に言う“ツンデレ”なのだろうか。正直初めて見た。私の身の周りには言葉と態度が裏腹な人物なんていないから新鮮なのだけれど、こういう態度を繰り返していたら勘違いされてしまうよねなぁんて思う。現に今だって、二人から何も反応してもらえなかった。私はナチュレちゃんのノリに思わず胸打たれてしまったけれど、ピット君にその手は通用しない。彼をおとしたいなら、単純否素直な心で接するべきだ。さすれば幾ら敵同士でも、心と心を通じ合わせられる。反発し合っている相手を好きになるのって大変よね。よしっ!ここは天使セラちゃんが一肌脱ぎましょう!
『ピット君!がんばって!応援しているから!』
「う、うん。ありがとう。」
戦いの真っ只中なのにも関わらず、ついつい恋路を応援してしまう。ピット君に至っては何を言われているのか分からない様子だったが思い当たる節があったのか、はっとした表情を浮かべた後優しい笑みを向けてくれた。釣られて私も笑む。分かってくれたみたいで良かった。これでナチュレちゃんの想いも浮かばれるってものだ。きっと今後、何かしら展開があるだろう。こんなにも面白い話は他にないと言って良い。突撃して来る敵を順調に浄化しているのに、自身の表情は戦場に似つかわしくないにやにやしたものだった。
「(相変わらずセラは、筋金入りの鈍感ですね。)」
「(セラちゃんが応援してくれるんだ!がんばらなくちゃ!)」
二人がそれぞれ別の思いに駆られれていたとは、勿論知る由もない。
「ここから先、オーラム要塞の動力炉につながっているようです。ここを叩けば要塞は陥落するでしょう。」
「まかせてください!」
『やってやります!』
色んなやり取りを経て、グラインドレール尚乗りつつも敵浄化に勤しむ。聞けば、この先に動力炉があるらしい。動力炉を叩き要塞を陥落させた暁には、オーラム軍も少しは大人しくなるだろうか。普段の戦いだったなら、それだけで済むのだけれど、今回は何故かまだまだこの戦いが続いて行くんだろう……そう胸中で確信していた。目的地に接近しているものの辿り着いていないのにも関わらず既に妨害が凄まじい。“向かう所敵なし”の私達でも数が多すぎてへこたれそうになる。
『(いえ……それでも……負けていられないわ!)』
気合いを入れ直し、接近して来る敵には打撃を。遠方で攻撃して来る敵には射撃で迎え撃つ。気合いを入れ直したからか、攻撃を加える際の動きにキレが出て来た様に思う。ピット君と共に分担した敵は、付近を浮遊し挑発している印象を受けていたがそれに乗っかるかの如く隣の彼はそれはもうバッタバッタ浄化していた。気持ちは分かるけれど、容赦ない。そのお陰で難無く先に進め、必要以上の戦いも避けられ体力を温存出来る余裕が生まれる。考えた上で二重も三重もその身に背負ってくれたのか、真意は定かではないが彼が作り出した好機を無駄にはしないと神器を構え直した。
「最後の護りのようです。」
「寄らば打ち砕く!すべてはこの星のために!!」
『さぁ!かかってきなさい!』
グラインドレールを降りた先は、動力炉。ではなく、宙に浮いている平面地面であった。この場所には一体何があるのだろう。そう思った束の間、天使二人を先に行かせまいとオーラム軍の襲撃に遭う。動力炉を守るボディーガードなだけあって一筋縄ではいかないらしい。だが簡単に攻略出来てしまうのも何だかつまらないし、こういうのが返って燃えるシチュエーシュンなのだ。それを証拠に、ピット君は目にも留まらぬ速さでオーラム軍に向かって行っている。相も変わらず、敵にはなりたくない戦い方だ。傍観している暇なんてないけれど、思わず引き攣った笑み。決して戦闘に集中していない訳ではない。だが不意に、視界へ入ってしまった。もしかしなくとも彼一人だけで、勝利を掴めてしまうのではないか。危うく錯覚する程の気迫であった。
「セラ、後ろ!」
『!!』
絶好調な彼の戦いぶりにを遠巻きで眺めていたら、突然パルテナ様が声を大にして叫んだ。瞬時に振り返れば、私に攻撃を仕掛けんと行動を起こすオーラム軍が両目に飛び込んで来る。パルテナ様が教えてくれなかったら、反応が遅れていただろう。回避出来ず、多大なダメージを受けていたに違いない。察しの通り、攻撃を受けるぎりぎりの所で軽々しくバック宙をやって退け無事回避。次の攻撃を繰り出そうとしている隙に反撃の一発をお見舞いしてあげた。
「セラちゃん?!だいじょうぶ?!」
『ピット君……。うん、だいじょうぶだよ。それに、倒しちゃったし!』
「ほんとう……よかった。」
かなり早いペースである。主にピット君が目にも留まらぬ速さで動いてくれていたせいか、世界新記録だと称賛されても差し支えない程に最短記録を更新出来たのではないか。一面見渡せば敵一匹何処にもおらず、平面地面には私達以外存在していなかった。逸早く私の元に駆け寄って来たピット君は、心配そうな表情を浮かべ怪我がないか確かめて来た。けれど私は、この通りピンピンしている。彼に劣らず敵を倒せたのだ。自身の応答を聞いて満足したらしく、目の前に佇む彼は胸を撫で下ろしていた。不意に笑み。
『ピット君!がんばって!応援しているから!』
「う、うん。ありがとう。」
戦いの真っ只中なのにも関わらず、ついつい恋路を応援してしまう。ピット君に至っては何を言われているのか分からない様子だったが思い当たる節があったのか、はっとした表情を浮かべた後優しい笑みを向けてくれた。釣られて私も笑む。分かってくれたみたいで良かった。これでナチュレちゃんの想いも浮かばれるってものだ。きっと今後、何かしら展開があるだろう。こんなにも面白い話は他にないと言って良い。突撃して来る敵を順調に浄化しているのに、自身の表情は戦場に似つかわしくないにやにやしたものだった。
「(相変わらずセラは、筋金入りの鈍感ですね。)」
「(セラちゃんが応援してくれるんだ!がんばらなくちゃ!)」
二人がそれぞれ別の思いに駆られれていたとは、勿論知る由もない。
「ここから先、オーラム要塞の動力炉につながっているようです。ここを叩けば要塞は陥落するでしょう。」
「まかせてください!」
『やってやります!』
色んなやり取りを経て、グラインドレール尚乗りつつも敵浄化に勤しむ。聞けば、この先に動力炉があるらしい。動力炉を叩き要塞を陥落させた暁には、オーラム軍も少しは大人しくなるだろうか。普段の戦いだったなら、それだけで済むのだけれど、今回は何故かまだまだこの戦いが続いて行くんだろう……そう胸中で確信していた。目的地に接近しているものの辿り着いていないのにも関わらず既に妨害が凄まじい。“向かう所敵なし”の私達でも数が多すぎてへこたれそうになる。
『(いえ……それでも……負けていられないわ!)』
気合いを入れ直し、接近して来る敵には打撃を。遠方で攻撃して来る敵には射撃で迎え撃つ。気合いを入れ直したからか、攻撃を加える際の動きにキレが出て来た様に思う。ピット君と共に分担した敵は、付近を浮遊し挑発している印象を受けていたがそれに乗っかるかの如く隣の彼はそれはもうバッタバッタ浄化していた。気持ちは分かるけれど、容赦ない。そのお陰で難無く先に進め、必要以上の戦いも避けられ体力を温存出来る余裕が生まれる。考えた上で二重も三重もその身に背負ってくれたのか、真意は定かではないが彼が作り出した好機を無駄にはしないと神器を構え直した。
「最後の護りのようです。」
「寄らば打ち砕く!すべてはこの星のために!!」
『さぁ!かかってきなさい!』
グラインドレールを降りた先は、動力炉。ではなく、宙に浮いている平面地面であった。この場所には一体何があるのだろう。そう思った束の間、天使二人を先に行かせまいとオーラム軍の襲撃に遭う。動力炉を守るボディーガードなだけあって一筋縄ではいかないらしい。だが簡単に攻略出来てしまうのも何だかつまらないし、こういうのが返って燃えるシチュエーシュンなのだ。それを証拠に、ピット君は目にも留まらぬ速さでオーラム軍に向かって行っている。相も変わらず、敵にはなりたくない戦い方だ。傍観している暇なんてないけれど、思わず引き攣った笑み。決して戦闘に集中していない訳ではない。だが不意に、視界へ入ってしまった。もしかしなくとも彼一人だけで、勝利を掴めてしまうのではないか。危うく錯覚する程の気迫であった。
「セラ、後ろ!」
『!!』
絶好調な彼の戦いぶりにを遠巻きで眺めていたら、突然パルテナ様が声を大にして叫んだ。瞬時に振り返れば、私に攻撃を仕掛けんと行動を起こすオーラム軍が両目に飛び込んで来る。パルテナ様が教えてくれなかったら、反応が遅れていただろう。回避出来ず、多大なダメージを受けていたに違いない。察しの通り、攻撃を受けるぎりぎりの所で軽々しくバック宙をやって退け無事回避。次の攻撃を繰り出そうとしている隙に反撃の一発をお見舞いしてあげた。
「セラちゃん?!だいじょうぶ?!」
『ピット君……。うん、だいじょうぶだよ。それに、倒しちゃったし!』
「ほんとう……よかった。」
かなり早いペースである。主にピット君が目にも留まらぬ速さで動いてくれていたせいか、世界新記録だと称賛されても差し支えない程に最短記録を更新出来たのではないか。一面見渡せば敵一匹何処にもおらず、平面地面には私達以外存在していなかった。逸早く私の元に駆け寄って来たピット君は、心配そうな表情を浮かべ怪我がないか確かめて来た。けれど私は、この通りピンピンしている。彼に劣らず敵を倒せたのだ。自身の応答を聞いて満足したらしく、目の前に佇む彼は胸を撫で下ろしていた。不意に笑み。