第16章 オーラムの脅威(前編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
侵入出来ないのではこの場に留まる意味もないとやむなく帰還する選択肢が天使二人の前に立ちはだかる。八方塞がりになる場面はこれ迄に幾度となくあった。だが今回は、突入する前で揺れ動いている。皆でどうすべきか、考えているもののなかなか妙案は思い浮かばない。こうしている間にも飛翔の奇跡のタイムリミットは刻々と迫って来ている。どうにかしなければならないのだが、切羽詰まっている筈なのに何処か余裕を感じられるのはラーメンだの何だの発言しているせいだろう。此処だけの話、ご飯のメニューを何にしようか考案していたのだが、難無くラーメンに決定しそうだ。話が少々脱線してしまったが、この状況をどうすべきか考え倦ねていると、数分前に冥府軍が接収したと思われる戦艦が要塞のシールドに向かって体当りしたのを目の当たりにする。
「開かぬと不平を言うよりも!すすんで扉を開きましょう!!とーう!!」
「うわぁぁッ!!」
『きゃぁぁッ!!』
「無茶するなぁ……。」
「ちょっとホレそうじゃ。(まぁ、わらわはセラ一筋じゃがな。)」
ハデスが接収しようとしていた戦艦は、突破口に使用する目的であった様だ。その証拠に、敵味方の区別が付いている筈の戦艦が今は要塞のシールドに食い込んでいる。半ば強引であったが、突き進むべき道を指し示してくれた事実に感謝の意を胸の内で述べた。心外だとハデスに言われてしまいそうだが、戦艦を接収しようとしていたのは私利私欲の為だと思っていた。まさかこんな所で、戦艦の使い道が見つかるとは思いも寄らなかったのだ。ハデスを誤解していた事実に困った顔を浮かべていれば、パルテナ様が私達に向けて突き進むべき道標を指し示して下さった。
「突き刺した戦艦の通路から要塞内部に入れるようです。」
「まるでストローのようじゃのう。」
「では!甘んじて突入します!!」
『レッツ・ゴー!!』
ハデスが用意した道でも、背に腹は変えられない。筒状になっている部分、戦艦通路から中に入って行く。激突した要因でなのか、通路の中は既に火の海と化していた。今更引き返すだなんて野暮な真似はしないけれど、たじろいでしまいそうになる。けれど隣で飛行していたピット君がすかさず私の手を取り、強く握りしめてくれた。遠回しに“だいじょうぶ”だと言われている気がして自然に顔が綻ぶ。窮地に陥っているが、何のその。私達は手と手を握りながら、火の海を化している通路の中へ突入するのだった。
『く……!あっつ……。』
「あちちちち。」
(To be continued……)
「開かぬと不平を言うよりも!すすんで扉を開きましょう!!とーう!!」
「うわぁぁッ!!」
『きゃぁぁッ!!』
「無茶するなぁ……。」
「ちょっとホレそうじゃ。(まぁ、わらわはセラ一筋じゃがな。)」
ハデスが接収しようとしていた戦艦は、突破口に使用する目的であった様だ。その証拠に、敵味方の区別が付いている筈の戦艦が今は要塞のシールドに食い込んでいる。半ば強引であったが、突き進むべき道を指し示してくれた事実に感謝の意を胸の内で述べた。心外だとハデスに言われてしまいそうだが、戦艦を接収しようとしていたのは私利私欲の為だと思っていた。まさかこんな所で、戦艦の使い道が見つかるとは思いも寄らなかったのだ。ハデスを誤解していた事実に困った顔を浮かべていれば、パルテナ様が私達に向けて突き進むべき道標を指し示して下さった。
「突き刺した戦艦の通路から要塞内部に入れるようです。」
「まるでストローのようじゃのう。」
「では!甘んじて突入します!!」
『レッツ・ゴー!!』
ハデスが用意した道でも、背に腹は変えられない。筒状になっている部分、戦艦通路から中に入って行く。激突した要因でなのか、通路の中は既に火の海と化していた。今更引き返すだなんて野暮な真似はしないけれど、たじろいでしまいそうになる。けれど隣で飛行していたピット君がすかさず私の手を取り、強く握りしめてくれた。遠回しに“だいじょうぶ”だと言われている気がして自然に顔が綻ぶ。窮地に陥っているが、何のその。私達は手と手を握りながら、火の海を化している通路の中へ突入するのだった。
『く……!あっつ……。』
「あちちちち。」
(To be continued……)
4/4ページ