第16章 オーラムの脅威(前編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「操舵室は元より生きものの気配を感じません。」
「からくり生命体でもおるんじゃないかの。」
「ワーレーワーレーハー」
「宇宙人ごっこしている場合じゃありませんよ。」
普通ならば船を操縦する際には必ず指示を出す存在が居るけれど、オーラム軍の戦艦にはそれらしき者を認識出来なかった模様。そりゃあ船舶とは勝手が違うけれど、ここ迄生命反応がないと返って気味が悪い。活動しているのは目に見えているのに、敵側と意思疎通出来ないのも不思議だ。正直ペラペラ喋っている私達が、異端なのかもしれないが少し物足りなさを感じてしまうのは仕方がなかった。敵対している軍と仲良く会話しているし、それが心地良く思う部分もある。うっかり敵対するのを忘却する程に。きっとこの騒動が終止すれば、また極自然に敵同士として戦い合うだろう。寂しさが胸中を過るが、一時休戦する程の出来事であると思う。
「戦艦の弱点、むき出しですね。場所もまちまちだし。」
『でもなんでこんなに、わかりやすく……?』
「あら?これも奇跡の賜物ですよ?」
「え……?!」
「『えぇぇッ?!』」
「建造物の核や動力に直結する伝動室の巨大マーカーをつけるという……。名付けて「弱点さらしの奇跡」!!」
「おみそれしました!」
『パルテナ様、スゴイです。』
「戦艦を破壊しきれるわけではありませんが 足止めには充分でしょう。」
オーラム軍を倒しても、ずっと仲良く居られたらいいのに……と思わずにはいられない。そんな矢先、緑色に輝く何かをまたもや発見。どうやら、これは戦艦の弱点らしい。そういえば数分前も緑色に輝くものを破壊し、何隻の戦艦を陥落させたなと記憶を遡りながらも神器で次々と破壊して進む。聞いてビックリ。この弱点を形にして下さっているのはパルテナ様の奇跡が働いているからだそうなのだ。感服する手際の良さ。改めて敵でなくて良かったと思う。到底有り得ないけれど、私が敵対したら手に余りそうだもの。雑念ばかりが自身の脳を支配するが、譲歩してほしい。周囲を見つめていると、どうしても客観的に物事を捉えてしまうのだ。それだけ周囲の個性が濃厚なのか。お陰で影が薄い人物なんて一人も居ない。
……それは扨置き、パルテナ様が弱点を見つけやすくして下さったのもあって、こちら側に攻撃を仕掛けていた戦艦を陥落させるのに成功。力を失った戦艦は私達に反撃出来ず、そのまま空中に存在する羽目になる。再起不能と出来たら、どれだけ良いか。だがそう簡単にいかないものだ。足止めさせるだけでも充分な収穫だと考え直し、天使二人は謎の球体 要塞に到着する。いつもの様に要塞へ侵入かと思われたが、なかなか行動を起こす気配がない。何かのトラブルだろうか。パルテナ様が沈黙していた口を開き、言葉を告げようとしている。
「要塞に到着しました。けれど……。」
「なんでしょう?」
『どうかしました?』
「中に入れるようなところがどこにもありません。」
「えええっ?!まったく無いんですか?!」
「ハイ。」
『まさかの問題浮上?!』
言葉の続きを待っていると、球体の中へ入り込む隙がないらしいのだ。思わずピット君と顔を見合わせてしまう。中に入れないのでは私達も飛行中であるが、立ち往生するしか手立てが見つからない。余り触れたくはなかったから、言いたくなかったがピット君が現状を察知して更に言葉を続ける。正直、両耳を両手で塞いでしまいたい。言わば、現実逃避だ。
「つまり、侵入できないと?」
「そうなりますね。」
『なんか、聞きたくなかった……。』
「戦艦はシールドに守られながら押し出されて発進しているようじゃ。」
「中に入れないとは、はじめてのパターンだなぁ。お手上げです。帰ってラーメンでもすすってましょうかね?!」
「私はメンマだくでお願いします。」
『そういえば、ゴハンがまだでしたね。今日はラーメンとギョウザかなぁ。』
「そなたら、意外と庶民的なんじゃな。」
「からくり生命体でもおるんじゃないかの。」
「ワーレーワーレーハー」
「宇宙人ごっこしている場合じゃありませんよ。」
普通ならば船を操縦する際には必ず指示を出す存在が居るけれど、オーラム軍の戦艦にはそれらしき者を認識出来なかった模様。そりゃあ船舶とは勝手が違うけれど、ここ迄生命反応がないと返って気味が悪い。活動しているのは目に見えているのに、敵側と意思疎通出来ないのも不思議だ。正直ペラペラ喋っている私達が、異端なのかもしれないが少し物足りなさを感じてしまうのは仕方がなかった。敵対している軍と仲良く会話しているし、それが心地良く思う部分もある。うっかり敵対するのを忘却する程に。きっとこの騒動が終止すれば、また極自然に敵同士として戦い合うだろう。寂しさが胸中を過るが、一時休戦する程の出来事であると思う。
「戦艦の弱点、むき出しですね。場所もまちまちだし。」
『でもなんでこんなに、わかりやすく……?』
「あら?これも奇跡の賜物ですよ?」
「え……?!」
「『えぇぇッ?!』」
「建造物の核や動力に直結する伝動室の巨大マーカーをつけるという……。名付けて「弱点さらしの奇跡」!!」
「おみそれしました!」
『パルテナ様、スゴイです。』
「戦艦を破壊しきれるわけではありませんが 足止めには充分でしょう。」
オーラム軍を倒しても、ずっと仲良く居られたらいいのに……と思わずにはいられない。そんな矢先、緑色に輝く何かをまたもや発見。どうやら、これは戦艦の弱点らしい。そういえば数分前も緑色に輝くものを破壊し、何隻の戦艦を陥落させたなと記憶を遡りながらも神器で次々と破壊して進む。聞いてビックリ。この弱点を形にして下さっているのはパルテナ様の奇跡が働いているからだそうなのだ。感服する手際の良さ。改めて敵でなくて良かったと思う。到底有り得ないけれど、私が敵対したら手に余りそうだもの。雑念ばかりが自身の脳を支配するが、譲歩してほしい。周囲を見つめていると、どうしても客観的に物事を捉えてしまうのだ。それだけ周囲の個性が濃厚なのか。お陰で影が薄い人物なんて一人も居ない。
……それは扨置き、パルテナ様が弱点を見つけやすくして下さったのもあって、こちら側に攻撃を仕掛けていた戦艦を陥落させるのに成功。力を失った戦艦は私達に反撃出来ず、そのまま空中に存在する羽目になる。再起不能と出来たら、どれだけ良いか。だがそう簡単にいかないものだ。足止めさせるだけでも充分な収穫だと考え直し、天使二人は謎の球体 要塞に到着する。いつもの様に要塞へ侵入かと思われたが、なかなか行動を起こす気配がない。何かのトラブルだろうか。パルテナ様が沈黙していた口を開き、言葉を告げようとしている。
「要塞に到着しました。けれど……。」
「なんでしょう?」
『どうかしました?』
「中に入れるようなところがどこにもありません。」
「えええっ?!まったく無いんですか?!」
「ハイ。」
『まさかの問題浮上?!』
言葉の続きを待っていると、球体の中へ入り込む隙がないらしいのだ。思わずピット君と顔を見合わせてしまう。中に入れないのでは私達も飛行中であるが、立ち往生するしか手立てが見つからない。余り触れたくはなかったから、言いたくなかったがピット君が現状を察知して更に言葉を続ける。正直、両耳を両手で塞いでしまいたい。言わば、現実逃避だ。
「つまり、侵入できないと?」
「そうなりますね。」
『なんか、聞きたくなかった……。』
「戦艦はシールドに守られながら押し出されて発進しているようじゃ。」
「中に入れないとは、はじめてのパターンだなぁ。お手上げです。帰ってラーメンでもすすってましょうかね?!」
「私はメンマだくでお願いします。」
『そういえば、ゴハンがまだでしたね。今日はラーメンとギョウザかなぁ。』
「そなたら、意外と庶民的なんじゃな。」