第15章 謎の侵略者(後編)
セラ
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「ん?なんとなく生き物のようなものが。」
『ホントだ!くねくね動いてる!』
「オーラム星人とでも呼んでおこうかの。」
「あれは“オーラマ”と言うようです。生き物かどうかはわからないけれど混乱攻撃に注意して。」
平面ではあるから迷わなさそうに見えて、実はそうでもない。しかし、何とか迷わずに進めている。敵浄化の手は休めず、先に先に進んだら視界に映ったのは建造物から中へ通じる階段。そこを昇り切ると、扉の前で私達の行く手を塞いでいる敵二体の姿があった。パルテナ様から名を聞き、名前が存在していた事実に驚きを隠せずに居る。チラッと小耳に挟んだのだが、先程戦って浄化した敵の名は“ヤック”と呼称されているらしい。只、こっちでその発音だが異星では相違するやもしれない。それは扨置き、“オーラマ”と呼ばれたこの敵を真っ先に浄化しなければ私達は前に進めない。彼女が教えてくれた助言を耳に留めつつ、狭いフィールドを物ともせず分散する。あちらが混乱させるのであれば、こちらは攪乱作戦だ。けれど敵側が混乱させようと目論み、精神波を撃って来た。攪乱させようと動いていた天使二人であったがオーラマに対抗出来ず、有ろう事か精神波を喰らってしまう。お陰で視界がぐるぐるぐるして、距離感が掴めない。混乱状態に乗じて、ここぞとばかりにビンタして来るオーラマ。……地味に痛い。
『いままでの敵とゼンゼン勝手がちがうから、戦いづらいなぁ。』
「未知だからね。」
ビンタされた両頬の痛みに耐え、反撃すべく行動に移す。ピット君も痛みに耐えているのか、赤くなっている両頬を手で摩りながら浄化する機会を窺っている。攪乱……出来ているかどうかは何とも言えないが、お陰で浄化には繋がっている。二体存在していた“オーラマ”は、混乱状態になりながらも倒せた。だが、こういう敵が他にもわんさか居ると思うと少々嫌気がさしてしまう。駄目だ!そんな弱気になってしまっては。しっかりしなさい、私!
「セラちゃん、どうしたの?だいじょうぶ?」
『う、うん!だいじょうぶ!』
親衛副隊長として、あってはならない感情を少しでも抱いてしまった。敵陣の中であり戦闘中であるが、両頬をぱしぱし叩いて気合いを入れ直す。その様子をうっかりピット君に見られてしまう。当然心配した表情で、私の顔を覗き込む彼。うまくごまかしたが、彼の顔は訝し気であった。
行く手を塞いでいた妨害者を蹴散らし、どんと構えていた扉から掻い潜り先へと移動する。階段やら設置されているみたいだが、道は真っ直ぐ続いていた。見た所、道に仕掛けが施されている気配はない。取り敢えずは問題ないだろう。だけど何か怖いから、念の為慎重に歩こうと思う。何分か前にもぶつかった壁面の装置。そのスイッチを彼が打撃で押してくれる。ここにもスイッチがあるのだから、他のエリアにも明らかにスイッチが存在するだろう。実を言うと、オーラムは仕掛け好きなのか。それとも、侵入者を撃退する用途なのだろうか。どちらにせよ、道を切り開く目的でスイッチを押して行くだろうから、考えを巡らせたとしても意味を成さないのは誰もが分かっている。そうして軽い足取りで前へ進む。目立った仕掛けも特になく、このまま順調にあの塔を目指せるのではないかとも考えたのも束の間、ピット君が不自然に設置されている宝箱を発見した。中身は一体なんだろう。何かしらのアイテムでも入っているのか、接近してみれば突如宝箱にすらりとした両足が現れた。
『?!』
「ワナじゃの。お仕置き部屋と言ったところじゃろうか。」
「あんなところに宝箱を置いたのはハデス様ですか?」
「ご冗談を。誰トク?」
「しかもミミッ子?!」
「うーん。不自然じゃ。」
「オーラムが持ってきたのでしょうか……。」
普通の宝箱ではなかった。正体はミミッ子。すらりとした両足を駆使して、主にピット君へ蹴り技を見舞って来た。懸命に回避して、威力の高いダッシュ打撃で反撃する親衛隊長。ミミッ子が何故この場所で待ち構えていたのか。ハデスが犯人でないとすれば、オーラムであろうがどんな手段をやって退けたのか。数々の謎を残し、ミミッ子は無事彼の手に寄って浄化されて行った。正体がミミッ子なのだから、当然宝箱の報酬はなし。肩を落胆させてはミミッ子以外にも潜んでいた敵を素早く浄化する。言っていなかったから補足するが、ミミッ子が出現した反動に寄り逃避出来ない様に足場を高くされていたのだ。その場に潜んでいた敵を浄化したお陰で、せり上がった足場は定位置に戻る。
こういう足場が舞台でも多く使用されているよねと思わずには居られない。休日があるかどうかは何とも言えないが、一時の休息に演劇と言う名の娯楽に浸っても悪くないかなぁなんてふと考えてしまった。
「あ。ビートル!」
『やったー!』
「ふーんむ……。」
「理不尽じゃ。」
「私はビートルなんて送ってませんよ。」
「まぁまぁいいじゃないですか!ちゃんと乗れそうだし!!」
扉を潜ると、私達の目の前にビートルが設置されていた。勿論二人分。これで移動時間も短縮出来てしまうとビートルに乗り込む天使二人。けれど、ナチュレちゃんもハデスも腑に落ちない様子。仲間外から言わせてもらえば、不公平だし優遇していると言われても仕方がない。なのだが、不思議にもパルテナ様はビートルを送り込んでいないらしい。先程のミミッ子と言い、ビートルと言い、何かが引き起こっているのは先ず間違いない。だが、解明は難しいみたいだ。複雑に考えても、答えは見つからないだろう。兎に角、ビートルで真っ直ぐ前だけを見据えて突き進むだけだ。
「この先、ジャンプ台があります。」
「落ちろ落ちろ。落ちるのじゃ。」
真っ直ぐ突き進むと、ビートルで飛び越えられるジャンプ台が設置されていた。ピット君は果敢にも挑戦しようと、スピードを調整していたが私は平面を走行し、やり過ごそうと思う。風を突っ切って走行するのは、本当に楽しい。何気にビートルもドライブテクが必要で、様々な場面で応用が効く。ジャンプ台に乗るべくスピードを出した彼は、ナチュレちゃんの煽りを物ともせず、今迄培ったテクニックで見事成功させていた。さすがと言わんばかりである。ジャンプ台を飛び越えた先と、平面した先に合流地点が存在しているからそこで落ち合う。ビートルで走行すべきカーブしている通路を同スピードで走行して行く。どうやら、徐行する必要はないみたいだ。
『ホントだ!くねくね動いてる!』
「オーラム星人とでも呼んでおこうかの。」
「あれは“オーラマ”と言うようです。生き物かどうかはわからないけれど混乱攻撃に注意して。」
平面ではあるから迷わなさそうに見えて、実はそうでもない。しかし、何とか迷わずに進めている。敵浄化の手は休めず、先に先に進んだら視界に映ったのは建造物から中へ通じる階段。そこを昇り切ると、扉の前で私達の行く手を塞いでいる敵二体の姿があった。パルテナ様から名を聞き、名前が存在していた事実に驚きを隠せずに居る。チラッと小耳に挟んだのだが、先程戦って浄化した敵の名は“ヤック”と呼称されているらしい。只、こっちでその発音だが異星では相違するやもしれない。それは扨置き、“オーラマ”と呼ばれたこの敵を真っ先に浄化しなければ私達は前に進めない。彼女が教えてくれた助言を耳に留めつつ、狭いフィールドを物ともせず分散する。あちらが混乱させるのであれば、こちらは攪乱作戦だ。けれど敵側が混乱させようと目論み、精神波を撃って来た。攪乱させようと動いていた天使二人であったがオーラマに対抗出来ず、有ろう事か精神波を喰らってしまう。お陰で視界がぐるぐるぐるして、距離感が掴めない。混乱状態に乗じて、ここぞとばかりにビンタして来るオーラマ。……地味に痛い。
『いままでの敵とゼンゼン勝手がちがうから、戦いづらいなぁ。』
「未知だからね。」
ビンタされた両頬の痛みに耐え、反撃すべく行動に移す。ピット君も痛みに耐えているのか、赤くなっている両頬を手で摩りながら浄化する機会を窺っている。攪乱……出来ているかどうかは何とも言えないが、お陰で浄化には繋がっている。二体存在していた“オーラマ”は、混乱状態になりながらも倒せた。だが、こういう敵が他にもわんさか居ると思うと少々嫌気がさしてしまう。駄目だ!そんな弱気になってしまっては。しっかりしなさい、私!
「セラちゃん、どうしたの?だいじょうぶ?」
『う、うん!だいじょうぶ!』
親衛副隊長として、あってはならない感情を少しでも抱いてしまった。敵陣の中であり戦闘中であるが、両頬をぱしぱし叩いて気合いを入れ直す。その様子をうっかりピット君に見られてしまう。当然心配した表情で、私の顔を覗き込む彼。うまくごまかしたが、彼の顔は訝し気であった。
行く手を塞いでいた妨害者を蹴散らし、どんと構えていた扉から掻い潜り先へと移動する。階段やら設置されているみたいだが、道は真っ直ぐ続いていた。見た所、道に仕掛けが施されている気配はない。取り敢えずは問題ないだろう。だけど何か怖いから、念の為慎重に歩こうと思う。何分か前にもぶつかった壁面の装置。そのスイッチを彼が打撃で押してくれる。ここにもスイッチがあるのだから、他のエリアにも明らかにスイッチが存在するだろう。実を言うと、オーラムは仕掛け好きなのか。それとも、侵入者を撃退する用途なのだろうか。どちらにせよ、道を切り開く目的でスイッチを押して行くだろうから、考えを巡らせたとしても意味を成さないのは誰もが分かっている。そうして軽い足取りで前へ進む。目立った仕掛けも特になく、このまま順調にあの塔を目指せるのではないかとも考えたのも束の間、ピット君が不自然に設置されている宝箱を発見した。中身は一体なんだろう。何かしらのアイテムでも入っているのか、接近してみれば突如宝箱にすらりとした両足が現れた。
『?!』
「ワナじゃの。お仕置き部屋と言ったところじゃろうか。」
「あんなところに宝箱を置いたのはハデス様ですか?」
「ご冗談を。誰トク?」
「しかもミミッ子?!」
「うーん。不自然じゃ。」
「オーラムが持ってきたのでしょうか……。」
普通の宝箱ではなかった。正体はミミッ子。すらりとした両足を駆使して、主にピット君へ蹴り技を見舞って来た。懸命に回避して、威力の高いダッシュ打撃で反撃する親衛隊長。ミミッ子が何故この場所で待ち構えていたのか。ハデスが犯人でないとすれば、オーラムであろうがどんな手段をやって退けたのか。数々の謎を残し、ミミッ子は無事彼の手に寄って浄化されて行った。正体がミミッ子なのだから、当然宝箱の報酬はなし。肩を落胆させてはミミッ子以外にも潜んでいた敵を素早く浄化する。言っていなかったから補足するが、ミミッ子が出現した反動に寄り逃避出来ない様に足場を高くされていたのだ。その場に潜んでいた敵を浄化したお陰で、せり上がった足場は定位置に戻る。
こういう足場が舞台でも多く使用されているよねと思わずには居られない。休日があるかどうかは何とも言えないが、一時の休息に演劇と言う名の娯楽に浸っても悪くないかなぁなんてふと考えてしまった。
「あ。ビートル!」
『やったー!』
「ふーんむ……。」
「理不尽じゃ。」
「私はビートルなんて送ってませんよ。」
「まぁまぁいいじゃないですか!ちゃんと乗れそうだし!!」
扉を潜ると、私達の目の前にビートルが設置されていた。勿論二人分。これで移動時間も短縮出来てしまうとビートルに乗り込む天使二人。けれど、ナチュレちゃんもハデスも腑に落ちない様子。仲間外から言わせてもらえば、不公平だし優遇していると言われても仕方がない。なのだが、不思議にもパルテナ様はビートルを送り込んでいないらしい。先程のミミッ子と言い、ビートルと言い、何かが引き起こっているのは先ず間違いない。だが、解明は難しいみたいだ。複雑に考えても、答えは見つからないだろう。兎に角、ビートルで真っ直ぐ前だけを見据えて突き進むだけだ。
「この先、ジャンプ台があります。」
「落ちろ落ちろ。落ちるのじゃ。」
真っ直ぐ突き進むと、ビートルで飛び越えられるジャンプ台が設置されていた。ピット君は果敢にも挑戦しようと、スピードを調整していたが私は平面を走行し、やり過ごそうと思う。風を突っ切って走行するのは、本当に楽しい。何気にビートルもドライブテクが必要で、様々な場面で応用が効く。ジャンプ台に乗るべくスピードを出した彼は、ナチュレちゃんの煽りを物ともせず、今迄培ったテクニックで見事成功させていた。さすがと言わんばかりである。ジャンプ台を飛び越えた先と、平面した先に合流地点が存在しているからそこで落ち合う。ビートルで走行すべきカーブしている通路を同スピードで走行して行く。どうやら、徐行する必要はないみたいだ。