第15章 謎の侵略者(後編)
セラ
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着地するなり、敵意剥き出しに取り囲まれた私とピット君は背中合わせになりながら敵の出方を窺っていた。攻撃を開始するタイミングを目配せで合図して、神器を手中に散り散りと目にも留まらぬ速さで浄化し始める。四方八方に散っては定位置、つまりは彼の背中に戻り再度散る反復運動。髪を靡かせ衣を翻し、神器が得意な間合いで戦う。スタミナが許す限り、私達は取り囲まれている逆境を利用し、敵の全浄化に成功した。思わぬアクシデントに見舞われたが、そんなのはモノともせず何喰わぬ顔でパルテナ様からの施与を遠慮なく食している天使二人。ピット君もそうだと思うが、何せ朝食を食べていないから空腹を知らせるお腹の虫の音が聞こえて来る程。思わず顔を赤くさせてリンゴはたまたぶどうやチョコレートを拾い食いしていた。
ある程度お腹も膨れ、気を取り直し先に進むべくゆっくりと歩行を進める。一体何が待ち受けているだろう。不安がないと言えば嘘になるが、新たな戦地に赴いた好奇心が何処となく自身の中で疼いていた。
「意外と入り組んでるんですね。」
『見たことない建物ばっかり。』
「素材がバラバラなのは さまざまなところから集めたからじゃな。」
「この星ではまず見られないような物質も混ざっているようです。」
勿論敵の浄化も忘れず、探索がてら周囲を見回し歩く。見れば見る程異質な場所だ。平面の大陸に建造物が建築されており、飛行状態の時は遠巻きから眺めていたがいざ降り立ってみると生き物が住んでいてもおかしくはない印象を受ける。だが生物の気配はない。オーラムがこの地を根城にしているのだけは分かった。目的を掲げ、行動している風には見えないし意志が備わっているとも思えないのに、何処となく生活感があるのは何故だろう。まるで何処かの異空間に迷い込んだ時のよう。
「こんなに整然としているのに。不思議だなぁ。」
「オーラム軍は、組織としてはハチなどに似てますね。マシーンのように統率され 瓦礫から整然とした巣を築き。でもまったく意志力を感じない。」
「まわりに生きているものがいないのがキモチ悪いですね。いつもなら、このへんでボスに「よく来たな!ピットよそしてセラよ!」……みたいなこと言われるのに。」
『それ、誰の真似?』
「お?さみしかったとは思わなかったぞよ。一考の余地ありじゃな。リクエストに応えて、すぐに自然軍幹部を派遣するとしようぞ!」
「待った。待った。タイム!いまは結構。遠慮します!」
『今はそうなるわよね。ってか自然軍にまだ幹部がいたの?!』とは言わなかった。思いきり声に出そうとしたが、何とか堪えるのに成功した。正直ピット君の物真似が面白かったがそれは胸に留めておく。
敵を浄化しながら、順調に歩行して行くと……有ろう事か道が塞がっていた。周囲に別のルートが存在しているか確認してみたがそんな気配もない。分岐点なんてなかったし、何より一本道だったから迷う筈がないのだけど、万が一と言う場合もある。仕方ない、引き返そう。そう思い踵を返した刹那、ピット君に制止の声を上げられ腕を掴まれ引き止められてしまう。あと数センチピット君側に寄っていたら、確実に彼の胸へダイブしていただろう。突然の出来事に驚き、条件反射で顔を赤く染めてしまったがそれはピット君も同じだった様子。何故かは分からないが気恥ずかしい感情を抱えながら、前方を見据えると赤々と輝く円形の模様が建物の中心に刻まれていた。彼が私を引き止めた理由は、この模様に秘密があるのではないかと考えたからだ。試しにピット君が神器を使い、模様に向けて攻撃を加えると……その模様がスイッチになっていたらしく建物が音を立ててせり下がる。彼が打撃を加えてくれたお陰で、行き止まりにならず新たな道が切り開いた。
「壁面の装置を壊すことで道が開けるようですね。」
「この際、ピャーッと空を飛んでいきませんか?」
「セラはともかく。飛翔の奇跡は、連発できませんよ。」
「ハイ……。存じております。生まれてきてスミマセン。」
『まぁ、そうなるわよね。』
「情けないヤツよのう。」
切り開いた仕掛けを抜け、真っ直ぐ突き進む。恐らく、こういう仕掛けがこの先にもあるのだろうなと思わずにはいられない。苦笑いを浮かべていれば、不意を衝きダメージを与えようと攻撃を仕掛けるべく背後に忍び寄る影。影に気付いた私は、間一髪の所で回避。そのまま射撃でノックダウンさせる。どうやらうまくいったみたいだ。意志はないのに、攻撃は的確であるのも何だか不思議である。これも統率力ゆえなのだろうか。やはりオーラムまだまだ謎が多い。そんな考えが脳裏を駆け巡る傍ら、会話を展開させながらも歩行を進める天使二人。歩行を進めて行くと、そこにはまたしても打撃で破壊するスイッチが。早々に進みたいからなのか、迅速にスイッチを破壊するピット君の後ろ姿を見た。風が吹き抜ける中、一切の無駄な動きなく仕掛けを解除する手付き。お見事。
拍手喝采を送りたくなるぐらい、スムーズに進んでいると思う。正直スムーズに進めているのは、隣でピット君が頑張ってくれているからである。だからと言って私が何もしていない訳でもないのだが、今回も彼は気合いが入っていると窺える。たった今も、バリアを張って明らかに自分の弱点である核を隠している名も知らぬ敵に手こずっている所だ。バリアで守備しているのだから、普通に攻撃をしただけでは勿論ダメージを与えられないし浄化に繋がらない。どうすれば、この敵を浄化出来るだろう。何か動きに特徴があれば、打開策も生まれるのだが。
『(あれっ?)』
等と考えながら名も知らぬ敵の浄化方法を模索していると、バリアを一定時間大きく広げた運動をしている気がした。この時点では気のせいか、思い違いだぐらいにしか考えていなかったが……やはり、大きく広げている。どうやら間違いではないらしい。ここはバリアを大きく広げた際に弱点の核へ一気に攻撃を仕掛ければ問題なく浄化出来る。そうと分かれば、善は急げ。早急に浄化して損はない。タイミングを見計らい、核へ向けて射撃を加えて行く。ダメージが蓄積されたのか……名も知らぬバリアの敵は力尽き、浄化されていった。
ある程度お腹も膨れ、気を取り直し先に進むべくゆっくりと歩行を進める。一体何が待ち受けているだろう。不安がないと言えば嘘になるが、新たな戦地に赴いた好奇心が何処となく自身の中で疼いていた。
「意外と入り組んでるんですね。」
『見たことない建物ばっかり。』
「素材がバラバラなのは さまざまなところから集めたからじゃな。」
「この星ではまず見られないような物質も混ざっているようです。」
勿論敵の浄化も忘れず、探索がてら周囲を見回し歩く。見れば見る程異質な場所だ。平面の大陸に建造物が建築されており、飛行状態の時は遠巻きから眺めていたがいざ降り立ってみると生き物が住んでいてもおかしくはない印象を受ける。だが生物の気配はない。オーラムがこの地を根城にしているのだけは分かった。目的を掲げ、行動している風には見えないし意志が備わっているとも思えないのに、何処となく生活感があるのは何故だろう。まるで何処かの異空間に迷い込んだ時のよう。
「こんなに整然としているのに。不思議だなぁ。」
「オーラム軍は、組織としてはハチなどに似てますね。マシーンのように統率され 瓦礫から整然とした巣を築き。でもまったく意志力を感じない。」
「まわりに生きているものがいないのがキモチ悪いですね。いつもなら、このへんでボスに「よく来たな!ピットよそしてセラよ!」……みたいなこと言われるのに。」
『それ、誰の真似?』
「お?さみしかったとは思わなかったぞよ。一考の余地ありじゃな。リクエストに応えて、すぐに自然軍幹部を派遣するとしようぞ!」
「待った。待った。タイム!いまは結構。遠慮します!」
『今はそうなるわよね。ってか自然軍にまだ幹部がいたの?!』とは言わなかった。思いきり声に出そうとしたが、何とか堪えるのに成功した。正直ピット君の物真似が面白かったがそれは胸に留めておく。
敵を浄化しながら、順調に歩行して行くと……有ろう事か道が塞がっていた。周囲に別のルートが存在しているか確認してみたがそんな気配もない。分岐点なんてなかったし、何より一本道だったから迷う筈がないのだけど、万が一と言う場合もある。仕方ない、引き返そう。そう思い踵を返した刹那、ピット君に制止の声を上げられ腕を掴まれ引き止められてしまう。あと数センチピット君側に寄っていたら、確実に彼の胸へダイブしていただろう。突然の出来事に驚き、条件反射で顔を赤く染めてしまったがそれはピット君も同じだった様子。何故かは分からないが気恥ずかしい感情を抱えながら、前方を見据えると赤々と輝く円形の模様が建物の中心に刻まれていた。彼が私を引き止めた理由は、この模様に秘密があるのではないかと考えたからだ。試しにピット君が神器を使い、模様に向けて攻撃を加えると……その模様がスイッチになっていたらしく建物が音を立ててせり下がる。彼が打撃を加えてくれたお陰で、行き止まりにならず新たな道が切り開いた。
「壁面の装置を壊すことで道が開けるようですね。」
「この際、ピャーッと空を飛んでいきませんか?」
「セラはともかく。飛翔の奇跡は、連発できませんよ。」
「ハイ……。存じております。生まれてきてスミマセン。」
『まぁ、そうなるわよね。』
「情けないヤツよのう。」
切り開いた仕掛けを抜け、真っ直ぐ突き進む。恐らく、こういう仕掛けがこの先にもあるのだろうなと思わずにはいられない。苦笑いを浮かべていれば、不意を衝きダメージを与えようと攻撃を仕掛けるべく背後に忍び寄る影。影に気付いた私は、間一髪の所で回避。そのまま射撃でノックダウンさせる。どうやらうまくいったみたいだ。意志はないのに、攻撃は的確であるのも何だか不思議である。これも統率力ゆえなのだろうか。やはりオーラムまだまだ謎が多い。そんな考えが脳裏を駆け巡る傍ら、会話を展開させながらも歩行を進める天使二人。歩行を進めて行くと、そこにはまたしても打撃で破壊するスイッチが。早々に進みたいからなのか、迅速にスイッチを破壊するピット君の後ろ姿を見た。風が吹き抜ける中、一切の無駄な動きなく仕掛けを解除する手付き。お見事。
拍手喝采を送りたくなるぐらい、スムーズに進んでいると思う。正直スムーズに進めているのは、隣でピット君が頑張ってくれているからである。だからと言って私が何もしていない訳でもないのだが、今回も彼は気合いが入っていると窺える。たった今も、バリアを張って明らかに自分の弱点である核を隠している名も知らぬ敵に手こずっている所だ。バリアで守備しているのだから、普通に攻撃をしただけでは勿論ダメージを与えられないし浄化に繋がらない。どうすれば、この敵を浄化出来るだろう。何か動きに特徴があれば、打開策も生まれるのだが。
『(あれっ?)』
等と考えながら名も知らぬ敵の浄化方法を模索していると、バリアを一定時間大きく広げた運動をしている気がした。この時点では気のせいか、思い違いだぐらいにしか考えていなかったが……やはり、大きく広げている。どうやら間違いではないらしい。ここはバリアを大きく広げた際に弱点の核へ一気に攻撃を仕掛ければ問題なく浄化出来る。そうと分かれば、善は急げ。早急に浄化して損はない。タイミングを見計らい、核へ向けて射撃を加えて行く。ダメージが蓄積されたのか……名も知らぬバリアの敵は力尽き、浄化されていった。
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