第15章 謎の侵略者(前編)
セラ
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『正体不明の敵……。』
「聡明なパルテナちゃんならなにか知っているんじゃない?」
「いえ、まったく……。ただ少なくとも、この星のものではないことはたしかです。」
「つまり、宇宙からの侵略者?!」
何かの浮遊に接近し、側面を通過して行く。相も変わらず異様な光景が視界に飛び込んで来る中、あの敵軍は宇宙から私達の住む星にやって来たのだと知る。スケールが大きくていまいちピンッと来ないけれど、支配しようとしている……言わば悪意のある行動に移そうとしているのが分かった。仮にこの星に住む全ての生き物を滅そうとしているのならば、こちらは全力で止めなければならない。
「ヤツらめ。大地を削って吸い上げておる!人類が地上のイナゴなら ヤツらは星のイナゴということか。」
「こちとらもちょっぴり困りますかね。このままじゃ、根こそぎイッちゃうもんなぁ。」
「ヤツらめ。この自然軍が鉄槌を下す!みなのもの、突撃じゃ!!」
「冥府軍もテキトーにやりましょうかね。動くものはぜーんぶ敵。OK?」
『目的はみんな一緒なのに……。』
「同盟を組む気もないようですね。」
「巻き込まれないようにしつつ できることをやりましょう。」
この星が侵略されてしまったら誰しもが困るというもの。利害一致しているのに手と手を取り合って一斉攻撃を仕掛けたりもしない。その姿を見つめていたら妙な寂しさが胸中を過ってしまう。何度も何度も思ってしまうが、協力して撥ね退ければ何十倍もダメージを与えられる気がしてならないのだ。けれど境遇がそれを許してはくれない。お陰で皆それぞれバラバラに攻撃を加えようと行動に移している。私にはどうもその方法が遣る瀬無い。ナチュレちゃんもハデスも共闘するタイプではないけれど、少しばかり協力する姿勢を見せてくれても良いと思うのだ。何故こうも思いが行き違ってしまうのだろう。複雑な思いが交差する中、私もピット君も浮遊している得体の知れない敵に向けて神器を使い攻撃を見舞っている。私の心中を察してくれた訳ではないと思うが、不意にピット君が何も言わず手を握ってくれた。心が安らぐ様にぎゅっと力強く。最初驚愕を含んだ表情で暫し彼の横顔を見つめていたが、ふっと笑みを零し口パクで“ありがとう”を伝えておいた。彼の耳に届かずとも、私の心は感謝の思いで溢れている。目の前を浮遊する敵を順調に浄化する二人。敵を倒すのに夢中で景色の変化に気付かなかったが岩山が連なっているのを視界に映す。空さえも得体の知れない敵が飛来して来たと最悪な展開であると予期しているのか暗雲が立ち込めている。ある意味お誂え向きだ。仕舞には平面の大陸が姿を現した。思わず息を呑む。かつて見ない光景だったからだ。ピット君でさえ驚愕を含んだ声を上げる。
「こんなの見たことありません!」
「この敵ども、相当じゃな。」
「この敵軍 なんて呼べばいいのでしょうね。」
『異星軍とか?(絶対違うと思うけど)』
「HAHAHAHAHA!!」
「なにっ?!」
「ノー・プロブレム!」
あの敵軍は何て呼称すべきか。そもそもこの星で発音できる言葉で呼称できるのか。考え倦ねていると、突如炎を纏った人物が私達の目の前に効果音付きで登場する。異国の言葉を発している様だけれど、もしかして噂に聞く火星人だろうか?炎を司っているみたいだから、肯定されたとしても別段驚いたりはしない。そんな人物が私達に一体何の用だろう。
「あなたは……太陽神ラーズですか?」
「YES!!」
「太陽神ラーズ……?」
「自称“太陽の使い”じゃな。」
『自称なんだ……。』
名は太陽神ラーズ、自称“太陽の使い”らしい。浮遊する平面の大陸について何か知っている模様。何故あの異星軍にそこ迄興味を示しているのか見当がつかないが、知っている情報は少しでも多くて損はない。今は手探りである分、些細な情報さえ貴重になる。けれどこの人物、信用していいのだろうか。眉間に皺を寄せて、全身で太陽神ラーズを睨んでみるけれど、効果は得られないみたいだ。
「おそろいだね キミたち!!」
「ラーズ。この敵軍のことを なにか知っているのですか?」
「よくぞ聞いてくれた!これこそ“浮遊大陸群オーラム”だ!!」
「オーラムねぇ。」
「大事なことなので二度言うぞ!!“浮遊大陸群オーラム”だ!!」
「もうよいじゃろ。」
今も尚活動を続けている異星軍……否、浮遊大陸群オーラム。だが聞いている傍ら、しっくりは来ない。一応はこちらの星の言葉で発音できる名前らしいが、それ以外は謎に包まれている。この生物が何故この星に来たのか分かっていない。それだけじゃない。太陽神ラーズは何故あの名前を知っていたのだろう。疑ってかかるのは良くないけれど、半信半疑で接するべきやもしれない。
「神界黙示録第八十四章の三!破壊と破戒にいざなわれ 無から生まれ、無に帰るもの現れん。
天と地と海を呑む者、オーラム。銀河を渡りて訪れん!」
「……そんな伝承あったかの?」
「ひらたく言えば、このままでは世界が飲み込まれるということだ!!協力するぞ。さぁ、宇宙からの侵略者を撃て!!」
「聡明なパルテナちゃんならなにか知っているんじゃない?」
「いえ、まったく……。ただ少なくとも、この星のものではないことはたしかです。」
「つまり、宇宙からの侵略者?!」
何かの浮遊に接近し、側面を通過して行く。相も変わらず異様な光景が視界に飛び込んで来る中、あの敵軍は宇宙から私達の住む星にやって来たのだと知る。スケールが大きくていまいちピンッと来ないけれど、支配しようとしている……言わば悪意のある行動に移そうとしているのが分かった。仮にこの星に住む全ての生き物を滅そうとしているのならば、こちらは全力で止めなければならない。
「ヤツらめ。大地を削って吸い上げておる!人類が地上のイナゴなら ヤツらは星のイナゴということか。」
「こちとらもちょっぴり困りますかね。このままじゃ、根こそぎイッちゃうもんなぁ。」
「ヤツらめ。この自然軍が鉄槌を下す!みなのもの、突撃じゃ!!」
「冥府軍もテキトーにやりましょうかね。動くものはぜーんぶ敵。OK?」
『目的はみんな一緒なのに……。』
「同盟を組む気もないようですね。」
「巻き込まれないようにしつつ できることをやりましょう。」
この星が侵略されてしまったら誰しもが困るというもの。利害一致しているのに手と手を取り合って一斉攻撃を仕掛けたりもしない。その姿を見つめていたら妙な寂しさが胸中を過ってしまう。何度も何度も思ってしまうが、協力して撥ね退ければ何十倍もダメージを与えられる気がしてならないのだ。けれど境遇がそれを許してはくれない。お陰で皆それぞれバラバラに攻撃を加えようと行動に移している。私にはどうもその方法が遣る瀬無い。ナチュレちゃんもハデスも共闘するタイプではないけれど、少しばかり協力する姿勢を見せてくれても良いと思うのだ。何故こうも思いが行き違ってしまうのだろう。複雑な思いが交差する中、私もピット君も浮遊している得体の知れない敵に向けて神器を使い攻撃を見舞っている。私の心中を察してくれた訳ではないと思うが、不意にピット君が何も言わず手を握ってくれた。心が安らぐ様にぎゅっと力強く。最初驚愕を含んだ表情で暫し彼の横顔を見つめていたが、ふっと笑みを零し口パクで“ありがとう”を伝えておいた。彼の耳に届かずとも、私の心は感謝の思いで溢れている。目の前を浮遊する敵を順調に浄化する二人。敵を倒すのに夢中で景色の変化に気付かなかったが岩山が連なっているのを視界に映す。空さえも得体の知れない敵が飛来して来たと最悪な展開であると予期しているのか暗雲が立ち込めている。ある意味お誂え向きだ。仕舞には平面の大陸が姿を現した。思わず息を呑む。かつて見ない光景だったからだ。ピット君でさえ驚愕を含んだ声を上げる。
「こんなの見たことありません!」
「この敵ども、相当じゃな。」
「この敵軍 なんて呼べばいいのでしょうね。」
『異星軍とか?(絶対違うと思うけど)』
「HAHAHAHAHA!!」
「なにっ?!」
「ノー・プロブレム!」
あの敵軍は何て呼称すべきか。そもそもこの星で発音できる言葉で呼称できるのか。考え倦ねていると、突如炎を纏った人物が私達の目の前に効果音付きで登場する。異国の言葉を発している様だけれど、もしかして噂に聞く火星人だろうか?炎を司っているみたいだから、肯定されたとしても別段驚いたりはしない。そんな人物が私達に一体何の用だろう。
「あなたは……太陽神ラーズですか?」
「YES!!」
「太陽神ラーズ……?」
「自称“太陽の使い”じゃな。」
『自称なんだ……。』
名は太陽神ラーズ、自称“太陽の使い”らしい。浮遊する平面の大陸について何か知っている模様。何故あの異星軍にそこ迄興味を示しているのか見当がつかないが、知っている情報は少しでも多くて損はない。今は手探りである分、些細な情報さえ貴重になる。けれどこの人物、信用していいのだろうか。眉間に皺を寄せて、全身で太陽神ラーズを睨んでみるけれど、効果は得られないみたいだ。
「おそろいだね キミたち!!」
「ラーズ。この敵軍のことを なにか知っているのですか?」
「よくぞ聞いてくれた!これこそ“浮遊大陸群オーラム”だ!!」
「オーラムねぇ。」
「大事なことなので二度言うぞ!!“浮遊大陸群オーラム”だ!!」
「もうよいじゃろ。」
今も尚活動を続けている異星軍……否、浮遊大陸群オーラム。だが聞いている傍ら、しっくりは来ない。一応はこちらの星の言葉で発音できる名前らしいが、それ以外は謎に包まれている。この生物が何故この星に来たのか分かっていない。それだけじゃない。太陽神ラーズは何故あの名前を知っていたのだろう。疑ってかかるのは良くないけれど、半信半疑で接するべきやもしれない。
「神界黙示録第八十四章の三!破壊と破戒にいざなわれ 無から生まれ、無に帰るもの現れん。
天と地と海を呑む者、オーラム。銀河を渡りて訪れん!」
「……そんな伝承あったかの?」
「ひらたく言えば、このままでは世界が飲み込まれるということだ!!協力するぞ。さぁ、宇宙からの侵略者を撃て!!」