第15章 謎の侵略者(前編)
セラ
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「うぅぅ……。パルテナ様、まだ眠いです。」
『ふわぁ〜今日はまた一段とお早いですね。』
「早朝からごめんなさいね。緊急事態なんです。」
暁の静けさが心地の良い眠りに導き、すやすや寝息を立てていたであろう私とピット君は、パルテナ様から早急に出動するよう命じられた。あの冷静沈着なパルテナ様が今回は珍しく慌てた声音で準備が整い次第直ぐ様ゲートから飛び立つ指示を出し、それを聞いた天使二人は神器を携えて眠い目を擦りつつ、のろのろとゲートから弱々しく飛び立ったのだ。眠っていたのだから当然朝食もまだ。それもあるのか、ピット君は未だに眠そうだ。ここだけの話、朝食が出来るぎりぎりの時間迄彼はベッドの上ですやすや眠っている。自力で起きてくれないから毎朝私がピット君を起こしに行っているぐらい。時に特訓だとか言って早めに起きて戦いに備えているみたいだが最近それも少なくなって来ている。何故かブラピ君と戦った後、集中的に励んでいたみたいだがその理由は決して教えてはくれなかった。
話が脱線してしまったが、私達の羽翼は飛翔の奇跡を宿して上空を飛行している。ピット君なら納得出来るが何故私迄?と思うかもしれないから補足しておくが眠さのせいで自力で空を飛ぶのが辛いのだ。意識がはっきりせず考える力も働かない。何度欠伸をしたか分からないぐらいだ。
「こんな光景を見てもまだ眠いですか?」
『……?……!な……にこれ……』
「な……!なんじゃこりゃぁーーー!!」
徐々に太陽が昇り始めているのが視界に映ると同時に異様な光景を目の当たりにし絶句する。一気に眠気が吹き飛んだ。言葉で表現するのはとても難しいのだが……岩山……否、大陸と称しても過言ではないかもしれない物体が上空よりも更に上から飛来し、地上に向けて無数のビーム光線を放ち、穴を空け吸い上げているみたいなのだ。予想だにしない事態に戸惑いを見せる。
「いったいなにが……!」
『どうしてこんな……。』
訳が分からなかった。事の様子を窺い、空中にて浮遊している状態にあるが状況は未だ掴めていない。知らず知らず伝うのは一筋の冷や汗。こんなのがもしも人々の住む街を覆ってしまったら……?街は大混乱と化し、醜い争いが始まってしまう可能性も残念ながら浮上して来るだろう。最悪な展開ばかりが脳裏を掠め、気分が悪くなる。そうなってではもう遅い。取り返しがつく今、対策を講じ実行に移さなければならないが安易な方法で裏目に出てしまえば元も子もない。ここは何とかしたいけれど。だが、パルテナ様からの指示はない。状況が掴めない以上迂闊に手が出せないのか。遠方から見つめている私達は一言も言葉を発さない。「あんなのさっさと無に帰してやりましょう!」なぁんて普段のピット君ならば隣で豪語しているがさすがの彼も口を閉ざしている。彼もまた状況を判断し、行動しようとこちらに伝達されたがいつものピット君らしくない。極普通の反応なのに、妙な違和感が生まれてしまうのは誰にも言えなかった。
「敵、来ます!!」
異様な光景を何分見つめていただろう。様々な思いが胸中を過る中、前方から続々と三角形の敵やら未確認物体が攻撃を仕掛けて来た。意思を持っているか不明。名前も……不明。一つだけ分かるのはこちらに危害を加えるつもりらしい。
「撃ってきました!」
『何がしたいのか分からないわね。』
「正体不明の敵軍です。」
私達の頭上目掛けてビーム光線を仕掛けて来る三角形の敵。暫し状況を見守っていた天使二人に隙が出来ていると察知されたのか定かではないが不意を衝こうとしたのは間違いない。正体不明の敵軍が有ろうことか攻撃を仕掛けて来たがするりと躱し、応戦する。
「かなり統率が取れているように見えますが……。」
「自然軍の新部隊でしょうか?!」
『(大いに有り得る……。)』
「そんなわけないじゃろ!!」
「ナ……!」
攻撃の手は緩めず会話に耳を傾けていると聞き覚えのある声が飛び込んで来た。声の主は言わずもがなナチュレちゃん。目の前で攻撃して来る敵は自然軍と何か繋がりがあると思われたが、ナチュレちゃんは私達の考えを全否定する。ナチュレちゃんの言葉を信じるなら、繋がりがある訳ではなさそうだ。なら前方に飛来しているあの物体は何なのか。討論は未だ続く。
「おはよう、ピットくん。セラちゃん。そしてパルテナちゃん。」
『おはよう、みんな。』
「ナチュレ、ハデス!おまえたちがあんなものを?!」
「であればスゲーんだけどねー。」
「見てわからぬか。あれは計り知れぬ文化のものじゃ。ここで冥府軍と戦っていたら突如現れたのじゃ。」
「大バトルに水をさされちゃった。」
『朝から元気一杯だね。』
討論に行く末を聞き届けていると、冥府軍と自然軍が絶賛戦闘中に空から突如姿を現し、活動を開始したらしい。それ以外は何も分かっておらず、戦闘を交えているにも関わらず敵の情報は掴めていない。初めてのケースだ。冷静沈着なパルテナ様も戸惑いを見せておられる様子。無理もないだろう。もしかしなくとも二軍の闘争に触発されたとか?朝から元気に戦い合っているのを察すると苦笑いを浮かべるしかない。パルテナ様は違うが、少なくとも私達はすやすやと眠りに落ちていた。緊急事態でなければこの時間も眠りに就いていただろう。無粋な考えと分かっていながらどうにも思考力を止められなかった。
はあ、と溜め息をつきながら戦闘に身を委ねていると飛行ルートが変化した。天使二人の意表を突こうと下から攻撃を仕掛けて来る。だがその手には乗らない。
『ふわぁ〜今日はまた一段とお早いですね。』
「早朝からごめんなさいね。緊急事態なんです。」
暁の静けさが心地の良い眠りに導き、すやすや寝息を立てていたであろう私とピット君は、パルテナ様から早急に出動するよう命じられた。あの冷静沈着なパルテナ様が今回は珍しく慌てた声音で準備が整い次第直ぐ様ゲートから飛び立つ指示を出し、それを聞いた天使二人は神器を携えて眠い目を擦りつつ、のろのろとゲートから弱々しく飛び立ったのだ。眠っていたのだから当然朝食もまだ。それもあるのか、ピット君は未だに眠そうだ。ここだけの話、朝食が出来るぎりぎりの時間迄彼はベッドの上ですやすや眠っている。自力で起きてくれないから毎朝私がピット君を起こしに行っているぐらい。時に特訓だとか言って早めに起きて戦いに備えているみたいだが最近それも少なくなって来ている。何故かブラピ君と戦った後、集中的に励んでいたみたいだがその理由は決して教えてはくれなかった。
話が脱線してしまったが、私達の羽翼は飛翔の奇跡を宿して上空を飛行している。ピット君なら納得出来るが何故私迄?と思うかもしれないから補足しておくが眠さのせいで自力で空を飛ぶのが辛いのだ。意識がはっきりせず考える力も働かない。何度欠伸をしたか分からないぐらいだ。
「こんな光景を見てもまだ眠いですか?」
『……?……!な……にこれ……』
「な……!なんじゃこりゃぁーーー!!」
徐々に太陽が昇り始めているのが視界に映ると同時に異様な光景を目の当たりにし絶句する。一気に眠気が吹き飛んだ。言葉で表現するのはとても難しいのだが……岩山……否、大陸と称しても過言ではないかもしれない物体が上空よりも更に上から飛来し、地上に向けて無数のビーム光線を放ち、穴を空け吸い上げているみたいなのだ。予想だにしない事態に戸惑いを見せる。
「いったいなにが……!」
『どうしてこんな……。』
訳が分からなかった。事の様子を窺い、空中にて浮遊している状態にあるが状況は未だ掴めていない。知らず知らず伝うのは一筋の冷や汗。こんなのがもしも人々の住む街を覆ってしまったら……?街は大混乱と化し、醜い争いが始まってしまう可能性も残念ながら浮上して来るだろう。最悪な展開ばかりが脳裏を掠め、気分が悪くなる。そうなってではもう遅い。取り返しがつく今、対策を講じ実行に移さなければならないが安易な方法で裏目に出てしまえば元も子もない。ここは何とかしたいけれど。だが、パルテナ様からの指示はない。状況が掴めない以上迂闊に手が出せないのか。遠方から見つめている私達は一言も言葉を発さない。「あんなのさっさと無に帰してやりましょう!」なぁんて普段のピット君ならば隣で豪語しているがさすがの彼も口を閉ざしている。彼もまた状況を判断し、行動しようとこちらに伝達されたがいつものピット君らしくない。極普通の反応なのに、妙な違和感が生まれてしまうのは誰にも言えなかった。
「敵、来ます!!」
異様な光景を何分見つめていただろう。様々な思いが胸中を過る中、前方から続々と三角形の敵やら未確認物体が攻撃を仕掛けて来た。意思を持っているか不明。名前も……不明。一つだけ分かるのはこちらに危害を加えるつもりらしい。
「撃ってきました!」
『何がしたいのか分からないわね。』
「正体不明の敵軍です。」
私達の頭上目掛けてビーム光線を仕掛けて来る三角形の敵。暫し状況を見守っていた天使二人に隙が出来ていると察知されたのか定かではないが不意を衝こうとしたのは間違いない。正体不明の敵軍が有ろうことか攻撃を仕掛けて来たがするりと躱し、応戦する。
「かなり統率が取れているように見えますが……。」
「自然軍の新部隊でしょうか?!」
『(大いに有り得る……。)』
「そんなわけないじゃろ!!」
「ナ……!」
攻撃の手は緩めず会話に耳を傾けていると聞き覚えのある声が飛び込んで来た。声の主は言わずもがなナチュレちゃん。目の前で攻撃して来る敵は自然軍と何か繋がりがあると思われたが、ナチュレちゃんは私達の考えを全否定する。ナチュレちゃんの言葉を信じるなら、繋がりがある訳ではなさそうだ。なら前方に飛来しているあの物体は何なのか。討論は未だ続く。
「おはよう、ピットくん。セラちゃん。そしてパルテナちゃん。」
『おはよう、みんな。』
「ナチュレ、ハデス!おまえたちがあんなものを?!」
「であればスゲーんだけどねー。」
「見てわからぬか。あれは計り知れぬ文化のものじゃ。ここで冥府軍と戦っていたら突如現れたのじゃ。」
「大バトルに水をさされちゃった。」
『朝から元気一杯だね。』
討論に行く末を聞き届けていると、冥府軍と自然軍が絶賛戦闘中に空から突如姿を現し、活動を開始したらしい。それ以外は何も分かっておらず、戦闘を交えているにも関わらず敵の情報は掴めていない。初めてのケースだ。冷静沈着なパルテナ様も戸惑いを見せておられる様子。無理もないだろう。もしかしなくとも二軍の闘争に触発されたとか?朝から元気に戦い合っているのを察すると苦笑いを浮かべるしかない。パルテナ様は違うが、少なくとも私達はすやすやと眠りに落ちていた。緊急事態でなければこの時間も眠りに就いていただろう。無粋な考えと分かっていながらどうにも思考力を止められなかった。
はあ、と溜め息をつきながら戦闘に身を委ねていると飛行ルートが変化した。天使二人の意表を突こうと下から攻撃を仕掛けて来る。だがその手には乗らない。
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