第13章 月の静寂(前編)
セラ
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「おほめにあずかりまして」
「ほめてないから!」
『び、びっくりしたあ……』
回廊へと無事に入り込むのに成功した。その瞬間、突如目の前に緑色で一つ目の魔物が出現。不意を衝かれ、思わず声を上げてしまう。一つ目で緑色をしており、両刃を構えているその魔物の名はフラージ。気配を消し、接近してきた所へ攻撃を見舞う特性を持っているらしい。急に目の前へ現れるものだから、反応が遅れてしまったが刃を振り下ろす前に回避し、反撃。何体も浮遊していたフラージは二人で協力して全浄化できたが気配を消して接近するのは止めて欲しい。お化けの類でさえ気味が悪いのだからこの敵はそれ以上だ。なのにアロンは好ましく思っているらしい。こういう戦法が好きなのだったら、今回のミッションで敵対する場合姿を消して背後から接近してはダメージを喰らわせようと試みるかも知れない。充分有り得る。今回も苦戦を強いられそうだと苦笑いを浮かべ、回廊を飛行して行く。ピット君とアロンが色々ごちゃごちゃ会話しているのを聞き流しては溜め息を吐いていた。
回廊の半分迄来ただろうか?前方に如何にも触れてしまえばダメージを受けてしまいそうなレーザートラップが仕掛けられているのを視界に入れる。ゴールは未だ辿り着かない。「そうそう。わたくしとしたことがひとつ忘れておりました」
「何でしょうね?」
「戸締まりでございます。あ それがちゃがちゃ、と」
「うわわわっ。や、やめろ!!」
ピット君が反射で声を荒げた。レーザートラップだけ仕掛けられていた回廊の前方は、アロンの声が発せられたと同時に行く手を塞いでしまう。これにはさすがの私達も焦りを見せる。これでは前方へ進めない。
「飛翔の奇跡の残り時間が少ないからノンストップで行きます」
『パルテナ様!この壁はどうすれば!!』
「大丈夫です。壊せるところは壊せます。うまく打撃していくのもアリですね」
八方塞がりを強いられる。だが、パルテナ様の助言だと突破出来ない筈はないと言う。焦っていた私達も少々落ち着きを取り戻して行く。差し迫る壁へ向けて打撃を加えてみる。然すれば余裕で突破出来る大きな穴が私達天使二人を通過させてくれた。“飛翔の奇跡”のタイムリミットが刻々と迫っている為このまま強行しなければならないし、八方塞がりを余儀無くされるし、一時はどうなるかと思ったがこれで難無く回廊を飛行出来そうだ。
「いてッ!!」
『……ピット君、大丈夫?』
「うん。何とか」
と思ったのだが、前言撤回する。たった今この瞬間ピット君が前方の壁に激突してしまう。進行するのに苦労はしない……と考えが一瞬脳裏を掠めたがそう簡単には行かないものだと苦笑い。ピット君に至っては、問題なさそうであるがダメージは残念ながら受けてしまったらしい。後程回復出来る何かを差し入れてもらえる筈だから敢えて口外しない事にする。アロンの悪戯心から、特にピット君が苦戦を強いられたが何とか通過出来そうだ。それを証拠に、あんなに所狭しだった回廊前方が開け景色が変化する。明かりが余り灯されていない空間に天使二人は飛行中。パルテナ様が入り口を探しているであろう状況だ。
「この先のダクトから突入します、狭いから気をつけて!!」
「うわッ?!」
『きゃッ?!』
どうやら侵入口を発見した模様。だが、まさかの換気管とは。もう少し我が儘を言わせてもらえばもっと別のマシなルートはなかったのか声を大にして主張したい。最近エントランスと呼称出来ぬ場所から侵入し、攻略している気がしている。気の性だと言われればそれ迄なのだが、今日もまた私はダクト侵入の衝撃で地に倒れているピット君を起こす作業に取り掛かる。ダクトのお陰で薄汚れてしまった服の煤を手で払い、むくりと起き上がったピット君と共に真っ直ぐと前を見据えている。
(To be continued…)
=====================================
ピット君が“お月さまがキレイ”とゲーム内で発言しておりましたが、絶対“貴方が好きです”なんて意味合いが存在するとは分からないだろうなんて考えてました(汗)彼はああ見えて鈍感ですよね。何も考えてなさそうな所が彼の長所ですが……。もしもその意味合いを理解していたらきっとセラ嬢がいる状況でソワソワしているのでしょうね( ´∀`)そんな妄想を繰り広げてほっこり。
貴重なスペースで失礼。
by虹
「ほめてないから!」
『び、びっくりしたあ……』
回廊へと無事に入り込むのに成功した。その瞬間、突如目の前に緑色で一つ目の魔物が出現。不意を衝かれ、思わず声を上げてしまう。一つ目で緑色をしており、両刃を構えているその魔物の名はフラージ。気配を消し、接近してきた所へ攻撃を見舞う特性を持っているらしい。急に目の前へ現れるものだから、反応が遅れてしまったが刃を振り下ろす前に回避し、反撃。何体も浮遊していたフラージは二人で協力して全浄化できたが気配を消して接近するのは止めて欲しい。お化けの類でさえ気味が悪いのだからこの敵はそれ以上だ。なのにアロンは好ましく思っているらしい。こういう戦法が好きなのだったら、今回のミッションで敵対する場合姿を消して背後から接近してはダメージを喰らわせようと試みるかも知れない。充分有り得る。今回も苦戦を強いられそうだと苦笑いを浮かべ、回廊を飛行して行く。ピット君とアロンが色々ごちゃごちゃ会話しているのを聞き流しては溜め息を吐いていた。
回廊の半分迄来ただろうか?前方に如何にも触れてしまえばダメージを受けてしまいそうなレーザートラップが仕掛けられているのを視界に入れる。ゴールは未だ辿り着かない。「そうそう。わたくしとしたことがひとつ忘れておりました」
「何でしょうね?」
「戸締まりでございます。あ それがちゃがちゃ、と」
「うわわわっ。や、やめろ!!」
ピット君が反射で声を荒げた。レーザートラップだけ仕掛けられていた回廊の前方は、アロンの声が発せられたと同時に行く手を塞いでしまう。これにはさすがの私達も焦りを見せる。これでは前方へ進めない。
「飛翔の奇跡の残り時間が少ないからノンストップで行きます」
『パルテナ様!この壁はどうすれば!!』
「大丈夫です。壊せるところは壊せます。うまく打撃していくのもアリですね」
八方塞がりを強いられる。だが、パルテナ様の助言だと突破出来ない筈はないと言う。焦っていた私達も少々落ち着きを取り戻して行く。差し迫る壁へ向けて打撃を加えてみる。然すれば余裕で突破出来る大きな穴が私達天使二人を通過させてくれた。“飛翔の奇跡”のタイムリミットが刻々と迫っている為このまま強行しなければならないし、八方塞がりを余儀無くされるし、一時はどうなるかと思ったがこれで難無く回廊を飛行出来そうだ。
「いてッ!!」
『……ピット君、大丈夫?』
「うん。何とか」
と思ったのだが、前言撤回する。たった今この瞬間ピット君が前方の壁に激突してしまう。進行するのに苦労はしない……と考えが一瞬脳裏を掠めたがそう簡単には行かないものだと苦笑い。ピット君に至っては、問題なさそうであるがダメージは残念ながら受けてしまったらしい。後程回復出来る何かを差し入れてもらえる筈だから敢えて口外しない事にする。アロンの悪戯心から、特にピット君が苦戦を強いられたが何とか通過出来そうだ。それを証拠に、あんなに所狭しだった回廊前方が開け景色が変化する。明かりが余り灯されていない空間に天使二人は飛行中。パルテナ様が入り口を探しているであろう状況だ。
「この先のダクトから突入します、狭いから気をつけて!!」
「うわッ?!」
『きゃッ?!』
どうやら侵入口を発見した模様。だが、まさかの換気管とは。もう少し我が儘を言わせてもらえばもっと別のマシなルートはなかったのか声を大にして主張したい。最近エントランスと呼称出来ぬ場所から侵入し、攻略している気がしている。気の性だと言われればそれ迄なのだが、今日もまた私はダクト侵入の衝撃で地に倒れているピット君を起こす作業に取り掛かる。ダクトのお陰で薄汚れてしまった服の煤を手で払い、むくりと起き上がったピット君と共に真っ直ぐと前を見据えている。
(To be continued…)
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ピット君が“お月さまがキレイ”とゲーム内で発言しておりましたが、絶対“貴方が好きです”なんて意味合いが存在するとは分からないだろうなんて考えてました(汗)彼はああ見えて鈍感ですよね。何も考えてなさそうな所が彼の長所ですが……。もしもその意味合いを理解していたらきっとセラ嬢がいる状況でソワソワしているのでしょうね( ´∀`)そんな妄想を繰り広げてほっこり。
貴重なスペースで失礼。
by虹
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