第12章 初期化爆弾の恐怖(後編)
セラ
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最後の一体でこちらに突進していたアメフォンは浄化され、その拍子にジャンプ台が出現する。ジャンプ台に乗っかって跳躍力を利用し上昇して次に進行すべき道上に無事着地。周囲をキョロキョロと見渡し、自身が信じた道を行けばまたしてもジャンプ台が。
『今回ジャンプ台多いなあ』
率直な意見である。何せジャンプ台四連続と道から道へピョンピョンと飛び跳ね、細かく移動していると思いきや
「うわわわッ!!」
強引な形でグラインドレールに乗り込んだ。このままグラインドレールで大きく移動し、中心部へ距離を狭めて行くのだと思っていた……この時は。
「わーーーーッ!!」
『きゃあああッ!!』
甘いお菓子よりも甘かった。砂糖よりも遥かに。てっきりパルテナ様が助力してくれるお陰で、グラインドレールに乗っているものだと思っていた。だが実際は、自然軍が移動用に設置しているだけに過ぎなかったのだ。パルテナ様が助力してくれている訳ではないから当然どう転ぶか分からない。
「のォォォォーーーッ!!」
ジャンプ台からグラインドレールに飛び移り、そこから押し出されグラインドレールにまた飛び乗る。目まぐるしく変化する移動に目を回してしまいそうだ。……えっ?飛行している場合と酷似しているのではないか。って?言われてみればそうなのだけれど、自分の力で飛行するのとでは勝手が違うのである。補足するならば、飛翔の奇跡を羽翼に宿している場合が感覚は近しいと思う。弾かれ、飛ばされとはなかなかハードだ。移動に使用されているのは間違いないが、侵入者を撃退するのに充分役に立っているやも知れない。しかし天使二人には全く以て皆無。私達をそんじょそこらの輩と一緒にしないでほしいのが本心だ。
「はっ!!」
「超にぎやかじゃな。こやつは」
『楽しそうだね。ピット君』
飛ばされ、弾かれ、また飛ばされている状況なのにも関わらず、寧ろプラスに捉え見方に寄っては楽しそうな彼に釣られて笑みを零す。ナチュレちゃんも呆れてしまう程だ。敵陣に乗り込んでいるし、緊迫感溢れている場面であるのは見ずとも分かるけれどくすくす笑ってしまってもバチは当たらないと思う。
「セラ。わらわはそなたに話があるぞよ」
『?なあに?ナチュレちゃん』
「とくと聞くんじゃぞ。わらわはそなたを自然軍に入れたいと考えておる」
『……へっ?今何て?』
「なっ?!」
『私を……自然軍に?』
飛ばされ弾かれているグラインドレールを越えて、私達は広い足場に到着する。不意を衝く魂胆なのか迅速に取り囲まれまたしても戦闘モードに入る。打撃・射撃を交互に使い、攻撃同士相殺させ間合いを詰めて懐に一撃を加える。然う斯うしている内に魔物を全浄化し終え再度歩き始めようとした刹那、ナチュレちゃんから急に話があると切り出して来た。しかもピット君ではなく私に。首を傾げつつ、素直に話を聞く態勢を取り彼女からの次の言葉を待つがナチュレちゃんから話を切り出されると思いも寄らずキョトン顔。何をした記憶もないし、ナチュレちゃんとは個人的な因縁は全くない。急に改まって何なのだろうとこの疑問しか胸中を過ぎらない。次第に訝しげな表情となる。
……衝撃的な内容が空間を飛び交い、自身の両耳に届き思わず目を丸くした。ナチュレちゃんが切り出した話の内容は“私を自然軍に入軍させる”ものだった。聞く感じでは私の意志を尊重させてくれそうだが恐らくそれは上辺だけ。冥府軍同様強制的に引き入れようと目論んでいるだろう。今迄もそうだったのだから。真剣な面持ちへと変化して行くのが良く分かる。隣のピット君を盗み見ると段々と表情が険しいものへと変わって行く。明らかにナチュレちゃんに掴み掛かって行く勢いだ。此処で私が何か答えなければピット君が代わりに怒号を飛ばすだろう。大いに予想出来る。
『……ごめんなさい』
「なっ?!ふ、振られてしもうた……」
「セラちゃん」
『私はパルテナ軍親衛副隊長だから、今置かれている立場に誇りを持っているの。簡単に“はい、そうですか”って頷けないわ』
(それにガガンボ呼ばわりされたし)
自身の抱いている素直な気持ちをナチュレちゃんへ真っ直ぐ伝えた。彼女がどんな顔をしているが見当も付かないが、さぞかしダメージを喰らっているだろう。されどこの気持ちに嘘はないし、変化させるつもりも毛頭なかった。ましてや寝返りをするだなんてとんでもない話だ。今の気持ちに従い、行動している身としてはどんでん返しになったとしても、冥府軍にも自然軍にも入ったりしないだろう。胸を張って言える。ピット君は……と言うと、私の返答を聞いて安心したのか微かな笑みを浮かべていた。だが自身の返答を聞いて納得するナチュレちゃんでもないだろう。一体何と言って来るだろうか。
『今回ジャンプ台多いなあ』
率直な意見である。何せジャンプ台四連続と道から道へピョンピョンと飛び跳ね、細かく移動していると思いきや
「うわわわッ!!」
強引な形でグラインドレールに乗り込んだ。このままグラインドレールで大きく移動し、中心部へ距離を狭めて行くのだと思っていた……この時は。
「わーーーーッ!!」
『きゃあああッ!!』
甘いお菓子よりも甘かった。砂糖よりも遥かに。てっきりパルテナ様が助力してくれるお陰で、グラインドレールに乗っているものだと思っていた。だが実際は、自然軍が移動用に設置しているだけに過ぎなかったのだ。パルテナ様が助力してくれている訳ではないから当然どう転ぶか分からない。
「のォォォォーーーッ!!」
ジャンプ台からグラインドレールに飛び移り、そこから押し出されグラインドレールにまた飛び乗る。目まぐるしく変化する移動に目を回してしまいそうだ。……えっ?飛行している場合と酷似しているのではないか。って?言われてみればそうなのだけれど、自分の力で飛行するのとでは勝手が違うのである。補足するならば、飛翔の奇跡を羽翼に宿している場合が感覚は近しいと思う。弾かれ、飛ばされとはなかなかハードだ。移動に使用されているのは間違いないが、侵入者を撃退するのに充分役に立っているやも知れない。しかし天使二人には全く以て皆無。私達をそんじょそこらの輩と一緒にしないでほしいのが本心だ。
「はっ!!」
「超にぎやかじゃな。こやつは」
『楽しそうだね。ピット君』
飛ばされ、弾かれ、また飛ばされている状況なのにも関わらず、寧ろプラスに捉え見方に寄っては楽しそうな彼に釣られて笑みを零す。ナチュレちゃんも呆れてしまう程だ。敵陣に乗り込んでいるし、緊迫感溢れている場面であるのは見ずとも分かるけれどくすくす笑ってしまってもバチは当たらないと思う。
「セラ。わらわはそなたに話があるぞよ」
『?なあに?ナチュレちゃん』
「とくと聞くんじゃぞ。わらわはそなたを自然軍に入れたいと考えておる」
『……へっ?今何て?』
「なっ?!」
『私を……自然軍に?』
飛ばされ弾かれているグラインドレールを越えて、私達は広い足場に到着する。不意を衝く魂胆なのか迅速に取り囲まれまたしても戦闘モードに入る。打撃・射撃を交互に使い、攻撃同士相殺させ間合いを詰めて懐に一撃を加える。然う斯うしている内に魔物を全浄化し終え再度歩き始めようとした刹那、ナチュレちゃんから急に話があると切り出して来た。しかもピット君ではなく私に。首を傾げつつ、素直に話を聞く態勢を取り彼女からの次の言葉を待つがナチュレちゃんから話を切り出されると思いも寄らずキョトン顔。何をした記憶もないし、ナチュレちゃんとは個人的な因縁は全くない。急に改まって何なのだろうとこの疑問しか胸中を過ぎらない。次第に訝しげな表情となる。
……衝撃的な内容が空間を飛び交い、自身の両耳に届き思わず目を丸くした。ナチュレちゃんが切り出した話の内容は“私を自然軍に入軍させる”ものだった。聞く感じでは私の意志を尊重させてくれそうだが恐らくそれは上辺だけ。冥府軍同様強制的に引き入れようと目論んでいるだろう。今迄もそうだったのだから。真剣な面持ちへと変化して行くのが良く分かる。隣のピット君を盗み見ると段々と表情が険しいものへと変わって行く。明らかにナチュレちゃんに掴み掛かって行く勢いだ。此処で私が何か答えなければピット君が代わりに怒号を飛ばすだろう。大いに予想出来る。
『……ごめんなさい』
「なっ?!ふ、振られてしもうた……」
「セラちゃん」
『私はパルテナ軍親衛副隊長だから、今置かれている立場に誇りを持っているの。簡単に“はい、そうですか”って頷けないわ』
(それにガガンボ呼ばわりされたし)
自身の抱いている素直な気持ちをナチュレちゃんへ真っ直ぐ伝えた。彼女がどんな顔をしているが見当も付かないが、さぞかしダメージを喰らっているだろう。されどこの気持ちに嘘はないし、変化させるつもりも毛頭なかった。ましてや寝返りをするだなんてとんでもない話だ。今の気持ちに従い、行動している身としてはどんでん返しになったとしても、冥府軍にも自然軍にも入ったりしないだろう。胸を張って言える。ピット君は……と言うと、私の返答を聞いて安心したのか微かな笑みを浮かべていた。だが自身の返答を聞いて納得するナチュレちゃんでもないだろう。一体何と言って来るだろうか。