第12章 初期化爆弾の恐怖(後編)
セラ
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体力を温存しておきたいのが本音だ。ダメージを受けた儘では心許ない。休まずぐるぐる回転している電気の壁に頃合いを見計らって流れに乗ってゆっくり歩く。それこそ、速度が速くても遅くてもビリビリ来てしまうのは誰でも分かるから故に、だ。注意を払いながら流れに乗って歩行、回転する電気の壁を突破すると割と大きな門が高く聳えていた。
「また冥府軍か!!」
例えるならば庭の様な場所。大きな門を潜り抜けると、小さな建造物を丸く囲い広々とした空間が設けられている。小休止する目的に使用したりするのだろうか。現時点で発言するならば、決して心休まる空間に使用されてはいない。ピット君が叫んだから察知されたと思うが、庭の中でも冥府軍と自然軍は戦い合っている。思わず溜め息を吐きたくなる程だ。そんな最中、疑問に思ってしまったのだが冥府軍が自然軍との戦いを繰り広げているのは何故なのだろう。素朴な疑問であるのだが、何だか気になってしまいパルテナ様に思いをそのまま質疑してみる。
『ナチュレちゃんがハデスを憎むのは分かります。破壊を呼ぶからですよね。では、ハデスがナチュレちゃんを攻撃する理由はなんでしょう?』「案外、ただ面白がっているだけかもしれませんね」
「そうよ。いわゆるおたわむれ。楽しければそれでOK。それはパルテナちゃんもナチュレちゃんも大差ないね」
「なッ……!パルテナ様と破壊王ナチュレを一緒にするな!」
「破壊王ではないわ!!自然王!し·ぜ·ん·お·う!!」
「しかしさすが冥府の主。余裕があることですね」
「楽しませてくれなきゃ泣いちゃうよ?」
(今後の展開があるからあんま言いたかないけどナチュレちゃんがセラちゃんを気に入っているのはいけ好かないのよね)
浄化する手は休めず、パルテナ様からの応答が届き余りにも納得が行く答えに困った表情を浮かべてしまう。何処となく予想はしていた。ナチュレちゃんはハデスに敵意剥き出しであったが、一方ハデスはそんな素振りを一切見せずへらへらしておりナチュレちゃんの瞋恚の炎は燃え盛るばかり。そこ迄青筋を立てると相手の思うツボだと思うのだが幾ら敵対しているとは言え心配になってしまう。熱り立つのも時には必要であるが何事にも適度が肝心である。思い返せば……青筋を立てる人物が私の隣にも一人。忘れたとは言わせない。極々最近の話だ、救命した兵士に何故か名前を聞かれたあの時。ピット君は怒号を飛ばし兵士に突っ掛かっていた。今のナチュレちゃんと言い、以前のピット君と言い、二人は何処かしら似ているのやも知れない。“類は友を呼ぶ”と言うことわざが現に存在しているぐらいだから類を呼び寄せてしまうのだろうか?だとするならば明らかに彼が呼び寄せている。戦闘中の真っ只中であるが考えずには居られなかった。その性か動きが停止してしまった模様。
「?セラちゃん、どうしたの?」
『うん。あのね、思ったんだけど……ピット君とナチュレちゃんって……似てるよね!』
「えっ?!何っ?!いきなり!」
『血の気多い所とか……何か色々』
「やめてよ!!全然そんなんじゃないから!!」
『そ~かな〜?』
ピット君が不審がっていたのを良い事に自身が抱いた印象を正直に打ち明けた。敵対はしているものの、似ている者同士が居る事実に士気も高まると思ったのだが彼からしてみたらとんでもない話だったらしく、頑なに否定して来る。似た者同士で好敵手、何て素敵な響きだと胸打たれていると、彼は不機嫌丸出しに敵を浄化し始めてしまう。そういうきっかけから恋は始まって行くものなのだがなかなか難しい所がある。もしもピット君からその手の相談をされたら全力で相談に乗り、尚且つ応援してあげよう。心中で意気込みつつ視界を真っ直ぐと自然軍の魔物等に向ける。マントを翻し、攻撃して来る太陽仮面と言う名の子供が好きそうなヒーロー的魔物を最後に浄化し、次なる道がゆっくりと開いた。太陽仮面を一目見た瞬間ピット君は隣で「カッコイイ!」とか瞳を爛々と輝かせながら叫んでいる姿が視界に映り、訝しげな表情を纏う。男の子はああ言うヒーローに憧れを抱いたりするものらしい。パルテナ様情報であるがピット君も一応男の子であり、対象に入っているようなのだ。私から言わせてもらえば、何の良さを見出したのか理解出来ない。只首を傾げるばかりだ。けれどピット君にとってそうではないらしく、珍しく浄化を躊躇っていた。太陽仮面から放たれる隕石を回避しながら、どうすべきか考え倦ねている様子。何度も言うが思い入れがない私にとってこの攻防戦は無意味に値する。正直時間だけが勿体無い。こうしている間にも人々に危険が迫っているのだ、早々と危険な芽は摘まなければならない。ピット君には悪いが、強行突破させてもらおう。その考えに至った私は、早速太陽仮面を浄化すべく間合いを詰めて打撃で浄化しに掛かり目にも留まらぬ速さで渾身の一撃を与えた。然すれば一撃が効いたのか太陽仮面は有無を言わず浄化されて行った。
「また冥府軍か!!」
例えるならば庭の様な場所。大きな門を潜り抜けると、小さな建造物を丸く囲い広々とした空間が設けられている。小休止する目的に使用したりするのだろうか。現時点で発言するならば、決して心休まる空間に使用されてはいない。ピット君が叫んだから察知されたと思うが、庭の中でも冥府軍と自然軍は戦い合っている。思わず溜め息を吐きたくなる程だ。そんな最中、疑問に思ってしまったのだが冥府軍が自然軍との戦いを繰り広げているのは何故なのだろう。素朴な疑問であるのだが、何だか気になってしまいパルテナ様に思いをそのまま質疑してみる。
『ナチュレちゃんがハデスを憎むのは分かります。破壊を呼ぶからですよね。では、ハデスがナチュレちゃんを攻撃する理由はなんでしょう?』「案外、ただ面白がっているだけかもしれませんね」
「そうよ。いわゆるおたわむれ。楽しければそれでOK。それはパルテナちゃんもナチュレちゃんも大差ないね」
「なッ……!パルテナ様と破壊王ナチュレを一緒にするな!」
「破壊王ではないわ!!自然王!し·ぜ·ん·お·う!!」
「しかしさすが冥府の主。余裕があることですね」
「楽しませてくれなきゃ泣いちゃうよ?」
(今後の展開があるからあんま言いたかないけどナチュレちゃんがセラちゃんを気に入っているのはいけ好かないのよね)
浄化する手は休めず、パルテナ様からの応答が届き余りにも納得が行く答えに困った表情を浮かべてしまう。何処となく予想はしていた。ナチュレちゃんはハデスに敵意剥き出しであったが、一方ハデスはそんな素振りを一切見せずへらへらしておりナチュレちゃんの瞋恚の炎は燃え盛るばかり。そこ迄青筋を立てると相手の思うツボだと思うのだが幾ら敵対しているとは言え心配になってしまう。熱り立つのも時には必要であるが何事にも適度が肝心である。思い返せば……青筋を立てる人物が私の隣にも一人。忘れたとは言わせない。極々最近の話だ、救命した兵士に何故か名前を聞かれたあの時。ピット君は怒号を飛ばし兵士に突っ掛かっていた。今のナチュレちゃんと言い、以前のピット君と言い、二人は何処かしら似ているのやも知れない。“類は友を呼ぶ”と言うことわざが現に存在しているぐらいだから類を呼び寄せてしまうのだろうか?だとするならば明らかに彼が呼び寄せている。戦闘中の真っ只中であるが考えずには居られなかった。その性か動きが停止してしまった模様。
「?セラちゃん、どうしたの?」
『うん。あのね、思ったんだけど……ピット君とナチュレちゃんって……似てるよね!』
「えっ?!何っ?!いきなり!」
『血の気多い所とか……何か色々』
「やめてよ!!全然そんなんじゃないから!!」
『そ~かな〜?』
ピット君が不審がっていたのを良い事に自身が抱いた印象を正直に打ち明けた。敵対はしているものの、似ている者同士が居る事実に士気も高まると思ったのだが彼からしてみたらとんでもない話だったらしく、頑なに否定して来る。似た者同士で好敵手、何て素敵な響きだと胸打たれていると、彼は不機嫌丸出しに敵を浄化し始めてしまう。そういうきっかけから恋は始まって行くものなのだがなかなか難しい所がある。もしもピット君からその手の相談をされたら全力で相談に乗り、尚且つ応援してあげよう。心中で意気込みつつ視界を真っ直ぐと自然軍の魔物等に向ける。マントを翻し、攻撃して来る太陽仮面と言う名の子供が好きそうなヒーロー的魔物を最後に浄化し、次なる道がゆっくりと開いた。太陽仮面を一目見た瞬間ピット君は隣で「カッコイイ!」とか瞳を爛々と輝かせながら叫んでいる姿が視界に映り、訝しげな表情を纏う。男の子はああ言うヒーローに憧れを抱いたりするものらしい。パルテナ様情報であるがピット君も一応男の子であり、対象に入っているようなのだ。私から言わせてもらえば、何の良さを見出したのか理解出来ない。只首を傾げるばかりだ。けれどピット君にとってそうではないらしく、珍しく浄化を躊躇っていた。太陽仮面から放たれる隕石を回避しながら、どうすべきか考え倦ねている様子。何度も言うが思い入れがない私にとってこの攻防戦は無意味に値する。正直時間だけが勿体無い。こうしている間にも人々に危険が迫っているのだ、早々と危険な芽は摘まなければならない。ピット君には悪いが、強行突破させてもらおう。その考えに至った私は、早速太陽仮面を浄化すべく間合いを詰めて打撃で浄化しに掛かり目にも留まらぬ速さで渾身の一撃を与えた。然すれば一撃が効いたのか太陽仮面は有無を言わず浄化されて行った。