第12章 初期化爆弾の恐怖(後編)
セラ
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窮地に陥ったとしても、隣で誰かの幸せの為必死に戦ってくれているピット君は決して諦めず私をそこから救い出してくれた…何度も何度も。その度に眉尻を下げて心配そうな表情を浮かべている彼が自身の両眼に映り込み怪我がないと分かると安堵の溜め息を吐いていた。彼にこれ以上心配させたくないからもっと強くなろうと心中で思いを留め、実行に移すべく神器を手に魔物浄化に勤しんでいるがどういう状況に陥るか予測は出来ない。それに……この力がいつまた発動するかも分からない。会話に一切浮上していないからばれていないと思うが、また狙われる可能性も充分有り得るのだ。そうならぬ様に力に関連しそうな言葉は噤むとする。以前海の神ポセイドンに一目見てばれた経歴があるから、今の所誰にもばれていないのは不幸中の幸いと言えよう。人々の幸せを願うならば、この力は誰の手にも渡らせてはいけない。少々お話が過ぎてしまったみたいだから、話を元に戻し戦いに焦点を合わせようと思う。長廊下を次々に進行し、防壁でビーム光線を回避しながら頃合いを見計らい、ダリオスを浄化。誰の差し金かは知らないが、ダリオスの周囲に種子爆弾が設置されている。その種子爆弾を遠方で射撃し、触発すると爆発を起こし付近で構えていたダリオスを浄化出来る寸法だ。その場の地形と道具に寄って戦法が変化するなと実感しつつ、最後のダリオスを無事に浄化。長廊下を駆け抜けると、休み無く別の魔物が私達を待ち構えていた。
「おっと!」
『きゃっ!ビックリしたぁ』
「泥でできたマッドロンはダウンさせても起き上がってきます。三回倒せば、完全に浄化できますよ」
地中からいきなり出現したのは魔物マッドロン。突然で不意を衝かれそうになるが、ぎりぎり近距離を回避。宙バック転で身軽に避け、ダッシュ攻撃を目前に繰り出してみる。打撃が効いたらしく、一度地中に潜ってしまう。パルテナ様の指示はいつもずば抜けていて的確だ。彼女のアドバイスに盲点はない。流石だ、非の打ち所がないとは。主と言えど、頭が下がる。尊敬すべき部分しか持ち合わせていない彼女の元でお勤め出来るのは幸福以外の何ものでもない。きっとそれはピット君も同じ思いを抱いているだろう。私達が団結している秘密は信頼であると信じて疑わない。先手を打ったのは何を隠そう私だが、ピット君がとどめを刺したのは言う迄もなく立ち塞がるマッドロンを浄化し先に進もうと再度歩き始めたのだった。
対立する二軍を横目に平面な道を進む。二軍が交戦する最中、素通りしてはいるがふとした瞬間にとばっちりを受ける場合もある。現にそうだった。無論突っ走って攻撃を喰らわず先に進めたが、あと数センチ移動が遅ければダメージを受けていたと思う。危ない所であった。攻撃の手は止まない両二軍であるが、今は無視を決め込もう。
「いかにも触れちゃダメそうなカベがありますけど」
「ダメでしょうねぇ」
「試してみるというのはどうじゃ?」
『絶対ビリビリきちゃうでしょ』
地形の関係で道上が傾斜し、坂になっている。一気に駆け抜けようと試みるが妙な壁が阻害して来る。見ての通り、電気の壁が弧を描き設置されているのだ。触れるとビリビリ来て麻痺状態になってしまうのは避けて通れないだろう。未然に防ぐには電気の壁に接近せず、通過するのが得策。だが電気の壁を挟み、右側と左側に歩行出来るスペースが確かにある。どちらから行けば難無く通過出来るだろうか……やはり此処は右側かしら。右側通行と何処かで聞いたし、相場では決まっているから。
右側通行と言う判断は間違いではなかったみたいだ。何せ私もピット君も、右側走行し一切ダメージを負わなかった。左右に揺れ動く壁であったがその前に走行し通過したお陰でダメージを受けずに済んだのだ。ほっと胸を撫で下ろし、そのまま走行するとまたしても円形の広場に出る。どうやら待ち伏せされていた様子、私達二人は背中合わせに取り囲まれてしまった。のだと私も思ったが実はそうではなく只の勘違いであった。円形の広場、取り囲めば窮地に陥れるのは容易いだろう。だが自然軍は冥府軍と交戦中。パルテナ軍を相手にしている余裕はない素振りで私達はそっちのけ状態となってしまう。思わずピット君と顔を見合わせ動きを停止させてしまった。
『このまま進んじゃおっか?』
「そうだね」
冥府軍を相手にしているナチュレちゃんも大変だと同情の念を抱きながら、そっちのけ状態になっているのを利用すべく先に進もうと行動に移す。ピット君は移動しながらも攻撃のとばっちりを防ごうと射撃でダメージを蓄積させては浄化に勤しんでいた。存外そっちのけ状態も悪くないと頭の片隅で考えつつ、すいすい歩行する私達。三叉路を行き、ぐるぐる回転する電気の壁前ですっと足を止める。確かにそのまま突っ込んでも良かったのだけれど、可能ならばダメージを受けずにいずれ訪れるボス戦に備えたい。
「おっと!」
『きゃっ!ビックリしたぁ』
「泥でできたマッドロンはダウンさせても起き上がってきます。三回倒せば、完全に浄化できますよ」
地中からいきなり出現したのは魔物マッドロン。突然で不意を衝かれそうになるが、ぎりぎり近距離を回避。宙バック転で身軽に避け、ダッシュ攻撃を目前に繰り出してみる。打撃が効いたらしく、一度地中に潜ってしまう。パルテナ様の指示はいつもずば抜けていて的確だ。彼女のアドバイスに盲点はない。流石だ、非の打ち所がないとは。主と言えど、頭が下がる。尊敬すべき部分しか持ち合わせていない彼女の元でお勤め出来るのは幸福以外の何ものでもない。きっとそれはピット君も同じ思いを抱いているだろう。私達が団結している秘密は信頼であると信じて疑わない。先手を打ったのは何を隠そう私だが、ピット君がとどめを刺したのは言う迄もなく立ち塞がるマッドロンを浄化し先に進もうと再度歩き始めたのだった。
対立する二軍を横目に平面な道を進む。二軍が交戦する最中、素通りしてはいるがふとした瞬間にとばっちりを受ける場合もある。現にそうだった。無論突っ走って攻撃を喰らわず先に進めたが、あと数センチ移動が遅ければダメージを受けていたと思う。危ない所であった。攻撃の手は止まない両二軍であるが、今は無視を決め込もう。
「いかにも触れちゃダメそうなカベがありますけど」
「ダメでしょうねぇ」
「試してみるというのはどうじゃ?」
『絶対ビリビリきちゃうでしょ』
地形の関係で道上が傾斜し、坂になっている。一気に駆け抜けようと試みるが妙な壁が阻害して来る。見ての通り、電気の壁が弧を描き設置されているのだ。触れるとビリビリ来て麻痺状態になってしまうのは避けて通れないだろう。未然に防ぐには電気の壁に接近せず、通過するのが得策。だが電気の壁を挟み、右側と左側に歩行出来るスペースが確かにある。どちらから行けば難無く通過出来るだろうか……やはり此処は右側かしら。右側通行と何処かで聞いたし、相場では決まっているから。
右側通行と言う判断は間違いではなかったみたいだ。何せ私もピット君も、右側走行し一切ダメージを負わなかった。左右に揺れ動く壁であったがその前に走行し通過したお陰でダメージを受けずに済んだのだ。ほっと胸を撫で下ろし、そのまま走行するとまたしても円形の広場に出る。どうやら待ち伏せされていた様子、私達二人は背中合わせに取り囲まれてしまった。のだと私も思ったが実はそうではなく只の勘違いであった。円形の広場、取り囲めば窮地に陥れるのは容易いだろう。だが自然軍は冥府軍と交戦中。パルテナ軍を相手にしている余裕はない素振りで私達はそっちのけ状態となってしまう。思わずピット君と顔を見合わせ動きを停止させてしまった。
『このまま進んじゃおっか?』
「そうだね」
冥府軍を相手にしているナチュレちゃんも大変だと同情の念を抱きながら、そっちのけ状態になっているのを利用すべく先に進もうと行動に移す。ピット君は移動しながらも攻撃のとばっちりを防ごうと射撃でダメージを蓄積させては浄化に勤しんでいた。存外そっちのけ状態も悪くないと頭の片隅で考えつつ、すいすい歩行する私達。三叉路を行き、ぐるぐる回転する電気の壁前ですっと足を止める。確かにそのまま突っ込んでも良かったのだけれど、可能ならばダメージを受けずにいずれ訪れるボス戦に備えたい。