第12章 初期化爆弾の恐怖(後編)
セラ
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道は真っ直ぐ続いている…様に見せかけて実は道と道の間に僅かながらの段差があった。段差も然程高くないとすれば、ギガスの跳躍で充分越えて進行出来る。只、タイミングを見計らわなければならないのが必須であるが。要は自身の腕っぷしに掛かっている。
『よぉし!』
「セラちゃん、ギガスの操縦うまくなったよね」
『えへへ。ありがとう』
「(やっぱり可愛い……!)」
話にもあった道と道の間に存在している段差をギガスで跳躍し乗り越えた所、隣で同じく段差を越えていたピット君に誉められ急に恥ずかしくなり思わず照れ笑いを浮かべてしまう。私だって負けていないと思うけれど、パルテナ軍の戦闘力を有する彼に誉められると遠回しに強くなったと証明してくれている……そんな気がするのだ。複雑な感情に寄り、恥ずかしくもなったりするけれど素直に嬉しい。ポテンシャルを引き出してくれたピット君に内心感謝を述べながら段差を越えた二人は、その先に新たな道がないと気付く。行き止まりなのかと思いきや、何と別の道が下に拡がっていた。どうやら下に降りるのが正解らしい。今も尚、ギガスに乗り込んでいる私達はそのままギガスで地に着地。然すれば思わぬ光景が視界に飛び込んで来た。
「くそッ、ジャマをするな ハデス!!」
「困っているお顔もステキよ?おじょうちゃん」
「冥府軍と自然軍が戦っている……。」
『どっちも引けを取らないみたい』
「ボーナスステージのはじまりですね」
『(んっ?ボーナスステージ?)』
円形の広場と呼称すべき場所にギガスで着地すると、冥府軍と自然軍が戦い合う姿を目の当りにする。未だに交戦中。パルテナ軍天使二人だけではなく、冥府軍迄もが初期化爆弾要塞に侵入していたとは思いも寄らずきょとんとしてしまう。ハデスの支持ありきなのだろうが、抜け目がない。此処でパルテナ軍が攻撃を仕掛け、時に防御すれば誰が見ても“三つ巴の戦い”となってしまうだろう。ピット君に至っては、自身が決めた信念に従う儘ギガスで腕を揮っている。ハデスの思惑かもしれないのに深く考察しないみたいだ。彼の長所でもあり、短所でもある紙一重な一面を今更どうこう言うつもりはないが少々疑ってほしいとも思う。親衛副隊長としての真っ当な意見だ。
そんな心中になりながら苦笑いを浮かべているものの、敵を全滅させるちゃっかりさ。我ながら上々だ。
「『撃破!』」
「しかしギガスの出番はここまでですね」
『もうちょっと乗っていたかったなあ』
先行く道が開け、進める様にジャンプ台が道上に出現する。戦闘を有利にする目的でパルテナ様もギガスを送って下さったとは思うが全ての道上、エリアに於いて操縦できる訳がなくこの場に乗り捨てる形を取る。お約束展開だ。全エリアをギガスで網羅出来たらどれだけ最強であっただろう。けれどお約束展開に逆らえる筈もなく、ジャンプ台を踏み跳躍した所で未だ続く道を駆ける。と俄にビーム光線が真っ直ぐこちらに伸びて来てダメージを喰らわせようとして来る。
「おおっと!」
今にも崩れそうな壁がビーム光線を唯一回避出来る役割を担っていると瞬時に察知し、慌ててダメージを喰らうまいと隠れたが長くは保たないだろう。
「長い廊下に、長距離ビーム……。」
『(ビーム光線を壁で防いで攻撃が止んだ所を一気に距離を詰めて叩けば良いのね!)』
「でかい侵入者なら大抵ここらで一網打尽なのじゃが」
「残念でしたね。ピットとセラがちっこくて」
「い、言うほどちっこくありませんよ!!」
『そうですよ!ちっこいのはピット君だけです!!』
「ガーン。セラちゃん酷い……。」
『あっごめん。つい』
一定の距離をビームで攻撃して来る自然軍の魔物ダリオスは、左右に振り花蕊からビーム光線を放ちこちらにダメージを喰らわせるらしい。パルテナ様がこっそり教えてくれたのだがこの魔物、ビーム光線を放ちつつこちらに接近して来るのだそうだ。特性がホラー要素を含んでおり、尚且つビーム光線を放ち体力を削りに掛かるとは何かと対策が必要である。今にも崩れそうな壁に隠れていたが、やはりビーム攻撃に耐えられなかったと見える……凌ぐ分には持ってこいだが直ぐに壊れてしまう。壁は壊れてしまったが、この瞬間攻撃は止んでおり浄化するならば今が好機だ。素早く距離を詰め浄化に成功する。パルテナ様の言う通り長廊下に他のダリオスがこちらを狙わんと身構えているのが遠巻きから窺え、溜め息。まだまだ序盤だと言うのに、そう簡単に攻略させてくれない模様だ。まぁ、当然と言えば当然だが。
今迄もそうだった、誰もが全力で向かって来ていた……誰一人手加減する敵等おらずこちらも全力で応戦していたものだ。私も何度危険な目に遭ったか。
『よぉし!』
「セラちゃん、ギガスの操縦うまくなったよね」
『えへへ。ありがとう』
「(やっぱり可愛い……!)」
話にもあった道と道の間に存在している段差をギガスで跳躍し乗り越えた所、隣で同じく段差を越えていたピット君に誉められ急に恥ずかしくなり思わず照れ笑いを浮かべてしまう。私だって負けていないと思うけれど、パルテナ軍の戦闘力を有する彼に誉められると遠回しに強くなったと証明してくれている……そんな気がするのだ。複雑な感情に寄り、恥ずかしくもなったりするけれど素直に嬉しい。ポテンシャルを引き出してくれたピット君に内心感謝を述べながら段差を越えた二人は、その先に新たな道がないと気付く。行き止まりなのかと思いきや、何と別の道が下に拡がっていた。どうやら下に降りるのが正解らしい。今も尚、ギガスに乗り込んでいる私達はそのままギガスで地に着地。然すれば思わぬ光景が視界に飛び込んで来た。
「くそッ、ジャマをするな ハデス!!」
「困っているお顔もステキよ?おじょうちゃん」
「冥府軍と自然軍が戦っている……。」
『どっちも引けを取らないみたい』
「ボーナスステージのはじまりですね」
『(んっ?ボーナスステージ?)』
円形の広場と呼称すべき場所にギガスで着地すると、冥府軍と自然軍が戦い合う姿を目の当りにする。未だに交戦中。パルテナ軍天使二人だけではなく、冥府軍迄もが初期化爆弾要塞に侵入していたとは思いも寄らずきょとんとしてしまう。ハデスの支持ありきなのだろうが、抜け目がない。此処でパルテナ軍が攻撃を仕掛け、時に防御すれば誰が見ても“三つ巴の戦い”となってしまうだろう。ピット君に至っては、自身が決めた信念に従う儘ギガスで腕を揮っている。ハデスの思惑かもしれないのに深く考察しないみたいだ。彼の長所でもあり、短所でもある紙一重な一面を今更どうこう言うつもりはないが少々疑ってほしいとも思う。親衛副隊長としての真っ当な意見だ。
そんな心中になりながら苦笑いを浮かべているものの、敵を全滅させるちゃっかりさ。我ながら上々だ。
「『撃破!』」
「しかしギガスの出番はここまでですね」
『もうちょっと乗っていたかったなあ』
先行く道が開け、進める様にジャンプ台が道上に出現する。戦闘を有利にする目的でパルテナ様もギガスを送って下さったとは思うが全ての道上、エリアに於いて操縦できる訳がなくこの場に乗り捨てる形を取る。お約束展開だ。全エリアをギガスで網羅出来たらどれだけ最強であっただろう。けれどお約束展開に逆らえる筈もなく、ジャンプ台を踏み跳躍した所で未だ続く道を駆ける。と俄にビーム光線が真っ直ぐこちらに伸びて来てダメージを喰らわせようとして来る。
「おおっと!」
今にも崩れそうな壁がビーム光線を唯一回避出来る役割を担っていると瞬時に察知し、慌ててダメージを喰らうまいと隠れたが長くは保たないだろう。
「長い廊下に、長距離ビーム……。」
『(ビーム光線を壁で防いで攻撃が止んだ所を一気に距離を詰めて叩けば良いのね!)』
「でかい侵入者なら大抵ここらで一網打尽なのじゃが」
「残念でしたね。ピットとセラがちっこくて」
「い、言うほどちっこくありませんよ!!」
『そうですよ!ちっこいのはピット君だけです!!』
「ガーン。セラちゃん酷い……。」
『あっごめん。つい』
一定の距離をビームで攻撃して来る自然軍の魔物ダリオスは、左右に振り花蕊からビーム光線を放ちこちらにダメージを喰らわせるらしい。パルテナ様がこっそり教えてくれたのだがこの魔物、ビーム光線を放ちつつこちらに接近して来るのだそうだ。特性がホラー要素を含んでおり、尚且つビーム光線を放ち体力を削りに掛かるとは何かと対策が必要である。今にも崩れそうな壁に隠れていたが、やはりビーム攻撃に耐えられなかったと見える……凌ぐ分には持ってこいだが直ぐに壊れてしまう。壁は壊れてしまったが、この瞬間攻撃は止んでおり浄化するならば今が好機だ。素早く距離を詰め浄化に成功する。パルテナ様の言う通り長廊下に他のダリオスがこちらを狙わんと身構えているのが遠巻きから窺え、溜め息。まだまだ序盤だと言うのに、そう簡単に攻略させてくれない模様だ。まぁ、当然と言えば当然だが。
今迄もそうだった、誰もが全力で向かって来ていた……誰一人手加減する敵等おらずこちらも全力で応戦していたものだ。私も何度危険な目に遭ったか。