第11章 自然王ナチュレ(後編)
セラ
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「自然軍が利用する為に引っ張って来たのじゃが……。乗れるものがおらんかったのじゃ」
「あーなるほどぉ。納得しましたわー」
「……って、フツーもっと早く気がつきませんか?」
「攻撃準備、急がせすぎたかのう」
『…何か前にもこういうやり取りしたよね。誰かさんと』
「セラ、それは言わない様に」
と思っていたが、案外単純で笑ってしまう。結束はしているのだろうが、意外な一面と呼称すべきか……抜けている所もあるみたいだ。敵対峙しているこちら側が言うのも難だが、余り失くしてほしくはない。隙がある敵と言うのも愛着が湧くってものだ。まぁ、当人達には決して告げたりしないが。等と私見しては距離を狭め接近戦を仕掛けて来る魔物達を打撃で一思いに浄化する。ピット君程ではないが、魔物浄化出来ると心の何処かがシュッとする。テンポ良く浄化していると恐らくニヤついた顔を浮かべているであろうナチュレちゃんが何故か私に向かって話し掛けて来た。
「セラよ。可愛らしい顔をしているが、意外にも気性が荒いんじゃの」
『そんなこと……!……あるのかな』
「……ちょっと!セラちゃん?!そこは否定しなくちゃ!」
『だってぇ、違うとは言えないもの』
「セラは可愛らしくて強いのが売りですからね」
『そうなんでしょうか……』
ナチュレちゃんに指摘され、否定しようとするが良く良く考えて彼女の言う通りだと肯定すれば思い切り地面を顔面で滑り込みするピット君。彼から直ちに反論する様に言い放たれてしまうが、強ち間違いではないのが痛い所。正直な話、強くなりたくて日々敵と対峙している。守られてばかりでは嫌だから、今度は私が誰かを守りたい。その為には神器を揮わなければ。ずっとその思いを胸に戦って来た。これからもそうするつもりだ。パルテナ軍に所属していてパルテナ様指揮の下、強くならないと言うのが無理難題だ。ピット君と共にそりゃあビシビシ扱かれましたとも!!……と言うのは冗談で厳密に言えば主にピット君が集中的であった。だがそのお陰で他の軍と渡り合えている。パルテナ様に感謝しなくちゃ。
ジャンプ台から跳躍し、次のエリアへ大きく移動する。さすれば様々な道が入り混じり、複雑化していた。
「この先、迷路になっています。迷わないように注意して」
パルテナ様からのアドバイスがあったが、確実に迷ってしまいそうな勢いだ。それは勿論地形の関係もあるし、一本道だけではないのは充分理解出来る。只進行するのに難儀するだけだ。剛力のロッカが居ると思われる領域には着実に進んでいる筈なのだけれどそう簡単に物事は運んでくれない。邪魔立てをする魔物等が次々と出現する。素早く魔物浄化し、ジャンプ台からジャンプ台へ乗ると棘の樹が生えているエリアが窺え、軽やかに着地。そこには木の根に絡まり身動き出来ない兵士が存在していた。またもや生存者を発見でき、胸を撫で下ろした直後目にも留まらぬ速さで木の根をたたっ斬る。解放された兵士は、私達に礼を述べそそくさと離脱して行った。生存者はほぼ解放出来ただろうか?愛する家族の元へ無事に帰還出来る様に胸中で願うばかりだ。
棘の樹に気を付けながら、道の真ん中を走行する。相も変わらず出現する魔物達。油断を誘おうと動いているみたいだがそうは行かない。
「ナチュレの軍隊は“自然軍”と言うようですね。木や土や岩など、天然素材で出来ている敵が多いみたいです」
『へえ〜』
「こんなところでも地球にやさしいんですね。いま流行(はやり)のエコでしょうか」
パルテナ様の話に寄ると自然に特化された敵で構成されている模様。だからこそ私達の目の前に次々と出現しては攻撃を仕掛けてくるのだろうか?無限に生成されるのも凄い。イカロスみたい……あっ!間違えた!冥府軍みたいである。
「当然じゃろう。買い物にはエコバッグ持参じゃ。わりばしは使わないし ゴミは15種類に分別するのじゃ!!」
「意外と細かい神様なんですね……。」
『やさしさの領域を遥かに超えちゃってるよね……。』
「そこは見習わなければなりませんね」
会話を繰り広げながら魔物を一掃し、次へと進む。どうやらまだ兵士が残っていた様だ。それを証拠に木の根に絡まりじたばたしているのが視界に映る。魔物が兵士を襲う前に手っ取り早く木の根を切断してあげなければならない。ピット君が魔物相手に神器を揮っている間に、私は捕われの身となっている兵士を救出すべく木の根を神器で切断する……と同時に兵士は晴れて自由の身となった。間に合って良かった……!そう思ったのも束の間、突如目の前の兵士が自身の両手で私の両手を包み込むかの様に力強く握り締めて来た。その拍子に神器が地へと落下。何が起こったのか、状況が読めず目を丸くしてしまう。
「あーなるほどぉ。納得しましたわー」
「……って、フツーもっと早く気がつきませんか?」
「攻撃準備、急がせすぎたかのう」
『…何か前にもこういうやり取りしたよね。誰かさんと』
「セラ、それは言わない様に」
と思っていたが、案外単純で笑ってしまう。結束はしているのだろうが、意外な一面と呼称すべきか……抜けている所もあるみたいだ。敵対峙しているこちら側が言うのも難だが、余り失くしてほしくはない。隙がある敵と言うのも愛着が湧くってものだ。まぁ、当人達には決して告げたりしないが。等と私見しては距離を狭め接近戦を仕掛けて来る魔物達を打撃で一思いに浄化する。ピット君程ではないが、魔物浄化出来ると心の何処かがシュッとする。テンポ良く浄化していると恐らくニヤついた顔を浮かべているであろうナチュレちゃんが何故か私に向かって話し掛けて来た。
「セラよ。可愛らしい顔をしているが、意外にも気性が荒いんじゃの」
『そんなこと……!……あるのかな』
「……ちょっと!セラちゃん?!そこは否定しなくちゃ!」
『だってぇ、違うとは言えないもの』
「セラは可愛らしくて強いのが売りですからね」
『そうなんでしょうか……』
ナチュレちゃんに指摘され、否定しようとするが良く良く考えて彼女の言う通りだと肯定すれば思い切り地面を顔面で滑り込みするピット君。彼から直ちに反論する様に言い放たれてしまうが、強ち間違いではないのが痛い所。正直な話、強くなりたくて日々敵と対峙している。守られてばかりでは嫌だから、今度は私が誰かを守りたい。その為には神器を揮わなければ。ずっとその思いを胸に戦って来た。これからもそうするつもりだ。パルテナ軍に所属していてパルテナ様指揮の下、強くならないと言うのが無理難題だ。ピット君と共にそりゃあビシビシ扱かれましたとも!!……と言うのは冗談で厳密に言えば主にピット君が集中的であった。だがそのお陰で他の軍と渡り合えている。パルテナ様に感謝しなくちゃ。
ジャンプ台から跳躍し、次のエリアへ大きく移動する。さすれば様々な道が入り混じり、複雑化していた。
「この先、迷路になっています。迷わないように注意して」
パルテナ様からのアドバイスがあったが、確実に迷ってしまいそうな勢いだ。それは勿論地形の関係もあるし、一本道だけではないのは充分理解出来る。只進行するのに難儀するだけだ。剛力のロッカが居ると思われる領域には着実に進んでいる筈なのだけれどそう簡単に物事は運んでくれない。邪魔立てをする魔物等が次々と出現する。素早く魔物浄化し、ジャンプ台からジャンプ台へ乗ると棘の樹が生えているエリアが窺え、軽やかに着地。そこには木の根に絡まり身動き出来ない兵士が存在していた。またもや生存者を発見でき、胸を撫で下ろした直後目にも留まらぬ速さで木の根をたたっ斬る。解放された兵士は、私達に礼を述べそそくさと離脱して行った。生存者はほぼ解放出来ただろうか?愛する家族の元へ無事に帰還出来る様に胸中で願うばかりだ。
棘の樹に気を付けながら、道の真ん中を走行する。相も変わらず出現する魔物達。油断を誘おうと動いているみたいだがそうは行かない。
「ナチュレの軍隊は“自然軍”と言うようですね。木や土や岩など、天然素材で出来ている敵が多いみたいです」
『へえ〜』
「こんなところでも地球にやさしいんですね。いま流行(はやり)のエコでしょうか」
パルテナ様の話に寄ると自然に特化された敵で構成されている模様。だからこそ私達の目の前に次々と出現しては攻撃を仕掛けてくるのだろうか?無限に生成されるのも凄い。イカロスみたい……あっ!間違えた!冥府軍みたいである。
「当然じゃろう。買い物にはエコバッグ持参じゃ。わりばしは使わないし ゴミは15種類に分別するのじゃ!!」
「意外と細かい神様なんですね……。」
『やさしさの領域を遥かに超えちゃってるよね……。』
「そこは見習わなければなりませんね」
会話を繰り広げながら魔物を一掃し、次へと進む。どうやらまだ兵士が残っていた様だ。それを証拠に木の根に絡まりじたばたしているのが視界に映る。魔物が兵士を襲う前に手っ取り早く木の根を切断してあげなければならない。ピット君が魔物相手に神器を揮っている間に、私は捕われの身となっている兵士を救出すべく木の根を神器で切断する……と同時に兵士は晴れて自由の身となった。間に合って良かった……!そう思ったのも束の間、突如目の前の兵士が自身の両手で私の両手を包み込むかの様に力強く握り締めて来た。その拍子に神器が地へと落下。何が起こったのか、状況が読めず目を丸くしてしまう。