第11章 自然王ナチュレ(後編)
セラ
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決して一本道ではなかったけれど、何とか迷わずに道を進行する。さすればピット君が何かを見つけた様で突然声を上げた。
「よかった。生存者です!」
視線を向けると、木の根に絡まり身動き出来ずに居た兵士を発見する。安堵の溜め息。生き残ってくれて良かったと思う。戦争を引き起こしていた当事者等であろうと、愛する家族が居て帰りを待ち侘びているだろうから。ピット君は木の根に絡まって居る兵士を神器で落とし、救い出し、解放してくれた。人々が生き残っている…微かな希望が生まれたと同時に嬉しさが込み上がり、思わず笑みを零す。
「しぶとく生きているものですね。見つけたら、どんどん解放していきましょう」
「しぶとく……ってパルテナ様?」
『はっきり言いましたね?』
「あ、ごめんなさい。失言でした」
「そなたも分かってきたようじゃの。人間どもの小ささが」
『もしかしたらパルテナ様も心の何処かでそう思ったのかな』と考えながら魔物相手に神器を揮う。今の状況は…と言うと、私とピット君は魔物達に取り囲まれ先に行かせまいと包囲されている如何にも全滅させないと通過出来ない通せん坊を強いられる。先に進むには無論射撃・打撃攻撃を喰らわせ浄化しなければならない、わざわざ言わずとも分かるお約束展開だ。相棒に背を預け、魔物を次々と浄化して行く。ほぼピット君が浄化してくれたが、そのお陰で次なる道が開いた。断じて怠けていた訳ではない。
更なる道が私達を待ち構えている。道を踏みしめ、先に進むと木々のトンネルの様な道に入る。かと思えば一気に視界は開け広い道に出た。暫く進行すると、木の根に絡まる兵士を発見する。無論ピット君が素早く解放してあげていた。一安心である。
「この森の中には陸地や建造物もあるんですね」
「もともとあった荒野の地盤がせり上がったのでしょう」
『こう見ると神秘的……』
「初期化爆弾は破壊をするためのものではない!目的は飽く迄人類の抹殺じゃ!!」
「くそッ!!」
魔物浄化する手は休めず、周囲を見渡していると飛行中眼に入れていた建造物が蔓に絡まりながらそのまま残っておりナチュレちゃんの思惑が垣間見える。自然に対する慈しみは忘れていない、けれど人々は忌み嫌い、そして怒りを募らせている。彼女の言葉からも伝達されるかの様。破壊を好んでいたメデューサとは思想が異なる。だが、人々に危害を加えている点ではナチュレちゃんも同類だ。幾ら自然の為とは言え、この儘野放しに出来る筈がない。そんな思いに駆られながら、行く手を阻む木の壁を神器で破壊し、中に入って行く。
「なるほど、地盤もキレイに残っています。生き物もいるようですし」
「数年もすれば此処は緑に包まれることじゃろう。花は咲き乱れ、木々は生い茂り正しい食物連鎖が起こる。理想的な世界にするための祝砲なのじゃ!」
『行こ!ピット君!』
「う、うん!」
祝砲だなんてとんでもない。こちらから言わせて貰えば、有るまじき行為だ。元々建造物を建築したのは人間の力が結束され、汗水を垂らし寝る間を惜しんで明くる日も明くる日も造り上げた結果なのだ、私達よりよっぽど文明を切り開いている。パルテナ様の言う通り、神に近い存在だと言い放ったのは人間達が織り成す人生模様を知っているからではないか。神様すら立ち入れない物語が人間達の心にぎゅっと詰まっている、奥が深いと思った。人間達が明くる日も明くる日も笑って生活出来る様に、忍び寄る魔の手から全力で守り通さなければならない。ずっとそうして戦って来たけれど、改めて思い願う。神器を揮う力が自然と強くなる。
ピット君と共に道を駆け抜ける。段差がある道にはジャンプ台が何処からともなく出現し、跳躍力を利用すべくトントン拍子で進んで行く。
「とおっ!!っと。此処は何処だ?」
『さぁ…?』
“進行するのに苦戦しなさそうだ”と発言したが前言撤回する。物凄く道が分かりづらい。これでは道に迷ってしまう。現にジャンプ台で木の幹から幹へと移動したけれど、どの辺りに居るのか周囲の景色を見つめ察知しようとするが良く分からない。ピット君も理解していない様子でキョロキョロ周辺を見回している。確実に進んでいるのは間違いなのだが……。首を傾げていても仕方がないので取り敢えず前に進むべく歩行する。少し歩いたその先には木の根に絡まり動けずに居る兵士を発見、動けない中でも懸命に踠き抜け出そうとする姿勢を視界に捉え、妙に安心してしまう。場面的に不謹慎かも知れないが逆境にもめげずに生きようとする人々に胸を打たれたのだ。そんな姿を見つめ、思う。“自分は間違っていなかったんだ”って。ピット君が神器で木の根に打撃を加え、兵士を解放する。この調子でまだ捕われの身となっている兵士を助けてあげなければ。
「よかった。生存者です!」
視線を向けると、木の根に絡まり身動き出来ずに居た兵士を発見する。安堵の溜め息。生き残ってくれて良かったと思う。戦争を引き起こしていた当事者等であろうと、愛する家族が居て帰りを待ち侘びているだろうから。ピット君は木の根に絡まって居る兵士を神器で落とし、救い出し、解放してくれた。人々が生き残っている…微かな希望が生まれたと同時に嬉しさが込み上がり、思わず笑みを零す。
「しぶとく生きているものですね。見つけたら、どんどん解放していきましょう」
「しぶとく……ってパルテナ様?」
『はっきり言いましたね?』
「あ、ごめんなさい。失言でした」
「そなたも分かってきたようじゃの。人間どもの小ささが」
『もしかしたらパルテナ様も心の何処かでそう思ったのかな』と考えながら魔物相手に神器を揮う。今の状況は…と言うと、私とピット君は魔物達に取り囲まれ先に行かせまいと包囲されている如何にも全滅させないと通過出来ない通せん坊を強いられる。先に進むには無論射撃・打撃攻撃を喰らわせ浄化しなければならない、わざわざ言わずとも分かるお約束展開だ。相棒に背を預け、魔物を次々と浄化して行く。ほぼピット君が浄化してくれたが、そのお陰で次なる道が開いた。断じて怠けていた訳ではない。
更なる道が私達を待ち構えている。道を踏みしめ、先に進むと木々のトンネルの様な道に入る。かと思えば一気に視界は開け広い道に出た。暫く進行すると、木の根に絡まる兵士を発見する。無論ピット君が素早く解放してあげていた。一安心である。
「この森の中には陸地や建造物もあるんですね」
「もともとあった荒野の地盤がせり上がったのでしょう」
『こう見ると神秘的……』
「初期化爆弾は破壊をするためのものではない!目的は飽く迄人類の抹殺じゃ!!」
「くそッ!!」
魔物浄化する手は休めず、周囲を見渡していると飛行中眼に入れていた建造物が蔓に絡まりながらそのまま残っておりナチュレちゃんの思惑が垣間見える。自然に対する慈しみは忘れていない、けれど人々は忌み嫌い、そして怒りを募らせている。彼女の言葉からも伝達されるかの様。破壊を好んでいたメデューサとは思想が異なる。だが、人々に危害を加えている点ではナチュレちゃんも同類だ。幾ら自然の為とは言え、この儘野放しに出来る筈がない。そんな思いに駆られながら、行く手を阻む木の壁を神器で破壊し、中に入って行く。
「なるほど、地盤もキレイに残っています。生き物もいるようですし」
「数年もすれば此処は緑に包まれることじゃろう。花は咲き乱れ、木々は生い茂り正しい食物連鎖が起こる。理想的な世界にするための祝砲なのじゃ!」
『行こ!ピット君!』
「う、うん!」
祝砲だなんてとんでもない。こちらから言わせて貰えば、有るまじき行為だ。元々建造物を建築したのは人間の力が結束され、汗水を垂らし寝る間を惜しんで明くる日も明くる日も造り上げた結果なのだ、私達よりよっぽど文明を切り開いている。パルテナ様の言う通り、神に近い存在だと言い放ったのは人間達が織り成す人生模様を知っているからではないか。神様すら立ち入れない物語が人間達の心にぎゅっと詰まっている、奥が深いと思った。人間達が明くる日も明くる日も笑って生活出来る様に、忍び寄る魔の手から全力で守り通さなければならない。ずっとそうして戦って来たけれど、改めて思い願う。神器を揮う力が自然と強くなる。
ピット君と共に道を駆け抜ける。段差がある道にはジャンプ台が何処からともなく出現し、跳躍力を利用すべくトントン拍子で進んで行く。
「とおっ!!っと。此処は何処だ?」
『さぁ…?』
“進行するのに苦戦しなさそうだ”と発言したが前言撤回する。物凄く道が分かりづらい。これでは道に迷ってしまう。現にジャンプ台で木の幹から幹へと移動したけれど、どの辺りに居るのか周囲の景色を見つめ察知しようとするが良く分からない。ピット君も理解していない様子でキョロキョロ周辺を見回している。確実に進んでいるのは間違いなのだが……。首を傾げていても仕方がないので取り敢えず前に進むべく歩行する。少し歩いたその先には木の根に絡まり動けずに居る兵士を発見、動けない中でも懸命に踠き抜け出そうとする姿勢を視界に捉え、妙に安心してしまう。場面的に不謹慎かも知れないが逆境にもめげずに生きようとする人々に胸を打たれたのだ。そんな姿を見つめ、思う。“自分は間違っていなかったんだ”って。ピット君が神器で木の根に打撃を加え、兵士を解放する。この調子でまだ捕われの身となっている兵士を助けてあげなければ。