第11章 自然王ナチュレ(前編)
セラ
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「ピット、」
『セラ、』
「『出陣します!!』」
ピット君とパルテナ様のお陰で、心の靄が晴れた気がしている性か心身共に軽やかだ。“人々の平和を齎す為に戦う”今はその任務を胸に戦い、守り通そうと思っている。冥府神ハデスが私を冥府軍に引き入れようとしているみたいだけれど、正直な話後回しにしても良い。勿論警戒心は剥き出しにして、神器を手中に戦いに身を投じる姿勢である。一瞬の隙を見せてしまえば、付け入られる可能性がぐんと高まってしまうからだ。そうなってはもう遅い。もう二度とメデューサ戦の様な失敗はしない。頑張らなければ。新たに気合いを入れてピット君と共に神器を手に、助走を付けて思い切りゲートから飛び出した。岩山が並んでいる空中と地上の狭間を飛行している宛ら、人々は大丈夫だろうか?と直ぐ様心配の念が胸中を過る。ハデスに嗾けられていたが、持ち前の強さで真実を見極めて欲しい。そう願っていたのだが……。
「見てごらんなさい、ピット セラ。人々が大規模な戦争をしています」
現実はそうも行かないらしい。空中から見下ろした光景は無残にも人々が武器と武器を搗ち合わせ戦う姿。どっちかが倒れる迄戦いは終わらない。でももし可能ならば誰も争わないでほしい。争って得られるもの等何もないのだから。
「うわっ。これは酷い」
『本当。惨いね』
「大量に死者が出ることを見越して冥府軍が魂を狩りに来ています。人間の戦争には関わらない様にして冥府軍を倒しなさい」
「『了解です!!』」
そう教えてあげたいけれど、パルテナ様の言葉に自粛する。そんな考えに至っている最中空中を飛行していると、冥府軍から派遣された魔物達がうようよ浮遊しているのが見て分かる。魂を狩りに来ているらしい冥府軍。神器を強く握り締め、魂を狩ろうとする魔物を阻止すべく浄化する。恐らく魔物達が此の場に存在するのは何を隠そうハデスの差し金だろう。
「ハデスの狙い通りになってしまいましたね……。」
「“願いのタネ”のウワサをばらまいたのですね。何でも望みが叶うとなればみんな必死になることでしょう」
「それで、国を挙げての争奪戦かあ。分かりやすいなぁ。もう願いのタネなんてないのに!それを教えてやったらどうですか?!」
『でもみんな、耳を貸すかな……』
全てがハデスの思惑通りに動いてしまい、内心納得が行かない。混沌を招いただけに留まらず、魂迄狩りに来ている用意周到さ。こうなると事前に予期していたと思うと何だか怒りが込み上がる。ハデスの裏をかく作戦でピット君の言う様に、人々に“願いのタネ”は存在しないと公言出来れば争いも終止出来るだろうし、これ以上犠牲者が出ずに済むだろう。だが一つ、問題がある。人々が簡単に耳を貸すか分からない点だ。無論パルテナ様が、口を開けば効果は絶大だろう。だがそんな単純明快な話なのだろうか。パルテナ様も何か思案されているのか、ピット君の言葉に対し首を縦に頷こうとしない。不穏な空気が流れる。冥府の魔物を浄化する傍ら、この戦争をどうやって終止出来るのか私達は必死に考えを巡らせていた。
「!!」
石で出来た建造物付近を飛行しつつ、人々が戦う様子を見つめていると突如パルテナ様が何かを察知した。
「どうしたんですか?!パルテナ様??」
『何かありましたか?』
「下がります、ピット!!セラ!!大急ぎで!!」
「え……?うわっ!!」
『きゃあっ!!』
ピット君も気が付いたのか、パルテナ様に問い掛けている。その刹那、慌てた様子でパルテナ様からの指示が両耳に届く。何事だろう。そう思ったのも束の間、急に飛行スピードが上昇し、状況を把握する前に勝手な迄に回避させられてしまう。いつの間にか自身の羽根にも“飛翔の奇跡”が宿っている模様。ピンチであったのは先ず間違いない。状況を把握しようと周辺を見回していると雲と雲の間から何かがきらりと光った。次の瞬間、爆弾が投下され地上に命中。思わず驚きの声を上げてしまったが、こちらに被害はない。被害が大きいのは、建造物も含め地上の人達だ。爆弾が投下され、爆心地周辺には不吉な乱雲が立ち込め、円を描くかの様に丸みを帯びている。人々はどうなってしまったのだろう。
「こ、これは……?!」
『何なの…これ……』
「あーっははははは!!いい気味じゃ。いつまでも進歩しないサルどもめ!滅するがいいわ!!」
爆弾が投下され、皮肉にも戦争が終止する。爆弾の威力は絶大であった。余りにも酷い有り様に絶句するしかない。言葉を失っている私達に向けて、誰かが働き掛けている。幼い少女の声。幻影が上空に浮かび、一体誰が働き掛けていたのか私達は知る羽目になる。
『セラ、』
「『出陣します!!』」
ピット君とパルテナ様のお陰で、心の靄が晴れた気がしている性か心身共に軽やかだ。“人々の平和を齎す為に戦う”今はその任務を胸に戦い、守り通そうと思っている。冥府神ハデスが私を冥府軍に引き入れようとしているみたいだけれど、正直な話後回しにしても良い。勿論警戒心は剥き出しにして、神器を手中に戦いに身を投じる姿勢である。一瞬の隙を見せてしまえば、付け入られる可能性がぐんと高まってしまうからだ。そうなってはもう遅い。もう二度とメデューサ戦の様な失敗はしない。頑張らなければ。新たに気合いを入れてピット君と共に神器を手に、助走を付けて思い切りゲートから飛び出した。岩山が並んでいる空中と地上の狭間を飛行している宛ら、人々は大丈夫だろうか?と直ぐ様心配の念が胸中を過る。ハデスに嗾けられていたが、持ち前の強さで真実を見極めて欲しい。そう願っていたのだが……。
「見てごらんなさい、ピット セラ。人々が大規模な戦争をしています」
現実はそうも行かないらしい。空中から見下ろした光景は無残にも人々が武器と武器を搗ち合わせ戦う姿。どっちかが倒れる迄戦いは終わらない。でももし可能ならば誰も争わないでほしい。争って得られるもの等何もないのだから。
「うわっ。これは酷い」
『本当。惨いね』
「大量に死者が出ることを見越して冥府軍が魂を狩りに来ています。人間の戦争には関わらない様にして冥府軍を倒しなさい」
「『了解です!!』」
そう教えてあげたいけれど、パルテナ様の言葉に自粛する。そんな考えに至っている最中空中を飛行していると、冥府軍から派遣された魔物達がうようよ浮遊しているのが見て分かる。魂を狩りに来ているらしい冥府軍。神器を強く握り締め、魂を狩ろうとする魔物を阻止すべく浄化する。恐らく魔物達が此の場に存在するのは何を隠そうハデスの差し金だろう。
「ハデスの狙い通りになってしまいましたね……。」
「“願いのタネ”のウワサをばらまいたのですね。何でも望みが叶うとなればみんな必死になることでしょう」
「それで、国を挙げての争奪戦かあ。分かりやすいなぁ。もう願いのタネなんてないのに!それを教えてやったらどうですか?!」
『でもみんな、耳を貸すかな……』
全てがハデスの思惑通りに動いてしまい、内心納得が行かない。混沌を招いただけに留まらず、魂迄狩りに来ている用意周到さ。こうなると事前に予期していたと思うと何だか怒りが込み上がる。ハデスの裏をかく作戦でピット君の言う様に、人々に“願いのタネ”は存在しないと公言出来れば争いも終止出来るだろうし、これ以上犠牲者が出ずに済むだろう。だが一つ、問題がある。人々が簡単に耳を貸すか分からない点だ。無論パルテナ様が、口を開けば効果は絶大だろう。だがそんな単純明快な話なのだろうか。パルテナ様も何か思案されているのか、ピット君の言葉に対し首を縦に頷こうとしない。不穏な空気が流れる。冥府の魔物を浄化する傍ら、この戦争をどうやって終止出来るのか私達は必死に考えを巡らせていた。
「!!」
石で出来た建造物付近を飛行しつつ、人々が戦う様子を見つめていると突如パルテナ様が何かを察知した。
「どうしたんですか?!パルテナ様??」
『何かありましたか?』
「下がります、ピット!!セラ!!大急ぎで!!」
「え……?うわっ!!」
『きゃあっ!!』
ピット君も気が付いたのか、パルテナ様に問い掛けている。その刹那、慌てた様子でパルテナ様からの指示が両耳に届く。何事だろう。そう思ったのも束の間、急に飛行スピードが上昇し、状況を把握する前に勝手な迄に回避させられてしまう。いつの間にか自身の羽根にも“飛翔の奇跡”が宿っている模様。ピンチであったのは先ず間違いない。状況を把握しようと周辺を見回していると雲と雲の間から何かがきらりと光った。次の瞬間、爆弾が投下され地上に命中。思わず驚きの声を上げてしまったが、こちらに被害はない。被害が大きいのは、建造物も含め地上の人達だ。爆弾が投下され、爆心地周辺には不吉な乱雲が立ち込め、円を描くかの様に丸みを帯びている。人々はどうなってしまったのだろう。
「こ、これは……?!」
『何なの…これ……』
「あーっははははは!!いい気味じゃ。いつまでも進歩しないサルどもめ!滅するがいいわ!!」
爆弾が投下され、皮肉にも戦争が終止する。爆弾の威力は絶大であった。余りにも酷い有り様に絶句するしかない。言葉を失っている私達に向けて、誰かが働き掛けている。幼い少女の声。幻影が上空に浮かび、一体誰が働き掛けていたのか私達は知る羽目になる。