第11章 自然王ナチュレ(前編)
セラ
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彼女の呟きを聞いた僕は左隣に座るセラちゃんを他所に首を縦に頷いた。セラちゃんの身に色々引き起こり、心の中で消化出来ていないのが見て分かる。彼女の横顔を盗み見、星空を見つめているのに何処か悲しそうな表情なのは彼女の中で心の葛藤が連なっているから。彼女の奥深い優しさはこの僕が一番知っている。きっとまた『自分には何が出来るだろう?』と考えを巡らせているのだろう。僕もパルテナ様もましてやイカロスさえ頼ろうとしない。こういう時にどうしても思ってしまうのだ。「どのくらいその小さな背中に背負い込んでいるのだろう。」と。
『ピット君、私……私ね……?ピット君に言わなくちゃいけないことがあるの』
「セラちゃん……」
(来た!)
風がさらさらと吹き抜け、、彼女が眉尻を下げて僕に話を切り出して来た。条件反射で自身の鼓動が早鐘を打つ。彼女の様々な表情をちらちら見つめ、自身の思いを駆け巡らせていた。そのお陰で反応が些か遅れてしまったが、僕の想像したシチュエーションは正しく今なのか?!と頬に熱が集中する。最早ポーカーフェイスどころではない。けれど一つ、心残りがある。そう、言わずもがなロマンス的な何かだ。今も尚悲しみに暮れている彼女には、非常に不謹慎であるがそろそろ仲間以上の地位に昇り詰めたかったのも心情的にはある。はぁと彼女に気づかれぬ様深い溜め息を吐いて話に耳を傾けている僕。
「セラちゃん、一つだけ良いかな」
『なぁに?』
「君は力不足だと言ったけれど、僕はそうは思わない。冥府軍が率いている数々の幹部とメデューサを倒して来た中で救われている人達が居るのも本当なんだ。だからそういう人達がもっともっと増える様に戦って行けば良い」
『そういうもの…かな』
「僕はセラちゃんが悲しそうな顔をしていたら、人々が悲しむと思うよ?もうこれ以上そういう悲しい思いをさせない様に立ち向かうしかないと思うんだ」
「セラが気に病む必要はありません。必ずや人々に平和を齎しましょう」
『パルテナ様』
セラちゃんの話を聞いて、自身の率直な思いを口にする。僕の言葉一つ一つ嘘偽りのないもの。人々に害を与え、傷付けるのならばその根源を叩いてしまえば良い。野蛮だと言われてしまうかもしれない。嗚呼!僕にもっと男らしい余裕があれば、此処迄あたふたしなかったのに!!内心トホホと思いながら真剣な表情を造り出す。彼女の顔が自身の双眸に映し出されるかの様だ
『フェニックス戦でピット君に言ったよね?時期が来たら話すって』
「そうそう!僕が!って……えっ?」
『ハデスが言ってたじゃない?女の子のご両親を死なせてしまったって……しかも反省の色すら全くなく悠然と!それがどうしても許せなかった。女の子は今、どんな思いで過ごしているのだろうって考えたら自分の力不足を痛感してしまったの……』
「そう……だったんだね」
くうぅっ!僕のバカ!!
何を期待してたんだ!!
満天の星空の下、二人きり。仲間以上恋人未満の僕達には、何かしら関係が発展しても可笑しくはない。自身が抱いた願望と絶景のシチュエーション。誰にも邪魔されない二人だけの空間。彼女から話を切り出され、もしやと思ったがそう簡単に事が運ぶ筈もなく、期待は大いに打ち砕かれる。寧ろ良かったではないか!彼女が僕に話す意志を見せてくれた。いつも様々なものを小さな背中に背負い、誰にも打ち明けようとしない子が僕に話そうとしてくれているのだ。だが間違いであるとは到底思えなかった。だって今迄も25年前もそうしてきたから。自身の話を聞き、彼女の表情が見るからに変化する、驚愕を含んだ表情だ。少々彼女の考え方も変化した後、畳み掛けるかの様にパルテナ様がセラちゃんに話し掛けて来る…パルテナ様らしい前向きなお言葉だ。パルテナ様のお言葉に異論等ある筈もなく、彼女に向けて首を縦に頷く。パルテナ様は偉大だ。パルテナ様のお言葉を頂戴した途端心の靄が少しばかりでも晴れたと言わんばかりにセラちゃんの表情が明るくなった。僕が何かを言うよりもよっぽど効果がある。女神様に嫉妬と言う名の感情を抱いているが、今は無視をしてセラちゃんの横顔を見つめながら、改めて彼女を守って行こうと誓いを立てたのだった。
『ピット君、私……私ね……?ピット君に言わなくちゃいけないことがあるの』
「セラちゃん……」
(来た!)
風がさらさらと吹き抜け、、彼女が眉尻を下げて僕に話を切り出して来た。条件反射で自身の鼓動が早鐘を打つ。彼女の様々な表情をちらちら見つめ、自身の思いを駆け巡らせていた。そのお陰で反応が些か遅れてしまったが、僕の想像したシチュエーションは正しく今なのか?!と頬に熱が集中する。最早ポーカーフェイスどころではない。けれど一つ、心残りがある。そう、言わずもがなロマンス的な何かだ。今も尚悲しみに暮れている彼女には、非常に不謹慎であるがそろそろ仲間以上の地位に昇り詰めたかったのも心情的にはある。はぁと彼女に気づかれぬ様深い溜め息を吐いて話に耳を傾けている僕。
「セラちゃん、一つだけ良いかな」
『なぁに?』
「君は力不足だと言ったけれど、僕はそうは思わない。冥府軍が率いている数々の幹部とメデューサを倒して来た中で救われている人達が居るのも本当なんだ。だからそういう人達がもっともっと増える様に戦って行けば良い」
『そういうもの…かな』
「僕はセラちゃんが悲しそうな顔をしていたら、人々が悲しむと思うよ?もうこれ以上そういう悲しい思いをさせない様に立ち向かうしかないと思うんだ」
「セラが気に病む必要はありません。必ずや人々に平和を齎しましょう」
『パルテナ様』
セラちゃんの話を聞いて、自身の率直な思いを口にする。僕の言葉一つ一つ嘘偽りのないもの。人々に害を与え、傷付けるのならばその根源を叩いてしまえば良い。野蛮だと言われてしまうかもしれない。嗚呼!僕にもっと男らしい余裕があれば、此処迄あたふたしなかったのに!!内心トホホと思いながら真剣な表情を造り出す。彼女の顔が自身の双眸に映し出されるかの様だ
『フェニックス戦でピット君に言ったよね?時期が来たら話すって』
「そうそう!僕が!って……えっ?」
『ハデスが言ってたじゃない?女の子のご両親を死なせてしまったって……しかも反省の色すら全くなく悠然と!それがどうしても許せなかった。女の子は今、どんな思いで過ごしているのだろうって考えたら自分の力不足を痛感してしまったの……』
「そう……だったんだね」
くうぅっ!僕のバカ!!
何を期待してたんだ!!
満天の星空の下、二人きり。仲間以上恋人未満の僕達には、何かしら関係が発展しても可笑しくはない。自身が抱いた願望と絶景のシチュエーション。誰にも邪魔されない二人だけの空間。彼女から話を切り出され、もしやと思ったがそう簡単に事が運ぶ筈もなく、期待は大いに打ち砕かれる。寧ろ良かったではないか!彼女が僕に話す意志を見せてくれた。いつも様々なものを小さな背中に背負い、誰にも打ち明けようとしない子が僕に話そうとしてくれているのだ。だが間違いであるとは到底思えなかった。だって今迄も25年前もそうしてきたから。自身の話を聞き、彼女の表情が見るからに変化する、驚愕を含んだ表情だ。少々彼女の考え方も変化した後、畳み掛けるかの様にパルテナ様がセラちゃんに話し掛けて来る…パルテナ様らしい前向きなお言葉だ。パルテナ様のお言葉に異論等ある筈もなく、彼女に向けて首を縦に頷く。パルテナ様は偉大だ。パルテナ様のお言葉を頂戴した途端心の靄が少しばかりでも晴れたと言わんばかりにセラちゃんの表情が明るくなった。僕が何かを言うよりもよっぽど効果がある。女神様に嫉妬と言う名の感情を抱いているが、今は無視をしてセラちゃんの横顔を見つめながら、改めて彼女を守って行こうと誓いを立てたのだった。