第10章 願いのタネ(前編)
セラ
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冥府の女王メデューサが裏で操っていた真の冥府の主ハデス。彼が新たに登場した事に寄り、私を含めパルテナ軍は混乱に陥っていた。本来ならばメデューサも討伐された今後、平穏な日々が約束されていたのだが、冥府の主が出現してしまっては骨休めする暇もなくハデス討伐をスローガンに掲げ人々の為世界の為パルテナ様の御意思の下、私達は神器を片手に戦いに身を投じて行く傾向にある。そんな最中、どうしても納得出来ない部分があった。
『パルテナ様はどう思いますか?』
メデューサが私の中にある強大な力について何も知らないと答えた事である。元々メデューサの配下だった私の性質を知らないのは余りにも不自然だ。確かに告げられた時は素直に引き下がるしか方法が見つからなかったがハデスに影で操られていると言う事実を知った後(のち)或る仮説が浮上した。
「私はメデューサではないから何とも言えませんが、その可能性がないとは言い切れませんね」
自身の仮説が果たして正解かどうか確かめるべく、パルテナ様の元へと赴いた。理由は簡単。彼女の意見を仰ぐ為だ。自分の仮説を事細かに説明すれば首を傾げながら考察しているパルテナ様の姿を拝んだ。どうやら…彼女自身謎が深まっている様子。
『もしかしたらメデューサは裏で操られている事に気付き、敢えて知らない振りをした…なんてやっぱり無理矢理でしょうか?』
「うーん」
ハデスに私の中に眠る強大な力の存在を悟られない様にメデューサが一芝居を打った とある仮説。正直な所、雲を掴む話だ。否定されてしまえばぐうの音も出ないのが現状である。私がメデューサの配下として仕えていた時代の記憶は思い出せるのに強大な力に関する情報はまるで抜け落ちているかの如く彼女は口にしなかった。それが返って私の両目には不自然に見えたのだ。
「メデューサがどういう感情で言い放ったのか今となっては知る術はありません。でももしかしたら、メデューサの思惑もセラの中に眠る強大な力がどういうものなのか分かる日が来るかもしれません」
『そうですね』
「それまでは冥府軍討伐に専念しましょう」
『はい!!』
だが答えは見つからなかった。うじうじ考えてみても仕方がないし、今日もまた神殿から出陣する為に神器をメンテナンスしようと武器庫へと歩行を進める。不意に口から吐き出される溜め息。もしも…メデューサがハデスに悟られるのを避けるべく質疑に対し応答をはぐらかしたのならば自動的に私の身を守ろうとしてくれた事実に繋がる。幾ら闇の女神と言えど元部下を気遣う気持ちぐらいは残っていたかもしれない。そう考えたら何だか嬉しくなったのだ。今となっては本人に直接聞く道すら存在しないけれど、そうであったら良いなと願ってしまった。
『(まぁ、それは飽く迄仮説ではあるんだけどね)』
「…メデューサ。貴女はセラを大切に想っているからこそ守ってくれたのですか…?」
私の考えは薄まらず根強く残っている。根拠等何処にもないけれどメデューサが私だけに見せた表情だけがその考えに到達させたのかもしれない。自分の考えに自信がある訳ではないけれど間違っていないと今は信じていたい。
「セラちゃん、準備出来た?」
『ええ、バッチリよ。ピット君』
様々な思念が交差する中、私達は神器を所持しゲートから飛び立とうとしていた。本当は気持ちの整理が付いていない。それでも前に進んで行かなければならない。そう、迷っている暇はないんだ。行かなくては。
「冥府神ハデス……!真の冥府の支配者か」
真っ直ぐ前を見据え片足を思い切り踏み締め勢い良く大空へと飛び出した。空と私の心は比例するかの如くに快晴。太陽の光が自身の羽根を照らし、風は飛行している速度に合わせ髪を撫でて行く。空中を自由に飛行する楽しみがメデューサ討伐後無くなっていたかもしれないのを考えると不謹慎ではあるもののもう少しこの感じを味わっていたいとさえ思う。
「メデューサ亡き後も冥府軍の勢いがおとろえませんね」
そんな感情に浸りつつも、ピット君の隣でパルテナ様との会話に耳を傾ける。気持ち良く空を飛行していたとしても冥府軍から差し向けられた魔物等を浄化する任務はきちんと生きている、無論手加減なしで射撃・打撃攻撃を加え浄化して行く。
「パルテナ様、ハデスの真の狙いはなんでしょうか?」
『一体何を企んでいるのでしょう?』
「まだわからないですね」
冥府神ハデス。前回のメデューサ戦後突如姿を現した謎多き人物。口調や態度は軽快だったにせよ、神としてのオーラは異形を放っていた。メデューサの様に人間達を毛嫌いし、落とし入る目的で地上界や天界に混沌を招こうとしている訳ではないらしい。パルテナ様の言う通り未だ目的が見えずに居る。
『パルテナ様はどう思いますか?』
メデューサが私の中にある強大な力について何も知らないと答えた事である。元々メデューサの配下だった私の性質を知らないのは余りにも不自然だ。確かに告げられた時は素直に引き下がるしか方法が見つからなかったがハデスに影で操られていると言う事実を知った後(のち)或る仮説が浮上した。
「私はメデューサではないから何とも言えませんが、その可能性がないとは言い切れませんね」
自身の仮説が果たして正解かどうか確かめるべく、パルテナ様の元へと赴いた。理由は簡単。彼女の意見を仰ぐ為だ。自分の仮説を事細かに説明すれば首を傾げながら考察しているパルテナ様の姿を拝んだ。どうやら…彼女自身謎が深まっている様子。
『もしかしたらメデューサは裏で操られている事に気付き、敢えて知らない振りをした…なんてやっぱり無理矢理でしょうか?』
「うーん」
ハデスに私の中に眠る強大な力の存在を悟られない様にメデューサが一芝居を打った とある仮説。正直な所、雲を掴む話だ。否定されてしまえばぐうの音も出ないのが現状である。私がメデューサの配下として仕えていた時代の記憶は思い出せるのに強大な力に関する情報はまるで抜け落ちているかの如く彼女は口にしなかった。それが返って私の両目には不自然に見えたのだ。
「メデューサがどういう感情で言い放ったのか今となっては知る術はありません。でももしかしたら、メデューサの思惑もセラの中に眠る強大な力がどういうものなのか分かる日が来るかもしれません」
『そうですね』
「それまでは冥府軍討伐に専念しましょう」
『はい!!』
だが答えは見つからなかった。うじうじ考えてみても仕方がないし、今日もまた神殿から出陣する為に神器をメンテナンスしようと武器庫へと歩行を進める。不意に口から吐き出される溜め息。もしも…メデューサがハデスに悟られるのを避けるべく質疑に対し応答をはぐらかしたのならば自動的に私の身を守ろうとしてくれた事実に繋がる。幾ら闇の女神と言えど元部下を気遣う気持ちぐらいは残っていたかもしれない。そう考えたら何だか嬉しくなったのだ。今となっては本人に直接聞く道すら存在しないけれど、そうであったら良いなと願ってしまった。
『(まぁ、それは飽く迄仮説ではあるんだけどね)』
「…メデューサ。貴女はセラを大切に想っているからこそ守ってくれたのですか…?」
私の考えは薄まらず根強く残っている。根拠等何処にもないけれどメデューサが私だけに見せた表情だけがその考えに到達させたのかもしれない。自分の考えに自信がある訳ではないけれど間違っていないと今は信じていたい。
「セラちゃん、準備出来た?」
『ええ、バッチリよ。ピット君』
様々な思念が交差する中、私達は神器を所持しゲートから飛び立とうとしていた。本当は気持ちの整理が付いていない。それでも前に進んで行かなければならない。そう、迷っている暇はないんだ。行かなくては。
「冥府神ハデス……!真の冥府の支配者か」
真っ直ぐ前を見据え片足を思い切り踏み締め勢い良く大空へと飛び出した。空と私の心は比例するかの如くに快晴。太陽の光が自身の羽根を照らし、風は飛行している速度に合わせ髪を撫でて行く。空中を自由に飛行する楽しみがメデューサ討伐後無くなっていたかもしれないのを考えると不謹慎ではあるもののもう少しこの感じを味わっていたいとさえ思う。
「メデューサ亡き後も冥府軍の勢いがおとろえませんね」
そんな感情に浸りつつも、ピット君の隣でパルテナ様との会話に耳を傾ける。気持ち良く空を飛行していたとしても冥府軍から差し向けられた魔物等を浄化する任務はきちんと生きている、無論手加減なしで射撃・打撃攻撃を加え浄化して行く。
「パルテナ様、ハデスの真の狙いはなんでしょうか?」
『一体何を企んでいるのでしょう?』
「まだわからないですね」
冥府神ハデス。前回のメデューサ戦後突如姿を現した謎多き人物。口調や態度は軽快だったにせよ、神としてのオーラは異形を放っていた。メデューサの様に人間達を毛嫌いし、落とし入る目的で地上界や天界に混沌を招こうとしている訳ではないらしい。パルテナ様の言う通り未だ目的が見えずに居る。
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