第9章 決戦!メデューサ(前編)
セラ
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「ライナがライン引いてますね」
「あ、ライナってそういう意味だったんですか?」
「たぶん」
「ナットク」
『何の捻りもないわね』
複雑な感情であるが、私の本心とも言える。二人が悲しむと分かっていながら自身が抱える感情を押し殺す等出来はしなかった。僅かな可能性であってもなくてもあわよくば叶えてみせる、そう自分自身に言い聞かせ目の前に立ち塞がる冥府軍を浄化する。谷間に突入すると芋虫の様な魔物が線を引いているのが視界に映る。どうやら線を引く事に寄って私達の行く手を阻み、尚且つダメージを受けさせるのが目的らしい。うまい具合に引かれている線を回避し、その都度ライナを浄化する。射撃攻撃を繰り返していると、不意にパルテナ様から攻撃を止めるようストップが掛かった。
「ピット、セラ、撃つのをやめなさい!!射撃音に反応する、シャッタンがいます」
何事かと思い、パルテナ様の忠告通り互いに射撃攻撃を一旦止め、辺りを見渡してみる。
『キャッ!』
「うわ。いっぱいいる」
両目に映るは何処かの哺乳類を彷彿させる姿。射撃音を感知するのならばこの場は打撃攻撃で浄化するかそのまま何もせずやり過ごすか…どちらかの作戦が求められる。ピット君はどうやら後者の方法でこの場を切り抜けるらしい。
「静かに……。静かに……。くわばらくわばら……」
シャッタンに警戒して攻撃を止めていた私達に向かって所構わず攻撃して来る魔物も勿論存在する。そう言う不届き者には思い切り渾身の一撃をお見舞いする。射撃攻撃を一切撃てないと言うのも楽ではない。
「もうシャッタンはいないみたいです!」
「ふぅ。ここからは撃ちまくってやる!」
『よぉーし!行くわよー!!』
シャッタンが潜んでいたが上手く回避出来たらしい。パルテナ様からの助言が耳に届き、ほっと胸を撫で下ろす。射撃攻撃を撃たぬ様一時的に封じていたが気を取り直して向かって来る魔物達を悉く浄化する。着実に冥府界に近付いているのか景色ががらりと変化し、不思議な空間へと誘われる。石段石の様なはたまた柱の様な端くれが無数に散らばる闇の風景。
「冥府の入り口はこの先です」
「タナトスから奪った宝石、効いてくれるでしょうか?」
『きっと大丈夫だよ!』
闇の風景、天界からして見ればとても異質な光景。その中で飛行する私達。冥府界を繋ぐと言われるタナトスから奪取した宝石、その宝石が一体どんな形で私達二人を導いてくれるのか………全てはタナトスから奪取した宝石に掛かっている。
「!オーンが来ます。警戒を」
宝石、冥府の通行手形について談義していると一瞬にしておどろおどろしい雰囲気が私達を包む。犯人は分かっている。触れたが最後、どうなるか保証出来ない絶対に倒せない魔物“オーン"。気配で感知したのかパルテナ様が私達にアドバイスを投げ掛けて来るのが耳に届く。だがピット君は迷う事なくオーン目掛けて射撃を放つ。
「おおッ!!」
「ライトアローならオーンを倒せますね!」
『凄い!』
「さすがは三種の神器!!グレイト!」
どんな神器も太刀打ち出来ず、只回避に専念するしか方法は見出せなかったのに三種の神器だけはオーンすら簡単に浄化出来てしまった。隣でその様を見つめていたが、感動してしまう。伊達に25年前、メデューサを討伐していない。改めて三種の神器の能力の高さに圧倒されてしまったがこちらも負けていられない。変わらず向かって来る魔物を浄化する。
「タナトスの宝石が光ってます!!」
『?!ここが入り口なの?!目の前に光が…?!』
「あれですね。飛び込みます!」
「うわぁぁぁぁッ!!」
『きゃぁぁぁぁッ!!』
冥府の通行手形の作用に寄って、突如目の前に夥しい光が映る。ピット君が所持している宝石が光っていると言う事は光の中に突入すれば“メデューサの居城"に近付く事実に繋がる。パルテナ様の言葉に意を決し首を縦に頷き、光の中へと入って行く。
「冥府界です!」
「いよいよ来ましたね!」
『此処が…冥府界…』
“メデューサが住む世界"眩い光に視界を奪われながらも、辿り着いた先は冥府界。目をしぱしぱさせ周囲の風景に目を慣れさせているとメデューサが存在している冥府界を凝視する。天界や地上界とは明らかに景色が相違している。身の毛がよだつが立ち止まってなんていられない。
「冥府軍があんなにたくさん………!」
『次から次へと!!』
「まぁ、ホームグラウンドですからね」
『(んっ?ホームグラウンド?)』
「超アウェイなりにがんばります!」
真っ直ぐと前を見据えて次から次へと向かって来る魔物達を浄化するがパルテナ様曰くホームグラウンドだから魔物達もそれこそキリがなく襲撃して来る。
「前の冒険でも、冥府界でいちばんヤラレちゃったんでしょう ?」
『へぇ?そうなんだ!』
「えぇ。あの難しさ、ハンパなかったなぁ。気を引き締めます!」
『そんなに難しかったんだね?』
「グルーの背中の鉱物はライトアローでさえもはじきます。気をつけて!」
魔物浄化に徹しながらも昔話に花を咲かせるピット君とパルテナ様。傍らでその話に耳を欹てていたがこんな状況下でも余裕綽々と神器を振り回しているピット君を見ると“本当に強くなったんだなぁ"と再実感する。そう言えば私がピンチになった時、いつもピット君は助けてくれた。25年前もそう、つい最近だって………あともう一人、私が危なくなった時咄嗟の行動だったのかもしれないけれど私を守ってくれた………………。
「あ、ライナってそういう意味だったんですか?」
「たぶん」
「ナットク」
『何の捻りもないわね』
複雑な感情であるが、私の本心とも言える。二人が悲しむと分かっていながら自身が抱える感情を押し殺す等出来はしなかった。僅かな可能性であってもなくてもあわよくば叶えてみせる、そう自分自身に言い聞かせ目の前に立ち塞がる冥府軍を浄化する。谷間に突入すると芋虫の様な魔物が線を引いているのが視界に映る。どうやら線を引く事に寄って私達の行く手を阻み、尚且つダメージを受けさせるのが目的らしい。うまい具合に引かれている線を回避し、その都度ライナを浄化する。射撃攻撃を繰り返していると、不意にパルテナ様から攻撃を止めるようストップが掛かった。
「ピット、セラ、撃つのをやめなさい!!射撃音に反応する、シャッタンがいます」
何事かと思い、パルテナ様の忠告通り互いに射撃攻撃を一旦止め、辺りを見渡してみる。
『キャッ!』
「うわ。いっぱいいる」
両目に映るは何処かの哺乳類を彷彿させる姿。射撃音を感知するのならばこの場は打撃攻撃で浄化するかそのまま何もせずやり過ごすか…どちらかの作戦が求められる。ピット君はどうやら後者の方法でこの場を切り抜けるらしい。
「静かに……。静かに……。くわばらくわばら……」
シャッタンに警戒して攻撃を止めていた私達に向かって所構わず攻撃して来る魔物も勿論存在する。そう言う不届き者には思い切り渾身の一撃をお見舞いする。射撃攻撃を一切撃てないと言うのも楽ではない。
「もうシャッタンはいないみたいです!」
「ふぅ。ここからは撃ちまくってやる!」
『よぉーし!行くわよー!!』
シャッタンが潜んでいたが上手く回避出来たらしい。パルテナ様からの助言が耳に届き、ほっと胸を撫で下ろす。射撃攻撃を撃たぬ様一時的に封じていたが気を取り直して向かって来る魔物達を悉く浄化する。着実に冥府界に近付いているのか景色ががらりと変化し、不思議な空間へと誘われる。石段石の様なはたまた柱の様な端くれが無数に散らばる闇の風景。
「冥府の入り口はこの先です」
「タナトスから奪った宝石、効いてくれるでしょうか?」
『きっと大丈夫だよ!』
闇の風景、天界からして見ればとても異質な光景。その中で飛行する私達。冥府界を繋ぐと言われるタナトスから奪取した宝石、その宝石が一体どんな形で私達二人を導いてくれるのか………全てはタナトスから奪取した宝石に掛かっている。
「!オーンが来ます。警戒を」
宝石、冥府の通行手形について談義していると一瞬にしておどろおどろしい雰囲気が私達を包む。犯人は分かっている。触れたが最後、どうなるか保証出来ない絶対に倒せない魔物“オーン"。気配で感知したのかパルテナ様が私達にアドバイスを投げ掛けて来るのが耳に届く。だがピット君は迷う事なくオーン目掛けて射撃を放つ。
「おおッ!!」
「ライトアローならオーンを倒せますね!」
『凄い!』
「さすがは三種の神器!!グレイト!」
どんな神器も太刀打ち出来ず、只回避に専念するしか方法は見出せなかったのに三種の神器だけはオーンすら簡単に浄化出来てしまった。隣でその様を見つめていたが、感動してしまう。伊達に25年前、メデューサを討伐していない。改めて三種の神器の能力の高さに圧倒されてしまったがこちらも負けていられない。変わらず向かって来る魔物を浄化する。
「タナトスの宝石が光ってます!!」
『?!ここが入り口なの?!目の前に光が…?!』
「あれですね。飛び込みます!」
「うわぁぁぁぁッ!!」
『きゃぁぁぁぁッ!!』
冥府の通行手形の作用に寄って、突如目の前に夥しい光が映る。ピット君が所持している宝石が光っていると言う事は光の中に突入すれば“メデューサの居城"に近付く事実に繋がる。パルテナ様の言葉に意を決し首を縦に頷き、光の中へと入って行く。
「冥府界です!」
「いよいよ来ましたね!」
『此処が…冥府界…』
“メデューサが住む世界"眩い光に視界を奪われながらも、辿り着いた先は冥府界。目をしぱしぱさせ周囲の風景に目を慣れさせているとメデューサが存在している冥府界を凝視する。天界や地上界とは明らかに景色が相違している。身の毛がよだつが立ち止まってなんていられない。
「冥府軍があんなにたくさん………!」
『次から次へと!!』
「まぁ、ホームグラウンドですからね」
『(んっ?ホームグラウンド?)』
「超アウェイなりにがんばります!」
真っ直ぐと前を見据えて次から次へと向かって来る魔物達を浄化するがパルテナ様曰くホームグラウンドだから魔物達もそれこそキリがなく襲撃して来る。
「前の冒険でも、冥府界でいちばんヤラレちゃったんでしょう ?」
『へぇ?そうなんだ!』
「えぇ。あの難しさ、ハンパなかったなぁ。気を引き締めます!」
『そんなに難しかったんだね?』
「グルーの背中の鉱物はライトアローでさえもはじきます。気をつけて!」
魔物浄化に徹しながらも昔話に花を咲かせるピット君とパルテナ様。傍らでその話に耳を欹てていたがこんな状況下でも余裕綽々と神器を振り回しているピット君を見ると“本当に強くなったんだなぁ"と再実感する。そう言えば私がピンチになった時、いつもピット君は助けてくれた。25年前もそう、つい最近だって………あともう一人、私が危なくなった時咄嗟の行動だったのかもしれないけれど私を守ってくれた………………。