第8章 天かける星賊船(後編)
セラ
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「あッ!!」
和やかな雰囲気に包まれていた状況から一瞬にして異変が起こり、緊迫したムードへと変化した。予期せぬ出来事、何と目の前で啖呵を切っていたと思う星賊船長は突然乱入して来た大きな怪物の餌食となってしまったのだ。てっきり星賊船長と戦を交えなければならないと思っていた私達にとってはまさかの展開。
『…食べられちゃった…』
乱入して来た大きな怪物は星賊船長を一呑みにした後、私達を睨みつけて来た。星賊船長が一呑みにされてしまった今、私とピット君が戦わなければならない相手は自然と突如出現した大きな怪物となる。図体は明らかに怪物が上であるが、うまく言えば機敏に動けないと言う事。怪物が機敏に動けないのを利用すれば必ず勝算は見つかる。どんな強敵が現れようともどんな不利な立場になろうとも私達はミッションを達成する為に戦い抜くのみ。星々は私達を見守るかの如く空に今も尚、流れている。所持していた神器を強く握りしめ、ゆらゆらと揺れている怪物を真っ直ぐ見据え静かに対峙した。
「クラーケン!」
「タコの化け物ですか?!」
「銀河の海にこんなものが棲んでいたなんて」
『冥府軍のしわざじゃないですか?!』
「とにかく、タダではすみませんね。あの触手を落としなさい」
「『了解です!』」
「ちょっとおいしそうですね……」
「最近、たこ焼き食べてないなぁ」
『そういえばそうだね。せっかくだし、たこ焼きパーティーしちゃおっか?』
「あら。それは名案ですね」
「セラちゃんが作るたこ焼きって本当においしいんだよねぇ」
“そうと決まればクラーケンを倒すだけだね!!”私の提案を耳にしたピット君は力強く首を縦に頷いた。星賊船長を一呑みにした怪物の正体は、クラーケンと言う名の巨大なタコだった。何処から出現したのか、冥府軍の差し金なのか…種々なる見解が私達の間で飛び交うも出処は不明。見解が飛び交ってはいるものの私達三人が見えているものは“クラーケン”ではなく“たこ焼き”。最近たこ焼きを食べていないと聞いてしまっては腕に頼を掛けてたこ焼きを作らなければ私のプライドが廃ってしまう。ゆらゆらと揺れる触手に攻撃を加えながら、脳裏に冷蔵庫の貯蔵状況を思い返していた。タコ あったかな…
ゆらゆらと揺れる触手は動きに法則はなく、私達に向かって触手を叩き付けたり薙ぎ払ったりして来る。攻撃を流れに身を任せながらギリギリの所で回避。クラーケンからの攻撃が触手に寄って繰り出されているものと分かっているだけあって、幾分動き易い。お陰でクラーケンは私達に手当たり次第攻撃している様にも窺える。
「あと3本!」
四本揺れていた触手の内の一本を浄化するのに成功する。冷静に分析してみると触手には対して強度がない模様。
「あと2本!!」
打撃、射撃をうまく使い分けながら攻撃を着実に加えダメージを蓄積させていく。主に私は射撃攻撃を専門とし、ピット君は叩き付けてきた触手の先端部分に照準を合わせ、打撃攻撃を専門で繰り出している。パルテナ様にも誰かが言ったから実行している訳じゃない。ピット君も私も自分の意思で動いている。
『残りの1本!!』
自分の意思で動いていても互いの息が合わないなんて事は起こらない。背中合わせで状況をうまく判断しつつ、クラーケンからの反撃を躱すかの如くエリア一杯に四方に散る。クラーケンの触手は最早私達の速度に付いていけない。
「これで全部だ!」
『とうとうお出ましね!』
「あとは頭を狙いなさい!近づくのも離れるのも一長一短ありますね。手にした神器が得意な間合いで戦いなさい!」
「「現場の判断にゆだねる」ってコトですね!!」
クラーケンの触手を全て浄化し終え、姿を現したのはクラーケンの頭部だった。私達が触手を浄化し、再起不能にしてしまったのもありクラーケンが戦える唯一の武器は頭だけになってしまったのだ。やはり触手を相手に戦っている時とは勝手が違う。触手は闇雲に私達を攻撃して来ていたのもあり、攻撃を回避し易い分こちらが圧倒的に有利な立場だったけれどクラーケンの視界が全体を見渡せる分図体がクラーケンの方が何倍も大きいのを考えると一気にこちら側は不利な立場へと逆転してしまう。けれど、どうやらピット君は不利な立場とは思っていない様子。それを証拠に今も尚、クラーケンの頭部に向けて攻撃を仕掛けている。クラーケンも負けじと反撃、目から高速弾を散りばめ放っている。無論ピット君は目にも留まらぬ速さで攻撃を回避し、クラーケンの頭部に連続で打撃攻撃を撃ち込んでいる。私も射撃で応戦し、パルテナ様のアドバイス通り神器の得意な間合いでクラーケンにダメージを蓄積させて行く。図体の大きさから言えばこちらが不利なのは変わらないけれど、すばしっこさはこちらが圧倒的に有利である。
和やかな雰囲気に包まれていた状況から一瞬にして異変が起こり、緊迫したムードへと変化した。予期せぬ出来事、何と目の前で啖呵を切っていたと思う星賊船長は突然乱入して来た大きな怪物の餌食となってしまったのだ。てっきり星賊船長と戦を交えなければならないと思っていた私達にとってはまさかの展開。
『…食べられちゃった…』
乱入して来た大きな怪物は星賊船長を一呑みにした後、私達を睨みつけて来た。星賊船長が一呑みにされてしまった今、私とピット君が戦わなければならない相手は自然と突如出現した大きな怪物となる。図体は明らかに怪物が上であるが、うまく言えば機敏に動けないと言う事。怪物が機敏に動けないのを利用すれば必ず勝算は見つかる。どんな強敵が現れようともどんな不利な立場になろうとも私達はミッションを達成する為に戦い抜くのみ。星々は私達を見守るかの如く空に今も尚、流れている。所持していた神器を強く握りしめ、ゆらゆらと揺れている怪物を真っ直ぐ見据え静かに対峙した。
「クラーケン!」
「タコの化け物ですか?!」
「銀河の海にこんなものが棲んでいたなんて」
『冥府軍のしわざじゃないですか?!』
「とにかく、タダではすみませんね。あの触手を落としなさい」
「『了解です!』」
「ちょっとおいしそうですね……」
「最近、たこ焼き食べてないなぁ」
『そういえばそうだね。せっかくだし、たこ焼きパーティーしちゃおっか?』
「あら。それは名案ですね」
「セラちゃんが作るたこ焼きって本当においしいんだよねぇ」
“そうと決まればクラーケンを倒すだけだね!!”私の提案を耳にしたピット君は力強く首を縦に頷いた。星賊船長を一呑みにした怪物の正体は、クラーケンと言う名の巨大なタコだった。何処から出現したのか、冥府軍の差し金なのか…種々なる見解が私達の間で飛び交うも出処は不明。見解が飛び交ってはいるものの私達三人が見えているものは“クラーケン”ではなく“たこ焼き”。最近たこ焼きを食べていないと聞いてしまっては腕に頼を掛けてたこ焼きを作らなければ私のプライドが廃ってしまう。ゆらゆらと揺れる触手に攻撃を加えながら、脳裏に冷蔵庫の貯蔵状況を思い返していた。タコ あったかな…
ゆらゆらと揺れる触手は動きに法則はなく、私達に向かって触手を叩き付けたり薙ぎ払ったりして来る。攻撃を流れに身を任せながらギリギリの所で回避。クラーケンからの攻撃が触手に寄って繰り出されているものと分かっているだけあって、幾分動き易い。お陰でクラーケンは私達に手当たり次第攻撃している様にも窺える。
「あと3本!」
四本揺れていた触手の内の一本を浄化するのに成功する。冷静に分析してみると触手には対して強度がない模様。
「あと2本!!」
打撃、射撃をうまく使い分けながら攻撃を着実に加えダメージを蓄積させていく。主に私は射撃攻撃を専門とし、ピット君は叩き付けてきた触手の先端部分に照準を合わせ、打撃攻撃を専門で繰り出している。パルテナ様にも誰かが言ったから実行している訳じゃない。ピット君も私も自分の意思で動いている。
『残りの1本!!』
自分の意思で動いていても互いの息が合わないなんて事は起こらない。背中合わせで状況をうまく判断しつつ、クラーケンからの反撃を躱すかの如くエリア一杯に四方に散る。クラーケンの触手は最早私達の速度に付いていけない。
「これで全部だ!」
『とうとうお出ましね!』
「あとは頭を狙いなさい!近づくのも離れるのも一長一短ありますね。手にした神器が得意な間合いで戦いなさい!」
「「現場の判断にゆだねる」ってコトですね!!」
クラーケンの触手を全て浄化し終え、姿を現したのはクラーケンの頭部だった。私達が触手を浄化し、再起不能にしてしまったのもありクラーケンが戦える唯一の武器は頭だけになってしまったのだ。やはり触手を相手に戦っている時とは勝手が違う。触手は闇雲に私達を攻撃して来ていたのもあり、攻撃を回避し易い分こちらが圧倒的に有利な立場だったけれどクラーケンの視界が全体を見渡せる分図体がクラーケンの方が何倍も大きいのを考えると一気にこちら側は不利な立場へと逆転してしまう。けれど、どうやらピット君は不利な立場とは思っていない様子。それを証拠に今も尚、クラーケンの頭部に向けて攻撃を仕掛けている。クラーケンも負けじと反撃、目から高速弾を散りばめ放っている。無論ピット君は目にも留まらぬ速さで攻撃を回避し、クラーケンの頭部に連続で打撃攻撃を撃ち込んでいる。私も射撃で応戦し、パルテナ様のアドバイス通り神器の得意な間合いでクラーケンにダメージを蓄積させて行く。図体の大きさから言えばこちらが不利なのは変わらないけれど、すばしっこさはこちらが圧倒的に有利である。