第8章 天かける星賊船(後編)
セラ
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「敵が出てくる扉は破壊できます」
「ふさいでしまいましょう」
『大賛成!』
冥府の魔物よりも数段パワーも攻撃力もある星賊。真面に攻撃をくらってはそれなりにダメージを受けてしまう。此処はなるべく星賊とは戦を交えないで次の間へ進みたい所。パルテナ様のアドバイスに寄ると敵が出現するルートを閉め出す事が出来るらしい。もしかして、左右のスイッチは星賊が出て来る扉を封鎖する役割を担っているんじゃあ……?そうと決まれば試してみる価値アリ!星賊達は今、ピット君を集中的に攻撃している為に私に対しての意識は薄い。ピット君が星賊を引き付けている間、私は左右のスイッチを押そうと行動を開始する。良かった。私は余り星賊達にとっても認識されなかったみたい。不幸中の幸いか…取り敢えず動き易い今の状況を全体的に利用する。スイッチを押して閉め出せばこちらのもの。………と考えを過ぎらせつつ、右のスイッチを押そうと試みたものの運悪く星賊に見つかってしまう。何の武装もしていないプロトタイプである。ピット君だけに何故か集中攻撃を繰り出していた星賊達。ピット君には非常に悪いのだが彼には囮になって戦ってもらっていようと考えていた。彼の存在が光れば光る程、私の存在は影が薄くなり様々な状況にも応対出来る。けれど今はこうして星賊に見つかってしまい、目の前に立ちはだかれてしまう。絶体絶命の大ピンチ。今この場で攻撃されてしまったら回避するのも困難だろう。
「セラちゃん!!!」
彼の私の名を呼ぶ声が聞こえて来る。回避するのが困難でもカウンターと言う手がある。攻撃を滑らかに躱し、反撃すると言う戦法。何もピット君だけが強くなっている訳じゃない、日々鍛練しているのだ……私も。それぐらいの判断力と瞬発力は兼ね備えている。
『えっ?これってどういう事?』
攻撃されるかと身構えていたのだが、星賊は私相手に攻撃して来る気配もなく目の前でもじもじしている。動きが明らかに戦闘モードではない。星賊の態度がピット君を相手にしている時と明らかに相違している。この食い違いは何なのだろう。首を傾げていると星賊からいきなり花束の様な代物を差し出された。これは所謂プレゼントだろうか…こんな出来事は初めてのケースだ。珍しくどうすれば良いのか分からなくなる私。
「波動ビーム!!!!!!」
『えっ?』
どうしたらいいのか分からずにあたふたしていると、前触れもなくパルテナ様の声が耳に届く。次の瞬間、花束の様な代物を私に差し出していた星賊はパルテナ様が発動した奇跡の餌食となってしまった。まんまと浄化されてしまう星賊。我に返り、辺りを見回してみるとピット君はピット君で星賊全員を浄化し終え、左右のスイッチ迄も神器で押した事に寄り扉を封鎖していた。
「さっ!セラちゃん!早く行こう!」
『う、うん』
何が起こったのか、状況がいまいち理解出来ていない。先程生じていた食い違いの謎を解明すべく、問い掛けてみるけれどパルテナ様やピット君には核心に触れてくれず話をはぐらかされてしまった。挙げ句の果てには“知らなくて良い”と二人から言われてしまう。そんなにも口に出してはいけない内容なのだろうか?自分なりに考えてみたけれど最終的に答えを導き出せずに身を任せてしまう形となる。何故急に星賊が私に向けて花束と思われる代物をプレゼントしようとしていたのか、パルテナ様やピット君が教えてくれない限り分かる日はきっと訪れないだろう。さっさと私の前を歩いて行ってしまったピット君の後ろを慌てて付いて行く。気の性かもしれないがピット君の背後に怒りのオーラか見えた気がした。
『ねぇ!ピット君!』
「……」
『ピット君ってば!』
今は光の通路上を進行中。先程ピット君の背後に怒りのオーラを見た様な気がしたと述べたがあながち間違ってはいなかった。冥府軍と星賊との戦いに巻き込まれ、両側同時に浄化したりしながら進んでいたのだがピット君がさっきから私に対して一言も話し掛けてくれないのだ。お陰で私達の間に会話はなく沈黙が守られている。冥府軍、星賊を浄化する時も無言。原因があるとすれば私が星賊に花束らしきものをプレゼントされそうになった事ぐらいだけれど、どの部分に怒りを感じたのか皆目見当もつかない。教えてくれる気配すらない様子、こんな状態で私達は三種の神器を奪取出来るのだろうか?果てしなく心配になって来た。
『もーう!!言いたい事があるのならちゃんと言ってよね!!』
「セラちゃん…」
『言ってくれなくちゃ分からないよ。ピット君が怒ってるのってさっきの事なんだよね?』
「怒っているつもりはないんだけれど……」
『絶対怒ってる!!』
「うっ」
沈黙に耐え兼ねた私は、相変わらず私の前をすたすた歩くピット君の前方を素早い動きで回り込み、未だに怒っている彼に物申す。その際彼の双眸が大きく見開いた。どうやらかなり驚愕したらしい。私の両目には彼の顔がドアップに映っている、それは彼とて同じ。私から視線を逸らし伏し目がちになるピット君、ぐいぐい迫って彼の心境を口で言わせようと試みたけれど、彼はなかなか口を割ろうとしない。そんなに言いづらい内容なのだろうか…?ぐいぐい迫っているこちらが段々居た堪れなくなる。
「ふさいでしまいましょう」
『大賛成!』
冥府の魔物よりも数段パワーも攻撃力もある星賊。真面に攻撃をくらってはそれなりにダメージを受けてしまう。此処はなるべく星賊とは戦を交えないで次の間へ進みたい所。パルテナ様のアドバイスに寄ると敵が出現するルートを閉め出す事が出来るらしい。もしかして、左右のスイッチは星賊が出て来る扉を封鎖する役割を担っているんじゃあ……?そうと決まれば試してみる価値アリ!星賊達は今、ピット君を集中的に攻撃している為に私に対しての意識は薄い。ピット君が星賊を引き付けている間、私は左右のスイッチを押そうと行動を開始する。良かった。私は余り星賊達にとっても認識されなかったみたい。不幸中の幸いか…取り敢えず動き易い今の状況を全体的に利用する。スイッチを押して閉め出せばこちらのもの。………と考えを過ぎらせつつ、右のスイッチを押そうと試みたものの運悪く星賊に見つかってしまう。何の武装もしていないプロトタイプである。ピット君だけに何故か集中攻撃を繰り出していた星賊達。ピット君には非常に悪いのだが彼には囮になって戦ってもらっていようと考えていた。彼の存在が光れば光る程、私の存在は影が薄くなり様々な状況にも応対出来る。けれど今はこうして星賊に見つかってしまい、目の前に立ちはだかれてしまう。絶体絶命の大ピンチ。今この場で攻撃されてしまったら回避するのも困難だろう。
「セラちゃん!!!」
彼の私の名を呼ぶ声が聞こえて来る。回避するのが困難でもカウンターと言う手がある。攻撃を滑らかに躱し、反撃すると言う戦法。何もピット君だけが強くなっている訳じゃない、日々鍛練しているのだ……私も。それぐらいの判断力と瞬発力は兼ね備えている。
『えっ?これってどういう事?』
攻撃されるかと身構えていたのだが、星賊は私相手に攻撃して来る気配もなく目の前でもじもじしている。動きが明らかに戦闘モードではない。星賊の態度がピット君を相手にしている時と明らかに相違している。この食い違いは何なのだろう。首を傾げていると星賊からいきなり花束の様な代物を差し出された。これは所謂プレゼントだろうか…こんな出来事は初めてのケースだ。珍しくどうすれば良いのか分からなくなる私。
「波動ビーム!!!!!!」
『えっ?』
どうしたらいいのか分からずにあたふたしていると、前触れもなくパルテナ様の声が耳に届く。次の瞬間、花束の様な代物を私に差し出していた星賊はパルテナ様が発動した奇跡の餌食となってしまった。まんまと浄化されてしまう星賊。我に返り、辺りを見回してみるとピット君はピット君で星賊全員を浄化し終え、左右のスイッチ迄も神器で押した事に寄り扉を封鎖していた。
「さっ!セラちゃん!早く行こう!」
『う、うん』
何が起こったのか、状況がいまいち理解出来ていない。先程生じていた食い違いの謎を解明すべく、問い掛けてみるけれどパルテナ様やピット君には核心に触れてくれず話をはぐらかされてしまった。挙げ句の果てには“知らなくて良い”と二人から言われてしまう。そんなにも口に出してはいけない内容なのだろうか?自分なりに考えてみたけれど最終的に答えを導き出せずに身を任せてしまう形となる。何故急に星賊が私に向けて花束と思われる代物をプレゼントしようとしていたのか、パルテナ様やピット君が教えてくれない限り分かる日はきっと訪れないだろう。さっさと私の前を歩いて行ってしまったピット君の後ろを慌てて付いて行く。気の性かもしれないがピット君の背後に怒りのオーラか見えた気がした。
『ねぇ!ピット君!』
「……」
『ピット君ってば!』
今は光の通路上を進行中。先程ピット君の背後に怒りのオーラを見た様な気がしたと述べたがあながち間違ってはいなかった。冥府軍と星賊との戦いに巻き込まれ、両側同時に浄化したりしながら進んでいたのだがピット君がさっきから私に対して一言も話し掛けてくれないのだ。お陰で私達の間に会話はなく沈黙が守られている。冥府軍、星賊を浄化する時も無言。原因があるとすれば私が星賊に花束らしきものをプレゼントされそうになった事ぐらいだけれど、どの部分に怒りを感じたのか皆目見当もつかない。教えてくれる気配すらない様子、こんな状態で私達は三種の神器を奪取出来るのだろうか?果てしなく心配になって来た。
『もーう!!言いたい事があるのならちゃんと言ってよね!!』
「セラちゃん…」
『言ってくれなくちゃ分からないよ。ピット君が怒ってるのってさっきの事なんだよね?』
「怒っているつもりはないんだけれど……」
『絶対怒ってる!!』
「うっ」
沈黙に耐え兼ねた私は、相変わらず私の前をすたすた歩くピット君の前方を素早い動きで回り込み、未だに怒っている彼に物申す。その際彼の双眸が大きく見開いた。どうやらかなり驚愕したらしい。私の両目には彼の顔がドアップに映っている、それは彼とて同じ。私から視線を逸らし伏し目がちになるピット君、ぐいぐい迫って彼の心境を口で言わせようと試みたけれど、彼はなかなか口を割ろうとしない。そんなに言いづらい内容なのだろうか…?ぐいぐい迫っているこちらが段々居た堪れなくなる。