第8章 天かける星賊船(後編)
セラ
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かなり強引に星賊船に向けて突撃した。入り口と呼べる経路が見つからなかったのか、厳しい局面を打開する為にパルテナ様の指示の元強行手段に及んだ。“甲板の脆い部分に突撃する”と言う離れ業である。幾ら天使が人間よりも頑丈だからってもう少し思いやってほしいとついつい願ってしまう。私とピット君は、手荒な真似 突撃の反動に寄り星賊船の入り口付近にて煤まみれになりながら倒れていた。
「イテテ。もう少しやさしくしてください」
「あら、ごめんなさい。大丈夫?」
『ピット君。すす、付いてるよ?取ってあげるね』
「ありがとう。セラちゃんにも付いているから取ってあげるよ」
『ありがとう』
暫しの間、煤まみれになりながら倒れていた私とピット君だったけれど漸く形勢を整え傍に転がっていた神器を手にし、むくりと起き上がった。開口一番にピット君はパルテナ様の先程の傍若無人さに意見する。私はそれを隣で聞いていた。パルテナ様が下した判断が不正解だとは思えなかったが、さすがにやり過ぎだった様に思う。ピット君の意見に対し、うんうんと頷き賛同する私。彼の意見を耳に留めたパルテナ様は、私達に謝ってくれ身を案じてくれた。爆発で全身に付着してしまった煤を互いに払いながら三種の神器を取り返すミッションを達成するべく星賊が待ち構えている次の間へと向かう。次の間へ歩行を進めると、早速冥府軍では見た事のない敵が私達目掛けて攻撃を仕掛けて来る。
「あのゴツい奴らが星賊ですね。話が通じる相手ではなさそうです!」
「彼らは冥府軍よりも手強いかも。気をつけて」
『見た目からもそんな感じですものね!』
重火器を使用した攻撃、体術を極めた攻撃を繰り出して来る船員達。高度な戦闘能力を目の当たりにして、パルテナ様の言葉を一瞬にして理解する。冥府軍に属する魔物達とは桁外れに違う。次々と繰り出される攻撃をするりと回避し、星賊に打撃を加え浄化して行く。パワーも攻撃力もそれが故に知恵も付いている。星賊船を攻略すると言う事は星賊を相手に戦って行かなければならない…これは一筋縄では行かないかもしれない。
階段と呼ばれる段差にて星賊と一戦を交えていた。星賊を浄化する度に進路を手助けしてくれるジャンプ台が出現する。そのジャンプ台を大いに利用してジャンプで段差を進行する。私は飛行でも進行可能だけれどそこはピット君に合わせ、ジャンプ台を大いに活用しようと考えた。段差をジャンプして進行、そのまま扉を抜ける。
「これは動力室ですね」
扉を抜け、次の間へと続く通路を直進する。途中船内を見回っていたのか通路上でも星賊は奇襲を掛けて来る、無論容赦等一切せずに疾風の如く二人で浄化。冥府軍よりも手強いとパルテナ様は言ったがそれ以上にピット君も……私も……強くなっているのだと実感する。過信するつもりはないけれどその実感が素直に嬉しく思う。一昔前の私だったら星賊相手に互角以上に渡り合えるかどうかさえ分からなかった。所持していた神器を強く握りしめ、真っ直ぐ前を見据える。冥府の女王メデューサを討伐する用意は既に周到していたのである。
「何か、ガラスの中で光ってますけど」
『本当だ!不思議…』
「星賊船は、銀河の海のエネルギーをそのまま推進力に転換しています。つまり、銀河の海の上では無限に進める訳ですね」
『そんな絡繰りだったんですね』
「それは厄介な。いっそ壊しちゃいましょうか?」
そんな考えを脳裏に過ぎらせつつ螺旋状になっている通路を駆け抜け、次の間へと進む。すると視界一杯に通路を挟んで大きなガラスの中で光り輝いている光景が飛び込んで来る。パルテナ様が動力室だと言ってくれる迄は、此処が何の部屋なのか分からずに居たと思う。ピット君と共にガラスの中を覗き込みながら星賊船がどうやって動いているのか…その絡繰りを知る。思わず二人して不思議そうな顔。
「やめときなさい。大爆発を起こしますよ」
「おおっと。それはコワイ。スルーさせて頂きます!」
『それが一番よさそうだね!』
何食わぬ顔で物凄い発言をするピット君に対し言葉を失う私。星賊船の核とも呼べる場所を破壊してしまえば恐らくこの船は木っ端微塵に消滅してしまうだろう。“三種の神器”だけではなく私達でさえ命の危険に晒されてしまう。それだけは何としてでも避けたい。ピット君にストップをかけようと口を開きかけたが、運よくパルテナ様が彼の提案を一蹴してくれた。そのお陰で何事もなく、星賊船を攻略出来る。何も起こらない安心感にほっと胸を撫で下ろす私。向かって来る星賊、冥府の魔物を浄化しながら動力室を後にした。
「ホエーラが!!」
「冥府軍も強引にねじこんで来ましたね」
『うーん。なりふり構ってないですね』
動力室を後にして船内に設置されているエレベーターに乗り込み上昇する。
「イテテ。もう少しやさしくしてください」
「あら、ごめんなさい。大丈夫?」
『ピット君。すす、付いてるよ?取ってあげるね』
「ありがとう。セラちゃんにも付いているから取ってあげるよ」
『ありがとう』
暫しの間、煤まみれになりながら倒れていた私とピット君だったけれど漸く形勢を整え傍に転がっていた神器を手にし、むくりと起き上がった。開口一番にピット君はパルテナ様の先程の傍若無人さに意見する。私はそれを隣で聞いていた。パルテナ様が下した判断が不正解だとは思えなかったが、さすがにやり過ぎだった様に思う。ピット君の意見に対し、うんうんと頷き賛同する私。彼の意見を耳に留めたパルテナ様は、私達に謝ってくれ身を案じてくれた。爆発で全身に付着してしまった煤を互いに払いながら三種の神器を取り返すミッションを達成するべく星賊が待ち構えている次の間へと向かう。次の間へ歩行を進めると、早速冥府軍では見た事のない敵が私達目掛けて攻撃を仕掛けて来る。
「あのゴツい奴らが星賊ですね。話が通じる相手ではなさそうです!」
「彼らは冥府軍よりも手強いかも。気をつけて」
『見た目からもそんな感じですものね!』
重火器を使用した攻撃、体術を極めた攻撃を繰り出して来る船員達。高度な戦闘能力を目の当たりにして、パルテナ様の言葉を一瞬にして理解する。冥府軍に属する魔物達とは桁外れに違う。次々と繰り出される攻撃をするりと回避し、星賊に打撃を加え浄化して行く。パワーも攻撃力もそれが故に知恵も付いている。星賊船を攻略すると言う事は星賊を相手に戦って行かなければならない…これは一筋縄では行かないかもしれない。
階段と呼ばれる段差にて星賊と一戦を交えていた。星賊を浄化する度に進路を手助けしてくれるジャンプ台が出現する。そのジャンプ台を大いに利用してジャンプで段差を進行する。私は飛行でも進行可能だけれどそこはピット君に合わせ、ジャンプ台を大いに活用しようと考えた。段差をジャンプして進行、そのまま扉を抜ける。
「これは動力室ですね」
扉を抜け、次の間へと続く通路を直進する。途中船内を見回っていたのか通路上でも星賊は奇襲を掛けて来る、無論容赦等一切せずに疾風の如く二人で浄化。冥府軍よりも手強いとパルテナ様は言ったがそれ以上にピット君も……私も……強くなっているのだと実感する。過信するつもりはないけれどその実感が素直に嬉しく思う。一昔前の私だったら星賊相手に互角以上に渡り合えるかどうかさえ分からなかった。所持していた神器を強く握りしめ、真っ直ぐ前を見据える。冥府の女王メデューサを討伐する用意は既に周到していたのである。
「何か、ガラスの中で光ってますけど」
『本当だ!不思議…』
「星賊船は、銀河の海のエネルギーをそのまま推進力に転換しています。つまり、銀河の海の上では無限に進める訳ですね」
『そんな絡繰りだったんですね』
「それは厄介な。いっそ壊しちゃいましょうか?」
そんな考えを脳裏に過ぎらせつつ螺旋状になっている通路を駆け抜け、次の間へと進む。すると視界一杯に通路を挟んで大きなガラスの中で光り輝いている光景が飛び込んで来る。パルテナ様が動力室だと言ってくれる迄は、此処が何の部屋なのか分からずに居たと思う。ピット君と共にガラスの中を覗き込みながら星賊船がどうやって動いているのか…その絡繰りを知る。思わず二人して不思議そうな顔。
「やめときなさい。大爆発を起こしますよ」
「おおっと。それはコワイ。スルーさせて頂きます!」
『それが一番よさそうだね!』
何食わぬ顔で物凄い発言をするピット君に対し言葉を失う私。星賊船の核とも呼べる場所を破壊してしまえば恐らくこの船は木っ端微塵に消滅してしまうだろう。“三種の神器”だけではなく私達でさえ命の危険に晒されてしまう。それだけは何としてでも避けたい。ピット君にストップをかけようと口を開きかけたが、運よくパルテナ様が彼の提案を一蹴してくれた。そのお陰で何事もなく、星賊船を攻略出来る。何も起こらない安心感にほっと胸を撫で下ろす私。向かって来る星賊、冥府の魔物を浄化しながら動力室を後にした。
「ホエーラが!!」
「冥府軍も強引にねじこんで来ましたね」
『うーん。なりふり構ってないですね』
動力室を後にして船内に設置されているエレベーターに乗り込み上昇する。
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