第8章 天かける星賊船(前編)
セラ
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次々と襲って来る冥府軍を順調に浄化しながら雲の上を進行して行く。三種の神器の扱いがぞんざい過ぎないかなと思いつつ苦笑いを浮かべる。三種の神器がなくても大丈夫だと言うパルテナ様の言動に便乗して、強気な態度を取るピット君。私から見ても誰から見ても強くなったと思う。私も彼の隣でパルテナ様の言葉に頷いていると、彼の両頬が心なしか赤く染まったのが窺える。熱でも出て来たのか、心配になって彼に問おうと口を開きかけるが、彼の身を案じた言葉は私から発せられる事はなかった。何故なら私達が飛行する数メートル先に迫っていたからだ、“ガニュメデ”と言う魔物が。ビジュアルからしてガニュメデが大嫌いな私は、突然震え声を発した後条件反射としてピット君の腕にしがみついてしまう。突然しがみつかれたピット君は、混乱状態を引き起こし浄化所ではなくなってしまう。ピット君に浄化してもらおうとした私だったけれど計画がうまい具合に狂ってしまう。このままだとガニュメデが……!!思ったのも束の間、上昇していたスピードが更に上昇する。私達は何もせずガニュメデは攻撃を加えられず素通りする形となる。ガニュメデの姿が見えなくなった私は、しがみついていたピット君の腕を即座に離れ、ほっと安堵の溜め息を吐く。恐怖心から欠落してしまった判断力、結果ピット君の腕にしがみついてしまった。気をつけなくちゃ!!急にしがみついてしまった事をピット君に謝ると彼は何処となく名残惜しそうに眉尻を下げ、困った表情をしながら私に“気にしないで”と言ってくれた。そんな私達にパルテナ様から一言。
「貴方だけ良い思いはさせませんよ」
どういう意味かは全く以って分からない。パルテナ様が言い放った一言の意味を考えてみるけれど、一向にそれらしい答えを導き出せず首を傾げてしまう。ピット君は理解出来たのか溜め息を吐いている姿が目に入る。でも私に教えてくれる気配はない。とどのつまり、隠語か何かだろうと勝手に納得した。私の身にアクシデント等本当に起こったのか忘却させる程に飛行スピードは徐々に加速して行く。雲の上を飛行していた私達だったが、再度雲のトンネル内に入り突き抜けて行く。勿論、待ち構えていた魔物達を浄化しながら。
「おおっ。絶景ですね!」
『綺麗~!!』
「ここが銀河の海です」
浄化しつつ、雲のトンネルを抜けると星座達が瞬いている景色に出る。夜空の中で光り輝く星座達、鮮やかな景色に息を呑む。ピット君の言う通り、絶景と言わざるを得ない。もっとゆっくり絶景を見つめていたいけれど、星賊船を攻略し、三種の神器を取り返すミッションを達成しなくてはならない。ミッション達成の為絶景を堪能する娯楽は諦める事にする。
「この辺りに星賊船がいるはずですが……」
「どこに……?」
『見つからないね』
パルテナ様情報に寄れば、銀河の海を星賊船が航行しているらしいのだが、それらしき姿は全く見えない。私もピット君も目を凝らして銀河の海一面を見渡しているが効果は皆無の様だ。
「……あぶない!」
「うおおおおおおっ!!」
『きゃああああああっ!!』
「あれが星賊船?!」
「高速で移動しています。追い掛けましょう!!」
星賊船を探すべくきょろきょろしていると、航行していると思われた船は突如透き通る海中から何の前触れもなく現れる。パルテナ様の助言が幸いし、機敏な動きで船に接触せずにひらりと躱すのに成功。突如海中からひょっこり現れた星賊船はそのままスピードを加速させ、銀河の海を突き抜ける。パルテナ様の指示に頷き、高速で移動する星賊船の後を追う。もしも、私の羽根に飛翔の奇跡を宿していなかったら追い掛けるのに必死で、攻撃迄手が回らなかったかもしれない。パルテナ様の現場を知る的確な判断に内心憧憬の念を送りながらスピードが加速して行く飛行に身を委ねる。
「星賊船を発見しました!」
銀河の海の上を飛行出来るなんて空想小説的な情勢である。残念ながら、空想小説的な情勢を存分に堪能出来ない。電光石火の如く移動する星賊船に辿り着かなければ流れはいつまで経っても変わらないし、攻略しようにも星賊船に侵入出来なければ話が始まらないのだ。飛翔の奇跡で加速したスピードは、とうとう星賊船に追い着く。冥府軍も三種の神器を狙っている目的を達成させるべく星賊船に向けて攻撃を仕掛けている。星賊船も負けずに反撃しているのが視界に映る。巻き込まれてしまったら一溜まりもなさそうだ。
「冥府軍に襲われていますね」
「良かった。まだ三種の神器が奪われていない証拠ですね」
『取り敢えずは一安心ですね』
「『星賊船に加勢すべきですか?』」
「貴方がたも侵入者なのですよ、ピット セラ。それに空から星座がなくなったら味気がなくて困ります。遠慮なく戦いなさい!!」
「貴方だけ良い思いはさせませんよ」
どういう意味かは全く以って分からない。パルテナ様が言い放った一言の意味を考えてみるけれど、一向にそれらしい答えを導き出せず首を傾げてしまう。ピット君は理解出来たのか溜め息を吐いている姿が目に入る。でも私に教えてくれる気配はない。とどのつまり、隠語か何かだろうと勝手に納得した。私の身にアクシデント等本当に起こったのか忘却させる程に飛行スピードは徐々に加速して行く。雲の上を飛行していた私達だったが、再度雲のトンネル内に入り突き抜けて行く。勿論、待ち構えていた魔物達を浄化しながら。
「おおっ。絶景ですね!」
『綺麗~!!』
「ここが銀河の海です」
浄化しつつ、雲のトンネルを抜けると星座達が瞬いている景色に出る。夜空の中で光り輝く星座達、鮮やかな景色に息を呑む。ピット君の言う通り、絶景と言わざるを得ない。もっとゆっくり絶景を見つめていたいけれど、星賊船を攻略し、三種の神器を取り返すミッションを達成しなくてはならない。ミッション達成の為絶景を堪能する娯楽は諦める事にする。
「この辺りに星賊船がいるはずですが……」
「どこに……?」
『見つからないね』
パルテナ様情報に寄れば、銀河の海を星賊船が航行しているらしいのだが、それらしき姿は全く見えない。私もピット君も目を凝らして銀河の海一面を見渡しているが効果は皆無の様だ。
「……あぶない!」
「うおおおおおおっ!!」
『きゃああああああっ!!』
「あれが星賊船?!」
「高速で移動しています。追い掛けましょう!!」
星賊船を探すべくきょろきょろしていると、航行していると思われた船は突如透き通る海中から何の前触れもなく現れる。パルテナ様の助言が幸いし、機敏な動きで船に接触せずにひらりと躱すのに成功。突如海中からひょっこり現れた星賊船はそのままスピードを加速させ、銀河の海を突き抜ける。パルテナ様の指示に頷き、高速で移動する星賊船の後を追う。もしも、私の羽根に飛翔の奇跡を宿していなかったら追い掛けるのに必死で、攻撃迄手が回らなかったかもしれない。パルテナ様の現場を知る的確な判断に内心憧憬の念を送りながらスピードが加速して行く飛行に身を委ねる。
「星賊船を発見しました!」
銀河の海の上を飛行出来るなんて空想小説的な情勢である。残念ながら、空想小説的な情勢を存分に堪能出来ない。電光石火の如く移動する星賊船に辿り着かなければ流れはいつまで経っても変わらないし、攻略しようにも星賊船に侵入出来なければ話が始まらないのだ。飛翔の奇跡で加速したスピードは、とうとう星賊船に追い着く。冥府軍も三種の神器を狙っている目的を達成させるべく星賊船に向けて攻撃を仕掛けている。星賊船も負けずに反撃しているのが視界に映る。巻き込まれてしまったら一溜まりもなさそうだ。
「冥府軍に襲われていますね」
「良かった。まだ三種の神器が奪われていない証拠ですね」
『取り敢えずは一安心ですね』
「『星賊船に加勢すべきですか?』」
「貴方がたも侵入者なのですよ、ピット セラ。それに空から星座がなくなったら味気がなくて困ります。遠慮なく戦いなさい!!」