第8章 天かける星賊船(前編)
セラ
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『パルテナ様、ごめんなさい。パルテナ様にぶつけても何も変わらないって分かっているのに…パルテナ様の言う通り引き摺っています。もし、あの時私に今みたいな強さがあったらメデューサを止めて、人々も助けられて尚且つ無益な戦いさえ避けられたのかなって考えてしまうんです』
「あれはメデューサが勝手にやった事。貴女は関係していませんでした」
『例え真実がそうであっても、人々はそう思わないでしょう。メデューサの身近に居た者は全員同罪なのです』
“この罪は決して消えない”
語尾にそう付け足してパルテナ様から視線をずらし、固く口を閉ざしてしまう。パルテナ様も返す言葉が見つからないのか沈黙を守っている。静寂に包まれる空間。全て言い放った言葉に偽りの気持ちはなかった。どんな理由があろうと、例え私がメデューサに荷担していなかったとしても身近に居たと言う事実が消えない限り罪は消えない。それこそ私に付いて回るだろう。この事実を公表してしまえばきっと、人々は私を軽蔑し非難すると思う。私がもしその立場ならば赦してあげる慈悲なんて忘れてしまう。そんな考えが脳裏に過ぎる中で、静寂が包まれた空間を打ち破ったのはパルテナ様だった。
「セラ、貴女は人間を誤解しています。確かにそう思う者達も居るかもしれません。ですが、必ず理解し赦してくれる者達も現れてくれます。日々人間達を守る為に戦ってくれている天使の話をすれば考えを変える者達がきっと貴女に味方してくれる筈です。人間達は言う程疎かではないのですよ」
『パルテナ様』
「それと……。貴女には言ってなかった事があります。貴女に力を発動させた前後の記憶が抜け落ちている原因、これは私の憶測なのですが力を発動させたショックに寄り記憶がその部分失ってしまったのではないでしょうか。前にも言ったようにセラの力は謎が多く、判明していない事実も沢山あります。だから、セラの力が完全にセラの中から消えてくれる可能性もないとは言い切れないのです」
『……えっ?』
「いずれセラの力がどういうものなのか分かる時が来て、セラから力を引き離せる事が出来るかもしれない。それがいつになるか残念ながら分かりませんがその時迄は、希望を捨てないで!セラ」
一度発動している私の中の力、何時発動するか分からないと言われた時新たな犠牲が増えない様にこの力と共に生きて行く決心をした。頭では決心していたのに心ではうまく整理してくれなくて、迷ったり悩んだり月明かりが私を照らす夜は泣いたりもした。でも、パルテナ様は優しい眼差しで私を真っ直ぐと見つめながら言ってくれた。前向きな温かく優しい言葉を。幾つも存在とする言葉の中ではありきたりで平凡なのかもしれないけれど、心に深く浸透して温かくなるのを感じる。気付けば私の両目からは大粒の涙が零れ落ちていた。止める術を知らない涙は、私の瞳からぽろぽろと流れて行く。啜り泣きをする私に微笑みながらパルテナ様は、
「必ず見つけましょう。セラとピットと私とイカロス、皆でセラと力を引き離す方法を」
優しく包み込みながら言ってくれた。未だに止まらず流れ続けている涙を懸命に拭いながら何度も何度も頷いた。そんな様子を、ピット君とイカロス達が陰ながら見守ってくれていたのを私とパルテナ様は知る由もない。
「あれはメデューサが勝手にやった事。貴女は関係していませんでした」
『例え真実がそうであっても、人々はそう思わないでしょう。メデューサの身近に居た者は全員同罪なのです』
“この罪は決して消えない”
語尾にそう付け足してパルテナ様から視線をずらし、固く口を閉ざしてしまう。パルテナ様も返す言葉が見つからないのか沈黙を守っている。静寂に包まれる空間。全て言い放った言葉に偽りの気持ちはなかった。どんな理由があろうと、例え私がメデューサに荷担していなかったとしても身近に居たと言う事実が消えない限り罪は消えない。それこそ私に付いて回るだろう。この事実を公表してしまえばきっと、人々は私を軽蔑し非難すると思う。私がもしその立場ならば赦してあげる慈悲なんて忘れてしまう。そんな考えが脳裏に過ぎる中で、静寂が包まれた空間を打ち破ったのはパルテナ様だった。
「セラ、貴女は人間を誤解しています。確かにそう思う者達も居るかもしれません。ですが、必ず理解し赦してくれる者達も現れてくれます。日々人間達を守る為に戦ってくれている天使の話をすれば考えを変える者達がきっと貴女に味方してくれる筈です。人間達は言う程疎かではないのですよ」
『パルテナ様』
「それと……。貴女には言ってなかった事があります。貴女に力を発動させた前後の記憶が抜け落ちている原因、これは私の憶測なのですが力を発動させたショックに寄り記憶がその部分失ってしまったのではないでしょうか。前にも言ったようにセラの力は謎が多く、判明していない事実も沢山あります。だから、セラの力が完全にセラの中から消えてくれる可能性もないとは言い切れないのです」
『……えっ?』
「いずれセラの力がどういうものなのか分かる時が来て、セラから力を引き離せる事が出来るかもしれない。それがいつになるか残念ながら分かりませんがその時迄は、希望を捨てないで!セラ」
一度発動している私の中の力、何時発動するか分からないと言われた時新たな犠牲が増えない様にこの力と共に生きて行く決心をした。頭では決心していたのに心ではうまく整理してくれなくて、迷ったり悩んだり月明かりが私を照らす夜は泣いたりもした。でも、パルテナ様は優しい眼差しで私を真っ直ぐと見つめながら言ってくれた。前向きな温かく優しい言葉を。幾つも存在とする言葉の中ではありきたりで平凡なのかもしれないけれど、心に深く浸透して温かくなるのを感じる。気付けば私の両目からは大粒の涙が零れ落ちていた。止める術を知らない涙は、私の瞳からぽろぽろと流れて行く。啜り泣きをする私に微笑みながらパルテナ様は、
「必ず見つけましょう。セラとピットと私とイカロス、皆でセラと力を引き離す方法を」
優しく包み込みながら言ってくれた。未だに止まらず流れ続けている涙を懸命に拭いながら何度も何度も頷いた。そんな様子を、ピット君とイカロス達が陰ながら見守ってくれていたのを私とパルテナ様は知る由もない。