第7章 深海に潜む神殿(後編)
セラ
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人形の中からまた人形が姿を現した。おみやげコーナーに並んでいそうな代物に変身するとは…パルテナ様がおみやげに欲しくなりそうだとおっしゃっていたが私は同意出来なかった。貴石に照準を合わせ、幾度となく射撃する。人形の中から人形が次々と姿を現し、人形は段々と小さくなって行く。
「『あ、出た』」
「ブスブスザクザクデスよ」
「武器でかいよ!」
『そうよ!こちらが不利になっちゃうじゃない!!』
「地面に突き刺した槍に剣をぶつけられないかしら?」
人形の中からとうとう本体が私達の前に現れる。透かさず二人で射撃攻撃、どうやらかなり効いた模様。それを証拠にタナトスはまた別の物に変身を遂げる。今度はどでかい剣。“私達の何倍あるだろう?”明らかにこちらが不利だと思われる。私達の倍以上の大きさがある剣、大きさがある分動きは鈍くなってしまうだろう。回避に専念して、隙を見て槍を剣にぶつけダメージを与える作戦を決行させる。私達に仕掛けて来る攻撃をぎりぎりの所で回避し、地面に突き刺さった槍を剣にぶつけてみる。やっぱりパルテナ様の助言は正確だった。何者も寄せつけないと思われていた剣が一瞬に怯む。どうやら剣の周りを浮遊している槍は、剣を守備する役割を担っているらしい。攻略出来たかもしれない。槍を攻撃し、隙を見て剣を攻撃。時に剣からの攻撃を躱し、絶妙なタイミングで攻撃を加える。繰り返していく内にダメージが蓄積されたのかまたしても変身するタナトス。
「きーっ。きーっ」
「口マネで鳴くなッ!キモチわるい!!」
「ばさばさばさばさばさ」
『擬音で羽ばたき表現しないでッ!うっとうしい!!』
今度は何に変身するのかと思いきや、まさかの蝙蝠だった。余りの気色悪さに私の顔は次第に引き攣る。せっかくタナトスから聞き出そうと此処迄来たと言うのに、一瞬その目的を見失いそうになる。何が何でも聞き出すけれど。
『タナトス!私、貴方に聞かなくちゃならない事があるの!!』
「なんデスか?」
『私の中に眠る力の事よ!何か知ってるんでしょ!貴方が知っている事全部話して!!』
蝙蝠の姿となって突進して来たり、分裂して私達からの攻撃を躱すタナトスの動きが私の言葉に寄って一旦停止する。かと思えば、変身前の本来あるべき姿へと戻る。どうやら、私が投げた質問に答えてくれるらしい。戦闘は一時休戦。私の所持している神器が力無く下りる。
「その話をする前に、セラちゃんには話しておかなければならない話があるんデス」
『私に?』
「覚えてないかもしれないけどセラちゃん、君は25年前メデューサ様に唯一側近していた天使なんデスよ」
『………私が………?』
“私がメデューサに仕えていた?”私の中に眠る力について語られる。そう思ったのも束の間、タナトスは私が問い掛けた質問内容とは主旨が相違する話をして来る。聞かされた内容は“私とメデューサとの関係性について。”私とメデューサとの間には密接な関わりは持っていないと思っていた。只単にメデューサは私の中に眠る力を狙っているだけなのだと………けれど、真実は私の思惑を残酷な迄に打ち砕く。もしかして私の記憶が曖昧なのはメデューサとの間に密接な関わりを持っていると言う事実から目を背ける自己保守の為?
『パルテナ様、本当ですか?私がメデューサの側近していた天使だって話は…』
「………本当です。嘗てセラはメデューサを慕っていました」
「そうだったんですか?!」
『私がメデューサを慕っていた…』
私が何故大事な記憶と呼べる部分を覚えていないのか、自分の中での可能性が浮上する中でパルテナ様は私は元々メデューサの側近していた天使であったのを是認した。タナトスの話に作為があると思ったが、彼が言っている事柄は全て過去に起こっていた出来事だった。頭を鈍器の様な固いもので思い切り殴打された様な感覚に襲われる。どんな真実が私を待ち構えていたとしても、全てを受け入れる。そう、決意を固めた。私自身に関する事だから、目を逸らさないで立ち向かって行こうと心に決めた…筈だったのに…色々な感情が私の中を駆け巡っていて今にも泣いてしまいそう。
『私、メデューサの側に居たのにメデューサを止められなかったんだね…』
これは私の犯した罪だ。
メデューサは人間が嫌いだ。それは周知の事実。25年前、人間を石に変えて迫害していたメデューサをパルテナ様は冥府界に追放した。その後、あの出来事が起こったんだ。それは覚えてる。忘れるなんて到底出来ない…それなのに私の記憶は連れ去られる以前の経過は全く以って脳内に存在していない。
「セラちゃんは悪くないよ!」
『ピット君…』
「絶対に当時のセラちゃんも今みたいに必死になって戦ってたと思うよ!!だから…自分を責めないで。セラちゃん」
『………ありがとう』
例え忘れていたとしても、私がメデューサを止められていれば人々は迫害されなかったし、何よりエンジェランドが冥府軍に乗っ取られたりはしなかっただろう。パルテナ様も幽閉されなかったと思うし、ピット君も無益な戦いを避けられた筈。人々だって傷付かず苦しめないで済んだのに…脳裏にその考えが過ぎった瞬間堪えていた涙が一気に溢れて来る。私が引き起こした当事者ではないと分かっていても良心の呵責が引き起こされる。それなのにピット君は私の両手を自分の両手で包み込みながら真剣な表情で彼は真っ直ぐ私を見つめ伝えてくれた。“私は悪くない”と。
「『あ、出た』」
「ブスブスザクザクデスよ」
「武器でかいよ!」
『そうよ!こちらが不利になっちゃうじゃない!!』
「地面に突き刺した槍に剣をぶつけられないかしら?」
人形の中からとうとう本体が私達の前に現れる。透かさず二人で射撃攻撃、どうやらかなり効いた模様。それを証拠にタナトスはまた別の物に変身を遂げる。今度はどでかい剣。“私達の何倍あるだろう?”明らかにこちらが不利だと思われる。私達の倍以上の大きさがある剣、大きさがある分動きは鈍くなってしまうだろう。回避に専念して、隙を見て槍を剣にぶつけダメージを与える作戦を決行させる。私達に仕掛けて来る攻撃をぎりぎりの所で回避し、地面に突き刺さった槍を剣にぶつけてみる。やっぱりパルテナ様の助言は正確だった。何者も寄せつけないと思われていた剣が一瞬に怯む。どうやら剣の周りを浮遊している槍は、剣を守備する役割を担っているらしい。攻略出来たかもしれない。槍を攻撃し、隙を見て剣を攻撃。時に剣からの攻撃を躱し、絶妙なタイミングで攻撃を加える。繰り返していく内にダメージが蓄積されたのかまたしても変身するタナトス。
「きーっ。きーっ」
「口マネで鳴くなッ!キモチわるい!!」
「ばさばさばさばさばさ」
『擬音で羽ばたき表現しないでッ!うっとうしい!!』
今度は何に変身するのかと思いきや、まさかの蝙蝠だった。余りの気色悪さに私の顔は次第に引き攣る。せっかくタナトスから聞き出そうと此処迄来たと言うのに、一瞬その目的を見失いそうになる。何が何でも聞き出すけれど。
『タナトス!私、貴方に聞かなくちゃならない事があるの!!』
「なんデスか?」
『私の中に眠る力の事よ!何か知ってるんでしょ!貴方が知っている事全部話して!!』
蝙蝠の姿となって突進して来たり、分裂して私達からの攻撃を躱すタナトスの動きが私の言葉に寄って一旦停止する。かと思えば、変身前の本来あるべき姿へと戻る。どうやら、私が投げた質問に答えてくれるらしい。戦闘は一時休戦。私の所持している神器が力無く下りる。
「その話をする前に、セラちゃんには話しておかなければならない話があるんデス」
『私に?』
「覚えてないかもしれないけどセラちゃん、君は25年前メデューサ様に唯一側近していた天使なんデスよ」
『………私が………?』
“私がメデューサに仕えていた?”私の中に眠る力について語られる。そう思ったのも束の間、タナトスは私が問い掛けた質問内容とは主旨が相違する話をして来る。聞かされた内容は“私とメデューサとの関係性について。”私とメデューサとの間には密接な関わりは持っていないと思っていた。只単にメデューサは私の中に眠る力を狙っているだけなのだと………けれど、真実は私の思惑を残酷な迄に打ち砕く。もしかして私の記憶が曖昧なのはメデューサとの間に密接な関わりを持っていると言う事実から目を背ける自己保守の為?
『パルテナ様、本当ですか?私がメデューサの側近していた天使だって話は…』
「………本当です。嘗てセラはメデューサを慕っていました」
「そうだったんですか?!」
『私がメデューサを慕っていた…』
私が何故大事な記憶と呼べる部分を覚えていないのか、自分の中での可能性が浮上する中でパルテナ様は私は元々メデューサの側近していた天使であったのを是認した。タナトスの話に作為があると思ったが、彼が言っている事柄は全て過去に起こっていた出来事だった。頭を鈍器の様な固いもので思い切り殴打された様な感覚に襲われる。どんな真実が私を待ち構えていたとしても、全てを受け入れる。そう、決意を固めた。私自身に関する事だから、目を逸らさないで立ち向かって行こうと心に決めた…筈だったのに…色々な感情が私の中を駆け巡っていて今にも泣いてしまいそう。
『私、メデューサの側に居たのにメデューサを止められなかったんだね…』
これは私の犯した罪だ。
メデューサは人間が嫌いだ。それは周知の事実。25年前、人間を石に変えて迫害していたメデューサをパルテナ様は冥府界に追放した。その後、あの出来事が起こったんだ。それは覚えてる。忘れるなんて到底出来ない…それなのに私の記憶は連れ去られる以前の経過は全く以って脳内に存在していない。
「セラちゃんは悪くないよ!」
『ピット君…』
「絶対に当時のセラちゃんも今みたいに必死になって戦ってたと思うよ!!だから…自分を責めないで。セラちゃん」
『………ありがとう』
例え忘れていたとしても、私がメデューサを止められていれば人々は迫害されなかったし、何よりエンジェランドが冥府軍に乗っ取られたりはしなかっただろう。パルテナ様も幽閉されなかったと思うし、ピット君も無益な戦いを避けられた筈。人々だって傷付かず苦しめないで済んだのに…脳裏にその考えが過ぎった瞬間堪えていた涙が一気に溢れて来る。私が引き起こした当事者ではないと分かっていても良心の呵責が引き起こされる。それなのにピット君は私の両手を自分の両手で包み込みながら真剣な表情で彼は真っ直ぐ私を見つめ伝えてくれた。“私は悪くない”と。