第7章 深海に潜む神殿(前編)
セラ
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25年前、メデューサと共闘していたのならばタナトスは明らかに知っている。もしかしたら、私の中に潜在するこの力の事も知っているかもしれない。絶対に聞き出してやるんだから!!
「海の底に街が……」
「昔ワシが沈めた」
「武力に寄る侵略を進めた国を滅ぼしたと聞きましたが……」
「欺瞞に満ちた人間どもには時折、灸を据えてやらねばならん。面倒な事よ」
個人的に冥府軍の幹部に用がある時なんてなかったから、いつもより倍のやる気になる私。陰ながらガッツポーズをしていると、海底に段々近付いて行っているのか思わず目を見張る程、おどろおどろしい光景を目撃する。昔、ポセイドンが沈めたらしい街。叱責の為人々が住んでいた街を海の底に沈めるなんて海の神だからこそ成せる業。争ってもそこからは何も生まれる筈がないのに、どうして人々は戦う事をやめないんだろう?武器を手に取って戦いに身を投じるよりも、手と手を繋ぎ合わせて輪を広げた方がずっと平和な気がするけれど…それでは駄目なのかな?何で人々は仲間を欺いたりするんだろう?私達、天使や女神が理解出来ない領域があるのかな?でも私は知ってる。人々が言う程悪い部分ばかり持ち合わせている訳じゃないって事。時には助け合ったり、支え合ったり、仲間同士の絆が強いって……仲間の為に必死で戦う人を私はこの目で見た。少しの間だったかもしれないけど、その人の…仲間を助けようと言う気持ちは本物だって共闘して分かった。誰かを助けたい…守りたいと思う気持ちはきっと私達と同じ。いえ、それ以上の思いを抱いているかもしれない。悪い人々ばかりが存在している訳じゃない。だから、パルテナ様は人々に光と加護を与えてくれるんだ。そんな思いを巡らせつつ、いかにもお化けみたいな魔物ズリーを浄化しながら海底に沈められた建造物の残骸を越えて行く。死を司る神タナトスが城を構える海底神殿を攻略する目的で海の底を飛行しているけれど、こんな機会滅多にないからついつい魔物を浄化しながらも色々眺めてしまう。ちょっとだけ贅沢な気分。建造物が沈められている景色を越えて今度は綺麗な珊瑚が視界に映る。海ならではの神秘的さに私の隣でピット君は率直な感想を述べた。
「綺麗なサンゴですね」
『本当!海ならではって感じ!』
「綺麗なサンゴにもトゲがあると言いますよね」
「それはバラじゃないですかね?」
「当たると痛いのは同じですから適度に退けていきましょう」
『綺麗なんですけどね~』
苦笑いを浮かべながらパルテナ様の的確なアドバイスに頷くと、行く手を阻む珊瑚を射撃で退け進行する。
「海の底に到着しました。海底神殿迄もう少しです!」
珊瑚を退けながら先に進んでいると、パルテナ様が言葉を発した。着実に海底神殿へと近付いていると思うけれど、海の底は想像していたよりも景色が華やかではない。似た様な景色が視界に映るからか、正直パルテナ様の言葉が無ければ海底に辿り着いたかどうかも分からなかった。薄暗さが増した様な気がするけれど、多分目の錯覚だろう。光がないとちょっと寂しく思う。そんな思考を巡らせながら魔物浄化に徹していると、海の神ポセイドンがパルテナ様に問う声が聞こえて来た。
「パルテナの。どうやらそこの天使、物凄い力を持っておるようだな」
『!』
「ポセイドン様もお気づきになられましたか」
「ああ。とても厄介な代物だな」
『分かるんですか…?私のこの力…貴方は知ってるんですか?!』
「いや、詳しくは分からんがその力がお主を取り巻いているようにも見える」
『!!』
内容は私の中に眠る力について。
まさかポセイドンも気付いているとは思わず驚愕故に両眼を大きく見開かせる。私の力の存在、何故私がこの力を持っているのか謎を解明しようとタナトスに聞いてみるつもりで居た。だけど、タナトスだけでなくポセイドンにも聞いてみて情報を得ようと試みても損はない。“ポセイドンにも聞いてみよう!”早速行動に出てみるが、ポセイドンからは期待した答えは返って来なかった。がくうと肩を落としてみたが、彼は私の力の存在かどういったものなのか…仄めかす発言をする。
『(私の中に眠る力が…私を取り巻いている…?)』
“どういう事?”
顎に手を当て考えを巡らせる。彼の言っている意味がイマイチ理解出来なかった。驚愕しながらも必死に考えを巡らせている横で、会話を聞いていたピット君は私を見つめ首を傾げている。でもパルテナ様だけは…何処か気付いていた様な口振りで会話に参加している。
『パルテナ様、どういう事ですか?私の中に眠る力が私を取り巻いているって…もしかしてパルテナ様は知っていたんですか?私の力の秘密を』
「……。全てではありませんが、メデューサが貴女に目を付けた時から知っていました。ですがセラには話せませんでした。その真実は余りにもセラにとって残酷なものだと思ったから」
『私、どんな真実が待ち受けていようと受け止めます!何も知らないままで居るなんて嫌なんです!お願いします!パルテナ様!』
「パルテナ様。僕もセラちゃんと同じ思いです!セラちゃんがその真実に耐えられなくなったら、僕がセラちゃんの代わりに全部受け止めます!絶対にセラちゃんに一人で背負い込ませません!!」
『ピット君…』
「セラ、ピット」
「パルテナの。どうやらワシ等が思っている以上に根性があるようだな」
「そうですね」
「海の底に街が……」
「昔ワシが沈めた」
「武力に寄る侵略を進めた国を滅ぼしたと聞きましたが……」
「欺瞞に満ちた人間どもには時折、灸を据えてやらねばならん。面倒な事よ」
個人的に冥府軍の幹部に用がある時なんてなかったから、いつもより倍のやる気になる私。陰ながらガッツポーズをしていると、海底に段々近付いて行っているのか思わず目を見張る程、おどろおどろしい光景を目撃する。昔、ポセイドンが沈めたらしい街。叱責の為人々が住んでいた街を海の底に沈めるなんて海の神だからこそ成せる業。争ってもそこからは何も生まれる筈がないのに、どうして人々は戦う事をやめないんだろう?武器を手に取って戦いに身を投じるよりも、手と手を繋ぎ合わせて輪を広げた方がずっと平和な気がするけれど…それでは駄目なのかな?何で人々は仲間を欺いたりするんだろう?私達、天使や女神が理解出来ない領域があるのかな?でも私は知ってる。人々が言う程悪い部分ばかり持ち合わせている訳じゃないって事。時には助け合ったり、支え合ったり、仲間同士の絆が強いって……仲間の為に必死で戦う人を私はこの目で見た。少しの間だったかもしれないけど、その人の…仲間を助けようと言う気持ちは本物だって共闘して分かった。誰かを助けたい…守りたいと思う気持ちはきっと私達と同じ。いえ、それ以上の思いを抱いているかもしれない。悪い人々ばかりが存在している訳じゃない。だから、パルテナ様は人々に光と加護を与えてくれるんだ。そんな思いを巡らせつつ、いかにもお化けみたいな魔物ズリーを浄化しながら海底に沈められた建造物の残骸を越えて行く。死を司る神タナトスが城を構える海底神殿を攻略する目的で海の底を飛行しているけれど、こんな機会滅多にないからついつい魔物を浄化しながらも色々眺めてしまう。ちょっとだけ贅沢な気分。建造物が沈められている景色を越えて今度は綺麗な珊瑚が視界に映る。海ならではの神秘的さに私の隣でピット君は率直な感想を述べた。
「綺麗なサンゴですね」
『本当!海ならではって感じ!』
「綺麗なサンゴにもトゲがあると言いますよね」
「それはバラじゃないですかね?」
「当たると痛いのは同じですから適度に退けていきましょう」
『綺麗なんですけどね~』
苦笑いを浮かべながらパルテナ様の的確なアドバイスに頷くと、行く手を阻む珊瑚を射撃で退け進行する。
「海の底に到着しました。海底神殿迄もう少しです!」
珊瑚を退けながら先に進んでいると、パルテナ様が言葉を発した。着実に海底神殿へと近付いていると思うけれど、海の底は想像していたよりも景色が華やかではない。似た様な景色が視界に映るからか、正直パルテナ様の言葉が無ければ海底に辿り着いたかどうかも分からなかった。薄暗さが増した様な気がするけれど、多分目の錯覚だろう。光がないとちょっと寂しく思う。そんな思考を巡らせながら魔物浄化に徹していると、海の神ポセイドンがパルテナ様に問う声が聞こえて来た。
「パルテナの。どうやらそこの天使、物凄い力を持っておるようだな」
『!』
「ポセイドン様もお気づきになられましたか」
「ああ。とても厄介な代物だな」
『分かるんですか…?私のこの力…貴方は知ってるんですか?!』
「いや、詳しくは分からんがその力がお主を取り巻いているようにも見える」
『!!』
内容は私の中に眠る力について。
まさかポセイドンも気付いているとは思わず驚愕故に両眼を大きく見開かせる。私の力の存在、何故私がこの力を持っているのか謎を解明しようとタナトスに聞いてみるつもりで居た。だけど、タナトスだけでなくポセイドンにも聞いてみて情報を得ようと試みても損はない。“ポセイドンにも聞いてみよう!”早速行動に出てみるが、ポセイドンからは期待した答えは返って来なかった。がくうと肩を落としてみたが、彼は私の力の存在かどういったものなのか…仄めかす発言をする。
『(私の中に眠る力が…私を取り巻いている…?)』
“どういう事?”
顎に手を当て考えを巡らせる。彼の言っている意味がイマイチ理解出来なかった。驚愕しながらも必死に考えを巡らせている横で、会話を聞いていたピット君は私を見つめ首を傾げている。でもパルテナ様だけは…何処か気付いていた様な口振りで会話に参加している。
『パルテナ様、どういう事ですか?私の中に眠る力が私を取り巻いているって…もしかしてパルテナ様は知っていたんですか?私の力の秘密を』
「……。全てではありませんが、メデューサが貴女に目を付けた時から知っていました。ですがセラには話せませんでした。その真実は余りにもセラにとって残酷なものだと思ったから」
『私、どんな真実が待ち受けていようと受け止めます!何も知らないままで居るなんて嫌なんです!お願いします!パルテナ様!』
「パルテナ様。僕もセラちゃんと同じ思いです!セラちゃんがその真実に耐えられなくなったら、僕がセラちゃんの代わりに全部受け止めます!絶対にセラちゃんに一人で背負い込ませません!!」
『ピット君…』
「セラ、ピット」
「パルテナの。どうやらワシ等が思っている以上に根性があるようだな」
「そうですね」