第7章 深海に潜む神殿(前編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日も元気にお仕事 お仕事!!」
『よおーっし!今日も頑張るわよー!』
ピット君、ブラックピット君が戦闘を交えたあの出来事。ブラックピット君に連れ去られ、彼の手に掛かってしまいそうになったあの出来事…あれからそんなに日にちは経っていない。ブラックピット君改め、ブラピ君が現れてから…と言うもの、私とピット君との間に蟠りの様なものが出来て何処となく距離があった様な気がする。互いの思いがぶつかって、ケンカをして仲直りもした。にも関わらず、此処数日間は何処か余所余所しくて…でも最近、それも少しずつ解消されつつある。僅かな変化ではあるけれど、嬉しく思う。
「今回のターゲットは死を司る神、タナトスです」
「えっ!あのタナトスがッ?!……って、どなた様でしたっけ?」
『私も…誰なのかさっぱり』
長年ピット君の隣で、パルテナ様の助言を聞き入れながら職務を全うしていたから私達の間に距離が出来るなんて異例中の異例だった。強い絆で結ばれ、絶大な信頼関係にあると信じて疑わない私達だけど、とあるきっかけが原因で互いの態度がぎこちなくなってしまった。“とあるきっかけ”それは先程も少し話したが無論ブラピ君の事。これは私の推測であるけれど、もしかしたら私を危険な目に遭わせて罪の意識を彼なりに感じていたのかもしれない。私はこの通り元気だし、彼が罪悪感を感じる必要等全くないのだけど、誰よりも優しいピット君だからこそ…。飽く迄私の推測、実際は別の理由が存在していたのかもしれない。でも、もしそうだったのならば少し嬉しいかもなんて思う。ちょっと不謹慎かもしれないけど、大切にされてるって実感出来たし。でも、ピット君とパルテナ様にこれ以上心配は掛けられないから不用意に敵に近付かない様に行動しよう。
「嘗てのメデューサ戦に置いて頭に居る蛇に化けていました。姿を変えていただけですけどね」
「髪の毛になる気持ちも蛇になる気持ちも分からない……」
『同感ね』
決意を新たにした所で、話を現在進行形に戻そうと思う。気合い充分に神器を所持して、ゲートから飛び立って例の如く向かって来る冥府軍に攻撃を加える。ピット君の所持している神器は、スキルが高い神器。私の所持する神器は打撃射撃が平等に繰り出せるもの。神器に見合った射程で魔物を次々と浄化する。そんな中で告げられる今回のターゲット、名はタナトス。初対面ではない筈なのに、まさかのピット君迄タナトスを覚えていなかった。彼から見て、タナトスは印象が薄かった模様。思わず苦笑い。
「で厄介なのが、タナトスは海底神殿に住んでいる事」
「もしや、海の底に飛び込むとか?」
「ピット、エラ呼吸に自信はありますか?」
「はい、割と……。って、ムリですよ!!」
「じゃ、息を止めてみて下さい。2時間ぐらいで良いです」
「だからムリですって!そ!そうしたらセラちゃんにも息を止めさせるつもりですか?!」
『えっ?!』
「大丈夫です。セラには私が奇跡を付けてあげますから」
『ありがとうございます!』
「ええええええっ?」
タナトスが根城にしていると言う“海底神殿”。海底となれば自動的に向かう場所は“海”。だからなのか只今私達が飛行している経路は一面砂地、砂漠地帯。次々と魔物達が襲って来るが、海はまだ見えない。海底神殿を攻略すると言う事は、海に潜らなければ話は進まない…“どうやって海に潜るんだろう?パルテナ様の事だから、何か考えていると思うけど…”定かに芽生えた自分の疑問を脳内にちらつかせながらパルテナ様とピット君の話に耳を傾ける。パルテナ様の冗談にピット君がノリ突っ込みをするものだから陰ながら笑ってしまった。
「潮の香りがします」
「海に到着です」
『海ーー!!!』
然う斯うする内に私達は海に到着した。透き通る青色を見つめ、テンションが上がる私。これが職務ではなかったら、海に飛び込んでいたと思う。それも適わないから、目の前で悠々閑閑と浮遊する冥府軍を思い切り薙ぎ払った。
「どうやって海に潜るんですか?」
『私もそれ、気になってました!(まさか…本当に息を止めたりしないよね?)』
「任せなさい。光の女神の真の力、お見せしましょう。せーの、パンポロピロピロー♪」
「おおおおおおおおッ!!」
『海が割れちゃった?!!』
「『パルテナ様、スゴすぎます!!』」
「さあ、行きなさい ピット セラ。海底神殿はこの先です!」
先程も少し話題に上がったが、海底神殿に辿り着くには海の中を潜る必要がある。だが、当たり前に2時間も息を止める芸当出来る筈がない。パルテナ様は一体どうするつもりなのか…疑問に思っていると、彼女は私達に頼りがいのある言葉を発しながら不思議な呪文を唱え始めた。然すれば、広大な海が物凄い音を立てて、縦長に裂ける光景を目の当たりにする。いとも簡単にそれをやって退けるパルテナ様に、驚愕しながらも尊敬の念を送る私。隣で飛行するピット君も、恐らく私と同じ思いを抱いていると思う。パルテナ様のGOサインに、私とピット君は海の裂け目へゆっくりと入って行く。海の中だからなのか、神秘的な景色が両眼に飛び込んで来た。
『よおーっし!今日も頑張るわよー!』
ピット君、ブラックピット君が戦闘を交えたあの出来事。ブラックピット君に連れ去られ、彼の手に掛かってしまいそうになったあの出来事…あれからそんなに日にちは経っていない。ブラックピット君改め、ブラピ君が現れてから…と言うもの、私とピット君との間に蟠りの様なものが出来て何処となく距離があった様な気がする。互いの思いがぶつかって、ケンカをして仲直りもした。にも関わらず、此処数日間は何処か余所余所しくて…でも最近、それも少しずつ解消されつつある。僅かな変化ではあるけれど、嬉しく思う。
「今回のターゲットは死を司る神、タナトスです」
「えっ!あのタナトスがッ?!……って、どなた様でしたっけ?」
『私も…誰なのかさっぱり』
長年ピット君の隣で、パルテナ様の助言を聞き入れながら職務を全うしていたから私達の間に距離が出来るなんて異例中の異例だった。強い絆で結ばれ、絶大な信頼関係にあると信じて疑わない私達だけど、とあるきっかけが原因で互いの態度がぎこちなくなってしまった。“とあるきっかけ”それは先程も少し話したが無論ブラピ君の事。これは私の推測であるけれど、もしかしたら私を危険な目に遭わせて罪の意識を彼なりに感じていたのかもしれない。私はこの通り元気だし、彼が罪悪感を感じる必要等全くないのだけど、誰よりも優しいピット君だからこそ…。飽く迄私の推測、実際は別の理由が存在していたのかもしれない。でも、もしそうだったのならば少し嬉しいかもなんて思う。ちょっと不謹慎かもしれないけど、大切にされてるって実感出来たし。でも、ピット君とパルテナ様にこれ以上心配は掛けられないから不用意に敵に近付かない様に行動しよう。
「嘗てのメデューサ戦に置いて頭に居る蛇に化けていました。姿を変えていただけですけどね」
「髪の毛になる気持ちも蛇になる気持ちも分からない……」
『同感ね』
決意を新たにした所で、話を現在進行形に戻そうと思う。気合い充分に神器を所持して、ゲートから飛び立って例の如く向かって来る冥府軍に攻撃を加える。ピット君の所持している神器は、スキルが高い神器。私の所持する神器は打撃射撃が平等に繰り出せるもの。神器に見合った射程で魔物を次々と浄化する。そんな中で告げられる今回のターゲット、名はタナトス。初対面ではない筈なのに、まさかのピット君迄タナトスを覚えていなかった。彼から見て、タナトスは印象が薄かった模様。思わず苦笑い。
「で厄介なのが、タナトスは海底神殿に住んでいる事」
「もしや、海の底に飛び込むとか?」
「ピット、エラ呼吸に自信はありますか?」
「はい、割と……。って、ムリですよ!!」
「じゃ、息を止めてみて下さい。2時間ぐらいで良いです」
「だからムリですって!そ!そうしたらセラちゃんにも息を止めさせるつもりですか?!」
『えっ?!』
「大丈夫です。セラには私が奇跡を付けてあげますから」
『ありがとうございます!』
「ええええええっ?」
タナトスが根城にしていると言う“海底神殿”。海底となれば自動的に向かう場所は“海”。だからなのか只今私達が飛行している経路は一面砂地、砂漠地帯。次々と魔物達が襲って来るが、海はまだ見えない。海底神殿を攻略すると言う事は、海に潜らなければ話は進まない…“どうやって海に潜るんだろう?パルテナ様の事だから、何か考えていると思うけど…”定かに芽生えた自分の疑問を脳内にちらつかせながらパルテナ様とピット君の話に耳を傾ける。パルテナ様の冗談にピット君がノリ突っ込みをするものだから陰ながら笑ってしまった。
「潮の香りがします」
「海に到着です」
『海ーー!!!』
然う斯うする内に私達は海に到着した。透き通る青色を見つめ、テンションが上がる私。これが職務ではなかったら、海に飛び込んでいたと思う。それも適わないから、目の前で悠々閑閑と浮遊する冥府軍を思い切り薙ぎ払った。
「どうやって海に潜るんですか?」
『私もそれ、気になってました!(まさか…本当に息を止めたりしないよね?)』
「任せなさい。光の女神の真の力、お見せしましょう。せーの、パンポロピロピロー♪」
「おおおおおおおおッ!!」
『海が割れちゃった?!!』
「『パルテナ様、スゴすぎます!!』」
「さあ、行きなさい ピット セラ。海底神殿はこの先です!」
先程も少し話題に上がったが、海底神殿に辿り着くには海の中を潜る必要がある。だが、当たり前に2時間も息を止める芸当出来る筈がない。パルテナ様は一体どうするつもりなのか…疑問に思っていると、彼女は私達に頼りがいのある言葉を発しながら不思議な呪文を唱え始めた。然すれば、広大な海が物凄い音を立てて、縦長に裂ける光景を目の当たりにする。いとも簡単にそれをやって退けるパルテナ様に、驚愕しながらも尊敬の念を送る私。隣で飛行するピット君も、恐らく私と同じ思いを抱いていると思う。パルテナ様のGOサインに、私とピット君は海の裂け目へゆっくりと入って行く。海の中だからなのか、神秘的な景色が両眼に飛び込んで来た。
1/4ページ