第6章 黒いピット(前編)
セラ
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「貴様等、パンドーラを倒したそうだな」
「楽勝!楽勝!」
『と、当然よ!(本当は少しやばかったけれど)』
「そういえば、ブラックピットの飛翔の奇跡って…」
「あの羽根の邪気、パンドーラの残存魔力だろう」
「良く分かったな。伊達に冥府のボスじゃないぜ」
全部分かっている口振りが何かむかつく!むっとした顔をしながら、片っ端から向かって来る冥府軍を浄化する。私がむっとしているだなんて露知らず、メデューサ、ブラックピット君を交えた会話は進行して行く。
「パルテナ、お前の中途半端な奇跡と違って、半永久的に効くだろうぞ」
「まぁ、それは羨ましい事です」
「パ、パルテナ様は悪くないぞ!」
『そうよ!飛べないピット君が悪いの!』
「セラちゃん…酷い……」
『あ…つい…』
つい本音が言葉として思い切り出ていた。思わず照れ笑い。ピット君が私の隣で項垂れている姿が見える。だって、ブラックピット君がパンドーラから魔力を貰わなかったら、彼もまた飛べなかった訳だし!それは事実な訳だし!少し言い過ぎちゃった…かな?少し反省しながら岩山を越えて、向かって来る魔物の攻撃をするりと躱しつつ浄化する。
「効果が永遠と言う事はいずれ振り切られる、と言う事かも」
「飛翔の奇跡は5分しか持たないですもんね」
「燃費が悪くてごめんなさいね」
『燃費?』
「あっ申し訳ありません、パルテナ様。そんなつもりでは」
「エコを考えつつ、行きますよ」
『それは大事ですね!』
其処らに浮遊している魔物達を浄化し、ブラックピット君を再度追撃する為、彼の足取りを追う。岩と岩の間を潜り抜け、私とピット君はブラックピット君の姿を両眼に捉える。彼と私達の間に数キロメートル程間隔が空いている。その距離を埋めようと私達二人は、ブラックピット君に接近して行く。ピット君が射撃でブラックピット君に照準を合わせ、攻撃を加えていたが私は攻撃を加えようとはしなかった。
「ブラックピットが!」
「ザンザに…!」
『取り付いた…!』
「ほう…!なかなかやる」
覚悟を決めなくちゃ駄目みたい。なんて言っておきながら、未だその覚悟は私の心の中で揺らいでいる。たとえ、心や風貌が相違していてもピット君と瓜二つなのは変え難い事実。どうしても情が移ってしまう。私情を挟んではいけないと分かっていても、今回ばかりは気持ちの整理がうまくいかない。神器を強く握りしめていると、ピット君とパルテナ様が声を荒げた。視線の先は勿論彼。驚愕すべき光景、ブラックピット君が魔物ザンザに取り付いたのだ。取り付いたと思ったら、ザンザを使い、ビーム光線を私達目掛けて発射して来る。岩影に隠れ、攻撃を避けながら浄化するタイミングを見計らう。タイミングを見計らいながら、様子を窺っていると攻撃する手が止まった。“今だ!!”ザンザ目掛け射撃・近付いて打撃を繰り出す私とピット君。ザンザは立ち所に浄化され、ブラックピット君はザンザから離れ、岩山を抜けて行くのが見えた。
『あれは…』
「神殿の廃墟でしょうか?」
彼を追って、岩山を抜けると……前方に何かの建造物が姿を現した。神殿の廃墟だと…パルテナ様は言う。
「降りてみましょう」
きっと、ブラックピット君は此の場所に降り立っただろう。私達も、後に続く様に神殿の廃墟に降り立つ姿勢を取る。
「では、冥府軍も投入しておこう」
「余計な事を!!」
メデューサからいらないプレゼントを貰う事実に苦笑いを浮かべながら、私達はゆっくりと神殿の廃墟に降り立った。
(To be continued)
「楽勝!楽勝!」
『と、当然よ!(本当は少しやばかったけれど)』
「そういえば、ブラックピットの飛翔の奇跡って…」
「あの羽根の邪気、パンドーラの残存魔力だろう」
「良く分かったな。伊達に冥府のボスじゃないぜ」
全部分かっている口振りが何かむかつく!むっとした顔をしながら、片っ端から向かって来る冥府軍を浄化する。私がむっとしているだなんて露知らず、メデューサ、ブラックピット君を交えた会話は進行して行く。
「パルテナ、お前の中途半端な奇跡と違って、半永久的に効くだろうぞ」
「まぁ、それは羨ましい事です」
「パ、パルテナ様は悪くないぞ!」
『そうよ!飛べないピット君が悪いの!』
「セラちゃん…酷い……」
『あ…つい…』
つい本音が言葉として思い切り出ていた。思わず照れ笑い。ピット君が私の隣で項垂れている姿が見える。だって、ブラックピット君がパンドーラから魔力を貰わなかったら、彼もまた飛べなかった訳だし!それは事実な訳だし!少し言い過ぎちゃった…かな?少し反省しながら岩山を越えて、向かって来る魔物の攻撃をするりと躱しつつ浄化する。
「効果が永遠と言う事はいずれ振り切られる、と言う事かも」
「飛翔の奇跡は5分しか持たないですもんね」
「燃費が悪くてごめんなさいね」
『燃費?』
「あっ申し訳ありません、パルテナ様。そんなつもりでは」
「エコを考えつつ、行きますよ」
『それは大事ですね!』
其処らに浮遊している魔物達を浄化し、ブラックピット君を再度追撃する為、彼の足取りを追う。岩と岩の間を潜り抜け、私とピット君はブラックピット君の姿を両眼に捉える。彼と私達の間に数キロメートル程間隔が空いている。その距離を埋めようと私達二人は、ブラックピット君に接近して行く。ピット君が射撃でブラックピット君に照準を合わせ、攻撃を加えていたが私は攻撃を加えようとはしなかった。
「ブラックピットが!」
「ザンザに…!」
『取り付いた…!』
「ほう…!なかなかやる」
覚悟を決めなくちゃ駄目みたい。なんて言っておきながら、未だその覚悟は私の心の中で揺らいでいる。たとえ、心や風貌が相違していてもピット君と瓜二つなのは変え難い事実。どうしても情が移ってしまう。私情を挟んではいけないと分かっていても、今回ばかりは気持ちの整理がうまくいかない。神器を強く握りしめていると、ピット君とパルテナ様が声を荒げた。視線の先は勿論彼。驚愕すべき光景、ブラックピット君が魔物ザンザに取り付いたのだ。取り付いたと思ったら、ザンザを使い、ビーム光線を私達目掛けて発射して来る。岩影に隠れ、攻撃を避けながら浄化するタイミングを見計らう。タイミングを見計らいながら、様子を窺っていると攻撃する手が止まった。“今だ!!”ザンザ目掛け射撃・近付いて打撃を繰り出す私とピット君。ザンザは立ち所に浄化され、ブラックピット君はザンザから離れ、岩山を抜けて行くのが見えた。
『あれは…』
「神殿の廃墟でしょうか?」
彼を追って、岩山を抜けると……前方に何かの建造物が姿を現した。神殿の廃墟だと…パルテナ様は言う。
「降りてみましょう」
きっと、ブラックピット君は此の場所に降り立っただろう。私達も、後に続く様に神殿の廃墟に降り立つ姿勢を取る。
「では、冥府軍も投入しておこう」
「余計な事を!!」
メデューサからいらないプレゼントを貰う事実に苦笑いを浮かべながら、私達はゆっくりと神殿の廃墟に降り立った。
(To be continued)