第5章 パンドーラの罠(前編)
セラ
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「死神が隠していたトラップダンジョンへの入り口、まさかこんな所にあるとは…」
『…?』
「何処ですか?何も見えませんけど…」
前回、私達は災厄の邪神パンドーラの住み処を見つける目的の為に死神砦を攻略した。パルテナ様の話だとパンドーラの住み処は死神砦の魔力に寄って隠されているのだとか。用意周到、さすがメデューサの配下…と感心していたのも束の間、我等のパルテナ様は簡単にパンドーラの住み処を見つけてしまう。そのお陰で私達は今、神器を手中にパンドーラの住み処へ向かおうとエンジェランドを後にした。未だ目的は話されていない。
「うおっ!!」
『ええっ?!いきなり亀裂が!!』
「空間のポケットです。突入しますよ!」
「『ハ…ハイ!!』」
エンジェランドから空へ飛び立ち、パルテナ様から入り口を見つけた様な口振りをされるが、全く持ってそれらしきものは見つからない。いつもの…澄んだ青空が広がっているだけ。何も見えないピット君と私は頭上に疑問符を無数に鏤めながら首を傾げた。するとその時、澄んだ青空に突如亀裂が入り、彼女の言う空間のポケットなるものが出現する。まるで異世界へ通ずる扉の様…今迄のボスとは明らかに違う。一瞬、入りたくない気持ちに見舞われたがエンジェランドに引き返すのも適わずにパルテナ様の誘導で入り口へゆっくりと入って行く。
「うおお、何と言う景色!」
『まるで別世界ね…』
自分の両眼に先程見受けていた澄んだ青空と180度相違する風景が映る。…本当に異世界だった。未だトラップダンジョンへ入れていない。災厄の邪神パンドーラ…対面した事はないけれど相当捻くれている様ね。一筋縄ではいかなさそう。
「こんな所に迷宮を隠すなんて只者ではない様ですね」
「パンドーラが、ですか?」
「災厄を呼ぶ邪神と呼ばれていますが、その姿は余り見かけません。こんな所に居を構えるのも慎重さあってのものなのでしょう」
「世間離れなんてもんじゃないですね。カスミでも食べてんのかなぁ」
『………(聞いてるだけで手強そう。いつもより気合いを入れて望まなくちゃ!)』
パンドーラについて見解を述べる私達。傍で襲って来る魔物達を撃退しながらピット君とパルテナ様の話に耳を傾ける。“只者ではない”パルテナ様の発言に納得する私が居た。こんな所に住み処を造るのもそうだが、今迄のボスと遥かに違うと神経が囁いている。確信なんて何処にもないけれど…断言出来ないけれど…嫌な…予感がする…。
「あ…あれは…一体…?!」
「トラップダンジョンです!」
自分の予感が外れる事だけを只、願いながら前方を見据えた。空間のポケットに突入したにも関わらずトラップダンジョンと呼称出来る風景が窺えなかったが、要約それらしきものが両眼共に映し出され、思わず目を見張る。迷う事なく私達はトラップダンジョンへ侵入する。またしても別世界と呼ばれる光景が見えた。
「おおお…!」
『これは凄いわね…!こんな所が存在するなんて!』
「柱にぶつからない様に気をつけて!」
パルテナ様の忠告を胸に留めながら、私達にダメージを与えようとする動く柱にぶつからない様に慎重に飛行する。動く柱を掻い潜ると先に進めそうで先に進めない違和感にぶつかる。
「んっ?この先って?」
「壁に廊下の絵が描いてあるだけの様です」
私の中に芽生えた違和感を簡単に消し去ってくれたパルテナ様に内心拍手を贈りながら、そのトラップに引っ掛からずに進む。
「何て紛らわしい!!」
「パンドーラは相当の悪戯者なのでしょうか…」
『悪戯者と言うレベルを軽く越えている気がしますけど…』
「またかっ!!」
「はい、次、次」
『(パンドーラ、貴女…変わっているわ)』
「下ります!」
「『ハイ!!』」
自分の構える城に私達の様な侵入者を近付けさせない為か、それとも只困らせたいだけなのか…真意は不明だが、パンドーラが変わり者だと言う事実だけは良く分かった。苦笑いを浮かべながら廊下の絵が描かれているトラップを通過する。すると、三つの分岐点が出現する。幸い、何処に進めば良いのか誘導して貰えている。トラップを仕掛けられていてもパルテナ様が誘導してくれるだろうと高を括っていたが、時と場所と場合に寄るのだとこの後思い知らされるのである。
『…?』
「何処ですか?何も見えませんけど…」
前回、私達は災厄の邪神パンドーラの住み処を見つける目的の為に死神砦を攻略した。パルテナ様の話だとパンドーラの住み処は死神砦の魔力に寄って隠されているのだとか。用意周到、さすがメデューサの配下…と感心していたのも束の間、我等のパルテナ様は簡単にパンドーラの住み処を見つけてしまう。そのお陰で私達は今、神器を手中にパンドーラの住み処へ向かおうとエンジェランドを後にした。未だ目的は話されていない。
「うおっ!!」
『ええっ?!いきなり亀裂が!!』
「空間のポケットです。突入しますよ!」
「『ハ…ハイ!!』」
エンジェランドから空へ飛び立ち、パルテナ様から入り口を見つけた様な口振りをされるが、全く持ってそれらしきものは見つからない。いつもの…澄んだ青空が広がっているだけ。何も見えないピット君と私は頭上に疑問符を無数に鏤めながら首を傾げた。するとその時、澄んだ青空に突如亀裂が入り、彼女の言う空間のポケットなるものが出現する。まるで異世界へ通ずる扉の様…今迄のボスとは明らかに違う。一瞬、入りたくない気持ちに見舞われたがエンジェランドに引き返すのも適わずにパルテナ様の誘導で入り口へゆっくりと入って行く。
「うおお、何と言う景色!」
『まるで別世界ね…』
自分の両眼に先程見受けていた澄んだ青空と180度相違する風景が映る。…本当に異世界だった。未だトラップダンジョンへ入れていない。災厄の邪神パンドーラ…対面した事はないけれど相当捻くれている様ね。一筋縄ではいかなさそう。
「こんな所に迷宮を隠すなんて只者ではない様ですね」
「パンドーラが、ですか?」
「災厄を呼ぶ邪神と呼ばれていますが、その姿は余り見かけません。こんな所に居を構えるのも慎重さあってのものなのでしょう」
「世間離れなんてもんじゃないですね。カスミでも食べてんのかなぁ」
『………(聞いてるだけで手強そう。いつもより気合いを入れて望まなくちゃ!)』
パンドーラについて見解を述べる私達。傍で襲って来る魔物達を撃退しながらピット君とパルテナ様の話に耳を傾ける。“只者ではない”パルテナ様の発言に納得する私が居た。こんな所に住み処を造るのもそうだが、今迄のボスと遥かに違うと神経が囁いている。確信なんて何処にもないけれど…断言出来ないけれど…嫌な…予感がする…。
「あ…あれは…一体…?!」
「トラップダンジョンです!」
自分の予感が外れる事だけを只、願いながら前方を見据えた。空間のポケットに突入したにも関わらずトラップダンジョンと呼称出来る風景が窺えなかったが、要約それらしきものが両眼共に映し出され、思わず目を見張る。迷う事なく私達はトラップダンジョンへ侵入する。またしても別世界と呼ばれる光景が見えた。
「おおお…!」
『これは凄いわね…!こんな所が存在するなんて!』
「柱にぶつからない様に気をつけて!」
パルテナ様の忠告を胸に留めながら、私達にダメージを与えようとする動く柱にぶつからない様に慎重に飛行する。動く柱を掻い潜ると先に進めそうで先に進めない違和感にぶつかる。
「んっ?この先って?」
「壁に廊下の絵が描いてあるだけの様です」
私の中に芽生えた違和感を簡単に消し去ってくれたパルテナ様に内心拍手を贈りながら、そのトラップに引っ掛からずに進む。
「何て紛らわしい!!」
「パンドーラは相当の悪戯者なのでしょうか…」
『悪戯者と言うレベルを軽く越えている気がしますけど…』
「またかっ!!」
「はい、次、次」
『(パンドーラ、貴女…変わっているわ)』
「下ります!」
「『ハイ!!』」
自分の構える城に私達の様な侵入者を近付けさせない為か、それとも只困らせたいだけなのか…真意は不明だが、パンドーラが変わり者だと言う事実だけは良く分かった。苦笑いを浮かべながら廊下の絵が描かれているトラップを通過する。すると、三つの分岐点が出現する。幸い、何処に進めば良いのか誘導して貰えている。トラップを仕掛けられていてもパルテナ様が誘導してくれるだろうと高を括っていたが、時と場所と場合に寄るのだとこの後思い知らされるのである。
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