#24 言われてみたい
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「ふざけてる思うやろ?がしかし!この
『ちゃいますやん』の一定の音から語尾
が下がる系イントネーションはあらゆる
場面で使えんねん。」
「そうなんだ。例えば?」
俺たちも段々と面白くなってくる。
「そうやねん、違うって、知らんやん、
言うたやん、聞いてへん、しばくぞ…
とかな?前に来る言葉にもよるけど。」
「わっ、スゴイ!なるほど~!」
「すっげぇドヤ顔すんな!」
「それ全部、お前の口癖だよな。」
「そう言えばよく聞くよね。」
「…ほぼ言い訳ばっかり。」
「さっきから外野は黙っとれー!」
「ちゃいますやーん。なにゆーてはりますのんなー」
「ちゃいますやーん。なにゆーてはりますのんなー」
俺たちにお構いなく、小さな声でブツブツ
と練習を続ける美織ちゃん。
半分遊ばれてるのに、なんてケナゲ…
「さぁ美織ちゃん、それを踏まえてワン
ステップ上げよか。まず『めっちゃ』」
「めっちゃ。」
「そうそう。関東でも言うようになった
けど、大体は『め』にアクセント置いて
使うやろ?でも関西は『ちゃ』に置く。
んで『め』と『ちゃ』は同音か『ちゃ』
が若干高めや。これはホンマによう使う
から覚えとき。」
「めっちゃ。めっちゃ。」
「ええでー。その感じ。」
そう言いながらシンペイはスマホを取り
出した。
「ほな美織ちゃん、応用編や。『ちゃい
ますやん』を思い出しながら、俺の言う
通りに言うてや?『好きやねん』」
「好きやねん。」
「はい続けて!『シンペイさんのこと、
めっちゃ好きやねん!』」
「お前の魂胆はそれかーっ!」
俺の声に、秋羅がシンペイからスマホを
取り上げた。
「コイツ、ちゃっかりボイレコ起動させ
てんぞ。」
「シンペーヤラシーサイテー!!」
「違う!濡れ衣や!それは美織ちゃんに
聴かせてあげよ思てやなー。ほら、自分
の声も聴かな直すに直されへんやろ?」
「…なら今の言葉にする必要がどこにある
と言うんだ?苦しい言い訳だな。」
「ただのギャグやん!」
「お前どんだけセコいねん!」
「冬馬…お前完全に移ってるから。」
「美織ちゃん今の聞いた!?『どんだけ
セコいねん』『ナニゆーてはりますの』
イントネーション似てるやろ!?これも
俺の計算通りや。」
「「「「ないないない!!」」」」
「くそ~!もうちょっとやったのに…」
「それ録って一体どうする気だ?」
秋羅の冷ややかな目…
「え~?ヘコんだ時に聞くねん。絶対に
頑張れるやん?」
「テメェ、ずりーぞ!それなら俺だって
欲しいっつーの!『冬馬さん時間だよ、
起きて』って美織ちゃんの声アラームに
したら絶対起きれる!」
「…お前らは変態か?」
春のゴミを見るような目…
「まぁでも…方言って可愛いよね。」
「おっ!それ分かる~!普段あんま聞く
ことねーし、地方行ったらグッとくるん
だよな~。」
「福岡の方とかいいよな。美人も多いし
ほろ酔いで『好いとーと』なんて言われ
りゃ男は悪い気しねぇだろ。」
「それ、お持ち帰り決定やな。」
「シンペイ!美織ちゃんの前っ!」
「ダイジョブ。全然聞いてへんから。」
1人ブツブツ練習を続ける美織ちゃん…。
どんだけ真面目なんだか。
「西側って全体的にちょっと可愛い感じ
しない?『好きやけん』とか『好きじゃ
けぇ』とかさ。言われたらうわぁ~って
なるって言うか。」
「なっちゃん…いつの間に西の女のコに
告られまくってんの?」
「そうじゃなくて!地方のラジオ局とか
企画ものでよくあるじゃん!」
「…そんなのあったか?」
「すげぇ嘘くさいな。」
「なっちゃんムッツリだから。」
「陰でブイブイ言わせとんのやろ。」
「違~うっ!!」
「でも、北も超カワイイんだよ。前さ、
宮城の会場で出待ちしてた子たちが応援
ボードっての?あれ持っててよ。見たら
『冬馬さん大好きだっちゃ』って書いて
あんの。もう完全にラムちゃん出て来た
って。ズキューンよ。」
「お前、リアル諸星あたるやもんな。」
「そうそうそう…ってなんでやねん!」
「ちょいちょい East-West をアピール
してくんじゃねぇよ。ネタ合わせなら
他でやれ。」
「北海道の『なまら好き』も初め意味が
分かんなくて『なまらってナニ?』って
普通に聞き返したよね。春はなんかない
の?好きな方言。」
「…好きな?考えたこともないな。強いて
言うなら…『京ことば』は非日常的な情緒
があっていいと思うが。」
「春がまさかの舞妓はん推し!?」
「お前いつから芸者遊びなんて…」
「兄さんエライ粋なことを…」
「どうりで最近はんなり…」
「するか。」