#7 鬼はダレ?
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「お、こんなもんも入ってるぞ。」
秋羅が紙袋から取り出したのは袋に入った豆。
「節分と言えば豆まき…ですね。」
「豆まきと言えばオニ…。」
「オニと言えば…。」
みんなの視線が春に向く。巻き寿司を口に入れようとした春の手が止まった。
「…俺がオニだと言いたいのか?」
「自覚ないらしいぞ。」
「そりゃ、そうさ。春は自分に対してもオニだから。それが普通なんだよ。」
「俺にはしっかりと角が見えるけどなー。赤鬼の。」
太巻きを食べ終えた途端に冬馬が喋り出す。
「冬馬、それはお前が生えさしてんだよ。」
「あ、やっぱり?薄々そんな気がしてた。」
すると春は隣にいる美織ちゃんの方を向くと、
「美織…俺はオニか?」
と切なげに聞いた。
美織ちゃんは微笑んで、フルフルと首を振る。
「神堂さんはオニでも、優しいオニです。たまに厳しい時もありますけど…それは私のためにオニになってくれてるから。」
少し顔を赤らめていう。くそ、可愛すぎる…。
「美織、ありがとう…。」
春の滅多に見せる事のない最強の甘い微笑みに美織ちゃんがポーッとなる。ヤバイ。このままじゃ、春に持っていかれる…。俺としては複雑な心境。
「しょうがねぇな。ここじゃ、鬼も福も内って事で。」
秋羅が豆を摘んでは、向かいに座る冬馬の顔に向かって投げる。また冬馬も上手く口でキャッチし、ポリポリ食べる。
「何で俺に投げんだよ!俺はオットセイか!」
「うるせぇ。遅刻のオニ!」
「何だよ!不純異性交友のオニ!」
「それもお前だろうが!」
「なっちゃ~ん、秋羅がいじめるぅ!」
そんなバカなやり取りを見ながら、美織ちゃんが楽しそうに笑う。
豆まきなんかしなくても
もう俺たちには可愛い福の神がついてる。
キミの笑顔があれば
俺たちはどこまでも行ける。
出来る事なら、俺だけの福の神で
いて欲しいんだけどね…
fin.
2016.02.03
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