#5 束の間の休息
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「だーっ、疲れたー!!」
冬馬がAスタを出るなり休憩スペースのソファの上にダイブする。
「10時間も籠ると、流石にキツイな。」
「俺も肩パンパンだもん。春、ノド大丈夫?」
「あぁ。抑えて歌ってるから。」
俺たちは年末のカウントダウンライブに向けて音合わせ中だった。
毎年恒例となった、このライブ。
いつものようなニューアルバムを引っさげてのツアーとは趣向を変えてある。
まぁ、前半はここ最近のシングルとアルバム曲を中心にしたセットリストを組んでいる。
そしてカウントダウンを終え、新年を迎えてからの後半は、お年玉としてデビューアルバムから最新アルバムを含め、公式HP上のファン投票で決まった10曲を演奏する。
ただし、人気のある曲が大体決まってくる事もあり、ルールとして、前回演奏したものは除くことにしている。
となれば当然、何年振りだ?ってくらい久々にやる曲なんかも出てくるワケだ。
「やべーな。これ、あと1回で合うのかよ?」
「合わせんだよ。大体カンも戻っただろ。」
「そりゃ、この俺だから?でも、これ以上やったら俺、腱鞘炎になるって。」
「うん。今日はもうここまでにしよう。それにしても疲れたなぁ…。」
「年だな。もう27だし。」
「はぁ?まだ27だぜ?オトコはこれからだろーが!」
「お前のは別の意味だろ?そろそろ体のメンテナンスもちゃんとした方がいいのかもね。」
「久々に…行くか。」
「お?春、いいねぇ~!俺、行けるか聞いてくるわ。カズヤーっ!」
冬馬はデカい声でカズヤを呼ぶと、1階へ降りて行った。カズヤは俺らのローディーで、若いけどかなり腕が良くメンバーの信頼も厚い。
しばらくして冬馬とカズヤが上がってくる。
「OKッスよ。23時で閉めとくから、その後ならいつでも来てくれって言ってました。」
「いつも悪いなぁ。」
「何言ってるんスか!うちなんかで良かったら毎日でも来てもらいたいッスよ。ゆっくりして来て下さい!」
「んじゃ、行くか。あんま遅くなったら迷惑掛けちまうからな。」
「春、今日は負けねーぞっ!」
冬馬がビシッと春を指さして言う。
春はフッと笑うと、階段を降りて行った。
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