#2 wisdom tooth
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「俺の掛かりつけの歯医者に電話してやるよ。めちゃくちゃ腕いいから。俺そこで親知らず3本抜いたけど、腫れたことないしね。先生も優しいよ。」
「女のセンセ…?」
「いや、男。」
冬馬の最後の望みが断たれた…。
スタジオの外の休憩スペース。
クッションを抱き、ソファにもたれかかる冬馬…。
「二日酔い以外でこんなに弱ってる冬馬見たの俺、初めてかも。」
「確かにな。歯痛、胃痛、頭痛の三重苦には、流石に無敵の冬馬様も敵わないってか?」
「うるせーなっ!ちょっとは
「労われって言われても…単にお前が歯医者にビビってるだけの話だろ?」
「だから違うっつってんだろーがよ!」
とクッションを投げてくる。
「おーおー、冬馬くんが八当たりしだしましたよ~。っとに、図体のデカい子供だなぁ。」
「秋羅、もうその辺にしとけ。」
「おぉ、春、どこ行ってたんだよ。」
「…ちょっと電話。」
珍しく、春が意地悪そうな笑みを浮かべた。
しばらくすると、元気な声が響く。
「皆さん、お疲れ様です!」
「あれ?美織ちゃん、どうしたの?」
「今日、仕事が午前中だけだったんで、差し入れ持ってお邪魔するつもりだったんですけど。あ、これ、皆さんで召し上がって下さいね!」
テーブルに有名なサンドイッチ専門店の紙袋を置く。
「そろそろ時間ですよね?さぁ冬馬さん、行きましょうか!下でタクシー待ってるんで。」
「「「えっ?」」」
「歯医者さん。私も一緒に行きますから。」
「おい冬馬、良かったなぁ。美織ちゃんが付き添ってくれるってよ?なんちゃってデートだろ、これ。行き先は歯医者だけど。」
もうみんな、必死で笑いを堪える。
「春、テメェ…。」
「…何だ?何か不服か?だったら一人で行って来ればいい。」
冬馬は立ち上がると、
「いや、折角だから…。後で後悔すんなよ。」
と捨てゼリフを吐いて出て行った。
「美織お母さん、頼んだよ!ちょっとデカ過ぎる子供だけど。」
俺がそう声をかけると、美織ちゃんは笑顔にOKサインを作って、冬馬の後を追った。
可愛いすぎるだろ…それ。