ONE PIECE
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『……嘘でしょ』
「いや…それが……
いるんだよぃ…オヤジとエースとサッチが」
いつもと同じ朝を迎え、いつもと同じ服に着替え、いつもと同じ朝食を食べようと食堂に行ったらこれだ。
死んだはずのオヤジとエースとサッチがいるなんて…
何でとマルコに聞いたら 何故かいたんだよぃ と冷静に答えた。なんで冷静になっていられるかが不思議。
そして冒頭に戻る。
「あ!!起きたか!!」
満面の笑みで死んだはずのサッチの料理を死んだはずのエースが口いっぱい詰めて向こうで私に向かって手を振っている。
何歳児だよ…
この騒ぎを聞きつけたのか、船員ほとんどが食堂に詰め寄った。
人の塊のあちらこちらから 親父ー!! や エース!! という歓声があがり、 俺は?!! とサッチが嘆く。
「グララララ、細けぇこたぁ気にしねぇで宴だぁ」
大事な子供達に会えたんだから と一言加え、親父の言葉で船は宴の雰囲気に包まれた。
食料庫からありったけの酒を持ってくる者もいれば、泣きながら親父と話している船員がいたりと自由極まりない…
騒々しい中宴は始まり、一層騒がしくなった。
昔本で読んだことがある。
死んだはずの恋人が1日だけ主人公の前に現れる。なんて話。
物語では在り来りの話。
まさか現実で起こるなんて……あの物語は作り話ではなく、エッセイだったのか…??
宴は最高潮。
酒でベロンベロンになる奴もいれば、音楽を奏でるやつ、それを聞いて踊り出すやつ。
私はいつも通りマルコ、イゾウ、ハルタと飲んでいた。
エースとサッチがいなくなってからはこのメンバーでいつも酒を飲んでいる。
ある理由で私は酒を飲んではいけないことになっている。
だからって炭酸水は……
「おっとっと……へへ、来ちゃった♪」
「なんせ人に囲まれてよぉ…」
お騒がせコンビがニコニコしながら人混みから出てきて、私たちのグループ席にドカッと座った。
それからは早かった。
机の上にある空の酒瓶が増えていくのが。
まさか今になってサッチとマルコの夫婦喧嘩(仮)が見られるなんて…
「ちょっといいか?」
ちょいと席を外すぜ と笑顔のエースが私の腕を掴み、歩き出した。
『はぁ?!なんで私まd
「いいから」
刺さるような声で私の背筋が凍った。
さっきの笑顔はどこへ行ったの……
真顔で私の腕を強く掴み人気のないところへ連れていった。
エースは腕をそっと離してくれた。案の定赤くなっている。
エースは …ごめん と子犬のような表情で謝ってきた。いいや、別に と素っ気なく返した。
「あの……
死んだりして…ごめん…」
俺…何もお前にできなかった…… と消え入りそうな声で俯きながらエースは話し始めた。
『エース…悔いは無かった?』
「無かったって言えば無かったけど、あると言えばある。」
お前を置いて死んだこと。 真剣な目でそう言われ、鼻がツーンと痛くなってきた。涙が溢れないように唇を噛み締め
『私なんて忘れていいからね』
自分で言って自分で悲しい。涙が溢れてしまった。
「それはこっちのセリフ!!」
「大事な"二人"を置いてのこのこ死んでられるか!!」
『……気づいていたんだ…』
そう、私のお腹の中にはエースとの子供の命が宿っている。
月日をたどると、ティーチを探す前夜に宿したらしい。
「鬼の血を引き継いだなんて……可哀想d いてっ!!」
『お父さんが何弱気になってるの!!自慢の夫と子供だよ……"D"の血は途絶えさせない』
エースが目に涙を浮かべた。
食堂と甲板が静かになってきた。
もうそんな時間か…
『エース…やっぱりここに残って
「それはダメだ」
『…っ!!わかってるけど…わかってるけどやっぱり寂しい!!』
「俺だって生きたい!!子供の成長を見ながらじじいになってもお前と一緒に暮らしたい!!」
私達は声を上げながら泣いた。最後のエースを想っての号泣。…だと思いたい。
「…そろそろ…戻る…」
もう時間なんだ……悟った。
女子みたいに引き止めたりなんかしない。面倒臭い女だと思われたくないから。
『私!!エースのこと絶対忘れない!!
他の男と結婚するなんてありえない!!
いい男だよ…エースは……なんで……私なんかに惚れて…』
「いい女だからだよ…」
どんどんエースの体が光に包まれている。
『「愛してくれて ………ありがとう!!!」』
目の前にさっきまでエースがいたなんて…
夢たみたいだった。
エースのせいで最後の恋愛になってしまったじゃない…
エースは罪深い男だよ…