長編番外集・壱…☆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
さて、四つの組……各呼吸毎に分かれての鍛錬開始!
ー結界内ー
~炎&水ver.~
『さてと、四つの組に分かれて貰ったけど……先ずは、炎と水からやろうか。』
バビッ!
炭「はいっ!!」
『ん? 炭治郎君、どうかした?』
炭「炎と水からって云うのは、判りましたけど……具体的には、どう云う事をするんですか?」
炎「確かに、そうだな!」
「さて、先ずは……」と、炎と水から鍛錬を行なうべく、声を掛けた雪菜だったが……其処に、炭治郎から質問が飛び出た。 また、煉獄からも質問に対する同意が有ったのだった。
『えっと、質問は鍛錬の内容について……で、合ってる?』
炭/炎「「はいっ!!/うむっ!!」」
『鍛錬の内容については……先程、私が観せた技の習得の予定だけど……個人差が、人其々有るだろうから、今回の技の習得はあくまで目標のつもり。』
炭「じゃあ、今日中に出来無くても良いって事ですか?」
『そう云う事。 だけど、まぁ……任務や見廻りの関係上、鍛錬にあまり時間が割けない分、長期間での鍛錬は難しいから短期間的且つ、集中的な鍛錬に成らざるを得ないとは思うけど……何れは皆、技を完璧な状態で習得する事が、最終的な目標だよ。其れに、今回の技を習得する為の鍛錬については、私が責任を持って其々の呼吸に合わせて、鍛錬を観て行くつもりだから。』(苦笑)
炭「(パァァァッ!!)其れなら、安心ですね!!
ねっ、煉獄さん!」
炎「うむ、そうだな!!」
『フフッ……。』(ニコニコ)
雪菜の返答を聞くや否や、隣に立つ煉獄に満面の笑顔を向ける炭治郎だった。
そんな彼等を微笑みながら、眺めて居る雪菜が居た。
『其れなら、他に質問や疑問の有る人は居る? 無ければ、此のまま鍛錬に移るけど……大丈夫?』
全「(コクリ)」
他に質問や疑問が無いかどうかを確認後、再度中断した鍛錬の説明に戻る、雪菜だった。
『ん、判った。 じゃあ、先ずは……先程の説明の続きからね? 先程も云った通り、技の習得を炎と水から始めるけど……此れには、鬼との戦いに於いて培われて来た私自身の実力と経験、更に私の陰陽師としての勘……其処から導き出した確かな理由が存在するからこそ、「確実に皆の役に立つ」と考えたからだよ。』
炭「理由……ですか?」
『えぇ。私が先程、観せた技……何か、気付いた事や気になった事は無い? 』
炭「気付いた事……?」
善「気になった事……?」
全「うーむっ…/うーんっ…/えーっと…/・・・っ。」(悩)
雪菜から「何か気付いた事や気になった事は無いか?」と聞かれ、先程観せられた技を思い出しながら皆、其々悩むが……?
そんな中、思い当たる事が有った者が一人……。
その様子を静かに見詰めて居る雪菜の姿が有った。
玄「あっ……。」
風「どうしたァ?」
炭「玄弥? 何か、気になった事でも有ったのか?」
玄「あ、あぁ……。」
風「どんな事だァ? 云って見ろォ。」
全「(ウンウン)」(コクコクと、皆して頷く)
玄「えっと……あ、あまり自信は無いんだけど……。」
炎「どんな些細な事でも良いっ! 何か気付いた事や気になった事が有ったのなら、遠慮せずに云って見ると良いっ!!」
玄「わ、判りました……。」
炭「其れで、どんな事に気付いたんだ?」
玄「えっと、水蓮姉ちゃ……姉貴がさっき、観せてくれた技を最初から思い出してたらさ……“四つの使用呼吸の内、攻撃する際の呼吸が炎と水の頻度が多いな……。”って、感じたんだ。 後は、風と雷の呼吸が“攻撃側と云うより、炎と水の補助や援護する側に近いかな……?”って、思った……んだ……けど……。」
『(ニ―ッコリ)』
実弥の弟である玄弥が、自信無さげながらも気付いた点を幾つか上げて行きつつ、雪菜の方を観遣れば……雪菜は「ニーッコリ」と満面の笑顔で玄弥を見て居たのだった。
玄「∑?!……。(エッ?! まさか、俺が云った事……マジで当たりなのかっ!? 嘘だろっ?!)」
炭「玄弥? どうした……んだ……。」(雪菜の方へ顔をクルリ)
全「???」(炭治郎同様、雪菜の方へ顔をクルリ)
『(満面の笑顔でニ―ッコリ)』
炭「すっ、水蓮姉さん……。 玄弥が今云った事って……もしかして、本当に当たり……何ですか……?」
未だに満面の笑顔のままで居る雪菜に、炭治郎は自分が感じて居たその疑問をぶつけて見た。
炭治郎からの質問に、雪菜からの返答は──?
「ふふっ。 えぇ、当たりも何もほぼほぼ大当たりかなっ♪」(ニコニコ)
……と云う、まさかの是。
玄「( ゚д゚)………。」(ポカーン)
玄弥以外「えぇーーーっ?!/はぁあああっ?!/(き/ぎ)ゃあああっ!/よもやぁーーっ!/っ?!?!」
玄弥が一人放心状態の中、一頻り皆が驚いた後で……。
『まぁ、玄弥君が云った事は、理由と云うよりかはほぼ、技の分析説明に近いかと思うけどね?』(苦笑)
……と、当たりだった事についての訳を説明する雪菜だった。
* * * *
ー四半刻後……。ー
『皆、落ち着いた?』
全「(コクリ)」
漸く、皆が落ち着いたのを見計らい、雪菜から声を掛けた。 皆からの返答は、是と云う頷き。
其れを確認した雪菜は、技の習得についての話を続けたのだった。
『さてと、改めて技の習得の為の鍛錬を炎と水から始める訳だけど……。』
真/炭「「だけど?」」
『槇寿郎に左近次、少し頼まれてくれないかな?』
槇/左「「水蓮さんの頼み事とは(何だ/何でしょう)?」」
『槇寿郎と左近次に、頼みたい事は以下の二点。先ず、一つ目…其々“炎の呼吸 伍の型 炎虎”と“水の呼吸 拾の型 生々流転”の構えと刀の動きを実際に、二人に其々やって貰い、見取り稽古をお互いに行って貰う事。次に、二つ目…お互いに其々の型の構えと刀の動きを教え合って貰う事。以上の二点が、貴方達二人への頼み事。』
槇「俺と鱗滝殿の、二人で…か?」
『えぇ、この二つの事を頼まれて欲しいのだけど……御願い出来ないかな?』
槇/左「「………。」」(お互いに、顔を見合せ…コクリ)
槇「まぁ、“お互いに教え合う”……と云う事に意味が有るんだろう? 水蓮さん。」
左「全く意味の無い事を云う様な方では、無いからな……水蓮さんは。」
『其れで? 頼まれてくれるの?』
槇/左「「承知した。」」
雪菜の口から出たのは、其々の「呼吸」に関する“頼まれ事”だった。
雪菜からあまり「頼み事」と云うのをされた事が少ない二人は、少々戸惑いはしたものの、引き受けるのだった。
『其れじゃあ、槇寿郎に左近次。 先ずは、其々の呼吸の型をお互いに見取り稽古をして貰える? その後は、先程云った通り。 だけど、お互いに鍛錬し合った後にでも……一度、技が出来るかの確認をする予定で居るから、私に声を掛けてくれると……有難いかな?』
槇/左「「判った。」」
槇「なら、先に俺から技をやった方が良いのか?」
左「ふむ…儂としては、儂か煉獄のどちらが先でも構わんが……。 まぁ、お互いに見取り稽古をするのだから、順序等どちらでも良かろう?」
槇「まぁ、そうだな。」
雪菜の説明後、槇寿郎と左近次によるお互いの呼吸の型の見取り稽古に移るのだった。そして、いよいよ──。
槇「では、先ず俺から…。”炎の呼吸 伍の型 炎虎“っ!!」
ドォーン!!
左「ふむ、刀を振り被りながらの突進……の様な技か?」
槇「まぁ…刀を振り被るのは、そうだが……ただの突進とは、ちと違うがな。」
左「ふむ、そうか……。 なら、次は儂だな。“水の呼吸 拾の型 生々流転”っ!!」
ズドォーン!!
槇「うーむ、突進しながらの連擊技……になるのか?」
左「まぁ、そんな所だが……突進する間の連擊は、回転する毎に威力を増す技だ。」
槇「ふむ、成る程な。」
『其れで? 槇寿郎も左近次も、お互い其々の呼吸の型について「コツ」はどの位、程度としては掴めてるの?』
槇「まぁ…強いて云うなら、ある程度だな……。」
左「儂も煉獄のと、同様に……ですな。」
槇寿郎と左近次の返答を聞いた雪菜は、右手を顎に添えて何やら……ブツブツと呟き始めた。全体的な呟き声の内…前半は、槇寿郎と左近次へのアドバイスとして。後半は、単なる独り言のつもりで……だった。
しかし、其の場に居た人物達の中で、雪菜が呟いた後半の小さ目の小声と「ボソッ」と呟いた声を拾えたのは、宇髓と善逸のみだった様だが。
『ふむ…。 槇寿郎と左近次の二人共、其々の呼吸や技について、ある程度は「コツ」を掴めてるのか……。 其れなら、四半刻程…義勇君や杏寿郎君、錆兎君に真菰ちゃん達も含めて、皆で技の確認として一緒に行って観ると、お互いの刺激に成って良いかも知れないよ? 其れと、技を出す際に其々の呼吸である「炎」と「水」の呼吸、其々を技に上乗せして見たらどう? もしかしたら、此の鍛錬自体が凄い事かも知れないしね!』
槇/左「「凄い事?」」
『えぇ! 考えて見れば……“炎の呼吸“と”水の呼吸”は、戦国時代に派生してから今日に至るまで歴史がとても長く存在する上に、柱の中でも古参と云っても過言では無い程に古い呼吸……。
その二つの呼吸が、お互いの技に其々の呼吸を上乗せして放つ……とても凄い事だと、私は思うけどな。 槇寿郎と左近次はどう…? そうは思わない?』(ニコニコ)
槇/左「「フッ、確かに水蓮さんの云う通り、凄い事かも知れ(んな/ぬな)……。」」
『フフッ。 あれっ?……と云う事は、炭治郎君の扱う呼吸…其れ自体が少々特殊な上、複数の呼吸が使用可能と云う事になるのか……ふむ、其れならば……。
(小声)
其れに……今現在、槇寿郎と左近次に鍛錬し合って貰って居る“炎の呼吸 伍の型“の技と”水の呼吸 拾の型”の技は、私が考案・開発した技の中でも特に、其々の呼吸技である「炎」と「水」の呼吸技に次ぐ〝要〟と成る技だから……二人共、頑張って。(ボソッ……)』
音/善「「(あっ、水蓮(姐/姉)さん…どうやら(竈門/炭治郎)の事で、ブツブツ呟いてる(様だな/見たいだ)……。
(はっ/えっ)……? 水蓮(姐/姉)さんの最後の呟き(は/って)、何て云った(んだっ/のっ)?! 俺(等/達)の聞き間違えか何か(かっ/なのっ)?! 聞き間違えで無(ければ/きゃ)……今現在、鍛錬(中の/して居る)技が重要な〝要〟だ(と/って)、さらっと云ってなかった(か/っ)?! どう云う事(だっ/なのっ)?!)」」(´←お互い混乱し、確認の為に顔を見合せる宇髓と善逸の二人)
『時に、槇寿郎に左近次……。 炭治郎君の呼吸……何なら、私が観ても良いけど……どうする?』
槇「竈門君については、呼吸の件も相まって此方で観るべきか否か…正直、どうするべきか迷っとったんだ。水蓮さんが竈門君を観てくれるなら、俺達は杏寿郎達に専念出来る上、此方としても大いに助かる。」
左「其れに…炭治郎も水蓮さんに、直に呼吸を観て貰う事で呼吸の精度だけで無く、技の精度も自ずと上がるだろうしな。」
『まぁ、先にそちらへ話を振ったのは、此方だしね……判った。 炭治郎君については、此方で引き受けてもまぁ…構わないから良いけども。』(苦笑)
槇/左「「ふむ、(竈門君/炭治郎)の事は水蓮さんの方が、呼吸に関しては適任だろうし、信用云々では無く…信頼して居るからこそ、(俺達/儂等)としても安心して任せられ(るから/ますので)、頼める(か/だろうか)? 水蓮さん。」」
『ええぇー……? 槇寿郎に左近次……其れは、二人して其処まで断言する程の事……?』
槇/左「「実際、そう(だが/ですが)? 一切、問題無い筈(だぞ/でしょう)? 其れの何処に、不安要素が有ると云う(んだ/のですか)?」」
二人共…雪菜への信用及び信頼に関して、真剣に且つ真顔でそう…宣ったのだった。その内、約一名は天狗の面のままの為、表情は不明だが。
『(°_°)………。(えっ、其処まで断言して云う程なの? 驚き過ぎて、まさかの”驚き 桃の木 山椒の木“……何のだがっ?!)』(←顔は唖然とした表情のまま…しかし、内心はTHE・混乱中☆)
そんな雪菜を尻目に、槇寿郎と左近次達はと云うと──?
槇「さてと…俺達は、水蓮さんからあの様な貴重な助言を頂けたんだ…。 此の機会を逃す気は全く以て無いが、鱗滝殿も逃す気は更々無いだろう……?」
左「其れは煉獄のとて、同じ事で在ろう?」
槇「どうやら、考える事は同じか……。」
左「其の様子では、そちらも同じの様だな? 儂等としても今回の鍛錬で、出来る限りで構わん……水蓮さんが観せてくれた技を物に出来ねば、意味は無いだろう…。 お互い精進を怠る出ないぞ! 良いな?!」
槇「其れじゃあ、各々……鍛錬を始めろっ!」
義/杏/錆/真「(コクリ)」/「「「はいっ!」」」
其々に、お互い声を掛け合いながら、鍛錬に精を出す様……皆を鼓舞する様子が見られた。
一方の雪菜は、槇寿郎と左近次による驚きの衝撃から漸く復活し、炭治郎と二人して声をお互いに掛け合って居た。
炭「うわぁ~……俺、とても嬉しいですっ!水蓮姉さんに、直に呼吸を観て貰えるなんてっ!!改めて…水蓮姉さん、御指導・御鞭撻の程…宜しく御願いします!!」(ガバッ…!)
『クスッ……此方こそ宜しく、炭治郎君。 さて、時間も限られてるし、槇寿郎と左近次達も鍛錬をし始めた様だから……早速、此方も始めようか。』
炭「はいっ!」
そして、槇寿郎と左近次+α(義勇/杏寿郎/錆兎/真菰)の組、雪菜と炭治郎の組に分かれて、其々の呼吸と技を教え合いながら、お互い鍛錬し合うのだった。
* * * *
ー四半刻後……ー
『へぇ……炭治郎君、中々筋が良いよ!』
炭「そっ、そうでしょうか……?」( ……///(照))
『えぇ! とても素直だし、鍛錬を真剣に取り組むのを見ても、教える側からすれば……此れ程までに嬉しい事は無いし、炭治郎君位…鍛え甲斐が有ると、此方としても…より一層の気合いが入るもの!』
炭「えへへ、有り難う御座います!」
『フフッ…。 さて、炭治郎君。 此方の鍛錬は此れ位にして、槇寿郎や左近次達と合流しようか。』
炭「はいっ!」
『槇寿郎~、左近次~。 此方の鍛錬はある程度の所まで進んだのだけど、そちらはどんな具合?』
槇「此方の鍛錬も中々の所まで進んだぞ?」
左「此れ以降は、一緒に鍛錬するのか?」
『えぇ、元々其の予定だったし……一緒に行うのは、此方としても賛成。其れに、先程云った…「其々の呼吸を上乗せして、技を放つ」事と「一度、技が出来るかどうかの確認をする」事も踏まえて、鍛錬を行う方が断然、効率的だと思う。』
槇「成る程な、一理有る考えだな。」
左「水蓮さんがそう…判断したなら、儂等は其れに従うまでだ。」
『フフッ、有り難う。 でも、自分自身の考えを貴方達にもきちんと、尊重して欲しい。 …で無ければ、今現在まで続いて居る鬼殺隊の存在意義が、曖昧に成って仕舞う上に、ただの操り人形に成り下がって仕舞う危険すら有るから……。』(苦笑)
槇/左「「∑っ?! 其れは、絶対に有っては成らんっ!!」」
『だから、御館様である耀哉殿にで在ろうと…柱同士で在ろうと…例え、下級隊士に…で在ろうと、お互いに自分自身の考えをきちんと、伝え合う事を心掛けないと、取り返しが付かない事態に成り兼ねないから、気を付けて。 取り返しが付かない事態に成ったら、成ったで……後悔しか無いのだから。』(苦笑)
槇/左「「確かに、其の通りだな……。」」
『フフッ……。』
此の様な会話後、雪菜を含めた、炎と水の一門……槇寿郎や左近次達全員で、其々の呼吸を上乗せした上で、技が出来るか確認をした。
結論から云えば……皆、技を出す事に成功した。 成功したが、技の精度としては……まだまだで有り、雪菜程の技の威力では無く、鍛錬をする余地がまだ見られる様子なのだった──。
ー結界内ー
~炎&水ver.~
『さてと、四つの組に分かれて貰ったけど……先ずは、炎と水からやろうか。』
バビッ!
炭「はいっ!!」
『ん? 炭治郎君、どうかした?』
炭「炎と水からって云うのは、判りましたけど……具体的には、どう云う事をするんですか?」
炎「確かに、そうだな!」
「さて、先ずは……」と、炎と水から鍛錬を行なうべく、声を掛けた雪菜だったが……其処に、炭治郎から質問が飛び出た。 また、煉獄からも質問に対する同意が有ったのだった。
『えっと、質問は鍛錬の内容について……で、合ってる?』
炭/炎「「はいっ!!/うむっ!!」」
『鍛錬の内容については……先程、私が観せた技の習得の予定だけど……個人差が、人其々有るだろうから、今回の技の習得はあくまで目標のつもり。』
炭「じゃあ、今日中に出来無くても良いって事ですか?」
『そう云う事。 だけど、まぁ……任務や見廻りの関係上、鍛錬にあまり時間が割けない分、長期間での鍛錬は難しいから短期間的且つ、集中的な鍛錬に成らざるを得ないとは思うけど……何れは皆、技を完璧な状態で習得する事が、最終的な目標だよ。其れに、今回の技を習得する為の鍛錬については、私が責任を持って其々の呼吸に合わせて、鍛錬を観て行くつもりだから。』(苦笑)
炭「(パァァァッ!!)其れなら、安心ですね!!
ねっ、煉獄さん!」
炎「うむ、そうだな!!」
『フフッ……。』(ニコニコ)
雪菜の返答を聞くや否や、隣に立つ煉獄に満面の笑顔を向ける炭治郎だった。
そんな彼等を微笑みながら、眺めて居る雪菜が居た。
『其れなら、他に質問や疑問の有る人は居る? 無ければ、此のまま鍛錬に移るけど……大丈夫?』
全「(コクリ)」
他に質問や疑問が無いかどうかを確認後、再度中断した鍛錬の説明に戻る、雪菜だった。
『ん、判った。 じゃあ、先ずは……先程の説明の続きからね? 先程も云った通り、技の習得を炎と水から始めるけど……此れには、鬼との戦いに於いて培われて来た私自身の実力と経験、更に私の陰陽師としての勘……其処から導き出した確かな理由が存在するからこそ、「確実に皆の役に立つ」と考えたからだよ。』
炭「理由……ですか?」
『えぇ。私が先程、観せた技……何か、気付いた事や気になった事は無い? 』
炭「気付いた事……?」
善「気になった事……?」
全「うーむっ…/うーんっ…/えーっと…/・・・っ。」(悩)
雪菜から「何か気付いた事や気になった事は無いか?」と聞かれ、先程観せられた技を思い出しながら皆、其々悩むが……?
そんな中、思い当たる事が有った者が一人……。
その様子を静かに見詰めて居る雪菜の姿が有った。
玄「あっ……。」
風「どうしたァ?」
炭「玄弥? 何か、気になった事でも有ったのか?」
玄「あ、あぁ……。」
風「どんな事だァ? 云って見ろォ。」
全「(ウンウン)」(コクコクと、皆して頷く)
玄「えっと……あ、あまり自信は無いんだけど……。」
炎「どんな些細な事でも良いっ! 何か気付いた事や気になった事が有ったのなら、遠慮せずに云って見ると良いっ!!」
玄「わ、判りました……。」
炭「其れで、どんな事に気付いたんだ?」
玄「えっと、水蓮姉ちゃ……姉貴がさっき、観せてくれた技を最初から思い出してたらさ……“四つの使用呼吸の内、攻撃する際の呼吸が炎と水の頻度が多いな……。”って、感じたんだ。 後は、風と雷の呼吸が“攻撃側と云うより、炎と水の補助や援護する側に近いかな……?”って、思った……んだ……けど……。」
『(ニ―ッコリ)』
実弥の弟である玄弥が、自信無さげながらも気付いた点を幾つか上げて行きつつ、雪菜の方を観遣れば……雪菜は「ニーッコリ」と満面の笑顔で玄弥を見て居たのだった。
玄「∑?!……。(エッ?! まさか、俺が云った事……マジで当たりなのかっ!? 嘘だろっ?!)」
炭「玄弥? どうした……んだ……。」(雪菜の方へ顔をクルリ)
全「???」(炭治郎同様、雪菜の方へ顔をクルリ)
『(満面の笑顔でニ―ッコリ)』
炭「すっ、水蓮姉さん……。 玄弥が今云った事って……もしかして、本当に当たり……何ですか……?」
未だに満面の笑顔のままで居る雪菜に、炭治郎は自分が感じて居たその疑問をぶつけて見た。
炭治郎からの質問に、雪菜からの返答は──?
「ふふっ。 えぇ、当たりも何もほぼほぼ大当たりかなっ♪」(ニコニコ)
……と云う、まさかの是。
玄「( ゚д゚)………。」(ポカーン)
玄弥以外「えぇーーーっ?!/はぁあああっ?!/(き/ぎ)ゃあああっ!/よもやぁーーっ!/っ?!?!」
玄弥が一人放心状態の中、一頻り皆が驚いた後で……。
『まぁ、玄弥君が云った事は、理由と云うよりかはほぼ、技の分析説明に近いかと思うけどね?』(苦笑)
……と、当たりだった事についての訳を説明する雪菜だった。
* * * *
ー四半刻後……。ー
『皆、落ち着いた?』
全「(コクリ)」
漸く、皆が落ち着いたのを見計らい、雪菜から声を掛けた。 皆からの返答は、是と云う頷き。
其れを確認した雪菜は、技の習得についての話を続けたのだった。
『さてと、改めて技の習得の為の鍛錬を炎と水から始める訳だけど……。』
真/炭「「だけど?」」
『槇寿郎に左近次、少し頼まれてくれないかな?』
槇/左「「水蓮さんの頼み事とは(何だ/何でしょう)?」」
『槇寿郎と左近次に、頼みたい事は以下の二点。先ず、一つ目…其々“炎の呼吸 伍の型 炎虎”と“水の呼吸 拾の型 生々流転”の構えと刀の動きを実際に、二人に其々やって貰い、見取り稽古をお互いに行って貰う事。次に、二つ目…お互いに其々の型の構えと刀の動きを教え合って貰う事。以上の二点が、貴方達二人への頼み事。』
槇「俺と鱗滝殿の、二人で…か?」
『えぇ、この二つの事を頼まれて欲しいのだけど……御願い出来ないかな?』
槇/左「「………。」」(お互いに、顔を見合せ…コクリ)
槇「まぁ、“お互いに教え合う”……と云う事に意味が有るんだろう? 水蓮さん。」
左「全く意味の無い事を云う様な方では、無いからな……水蓮さんは。」
『其れで? 頼まれてくれるの?』
槇/左「「承知した。」」
雪菜の口から出たのは、其々の「呼吸」に関する“頼まれ事”だった。
雪菜からあまり「頼み事」と云うのをされた事が少ない二人は、少々戸惑いはしたものの、引き受けるのだった。
『其れじゃあ、槇寿郎に左近次。 先ずは、其々の呼吸の型をお互いに見取り稽古をして貰える? その後は、先程云った通り。 だけど、お互いに鍛錬し合った後にでも……一度、技が出来るかの確認をする予定で居るから、私に声を掛けてくれると……有難いかな?』
槇/左「「判った。」」
槇「なら、先に俺から技をやった方が良いのか?」
左「ふむ…儂としては、儂か煉獄のどちらが先でも構わんが……。 まぁ、お互いに見取り稽古をするのだから、順序等どちらでも良かろう?」
槇「まぁ、そうだな。」
雪菜の説明後、槇寿郎と左近次によるお互いの呼吸の型の見取り稽古に移るのだった。そして、いよいよ──。
槇「では、先ず俺から…。”炎の呼吸 伍の型 炎虎“っ!!」
ドォーン!!
左「ふむ、刀を振り被りながらの突進……の様な技か?」
槇「まぁ…刀を振り被るのは、そうだが……ただの突進とは、ちと違うがな。」
左「ふむ、そうか……。 なら、次は儂だな。“水の呼吸 拾の型 生々流転”っ!!」
ズドォーン!!
槇「うーむ、突進しながらの連擊技……になるのか?」
左「まぁ、そんな所だが……突進する間の連擊は、回転する毎に威力を増す技だ。」
槇「ふむ、成る程な。」
『其れで? 槇寿郎も左近次も、お互い其々の呼吸の型について「コツ」はどの位、程度としては掴めてるの?』
槇「まぁ…強いて云うなら、ある程度だな……。」
左「儂も煉獄のと、同様に……ですな。」
槇寿郎と左近次の返答を聞いた雪菜は、右手を顎に添えて何やら……ブツブツと呟き始めた。全体的な呟き声の内…前半は、槇寿郎と左近次へのアドバイスとして。後半は、単なる独り言のつもりで……だった。
しかし、其の場に居た人物達の中で、雪菜が呟いた後半の小さ目の小声と「ボソッ」と呟いた声を拾えたのは、宇髓と善逸のみだった様だが。
『ふむ…。 槇寿郎と左近次の二人共、其々の呼吸や技について、ある程度は「コツ」を掴めてるのか……。 其れなら、四半刻程…義勇君や杏寿郎君、錆兎君に真菰ちゃん達も含めて、皆で技の確認として一緒に行って観ると、お互いの刺激に成って良いかも知れないよ? 其れと、技を出す際に其々の呼吸である「炎」と「水」の呼吸、其々を技に上乗せして見たらどう? もしかしたら、此の鍛錬自体が凄い事かも知れないしね!』
槇/左「「凄い事?」」
『えぇ! 考えて見れば……“炎の呼吸“と”水の呼吸”は、戦国時代に派生してから今日に至るまで歴史がとても長く存在する上に、柱の中でも古参と云っても過言では無い程に古い呼吸……。
その二つの呼吸が、お互いの技に其々の呼吸を上乗せして放つ……とても凄い事だと、私は思うけどな。 槇寿郎と左近次はどう…? そうは思わない?』(ニコニコ)
槇/左「「フッ、確かに水蓮さんの云う通り、凄い事かも知れ(んな/ぬな)……。」」
『フフッ。 あれっ?……と云う事は、炭治郎君の扱う呼吸…其れ自体が少々特殊な上、複数の呼吸が使用可能と云う事になるのか……ふむ、其れならば……。
(小声)
其れに……今現在、槇寿郎と左近次に鍛錬し合って貰って居る“炎の呼吸 伍の型“の技と”水の呼吸 拾の型”の技は、私が考案・開発した技の中でも特に、其々の呼吸技である「炎」と「水」の呼吸技に次ぐ〝要〟と成る技だから……二人共、頑張って。(ボソッ……)』
音/善「「(あっ、水蓮(姐/姉)さん…どうやら(竈門/炭治郎)の事で、ブツブツ呟いてる(様だな/見たいだ)……。
(はっ/えっ)……? 水蓮(姐/姉)さんの最後の呟き(は/って)、何て云った(んだっ/のっ)?! 俺(等/達)の聞き間違えか何か(かっ/なのっ)?! 聞き間違えで無(ければ/きゃ)……今現在、鍛錬(中の/して居る)技が重要な〝要〟だ(と/って)、さらっと云ってなかった(か/っ)?! どう云う事(だっ/なのっ)?!)」」(´←お互い混乱し、確認の為に顔を見合せる宇髓と善逸の二人)
『時に、槇寿郎に左近次……。 炭治郎君の呼吸……何なら、私が観ても良いけど……どうする?』
槇「竈門君については、呼吸の件も相まって此方で観るべきか否か…正直、どうするべきか迷っとったんだ。水蓮さんが竈門君を観てくれるなら、俺達は杏寿郎達に専念出来る上、此方としても大いに助かる。」
左「其れに…炭治郎も水蓮さんに、直に呼吸を観て貰う事で呼吸の精度だけで無く、技の精度も自ずと上がるだろうしな。」
『まぁ、先にそちらへ話を振ったのは、此方だしね……判った。 炭治郎君については、此方で引き受けてもまぁ…構わないから良いけども。』(苦笑)
槇/左「「ふむ、(竈門君/炭治郎)の事は水蓮さんの方が、呼吸に関しては適任だろうし、信用云々では無く…信頼して居るからこそ、(俺達/儂等)としても安心して任せられ(るから/ますので)、頼める(か/だろうか)? 水蓮さん。」」
『ええぇー……? 槇寿郎に左近次……其れは、二人して其処まで断言する程の事……?』
槇/左「「実際、そう(だが/ですが)? 一切、問題無い筈(だぞ/でしょう)? 其れの何処に、不安要素が有ると云う(んだ/のですか)?」」
二人共…雪菜への信用及び信頼に関して、真剣に且つ真顔でそう…宣ったのだった。その内、約一名は天狗の面のままの為、表情は不明だが。
『(°_°)………。(えっ、其処まで断言して云う程なの? 驚き過ぎて、まさかの”驚き 桃の木 山椒の木“……何のだがっ?!)』(←顔は唖然とした表情のまま…しかし、内心はTHE・混乱中☆)
そんな雪菜を尻目に、槇寿郎と左近次達はと云うと──?
槇「さてと…俺達は、水蓮さんからあの様な貴重な助言を頂けたんだ…。 此の機会を逃す気は全く以て無いが、鱗滝殿も逃す気は更々無いだろう……?」
左「其れは煉獄のとて、同じ事で在ろう?」
槇「どうやら、考える事は同じか……。」
左「其の様子では、そちらも同じの様だな? 儂等としても今回の鍛錬で、出来る限りで構わん……水蓮さんが観せてくれた技を物に出来ねば、意味は無いだろう…。 お互い精進を怠る出ないぞ! 良いな?!」
槇「其れじゃあ、各々……鍛錬を始めろっ!」
義/杏/錆/真「(コクリ)」/「「「はいっ!」」」
其々に、お互い声を掛け合いながら、鍛錬に精を出す様……皆を鼓舞する様子が見られた。
一方の雪菜は、槇寿郎と左近次による驚きの衝撃から漸く復活し、炭治郎と二人して声をお互いに掛け合って居た。
炭「うわぁ~……俺、とても嬉しいですっ!水蓮姉さんに、直に呼吸を観て貰えるなんてっ!!改めて…水蓮姉さん、御指導・御鞭撻の程…宜しく御願いします!!」(ガバッ…!)
『クスッ……此方こそ宜しく、炭治郎君。 さて、時間も限られてるし、槇寿郎と左近次達も鍛錬をし始めた様だから……早速、此方も始めようか。』
炭「はいっ!」
そして、槇寿郎と左近次+α(義勇/杏寿郎/錆兎/真菰)の組、雪菜と炭治郎の組に分かれて、其々の呼吸と技を教え合いながら、お互い鍛錬し合うのだった。
* * * *
ー四半刻後……ー
『へぇ……炭治郎君、中々筋が良いよ!』
炭「そっ、そうでしょうか……?」( ……///(照))
『えぇ! とても素直だし、鍛錬を真剣に取り組むのを見ても、教える側からすれば……此れ程までに嬉しい事は無いし、炭治郎君位…鍛え甲斐が有ると、此方としても…より一層の気合いが入るもの!』
炭「えへへ、有り難う御座います!」
『フフッ…。 さて、炭治郎君。 此方の鍛錬は此れ位にして、槇寿郎や左近次達と合流しようか。』
炭「はいっ!」
『槇寿郎~、左近次~。 此方の鍛錬はある程度の所まで進んだのだけど、そちらはどんな具合?』
槇「此方の鍛錬も中々の所まで進んだぞ?」
左「此れ以降は、一緒に鍛錬するのか?」
『えぇ、元々其の予定だったし……一緒に行うのは、此方としても賛成。其れに、先程云った…「其々の呼吸を上乗せして、技を放つ」事と「一度、技が出来るかどうかの確認をする」事も踏まえて、鍛錬を行う方が断然、効率的だと思う。』
槇「成る程な、一理有る考えだな。」
左「水蓮さんがそう…判断したなら、儂等は其れに従うまでだ。」
『フフッ、有り難う。 でも、自分自身の考えを貴方達にもきちんと、尊重して欲しい。 …で無ければ、今現在まで続いて居る鬼殺隊の存在意義が、曖昧に成って仕舞う上に、ただの操り人形に成り下がって仕舞う危険すら有るから……。』(苦笑)
槇/左「「∑っ?! 其れは、絶対に有っては成らんっ!!」」
『だから、御館様である耀哉殿にで在ろうと…柱同士で在ろうと…例え、下級隊士に…で在ろうと、お互いに自分自身の考えをきちんと、伝え合う事を心掛けないと、取り返しが付かない事態に成り兼ねないから、気を付けて。 取り返しが付かない事態に成ったら、成ったで……後悔しか無いのだから。』(苦笑)
槇/左「「確かに、其の通りだな……。」」
『フフッ……。』
此の様な会話後、雪菜を含めた、炎と水の一門……槇寿郎や左近次達全員で、其々の呼吸を上乗せした上で、技が出来るか確認をした。
結論から云えば……皆、技を出す事に成功した。 成功したが、技の精度としては……まだまだで有り、雪菜程の技の威力では無く、鍛錬をする余地がまだ見られる様子なのだった──。