長編番外集・壱…☆
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先日、産屋敷邸にて半年に一回行われた波乱の柱合裁判及び柱合会議から数日後の今日、此の日──。
再度、柱合会議が緊急で開かれる事と成ったのだった……。
ー産屋敷邸内・書庫ー
「えーっと……、この本はここに置いて……。後、この本はここの書棚に……。 他の本は……っと。」
ガサゴソ、ガサゴソ……。
産屋敷家の五つ子の一人で且つ、唯一の男子である産屋敷 輝利哉は、鬼殺隊の御館様を務める父・耀哉と父をサポートする母・あまねから、邸内の書庫にある本の整理を頼まれ、朝から(朝食後な!)本の整理をして居るのだった。
本の整理を始めてから、時間が数刻程過ぎた頃──、粗方の整理が終わり……ある書棚を整理中、古そうな和綴じのとある本に目が止まり、手に取って本の内容を少し読んで見たのだった。
「ん? 何だろう、この本……。」
パラパラ……。
「んーっと……本の内容は、呼吸の技について書かれた物……かな?
えっと、これは“すいえんのりゅう”……?に、こっちは“ふうらいのりゅう”……?って、書かれてる。 何の名だろう……?
技についてなら、今現在の柱様でも扱える技なのだろうか……? 他に何か書かれてないかな?」
パラパラ……。
「あれ? 技についての本のはずなのに、ここには、技名が書かれているだけで、技の詳細や説明が書かれてない……。 何故? どうして……?」
見付けた本の内容には、幾つかの技名が記されて居た……。しかし、肝心の技に関する詳細や説明が一切、書かれては居なかったのだった……。
此の不可思議な本を、父と母に見せるべきか否か……輝利哉は、四半刻程……悩みに悩んだ。
悩んだ末、出した答えは……「一先ず、父と母に本を見せてみる」だった。
そんな訳で……本を持ち、父と母がいつも居る部屋…所謂、母屋まで走った。
ー産屋敷邸内・母屋ー
タタッ……!
「父上、母上っ! 書庫の本を整理中、この様な本が見付かったので、持参したのですが……。」
「輝利哉、其の本の内容はお前が読んで見て、どんな感じだったかい?」
「えっ……と、本の内容的には幾つかの技名が記されていました…。
ですが……技名だけで、肝心の技に関する詳細や説明が一切書かれていないんです。」
「ふむ……。 あまね、君にも輝利哉の持つ本の内容を確認して欲しいんだが……良いかな?」
「承りました。 輝利哉、其の本を此方に……。」
「どうぞ…。」
スッ……。
「有り難う。……見た所、古めの和綴じの本ですね?」
「はい。 ………ですが、本の内容が少々不可思議の様な気も致しますし、本自体の年代が少し古い……と、私は感じました。」
「(コクリ)そうですか……。 御館様、出来る事ならば……今日の柱合会議の際に、此の本について…柱の方々に御尋ねする事は、可能でしょうか?」
「うん。 私も、輝利哉が持って来た本については…気になって居たから、柱合会議の時に子供達に聞いて見ようか。
輝利哉、其の本は呼ばれるまで、大切に持って置いて欲しい。 柱の皆に見せるのなら、尚更……ね。 良いね?」
「判りました。」
「じゃあ、そろそろ柱合会議の時間だから、行こうか。」
耀以外「はい。」
* * * *
ー緊急柱合会議にてー
岩「……──と云う事で、以上が報告に成ります。 御館様、何か他に有りますでしょうか?」
「行冥、報告を有り難う。
引き続き、各担当地域の夜間巡回の強化及び任務にあたって欲しい。 頼んだよ、私の子供達。」
全『「御意!」』
「此れで、緊急柱合会議は終了で良いのだけど、少し聞きたい事が有るから、もう少しだけ…良いかな?」
無事に緊急柱合会議が終了して間も無く、御館様である産屋敷にそう云われ、各々立ち上がろうとして居たが……其の場に再度、腰を下ろした。
岩「……? 我々は、構いませんが……聞きたい事とは?」
自分達……柱に御館様足る産屋敷が「聞きたい事」とは何か……?と、其々近くの者と顔を見合せる柱達。
「うん。 君達に聞きたい事については、此処に輝利哉を呼んでからに、させて貰うね? 入っておいで、輝利哉。」
スッ……。
そう産屋敷が声を掛けたと同時に、柱合会議で使用して居た部屋の襖が開かれ、産屋敷家の五つ子の中で唯一の男子である産屋敷 輝利哉が姿を見せたのだった──。
部屋へ入って来た輝利哉は、産屋敷の右隣へと歩を進め、柱達と対面する形で座り、手には古そうな和綴じの本を一冊持って居るのだった。
蟲「あの……御館様? 何故、此処に輝利哉様が居られるのかを……御聞きしても宜しいでしょうか?」
「しのぶ、此処に輝利哉が居るのは、輝利哉自身に説明して貰った方が早いかと思うよ。 さ、輝利哉。 今朝の事を皆に、話してくれないかい?」
「はい、父上。」
蟲柱の胡蝶 しのぶからの疑問に輝利哉自身が、説明する方が早いと……輝利哉からの説明を促した。
そして、説明された内容は──。
「今朝、私は父と母から書庫にある本の整理を頼まれ、その作業を行って居りました。
ある程度、本の整理が一段落した所で、ある棚の整理中に古そうな和綴じの本を一冊見付けたのですが……本の内容を確認した所、書かれている内容が、呼吸の技名を記した物だと云う事が判明したんです。
ですが……。」
蟲「ですが……? 何でしょうか?」
「……はい。 ですが、本には技名以外の技についての詳しい詳細や説明が、一切書かれていなかったんです……。」
炎「何と! 技の説明自体が無い本……と云う事ですか?!」
「はい、炎柱様の仰る通りです。」
炎「うーむ……。」
蟲「話の中に出た本とは……今、輝利哉様が持って居る本に、間違い有りませんか?」
「はい、そうです。 父に「柱に見せるのなら、持って居なさい」と云われましたので。」
蟲「そうですか……。」
輝利哉からの説明で、手に持って居た本についてや其の本自体の奇妙さが、柱達に伝わったのだが……。
其の場に居る柱達の中で唯一、沈黙を続けて居る者が一人だけ居たのだった。
『……………。』
音「水蓮姐さん? 黙ったままだが、輝利哉様の持つ本について、何か知って居る事が有るのか?」
雪菜の近くに座って居た音柱の宇髄 天元に、そう声を掛けられた水蓮こと雪菜は……。
『はぁ~……。』
耀哉や輝利哉、他の柱達に注目されて居る中で、一つ大きな溜め息を吐いたのだった。
雪菜・耀以外「(た、溜め息……?!)」
『まぁ……輝利哉君が持つ本の内容自体は、私には良く判らないけど……技名と聞いて、少々心当たりが有ったんでね……。 だからこそ、黙ってたんだよ。』
音「で? 其の……心当たりってーのは? 何なんだ?」
『本の内容自体を確認する必要が有るけど……恐らくは、私に関係する事だと思う。』
炎「ふむ……。 本を確認する必要が有るが、水蓮姉上に関係有り……と云う事だろうか!」
『まぁ……要約するなら、其の通りだね。 煉獄君。』
霞「え、じゃあ……手っ取り早く本を確認した方が早いんじゃないの……?」
宇髄と雪菜、そして…煉獄の遣り取りを聞いて居た、霞柱の時透 無一郎からも声が上がったのだった。
『ふぅ……、そう…だね……。 早く本の内容を確認するに超した事は、無いだろうしね……。
輝利哉君、其のままの姿勢で良いから、本を膝の上に置いてくれる?』
「えっ? 本を膝の上に……ですか?」
『えぇ、膝の上で良いよ。 但し、其処から一歩も動かない様にね?』
「え? 其れは、どう…云う……?」
輝利哉へとそう忠告した雪菜は徐に、片手で刀印と呼ばれる印を結び、口元の下唇へと刀印の形を形作る立てた指を当てるのだった。そして、もう片方の手は…と云うと、袖の中に入れたまま、指を「パチンッ」と鳴らしたのだった。
すると──?
フワッ、スゥ――……。
雪菜・耀以外「?!?!」
輝利哉の膝の上に置かれて居た本が突然、雪菜が指を鳴らすと同時に浮き上がり、雪菜の元へ飛んで行き、本を読む際の高さで留まったのだった。
他の柱達が驚く中……目の前に浮いた本を前にしても、雪菜は驚いた様子も無く、本自体には一切触れずに居り、ページが勝手に捲れる上、雪菜自身も平然として本に目を通すのだった。
其の様子を見た他の柱達は……。
雪菜・耀以外「?!!」
再度、驚くのだった。
* * * *
ー雪菜が本に目を通し始めて、四半刻程過ぎた頃……。ー
雪菜・耀以外「(ゴクリ……)」
輝利哉や他の柱達は皆、固唾を飲んで雪菜が、本を読み終わるのを静かに様子を見て居たのだった……。
そして──。
『ふむ……。 やはり、此の本に書かれて居る内容は、私に関係する物の様ですね。』
雪菜が、そう口にするや否や……輝利哉や他の柱達は、次々に口を開いて行くのだった。
「じゃっ、じゃあ……其の本については、水蓮様がこの中で誰よりも一番、より詳しく知って居られる……と云う事で良いんですか?」
『えぇ。 そう捉えて貰って良いと思うよ、輝利哉君。』
音「へぇ! なら、本に書かれて居た技ってーのも水蓮姐さんが、熟知してるって事か?!」
『まぁ……技については、そうだね。
其れに、本自体の年代もどうやら、戦国時代に書かれた物の様だし……。其れにしても、誰が此の本を記したのかって事が気に掛かるけど。』
蟲「え? 何故、戦国時代だと…判るんですか? 本の内容を読んでいただけなのに……。」
『ん? あぁ……其れなら、簡単な理由だよ。輝利哉君や他の皆も、本位は読むでしょ?』
全「(コクリ)」
『本の保存状態にもよるけど……理由は、二つ。
まず一つ目に、書物に書かれて居る字体表記。
そして…二つ目が、 書物に使用されて居る紙。』
音「其の二つの理由から、書物の年代を予測出来るって訳か……。」
『そう云う事。』(ニコッ)
音「成る程な!」
『其れに、戦国時代と云えば……“鬼狩り”と呼ばれて居た、鬼殺隊に「始まりの呼吸の剣士」と呼ばれる者が現れ、当時の柱達に呼吸を教えた時代だからね……。
当時、実践されて居た鬼の討伐方法は「鬼を日光に当てる」か、判明したばかりだった「藤の花による足止め」、「日輪刀による討伐」の三つだけで、闘って居たのだから……彼等にして見れば、呼吸を学ぶ事で鬼の討伐手段が増える一方、苦悩も有った様だしね……。』
音「苦悩……?」
『其の苦悩が……有り有りと書かれて居る書物が、煉獄君の家に伝わる歴代の”炎柱の書“だから尚更……ね。』
炎「よもや?! “炎柱の書”が……ですか?!」
『えぇ。 今度、槇寿郎に頼んで、読ませて貰うと良いよ。』
炎「父上に頼んで見ます!」
『フフッ、他に質問は?』
全「有りません/無いです!」
『其れなら、耀哉殿。 此の本に書かれて居る技については、後日で良いでしょうか?』
「うん、水蓮様に頼む事になるけど……御願い出来るかな?」
『はい。しかと、受け承ります。』
ペコッ。
雪菜が本を読んだ後、他の柱達から多くの質問が出され、戦国時代についての出来事も説明をした雪菜だった。
また、本に書かれた技については……後日、鬼殺隊の本部で行なう事と成ったのだった……。
ー講して、柱合会議の場にて起こった出来事は、後日に持ち越しと成った。ー
* * * *
再度、柱合会議が緊急で開かれる事と成ったのだった……。
ー産屋敷邸内・書庫ー
「えーっと……、この本はここに置いて……。後、この本はここの書棚に……。 他の本は……っと。」
ガサゴソ、ガサゴソ……。
産屋敷家の五つ子の一人で且つ、唯一の男子である産屋敷 輝利哉は、鬼殺隊の御館様を務める父・耀哉と父をサポートする母・あまねから、邸内の書庫にある本の整理を頼まれ、朝から(朝食後な!)本の整理をして居るのだった。
本の整理を始めてから、時間が数刻程過ぎた頃──、粗方の整理が終わり……ある書棚を整理中、古そうな和綴じのとある本に目が止まり、手に取って本の内容を少し読んで見たのだった。
「ん? 何だろう、この本……。」
パラパラ……。
「んーっと……本の内容は、呼吸の技について書かれた物……かな?
えっと、これは“すいえんのりゅう”……?に、こっちは“ふうらいのりゅう”……?って、書かれてる。 何の名だろう……?
技についてなら、今現在の柱様でも扱える技なのだろうか……? 他に何か書かれてないかな?」
パラパラ……。
「あれ? 技についての本のはずなのに、ここには、技名が書かれているだけで、技の詳細や説明が書かれてない……。 何故? どうして……?」
見付けた本の内容には、幾つかの技名が記されて居た……。しかし、肝心の技に関する詳細や説明が一切、書かれては居なかったのだった……。
此の不可思議な本を、父と母に見せるべきか否か……輝利哉は、四半刻程……悩みに悩んだ。
悩んだ末、出した答えは……「一先ず、父と母に本を見せてみる」だった。
そんな訳で……本を持ち、父と母がいつも居る部屋…所謂、母屋まで走った。
ー産屋敷邸内・母屋ー
タタッ……!
「父上、母上っ! 書庫の本を整理中、この様な本が見付かったので、持参したのですが……。」
「輝利哉、其の本の内容はお前が読んで見て、どんな感じだったかい?」
「えっ……と、本の内容的には幾つかの技名が記されていました…。
ですが……技名だけで、肝心の技に関する詳細や説明が一切書かれていないんです。」
「ふむ……。 あまね、君にも輝利哉の持つ本の内容を確認して欲しいんだが……良いかな?」
「承りました。 輝利哉、其の本を此方に……。」
「どうぞ…。」
スッ……。
「有り難う。……見た所、古めの和綴じの本ですね?」
「はい。 ………ですが、本の内容が少々不可思議の様な気も致しますし、本自体の年代が少し古い……と、私は感じました。」
「(コクリ)そうですか……。 御館様、出来る事ならば……今日の柱合会議の際に、此の本について…柱の方々に御尋ねする事は、可能でしょうか?」
「うん。 私も、輝利哉が持って来た本については…気になって居たから、柱合会議の時に子供達に聞いて見ようか。
輝利哉、其の本は呼ばれるまで、大切に持って置いて欲しい。 柱の皆に見せるのなら、尚更……ね。 良いね?」
「判りました。」
「じゃあ、そろそろ柱合会議の時間だから、行こうか。」
耀以外「はい。」
* * * *
ー緊急柱合会議にてー
岩「……──と云う事で、以上が報告に成ります。 御館様、何か他に有りますでしょうか?」
「行冥、報告を有り難う。
引き続き、各担当地域の夜間巡回の強化及び任務にあたって欲しい。 頼んだよ、私の子供達。」
全『「御意!」』
「此れで、緊急柱合会議は終了で良いのだけど、少し聞きたい事が有るから、もう少しだけ…良いかな?」
無事に緊急柱合会議が終了して間も無く、御館様である産屋敷にそう云われ、各々立ち上がろうとして居たが……其の場に再度、腰を下ろした。
岩「……? 我々は、構いませんが……聞きたい事とは?」
自分達……柱に御館様足る産屋敷が「聞きたい事」とは何か……?と、其々近くの者と顔を見合せる柱達。
「うん。 君達に聞きたい事については、此処に輝利哉を呼んでからに、させて貰うね? 入っておいで、輝利哉。」
スッ……。
そう産屋敷が声を掛けたと同時に、柱合会議で使用して居た部屋の襖が開かれ、産屋敷家の五つ子の中で唯一の男子である産屋敷 輝利哉が姿を見せたのだった──。
部屋へ入って来た輝利哉は、産屋敷の右隣へと歩を進め、柱達と対面する形で座り、手には古そうな和綴じの本を一冊持って居るのだった。
蟲「あの……御館様? 何故、此処に輝利哉様が居られるのかを……御聞きしても宜しいでしょうか?」
「しのぶ、此処に輝利哉が居るのは、輝利哉自身に説明して貰った方が早いかと思うよ。 さ、輝利哉。 今朝の事を皆に、話してくれないかい?」
「はい、父上。」
蟲柱の胡蝶 しのぶからの疑問に輝利哉自身が、説明する方が早いと……輝利哉からの説明を促した。
そして、説明された内容は──。
「今朝、私は父と母から書庫にある本の整理を頼まれ、その作業を行って居りました。
ある程度、本の整理が一段落した所で、ある棚の整理中に古そうな和綴じの本を一冊見付けたのですが……本の内容を確認した所、書かれている内容が、呼吸の技名を記した物だと云う事が判明したんです。
ですが……。」
蟲「ですが……? 何でしょうか?」
「……はい。 ですが、本には技名以外の技についての詳しい詳細や説明が、一切書かれていなかったんです……。」
炎「何と! 技の説明自体が無い本……と云う事ですか?!」
「はい、炎柱様の仰る通りです。」
炎「うーむ……。」
蟲「話の中に出た本とは……今、輝利哉様が持って居る本に、間違い有りませんか?」
「はい、そうです。 父に「柱に見せるのなら、持って居なさい」と云われましたので。」
蟲「そうですか……。」
輝利哉からの説明で、手に持って居た本についてや其の本自体の奇妙さが、柱達に伝わったのだが……。
其の場に居る柱達の中で唯一、沈黙を続けて居る者が一人だけ居たのだった。
『……………。』
音「水蓮姐さん? 黙ったままだが、輝利哉様の持つ本について、何か知って居る事が有るのか?」
雪菜の近くに座って居た音柱の宇髄 天元に、そう声を掛けられた水蓮こと雪菜は……。
『はぁ~……。』
耀哉や輝利哉、他の柱達に注目されて居る中で、一つ大きな溜め息を吐いたのだった。
雪菜・耀以外「(た、溜め息……?!)」
『まぁ……輝利哉君が持つ本の内容自体は、私には良く判らないけど……技名と聞いて、少々心当たりが有ったんでね……。 だからこそ、黙ってたんだよ。』
音「で? 其の……心当たりってーのは? 何なんだ?」
『本の内容自体を確認する必要が有るけど……恐らくは、私に関係する事だと思う。』
炎「ふむ……。 本を確認する必要が有るが、水蓮姉上に関係有り……と云う事だろうか!」
『まぁ……要約するなら、其の通りだね。 煉獄君。』
霞「え、じゃあ……手っ取り早く本を確認した方が早いんじゃないの……?」
宇髄と雪菜、そして…煉獄の遣り取りを聞いて居た、霞柱の時透 無一郎からも声が上がったのだった。
『ふぅ……、そう…だね……。 早く本の内容を確認するに超した事は、無いだろうしね……。
輝利哉君、其のままの姿勢で良いから、本を膝の上に置いてくれる?』
「えっ? 本を膝の上に……ですか?」
『えぇ、膝の上で良いよ。 但し、其処から一歩も動かない様にね?』
「え? 其れは、どう…云う……?」
輝利哉へとそう忠告した雪菜は徐に、片手で刀印と呼ばれる印を結び、口元の下唇へと刀印の形を形作る立てた指を当てるのだった。そして、もう片方の手は…と云うと、袖の中に入れたまま、指を「パチンッ」と鳴らしたのだった。
すると──?
フワッ、スゥ――……。
雪菜・耀以外「?!?!」
輝利哉の膝の上に置かれて居た本が突然、雪菜が指を鳴らすと同時に浮き上がり、雪菜の元へ飛んで行き、本を読む際の高さで留まったのだった。
他の柱達が驚く中……目の前に浮いた本を前にしても、雪菜は驚いた様子も無く、本自体には一切触れずに居り、ページが勝手に捲れる上、雪菜自身も平然として本に目を通すのだった。
其の様子を見た他の柱達は……。
雪菜・耀以外「?!!」
再度、驚くのだった。
* * * *
ー雪菜が本に目を通し始めて、四半刻程過ぎた頃……。ー
雪菜・耀以外「(ゴクリ……)」
輝利哉や他の柱達は皆、固唾を飲んで雪菜が、本を読み終わるのを静かに様子を見て居たのだった……。
そして──。
『ふむ……。 やはり、此の本に書かれて居る内容は、私に関係する物の様ですね。』
雪菜が、そう口にするや否や……輝利哉や他の柱達は、次々に口を開いて行くのだった。
「じゃっ、じゃあ……其の本については、水蓮様がこの中で誰よりも一番、より詳しく知って居られる……と云う事で良いんですか?」
『えぇ。 そう捉えて貰って良いと思うよ、輝利哉君。』
音「へぇ! なら、本に書かれて居た技ってーのも水蓮姐さんが、熟知してるって事か?!」
『まぁ……技については、そうだね。
其れに、本自体の年代もどうやら、戦国時代に書かれた物の様だし……。其れにしても、誰が此の本を記したのかって事が気に掛かるけど。』
蟲「え? 何故、戦国時代だと…判るんですか? 本の内容を読んでいただけなのに……。」
『ん? あぁ……其れなら、簡単な理由だよ。輝利哉君や他の皆も、本位は読むでしょ?』
全「(コクリ)」
『本の保存状態にもよるけど……理由は、二つ。
まず一つ目に、書物に書かれて居る字体表記。
そして…二つ目が、 書物に使用されて居る紙。』
音「其の二つの理由から、書物の年代を予測出来るって訳か……。」
『そう云う事。』(ニコッ)
音「成る程な!」
『其れに、戦国時代と云えば……“鬼狩り”と呼ばれて居た、鬼殺隊に「始まりの呼吸の剣士」と呼ばれる者が現れ、当時の柱達に呼吸を教えた時代だからね……。
当時、実践されて居た鬼の討伐方法は「鬼を日光に当てる」か、判明したばかりだった「藤の花による足止め」、「日輪刀による討伐」の三つだけで、闘って居たのだから……彼等にして見れば、呼吸を学ぶ事で鬼の討伐手段が増える一方、苦悩も有った様だしね……。』
音「苦悩……?」
『其の苦悩が……有り有りと書かれて居る書物が、煉獄君の家に伝わる歴代の”炎柱の書“だから尚更……ね。』
炎「よもや?! “炎柱の書”が……ですか?!」
『えぇ。 今度、槇寿郎に頼んで、読ませて貰うと良いよ。』
炎「父上に頼んで見ます!」
『フフッ、他に質問は?』
全「有りません/無いです!」
『其れなら、耀哉殿。 此の本に書かれて居る技については、後日で良いでしょうか?』
「うん、水蓮様に頼む事になるけど……御願い出来るかな?」
『はい。しかと、受け承ります。』
ペコッ。
雪菜が本を読んだ後、他の柱達から多くの質問が出され、戦国時代についての出来事も説明をした雪菜だった。
また、本に書かれた技については……後日、鬼殺隊の本部で行なう事と成ったのだった……。
ー講して、柱合会議の場にて起こった出来事は、後日に持ち越しと成った。ー
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