〈序章 壱〉プロローグ~平安~
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ー時は、平安ー
ーとある邸内・とある部屋にてー
カラカラ………カラカラ………。
『········ふむ。六壬占盤 によれば、“この先の〝未来〟が、何れ現れるであろう……人為らざる者─其れも〝異形の者〟に脅かされる”と、結果に出た……。
だが……この〝異形の者〟は、この国に本来居る〝鬼〟とは違い、人で在った者が〝鬼〟へと変貌した姿で有り、人を喰らう事で強さを増す。
何時、何が起きるか分からない今……警戒と用心をするに超した事は無い。
弱点が不明なのは、少々痛手では有るが……弱点と言うものは誰しも必ず持ち、有るべき物……。 今の所では至急、対策が必須事項になるわね。
早く晴明殿と情報共有し、その上で原因を探りつつ、動か無ければ被害が都中……いえ、この国全体に被害が出兼ねない事態になる! 急が無ければ、手遅れとなってしまうっ!!』
タッ……! ギィ-、バタンッ。
ー所替わって、安倍晴明の部屋ー
コンコン。
「はい。」
『晴明殿、私です。』
「雪菜様? どうぞ。」
『失礼します……。』
ギィ-、バタンッ。
「如何したのですか?」
『晴明殿。』
「はい。」
『先程、自室で六壬占盤にて、式占を行なって居たのですが……。』
「! 何か……占盤に出ましたか?」
『はい。 ですが……少々、厄介な結果が出まして。』
「……? 何でしょう?」
『占盤による結果は、この国の行く末について……余り、思わしく無い結果でした。』
「この国の行く末……ですかな?」
『はい、“何れこの国に〝鬼〟が現れ、人々の営みが破壊され、失われる”との結果が。』
「〝鬼〟……ですか。 その〝鬼〟については、何と?」
『彼ら〝鬼〟は、元々は私達同様の人間だと……。 更に、その〝鬼〟は人を喰らうとも……。』
「では、帝への奏上は如何しますか? 雪菜様。」
『えぇ……。 帝へ正直に伝えるべきか、そうでないか……非常に悩む所ですが。』(苦笑)
「儂としては、伝えるべきかと存じます。」
『? 何故か、聞いても……?』
「この国の行く末と為れば、帝も関係無いとは……言い切れますまい。
その上で、帝を含めたこの国を案じるのは儂も分かります。 ですから、案じるよりも伝える事で対策を練り、少しでも安心出来る様……計らうべきでは無いですかな?」
『! そう…ですね、この国の行く末の為に、私達が出来る事をしなくては為りませんね?』
「えぇ。」
『では……近日中に私と共に参内の上、奏上を。
宜しいでしょうか?』
「受け賜わりました。」
コクッ。 ペコッ。
雪菜は、晴明に対し頷き……頭を下げたのだった。
『お願い申します。』
「承知致しました。」
ー数日後、清涼殿ー
「晴明、雪菜よ。 近こう寄れ。」
『「ハッ、失礼致します。」』
ススッ……。
「して、我に伝えるべき事とは、何だ?」
『はい。 先日、六壬占盤にて式占を行なった所……“何れこの国に本来居る〝鬼〟とは異なる〝鬼〟が現れ、この国の行く末が危ぶまれる”との結果が出まして、晴明殿と相談した上で、奏上した次第です。』
「何と……!? 晴明、雪菜が申す事は事実に相違無いな?」
「はい、真実 の事に御座います。」
「では、晴明に雪菜。 お前達にこの一件を預ける事とする。 また、信用の置ける一族共……繋ぎを持たせる。 故に、後々両者で話し合うと良いだろう。」
「有り難う御座います。 早速、繋ぎを付けて見ます。」
「うむ、その方が対策も立て易いだろうて。」
『はい。 では、その様に取り計る様……手配致します。
そして、私達の言を聞き入れて頂き、勿体無い程の御配慮……恐れ入ります。』
「何、そち達のお陰で我等は、安心して暮らせるのだ。 日々の安寧の為、より一層の働きを願って居る。」
『「ハッ! 努力を惜しまず、誠意勤めさせて頂きます故……我等、安倍一族と陰陽寮を良しなにお願い申し上げます。」』
「うむ、承知した。」
『「では、失礼致しました。」』
ー後日ー
帝との話し合いで出た、信用の置ける一族……其れは、何と!
安倍一族共、交流の有る藤原一族同様に上流階級の貴族である……産屋敷一族だった。
そんな貴族の一族である産屋敷家に……〝ソレ〟は闇に紛れ密かに、且つ着実に忍び寄って来て居るのだった──。
ーとある邸内・とある部屋にてー
カラカラ………カラカラ………。
『········ふむ。
だが……この〝異形の者〟は、この国に本来居る〝鬼〟とは違い、人で在った者が〝鬼〟へと変貌した姿で有り、人を喰らう事で強さを増す。
何時、何が起きるか分からない今……警戒と用心をするに超した事は無い。
弱点が不明なのは、少々痛手では有るが……弱点と言うものは誰しも必ず持ち、有るべき物……。 今の所では至急、対策が必須事項になるわね。
早く晴明殿と情報共有し、その上で原因を探りつつ、動か無ければ被害が都中……いえ、この国全体に被害が出兼ねない事態になる! 急が無ければ、手遅れとなってしまうっ!!』
タッ……! ギィ-、バタンッ。
ー所替わって、安倍晴明の部屋ー
コンコン。
「はい。」
『晴明殿、私です。』
「雪菜様? どうぞ。」
『失礼します……。』
ギィ-、バタンッ。
「如何したのですか?」
『晴明殿。』
「はい。」
『先程、自室で六壬占盤にて、式占を行なって居たのですが……。』
「! 何か……占盤に出ましたか?」
『はい。 ですが……少々、厄介な結果が出まして。』
「……? 何でしょう?」
『占盤による結果は、この国の行く末について……余り、思わしく無い結果でした。』
「この国の行く末……ですかな?」
『はい、“何れこの国に〝鬼〟が現れ、人々の営みが破壊され、失われる”との結果が。』
「〝鬼〟……ですか。 その〝鬼〟については、何と?」
『彼ら〝鬼〟は、元々は私達同様の人間だと……。 更に、その〝鬼〟は人を喰らうとも……。』
「では、帝への奏上は如何しますか? 雪菜様。」
『えぇ……。 帝へ正直に伝えるべきか、そうでないか……非常に悩む所ですが。』(苦笑)
「儂としては、伝えるべきかと存じます。」
『? 何故か、聞いても……?』
「この国の行く末と為れば、帝も関係無いとは……言い切れますまい。
その上で、帝を含めたこの国を案じるのは儂も分かります。 ですから、案じるよりも伝える事で対策を練り、少しでも安心出来る様……計らうべきでは無いですかな?」
『! そう…ですね、この国の行く末の為に、私達が出来る事をしなくては為りませんね?』
「えぇ。」
『では……近日中に私と共に参内の上、奏上を。
宜しいでしょうか?』
「受け賜わりました。」
コクッ。 ペコッ。
雪菜は、晴明に対し頷き……頭を下げたのだった。
『お願い申します。』
「承知致しました。」
ー数日後、清涼殿ー
「晴明、雪菜よ。 近こう寄れ。」
『「ハッ、失礼致します。」』
ススッ……。
「して、我に伝えるべき事とは、何だ?」
『はい。 先日、六壬占盤にて式占を行なった所……“何れこの国に本来居る〝鬼〟とは異なる〝鬼〟が現れ、この国の行く末が危ぶまれる”との結果が出まして、晴明殿と相談した上で、奏上した次第です。』
「何と……!? 晴明、雪菜が申す事は事実に相違無いな?」
「はい、
「では、晴明に雪菜。 お前達にこの一件を預ける事とする。 また、信用の置ける一族共……繋ぎを持たせる。 故に、後々両者で話し合うと良いだろう。」
「有り難う御座います。 早速、繋ぎを付けて見ます。」
「うむ、その方が対策も立て易いだろうて。」
『はい。 では、その様に取り計る様……手配致します。
そして、私達の言を聞き入れて頂き、勿体無い程の御配慮……恐れ入ります。』
「何、そち達のお陰で我等は、安心して暮らせるのだ。 日々の安寧の為、より一層の働きを願って居る。」
『「ハッ! 努力を惜しまず、誠意勤めさせて頂きます故……我等、安倍一族と陰陽寮を良しなにお願い申し上げます。」』
「うむ、承知した。」
『「では、失礼致しました。」』
ー後日ー
帝との話し合いで出た、信用の置ける一族……其れは、何と!
安倍一族共、交流の有る藤原一族同様に上流階級の貴族である……産屋敷一族だった。
そんな貴族の一族である産屋敷家に……〝ソレ〟は闇に紛れ密かに、且つ着実に忍び寄って来て居るのだった──。